マーケティングファネルとは?メリットからBtoBでの活用方法、効果的なトスアップ方法まで詳しく解説

マーケティングファネルとは?メリットからBtoBでの活用方法、効果的なトスアップ方法まで詳しく解説

この記事の監修者

粟飯原匠 |プロデューサー

マーケティングを得意とするホームページ制作会社PENGINの代表。教育系スタートアップで新規事業開発を経験し、独立後は上場企業やレガシー産業のホームページ制作・SEO対策・CVR改善の支援を行うPENGINを創業。「ワクワクする。ワクワクさせる。」を理念に掲げてコツコツと頑張っています。

「マーケティングファネルを活用して、自社のマーケティング活動を改善したい」「そもそもマーケティングファネルとは?」

上記のような悩みは、マーケティング担当者の方に起きがちです、

この記事では、マーケティングファネルの基礎知識から、メリットやBtoBでの活用方法などを詳しく解説しています。

ファネルを活用してマーケティング活動が改善できる内容のため、ぜひ最後までご覧ください。

BtoBにおけるマーケティングファネルとは?

BtoBマーケティングファネルは、製品やサービスの購入に至る見込み客のプロセスを段階別に表したモデルです。代表的なパーチェスファネルは「認知・関心・検討・購入」の4段階のプロセスに分かれています。

マーケティングファネルは、多くの場合漏斗の形をしており、見込み客が購買プロセスを進めるにつれて、より確度の高い有望見込み客に絞り込まれていきます。各段階で見込み客のニーズに合わせたアプローチを行うことで、効果的に見込み客を育成し、売上につなげることが可能です。

BtoBマーケティングファネルの活用により、見込み客の状況を可視化し、適切なタイミングで適切な施策を打つことが可能となります。結果として、マーケティング活動の効率化とROIの向上が期待できます。

バイヤージャーニーとの違い

マーケティングファネルとバイヤージャーニーは共に顧客の購買プロセスを可視化する点で共通している一方で、アプローチには違いがあります。

マーケティングファネルは、各段階での顧客数や成約率を把握するのに適しています。対してバイヤージャーニーは、顧客の情報収集方法や意思決定プロセスを詳細に分析し、分析内容をもとにマーケティング施策を立案する際に活用します。

そのため、購入プロセス全体を簡潔に把握したい場合はマーケティングファネル、顧客の心理や行動を深掘りして施策を検討する場合はバイヤージャーニーを使い分けるとよいでしょう。

カスタマージャーニーマップとの違い

カスタマージャーニーマップは、顧客の行動だけでなく、思考や感情も含めた全体的な顧客経験を表しますため、顧客の購入までの全体像をトレースできます。また、顧客との接点(タッチポイント)を明確にし、各フェーズでの適切な施策を考えるためのツールとして利用されます。

具体的には、カスタマージャーニーマップでは、顧客が商品やサービスを認知してから、興味を持ち、検討し、購入に至るまでの一連のプロセスを可視化します。各段階での顧客の行動や心理状態を詳細に分析することで、顧客のニーズや課題を深く理解することができます。

一方、マーケティングファネルはおもに見込み客の量的な進展を追跡し、マーケティング活動の成果を評価するのに最適です。マーケティングファネルでは、潜在顧客の獲得から、リードの育成、販売機会の創出、契約の締結までの各段階で、見込み客の数がどのように推移しているかを把握します。これにより、各フェーズでの施策の効果を測定し、改善点を洗い出すことが可能です。

BtoBマーケティングにおいては、これらのツールを組み合わせて使用することで、顧客の購買プロセスを多角的に分析し、より効果的なマーケティング戦略を展開できます。

以下の記事では、カスタマージャーニーマップについてさらに詳しく解説しています。マップのテンプレートも紹介しているため、作成を検討している方はぜひご覧ください。

参考記事:カスタマージャーニーマップ解説!テンプレートや作成ツールも紹介!

