この記事の監修者
オウンドメディアは、自社が情報を自由に発信できるマーケティング手法のひとつです。しかし、「オウンドメディアを作りたいけれど、費用や準備がわからない」という方は少なくありません。
この記事では、オウンドメディアの運用を検討している方向けに費用相場や作り方をプロが解説します。これからオウンドメディアを運用しようと検討している方は、ぜひ参考にしてください。
オウンドメディアを作る3つの方法
オウンドメディアを作る方法は、以下の3つが挙げられます。それぞれアプローチが異なるため、どの方法が自社に合っているか確認してみてください。
- エンジニアを採用する
- 外注する
- 現在のリソースで制作する
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.エンジニアを採用する
自社内に適切な知識とノウハウが存在し、ウェブサイトの設計能力がある場合、開発に必要なエンジニアやデザイナーだけを採用雇用する方法も考えられます。この方法アプローチは、予算が確保されている中堅以上の企業に特に適していますが、開発スタッフの採用には相応のコストがかかります。
社内で開発チームを編成する自社で開発チームを持つ利点としては、ウェブサイトの細かな調整や迅速な改善が可能な点です。適切な人材を選ぶためには、予算とプロジェクトの要件を慎重に考慮する必要があります。
2.外注する
オウンドメディアの構築を外注する場合、内部管理とするか外部の専門業者に委託するかの決定が先決です。サイト設計がうまくいくかどうかは、初期段階での正確な計画に依存するためです。
サイト設計に自信がない場合は、専門業者への外注が推奨されます。適切な業者の選定にあたっては、以下の点を考慮するとよいでしょう。
- 実績の有無
- 特定の業界に対する理解度
- 各分野の専門家の存在
- 提案される料金設定
これらを基準に業者を選定すれば、目指すオウンドメディアの目的に合った質の高いサイト構築への期待を高められます。
3.現在のリソースで制作する
WordPressを使った利用したブログ運営は、コストパフォーマンスに優れた方法として広く知られています。このプラットフォームは、無料で多彩なザインテンプレートを提供し、運営コストをドメインとサーバー代のみに限定できます。
よって、限られた予算内でオンラインでの立ち位置を確立したい小規模な小売店や学生サークルなどに最適です。コスト費用を最小限に抑えたブログ運営を目指す場合、WordPressの使用を検討しましょう。
オウンドメディアを作るまでの事前準備は3つ
以下3つの事前準備ができれば、スムーズなオウンドメディア構築が可能です。深掘りしてお伝えするため、ぜひ目を通してみてください。
- 目的を明確化する
- 集客チャネルを決める
- 運用主体を検討する
1.目的を明確化する
オウンドメディアの運営開始にあたり、目的の明確な設定が重要です。明確な目的がなければ運営の途中で方向性を見失い、期待する結果が得られなくなってしまいます。
オウンドメディアの目的は一般的に以下の4つに大別されます。
- 企業のブランド価値の向上
- 新規顧客のリード獲得
- 商品やサービスの販売促進
- 採用活動や人材獲得
運営目的を4つの中から1つまたは2つに絞り込むとオウンドメディアの方向性が定まり、運営における具体的な戦略が立てやすくなります。
2.集客チャネルを決める
オウンドメディアの目的設定の次に重要なのは、どの集客チャネルを利用するかの選択です。基本的には、検索エンジンまたはSNSのいずれかを主要なチャネルとして設定しアクセスを引き寄せます。
SEOとは、Googleなどの検索エンジンで上位にランクされることを目指す施策です。検索経由で訪問者を多く獲得することがオウンドメディアの目標に直接貢献します。さらに、記事が検索上位に定着できれば、古い記事でも定期的にアクセスを獲得でき、記事の蓄積で総アクセス数も増加する「ストック型」の特性を活かせます。
一方、SNSからのアクセス獲得は「フロー型」と呼ばれ、短期的に結果がわかる特性があります。つまり、SEOのような長期間にわたるアクセスではなく、投稿直後にアクセスを集中させることが可能です。
SNS最大のメリットは、ファンを獲得し、定期的にコンテンツをシェアしてくれることで、直接検索しないユーザー層にもリーチが可能な点です。たとえば、FacebookやTwitterは、過去の投稿が目につきにくいため、トレンドや季節に合わせた投稿で施策を打ちましょう。
3.運用主体を検討する
オウンドメディアの立ち上げが決定したら、内部で管理するか、外部に委託するかの選択が必要です。部分的または完全に外部委託する方法も考慮に入れましょう。
なお、運用コストを抑えつつ、必要なスキルを社内で有している場合は、内部運営がおすすめです。しかし、高品質なコンテンツを提供して訪問者数を増やしたい企業は、外部委託のほうが合っているかもしれません。
オウンドメディアの制作に必要な費用の相場
オウンドメディアの制作に必要な費用の相場には、以下の3つが挙げられます。それぞれの相場について詳しくみていきましょう。
- サーバー・ドメイン代
- 外注費
- 運用費
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.サーバー・ドメイン代
オウンドメディアの立ち上げにあたっては、レンタルサーバーへの契約とドメインの取得が最初のステップとなります。これらは月額または年額での支払いが伴い、サーバーの年間費用は約1万円、ドメインの年間費用は1,000円から1,500円が相場です。
