システムやソフトウェア開発において、QAエンジニアはユーザー目線でシステムが通常通りに動くかといったテストを行います。リリースしたあとに大きなバグや不具合が見つかると、ユーザーの信頼度を落としかねず、QAエンジニアの役割は重要です。この記事では、QAエンジニアの役割や求められるスキルを説明します。
QA（品質保証）とは？
QA（Quality Assurance、品質保証）とは、QAエンジニアがソフトウェアやシステムの品質を確認し、ユーザーが問題なく利用できるかを確認することです。リリース前に確認することで、顧客満足度の向上につなげます。
QAエンジニアとは？
QAエンジニアは、ソフトウェアやシステムが、予定通りに動くかどうか確認することが主な業務です。ユーザーが実際に利用する環境と同じ状況で不具合が発生しないかといったテストを繰り返します。
システムやソフトウェアをリリースした後に致命的な不具合が見つかると、顧客満足度が下がるだけでなく社会的な信用の失墜に繋がる可能性があるのです。
QC（品質管理）との違い
QAエンジニアがいない場合は開発者が品質テストを行うことが一般的です。しかし開発者が品質テストを行った場合、機能を実装したプロセスなどを分かっていることからユーザー目線のテストをすることが容易でない場合があります。
そのためより品質テストの精度の高めるためには、 開発に関わっていない第三者が行うことが効果的です。さらにQAエンジニアは様々なケースにおいて品質テストを行っているため、開発者とは違う様々な観点から評価ができます。
QAエンジニアの重要性
QAエンジニアは、ユーザビリティを重要視しており、ユーザーの立場で使いやすいシステムかどうか、ユーザーにとってメリットのあるシステムであるかどうかといった観点でテストをします。そのため、開発者が行うテストとは観点が異なります。客観的にシステム品質確認を行うため重要な役割です。
QAエンジニアの主な役割
QAエンジニアは、ユーザーの視点でシステムやソフトウエアが正常通りに動くか、本番環境においてトラブルが発生しないかを確認することが主な役割です。
リリースした後に不具合やバグが見つかるとユーザーに対する信頼度が落ちてしまいます。そのためQAエンジニアの役割は企業やシステムの信頼度を保つため重要です。
QAエンジニアが担う4つの業務
QAエンジニアは一般的に次の業務を担っています。
- 品質テストの設計や実施
- 機能の評価や確認
- 品質テストの効率化や自動化
- テストに対するフィードバック
1.品質テストの設計や実施
QAエンジニアは品質保証を行うことが主な業務内容ですが、効率的な品質テストの設計も必要です。品質テストの内容によっては不具合や不具合が見落としてしまう可能性があります。このため、様々な案件において品質テストを行っているQAエンジニアのノウハウや経験が重要なのです。
2.機能の評価や確認
QAエンジニアはシステム開発の最終段階でテストを行うだけでなく、企画する段階からチームに加わり不具合を防止するための提案をする場合もあります。システム開発から加わる場合は開発に関する能力や脳波なども求められることが一般的です。
3.品質テストの効率化や自動化
質の高い品質があっても人の手で行う以上ヒューマンエラーがおきる可能性があります。さらにQAエンジニアの負担が大きくなることから、品質テストそのものを自動化する場合があります。
QAエンジニアが自動化するかどうかを判断することも少なくありません。自動化でテストを行う場合専門にSETエンジニア（Software in test）と呼ばれる担当者が社内に在籍している場合もあります。
4.テストに対するフィードバック
システムテストを開発した後に開発を担当したスタッフがテストに対してフィードバックをすることが一般的です。フィードバックを基に今後のテストにおいて開発プロセスやテストを見直します。
フィードバックをするための特別なスキルはありませんが、システム開発において今後改善するための提案をできる能力が求められます。
QAエンジニアに求められる4つのスキル
QAエンジニアには次の4つのスキルが求められます。
- 論理的思考力
- 問題解決能力
- コーディングスキル
- ソフトウェアテストの設計や実行スキル
1.論理的思考力
QAエンジニアは、不具合やバグなどの件数や内容などを分析することによって、原因を確認するだけでなく今後の対策を見つけて実行することが任務です。そのため分析結果から対策の実行まで繰り返す必要があり、ロジカルシンキングが求められます。
2.問題解決能力
QAエンジニアはソフトウェアやシステムにおける不具合の発見だけでなく、不具合の原因となる問題点を見つけることによってプロセスの改善まで行います。そのため、発見力だけでなく問題解決能力が求められます。
3.コーディングスキル
QAエンジニアはシステムの機能仕様についてレビューが必要であるため、テスト結果を読み解くためにコーディングスキルが求められます。QAエンジニアがテストを行うときは、結合テストや単体テストがされており、テスト結果の確認が重要です。
4.ソフトウェアテストの設計や実行スキル
QAエンジニアの作業はテスト技法に基づく必要があるため、ソフトウェアテストの設計や実行スキルが必要です。技術が十分でないと、システムごとに適切なテストの設計が難しくなります。
QAについてよくある3つの質問
QAについてよくある質問をまとめました。
- QAエンジニアとテスターの違いは何ですか？
- QAエンジニアとデバッガーの違いは何ですか？
- システム開発におけるQA環境とは何ですか？
質問1.QAエンジニアとテスターの違いは何ですか？
QAエンジニアはソフトウェアやシステムを商品として発表する前に、ユーザーの立場としてテストを行うことで不具合を発見することが主な業務内容です。
テスターは不具合やバグのチェックを主に行い、デバッガーはテスターが見つけたバグや不具合の修正を行います。QAエンジニアはユーザビリティに直結する品質テストの管理を包括的に担っています。
質問2.QAエンジニアとデバッガーの違いは何ですか？
QAエンジニアは、ソフトウェアやシステムをリリースする前に実際にユーザーが使う環境においてテストをして不具合を発見することが目的です。テスターやデバッガーとよく比較をされますが、それぞれ役割が違います。
QAエンジニアはユーザー視線で包括的に品質テストの管理を行います。テスターはバグや不具合があるかどうかを確認し、デバッカーはテスターが見つけたバグや不具合を修正するのが役割です。
質問3.システム開発におけるQA環境とは何ですか？
QA環境とは、システムやソフトウェアの開発において最終段階で行うテスト用の本番に最も近い環境です。そのため、ステージング環境とよばれることもあります。QA環境において、予定通りに作動するか、検証に漏れがないかなど開発段階において最終検証となるのです。
QA環境は動作確認用のテスト環境とは別です。動作確認用のテストは単体での動作確認しかできないため、バグや不具合があった場合に発見が遅れてしまいます。
まとめ
QAエンジニアとはシステムやソフトウェア開発の最終段階でテストを行うエンジニアです。ユーザー目線で不具合やバグを見つける仕事であり、ユーザビリティや顧客満足度に直結します。
リリース前に本番環境でバグや不具合を見つけられないと、顧客満足度の低下やシステム、企業の評価が落ちることになるためQAは重要な業務です。