マーケティングファネルのメリット

マーケティングファネルを活用することで、マーケティング戦略の最適化とパフォーマンス向上が期待できます。

マーケティングファネルの活用には、以下のようなメリットがあります。

  • 顧客の購買プロセスを可視化し、各段階での行動を理解できる
  • 顧客の流出が多い段階を特定し、その原因を分析できる
  • 課題が明確になることで、効果的な施策立案が可能になる

マーケティングファネルを活用すると、顧客が購買に至るプロセスを明確に可視化できます。各段階での顧客の行動を理解し、具体的なデータに基づいた分析が可能になります。

また、ファネルを通じて、どの段階で顧客の流出が多いかを特定できます。たとえば、「認知」から「興味・関心」に移行する際のコンバージョンが低い場合、そのフェーズのマーケティング施策を強化することが考えられます。また、購買段階での離脱が多い場合は、競合他社との比較検討が原因になっている可能性もあるでしょう。

このように、各段階での課題が明確になることで、より戦略的なアプローチが可能になります。効果的な施策を計画し、実行することで、全体のマーケティングパフォーマンスの向上が期待できます。

すべてのプロセスを当てはめられないことがデメリット

マーケティングファネルは、顧客がステップバイステップで進む線形のプロセスを前提としています。しかし、実際のBtoB購買プロセスは非線形であることが多く、複数の決定者が関与したり、時間がかかったりすることもあるため、完璧なコントロールは難しいでしょう。

また、BtoBビジネスのタイプによって、ファネルの適用性が異なる可能性があります。たとえば、コンサルティングサービスやSaaSプロダクト、買い切り型の商品では、顧客の進行プロセスや決定要因が大きく異なります。

そして、コロナ禍のようなパンデミックが発生した場合、オフラインの販売やマーケティング活動が制限されることがあります。このような変化に迅速に対応するためには、ファネルモデルを柔軟に調整する必要があります。

このように、マーケティングファネルは構造的な特性と運用時の調整が必要なことから、自社の具体的な状況や市場環境に応じてカスタマイズが必要になります。適切に調整し活用することで、利点を最大限に引き出し、デメリットを軽減することが可能です。

マーケティングファネルの種類は3つ

マーケティングファネルの種類には、以下の3つが挙げられます。

  1. パーチェスファネル
  2. インフルエンスファネル
  3. ダブルファネル

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。

パーチェスファネル

パーチェスファネルは顧客の購買プロセスを「認知・関心・検討・購入」の4段階に分けて図で表したものです。

マーケティングファネルの一般的な形式であり、企業が顧客に対してどのようにアプローチし、最終的に商品やサービスを購入してもらうかのプロセスを示しています。

各段階で顧客がどのように進むかを理解し、マーケティング施策を効果的に展開するための基本的なフレームワークとして広く使用されています。

インフルエンスファネル

インフルエンスファネルは、顧客が製品やサービスを購入した後の行動を重視するファネルです。具体的には、「継続(利用)・紹介・発信」の3つの行動に焦点を当て、顧客が製品やサービスについてどのように積極的に関与し続けるかを図で示します。

このファネルを通じて、顧客がブランドのロイヤルカスタマーとなり、その経験を他者と共有することで新たな顧客を引きつける施策を検討する際に役立ちます。

ダブルファネル

ダブルファネルは、パーチェスファネルとインフルエンスファネルの両方を組み合わせたものです。このアプローチでは、顧客の購入前の行動から購入後のエンゲージメントまでを一貫して考慮します。

企業はこのファネルを使用して、初期の認知から顧客のロイヤリティ構築、さらにはブランドのファンとしての活動までを促す全体的なマーケティング戦略を策定することが可能です。

顧客が自らの経験をSNSなどで共有することで、間接的なマーケティング効果も期待でき、新規顧客の獲得につながります。

フェースごとの具体的施策

具体的施策には、以下の5フェーズが挙げられます。

  1. 認知
  2. 興味・関心
  3. 比較・検討
  4. 購買
  5. 継続・紹介・発信

各フェーズを詳しく解説します。

認知

「認知」フェーズは、見込み客が初めて商品やサービスを知る段階です。ここでのおもな目標は、ブランドや提供するソリューションの存在を市場に広く認識してもらうことになります。

見込み客の情報収集源として「検索エンジン」や「Webメディア」が頻繁に利用されるため、これらのチャネルを活用したマーケティング活動が効果的です。SEO対策を施し、検索エンジンでの可視性を高めることや、魅力的なコンテンツをWebサイトやブログで提供することが重要です。

また、SNSやデジタル広告を通じてターゲットオーディエンスの認知度をさらに拡大させることも有効です。

興味・関心

次に「興味・関心」フェーズでは、顧客が商品やサービスに具体的な関心を持つようになります。この段階では、顧客が製品についてさらに詳しく知りたいと思うため、「価格」「製品の特徴」「導入事例」などの情報が求められます。