しかし、オウンドメディアを企業のコーポレートサイトのサブドメインとして設置すると、サーバー費用を追加負担することなく運用開始できるケースもあります。
注意点として、このアプローチが適しているかは、プロのアドバイスを受けたうえでの判断が必要です。
2.外注費
オウンドメディアの制作における費用は、CMSの使用有無によって大きく異なります。運用のしやすさとコストパフォーマンスを考慮した場合、CMSの利用が推奨されます。
オウンドメディア制作に関する費用相場は、以下のとおりです。
- 低コストでのオウンドメディア制作：外注費用は20万円から30万円、運用費は無料から月額1万円
- オリジナルデザインやコンテンツ制作：外注費用は20万円から100万円、運用費は月額1万円から5万円
- 集客や企業ブランディングを目的とした本格的なオウンドメディア制作：外注費用は100万円から300万円、運用費は月額5万円から20万円
これらの相場は、オウンドメディアの目的や求める品質、コンテンツ量によって変動する可能性があります。
3.運用費
オウンドメディアの成功は、環境構築の完了ではなく、継続的なコンテンツ更新と分析によって、集客効果を持続させることにあります。その運用過程では、以下のようなコストが発生する可能性を予め考慮しなければなりません。
- 分析ツールの費用
- コンテンツ制作の外注費用
効率的なSEO対策には、分析ツールの利用が欠かせません。年間10万円から100万円程度の費用を見込む必要があります。SEOツールには無料と有料のものがあり、進捗状況に応じた適切なツールの選択が重要です。
たとえば、オウンドメディア立ち上げ期には、特にコンテンツ制作に多くの時間と労力が必要となります。社内で賄えない場合は、外部のライターに依頼するのも一つの選択です。外注費用は、ライターのスキルレベルやコンテンツの専門性に応じて変動し、通常は文字単価で算出されます。
オウンドメディアの記事を作る際の3つのポイント
オウンドメディアで記事を作る際、以下3つのポイントをおさえた制作が重要です。最短で結果を出すためにも、1つずつご確認ください。
- キーワード選定
- 記事構成を先に作成する
- 対策キーワードを自然に盛り込む
1.キーワード選定
オウンドメディアにおける効果的なSEO対策のためには、ユーザーが検索に使うキーワードの選定が不可欠です。
これには、潜在的なユーザーの問題やニーズを見極め、答えられるような内容の提供が目的です。選定時は、検索頻度が高く、コンバージョン率の高いキーワードの選定を推奨します。
このアプローチにより、検索者が求める真のニーズに対応でき、結果としてサイト訪問者の増加が期待できます。
2.記事構成を先に作成する
検索ユーザーに読まれる記事を制作するためには、記事の構成から作ることが重要です。なぜなら、本文の作成から始めてしまうと、記事全体の主張がぶれやすく、見出しと本文が一致しない事態が起こるためです。
選定したキーワードとユーザーの検索意図をもとに、記事の骨子となる見出しを作成すれば、一貫性が持てるようになります。
3.対策キーワードを自然に盛り込む
構成が固まったら、記事の執筆に着手します。その際に最も重要なのは、記事内に対策キーワードを自然に組み込むことです。
読者に記事を読んでもらうためには、まず、検索結果で見つけてもらう必要があります。そのため、検索エンジンでの上位表示を目指し、対策キーワードの効果的な使用が不可欠です。
加えて、読みやすく魅力的な記事にするためには、見出しを効果的に利用し、具体的なデータの提示も重要です。
オウンドメディアの作り方でよくある3つの質問
オウンドメディアの作り方でよくある質問は、以下3つです。
- オウンドメディアとは具体的にどんなものですか？
- オウンドメディアの制作にはどれくらいの費用がかかりますか？
- オウンドメディアとブログの違いはなんですか？
1.オウンドメディアとは具体的にどんなものですか？
オウンドメディアとは、企業が自ら管理し情報発信するメディアを指します。Webサイトやブログ、SNSアカウントなどが該当します。独自のコンテンツを定期的に公開し、フォロワーやファンの数を増やせれば、SEO強化にも効果的です。長期にわたる積極的な取り組みにより、競合と差別化された独自の強みや成果をアピールできます。
2.オウンドメディアの制作にはどれくらいの費用がかかりますか？
オウンドメディアの設立から運営までには、さまざまなコストがかかります。大まかな費用は以下のとおりです。
- 設計費用相場：15万円〜20万円
- 構築費用相場：55万円〜（デザインとコーディングを含める）
- 維持費用相場：数千円〜
オウンドメディアの成功はこれらへの投資と、価値あるコンテンツ戦略に依存します。
3.オウンドメディアとブログの違いはなんですか？
オウンドメディアとブログの主な違いは、目的とコンテンツの取り扱いです。ブログは、主に企業自身が直接情報を発信するプラットフォームとして機能し、自社の活動や製品に焦点を置きます。
一方のオウンドメディアは、自社の直接的な宣伝を控え、ユーザーに価値のある情報提供を目指します。これには他社のサービスや製品の紹介も含まれ、より広範囲なコンテンツを提供します。
まとめ
オウンドメディアの作り方について解説しました。WordPressなどのプラットフォームを活用すれば、自社だけでも手軽に情報発信の基盤を構築できます。ただし、より高機能でデザイン性の高いサイトを構築する場合は、経験豊富なプロへの依頼をおすすめします。
時間的・人的コストを削減しながら理想のサイトを制作したいと考えている方は、制作会社の実績などを比較し、最適な依頼先を探してみてください。