企業はベンダーやメーカーのWebサイトを通じて、見積もり依頼や製品選定ガイド、導入事例のダウンロードなどの具体的なアクションを促しましょう。

また、ホワイトペーパーやウェビナーを提供することで、製品の価値をより深く伝え、顧客の関心を引き続き引きつけることが重要です。

比較・検討

「比較・検討」フェーズでは、顧客が購入前に最終的な選択を行う段階です。ここでは「価格」「機能詳細」「導入事例」などの情報が特に重視されます。

見込み客は、ほかの競合製品と比較して商品を選ぶため、企業は差別化された価値提案を明確に提示することが必要です。詳細な見積もりや製品デモ、トライアルの提供を通じて、顧客が自社の製品を選ぶ理由を強調することが求められます。

また、有効なコミュニケーションを行えば、顧客が購入に向けて最後の一歩を踏み出すためのサポートを提供できます。

購買

「購買」フェーズは、見込み客が実際に商品やサービスを購入する決定的な段階です。このフェーズでは、ベンダーやメーカーの営業担当者が最も重要な情報源となり、以下のような情報が決定的な役割を果たします。

  • 詳細見積もり
  • 値引き調整
  • 契約・購入方法関連資料
  • サポート体制資料

購入意志のある見込み客に対して、これらの資料を提供し、疑問点をクリアにして購入の最終決断をサポートします。マーケティングチームと営業チームの連携はこの段階で特に重要となり、一貫した情報提供とスムーズなコミュニケーションが必要です。

継続・紹介・発信

購入後のフェーズでは、「継続」「紹介」「発信」の行動を促進することが企業にとって重要です。

この段階での顧客満足は、顧客のロイヤリティを高め、長期的な顧客関係を構築する基盤となります。効果的なアフターサポート、迅速な問い合わせ対応、ユーザー間の交流を促進するイベントやオンラインプラットフォームの提供が鍵です。顧客は自身の経験をほかの潜在顧客や既存顧客と共有することが促され、製品やサービスのポジティブな口コミが拡散されることにつながります。

また、顧客による製品の利用方法や成功事例の共有は、新たな顧客を引き寄せる強力な手段となります。

マーケティングファネルを分析するツール

マーケティングファネルを分析するツールは、以下の3つが挙げられます。

  1. CRM
  2. MA
  3. SFA

各ツールの特徴を解説します。

1.CRM

CRMツールは顧客情報を一元管理し、営業活動を支援するためのシステムです。顧客名、企業名、電話番号などの基本情報だけでなく、過去の商談履歴や顧客状況も網羅的に管理することが可能です。顧客との関係を深めるための分析や戦略立案にも役立ちます。

しかし、CRMではマーケティングオートメーションのように「顧客行動にスコアを付与する機能」や「施策単位での細かな顧客管理」などはできない点がデメリットです

2.MA

MAツールは、マーケティング活動の効率化と効果測定を自動化するシステムです。顧客の行動データや属性を基にしてスコアリングを行い、リードを育成する機能が備わっています。ファネル管理を自動化し、有望な見込み客を効果的に識別し、育成することが可能です。

MAはBtoBマーケティングにおいて、リードの質と成熟度を高めるための最重要ツールといえるでしょう。

3.SFA

SFAツールは営業効率の最大化を目的としたシステムです。CRMと混同されがちですが、SFAは営業活動に特化しています。営業分析、売上予測、チームメンバーの活動状況共有など、営業プロセス全体の管理と最適化に重点を置いている点が特徴です。

SFA単体では、マーケティングの施策単位で顧客を管理することはできない一方で、CRMやMAとの連携により、より広範な顧客管理が可能になります。ただし、これらのシステム間の連携には開発費用や時間がかかることもあり、適切なツール選びが求められます。

マーケティングファネルの活用方法

マーケティングファネルの活用方法は、以下の3つが挙げられます。

  1. 課題の明確化
  2. 改善箇所の特定
  3. カスタマージャーニーマップを組み合わせる

それぞれ解説します。

1.課題の明確化

マーケティングファネルの活用で最も重要なのは、各段階における顧客の心理状態とニーズの把握です。まず、顧客がファネルのどの段階にいるかによって、企業が取るべきアプローチは大きく変わります。

フェーズ顧客心理アプローチ方法
認知初めて接触している状態・関心を引くための魅力的なコンテンツ提供が必要
・製品やサービスの基本的な特長や価値を伝える
興味・関心製品に興味を持ち始めている・詳細な情報提供が必要
・価格、機能、メリットなど、ほかの選択肢と比較して選ばれる理由を明確にする
比較・検討製品の購入を真剣に検討し始める・具体的な購入プロセスやサポート情報が効果的
・見積もり、製品デモ、顧客事例など

次に、マーケティングファネルの形状を分析することで、顧客がどの段階で離脱しているかを特定できます。たとえば「ラッパ型」のファネルになっている場合、認知段階の顧客は多いものの、購入に至る顧客が非常に少ないことを示します。この場合、興味・関心や比較・検討のフェーズで顧客を引き留める施策が不足していると予測できます。

逆に「筒型」のファネルは、各段階で顧客の流れがスムーズに進んでおり、特定の段階での大きな離脱がないことを示します。この場合は、認知段階をさらに拡大することで、全体のコンバージョンを向上させることが可能です。

ファネルの形状がいびつな場合、特定の段階で顧客の離脱が急増していることを示しています。離脱ポイントを特定し、その段階におけるコンテンツの質向上や顧客エンゲージメントの改善策を考えることが重要です。

2.改善箇所の特定

改善箇所を特定する際にKPIツリーの使用は非常に効果的です。KPIツリーを通じて、各マーケティングファネルのフェーズごとに具体的なパフォーマンス指標を設定し、どの指標が目標を達成していないかを詳細に分析します。

たとえば、問い合わせフェーズでの離脱が多い場合、自然検索、広告、SNSなどの異なるチャネルからの問い合わせ数を比較すれば、どのチャネルが弱点であるかを明確にすることが可能です。

この分析により「特定のチャネルにおけるコンバージョン率の低さ」や「特定のアクションの引き金となるべき内容の不足」などが把握できます。問題点が把握できたら具体的な改善策を設計することで、戦略の方向性が明確になります。

3.カスタマージャーニーマップを組み合わせる

カスタマージャーニーマップは、顧客の購入プロセス全体をビジュアル化するツールであり、各ステージでの顧客の行動、感情、疑問点を理解するのに役立ちます。ジャーニーマップを用いることで、顧客がどのフェーズでどのような体験をしているのか、またどのような障壁に直面しているのかを把握できます。

たとえば、購入フェーズにおける顧客の疑問や懸念(サイズ感、商品の可用性など)を明らかにし、それに対する解決策を提供することで、購買決定へとスムーズに導くことが可能です。

たとえばアパレルECの場合、具体的な施策として考えられるのは「サイズガイドの提供」や「在庫状況のリアルタイム更新」「顧客レビュー」「Q&Aセクション」の充実などが考えられます。

カスタマージャーニーマップを効果的に活用することで、マーケティング施策を顧客中心のアプローチにシフトし、顧客体験の向上につながります。

効果的にトスアップするためのポイント

効果的にトスアップするためのポイントは以下の3つです。

  1. ターゲットを一致させる
  2. 訴求内容を統一させる
  3. 情報共有の仕組みをつくる

それぞれ解説します。

1.ターゲットを一致させる

営業とマーケティングの間でターゲットの認識が一致していないと、効率的な営業活動は困難です。このような状態を防ぐためには、両部門が協力して具体的なターゲット企業やペルソナを共同で設定し、理解を深めることが必要です。

具体的なカスタマージャーニーマップを作成して見込み客の行動パターンとニーズを明確にし、ターゲットの明瞭化を図りましょう。

2.訴求内容を統一させる

ナーチャリングは見込み客を育成し、顧客化する過程で重要な役割を果たします。マーケティングチームが作成した内容と営業が伝える内容に矛盾があると、見込み客の混乱を招きかねません。そのため、チーム間で訴求内容の統一が重要です。

事前に共通の訴求点を定め、顧客に一貫したメッセージを提供することで、効果的なナーチャリングが可能になります。

3.情報共有の仕組みをつくる

異なるチーム間での情報共有が不足していると、顧客に対するアプローチがバラバラになる可能性があります。SFAやCRMなどのツールを活用して、顧客情報を一元管理し、全社員がアクセスできる状態に保つことが重要です。各チームが最新の顧客情報に基づいてアクションを起こせるため、効率的な営業活動が可能となります。

これらのステップを踏むと、営業とマーケティングの連携を強化し、BtoB市場における企業の成長を加速させることが可能です。

まとめ

マーケティングファネルの基礎知識から、メリットやBtoBでの活用方法などを詳しく解説しました。

マーケティングファネルは「ファネル(漏斗)」の文字通り、製品やサービスの購入に至る見込み客のプロセスを段階別に表したモデルを指します。見込み客が購買に至るまでにはさまざまな心理的段階があり、段階別に適した施策を施す必要があります。

マーケティングファネルを正しく理解すれば、顧客心理の理解に大いに役立つことでしょう。