負荷テストとは、システムやソフトウェア、Webサイトなどに負荷をかけることによって、正確な動きができるかどうかの分析を行います。負荷テストをすることで耐久性を確認でき、実際に負荷が起きた時の対処ができます。
この記事では負荷テストの内容や種類、メリットなどを説明していきます。
負荷テストとは?
負荷テストとは、システムやソフトウェアなどにおいて負荷をかけた場合に従来通りの動きをするかどうかを計測するテストです。負荷をかけることで、システムやソフトウェアの耐久性を確認することが目的です。
負荷テストでは、アプリケーションにおけるインフラの安定性や想定以上のユーザーがアクセスした場合のアプリケーションの能力、スループット率などさまざまな点において側面を特定します。
負荷テストが必要な理由
負荷テストは、機能テストにおいて特定できないような負荷をかけた状態でテストを行い、パフォーマンスの問題を特定します。これにより、リリース前に問題解決をできるのです。
負荷テストを実施することで、ユーザーエクスペリエンスを実現したり問題を早期で解決することにより会社の評判を上げられます。
機能テストとの違い
機能テストはシステムのロジックが適切であるかどうかを把握する目的のテストです。そのため、負荷をかけた場合の不具合を発見できません。
機能テストと負荷テストを両方することで、正確なロジックであること、また負荷がかかっても問題がないことを把握できます。
負荷テストの種類は4つ
負荷テストには次の4種類あります。
- ロードテスト
- ストレステスト
- ボリュームテスト
- 耐久テスト
1.ロードテスト
ロードテストとは、性能テストのことでありシステムの処理能力が性能要件を満たしているかどうかを分析します。性能要件に記している負荷をかけることにより、テストを行います。例として、負荷がかかった時と通常時において、応答時間を組み合わせたテスト内容があります。
2.ストレステスト
ストレステストとは限界テストのことであり、システムの負荷をかけることにより限界を迎える段階と、限界となった時どのような動作をするのかを判断します。スループットの限界値やサーバーリソースなどの確認を行います。限界となった場合のボトルネックの特定も重要な要素です。
また、限界値となった場合でも、システム障害に繋がらないように確認することも求められます。
3.ボリュームテスト
ボリュームテストにおいて大量のデータがデータベースやファイルサーバーにある場合、システムの性能が落ちないかを確認します。
4.耐久テスト
耐久テストをすることで長時間稼働させた場合において、システムがどのような動きをするのかを把握できるのです。
負荷テストを実施する6つのメリット
負荷テストを実施することで次のメリットが挙げられます。
- 効率性の向上を図れる
- ダウンタイムを削減できる
- コストの削減につながる
- パフォーマンスの品質を測定できる
- 容量の計画を立てられる
- より良いユーザーリテンションにつながる
メリット1.効率性の向上を図れる
負荷テストを実施することで、効率性の向上を図れます。システムのボトルネックを特定でき、対処をすることでシステムにおいて優れた操作性や拡張性が実現可能です。このため、ユーザビリティが上がり顧客満足度の向上にもつながるのです。
メリット2.ダウンタイムを削減できる
負荷テストを実施することで、ダウンタイムを削減できます。負荷テストをすることで、ピーク時の負荷を最適化することでダウンタイムとなる可能性を特定します。
メリット3.コストの削減につながる
負荷テストを実施することで、コストの削減を実現可能です。ネットワークがダウンタイムに入った時、大きなコストがかかるのです。
修復の他に、サイトにアクセスできないことから営業機会の損出につながったり、不満が高まったりする可能性があるのです。そこで、ダウンタイムを削減することによりコスト削減につながります。
メリット4.パフォーマンスの品質を測定できる
負荷テストを実施することで、パフォーマンスの品質を測定できます。負荷テストではシステムに負荷をかけることでピーク時間の交通量を把握できるため、通常の場合の交通量と比較することによりパフォーマンス目標の策定が可能です。
メリット5.容量の計画を立てられる
負荷テストを実施することで、キャパシティプランニングにおいて重要なデータを把握できます。アプリケーションのテストに応じて拡張をしたり、失敗した場合でもストレスレストに活かせたりします。つまり、負荷テストを進めることで容量の計画を立てられるのです。
メリット6.より良いユーザーリテンションにつながる
負荷テストを実施することで、より良いユーザーリテンションにつながります。多くのユーザーがアクセスすることをはじめ、負荷をかけることによりシステムやアプリケーションが通常の動きをしないとエンドユーザーに迷惑がかかります。
負荷テストをすることで、運用時に負荷がかかった時でも対処できるような準備ができるのです。このことから、負荷テストはより良いユーザーリテンションにつながります。
負荷テストを実施する際の注意点
負荷テストを成功させるためにはシステム構成を把握しなければいけません。OSやハードウェア、システムのネットワーク構成、アプリケーションなどさまざまな要素が含まれます。システム構成を把握しておけば、ボトルネックの特定や負荷が発生する原因となるポイントの特定などを正確にできるのです。
負荷テストの進め方
負荷テストを進めるためには、まず負荷テストにおけるスケジュールやテストする方法、目的などを明確にするためテスト計画を行います。次にテスト計画の内容を実施するために、テストデータやテストスクリプトなど設計を進めましょう。
このあと負荷の生成やテスト環境、動作確認、監視設定などテストを行うための準備を行います。準備が終わったら、実施や分析を進められるのです。
負荷テストでよくある2つの質問
負荷テストでよくある質問をまとめました。ここでは次の2つの質問を紹介します。
- おすすめの負荷テストツールはありますか?
- 社内での負荷テスト体制を構築する方法はありますか?
1.おすすめの負荷テストツールはありますか?
負荷テストのプロセスを自動化できるようなツールを活用することで、手間を省けます。プロセスを自動化できるツールを使うことで業務効率化につながるのです。
2.社内での負荷テスト体制を構築する方法はありますか?
自社で負荷テストを全て行うためには、テスト計画や設計のノウハウを持つエキスパートの育成や、テストプロセスにおける知識が求められます。そこで、外部委託をして専門家に依頼するのも1つの対処方法です。
まとめ
負荷テストを行うことで、システムやWebサイト、ソフトウェアに負荷をかけた状態でどのような動きをするのかを分析できます。実際にリリースするまでに、耐久性をテストすることでユーザーが困らないようにするのです。
また、万が一トラブルがあった場合でも、負荷テストをしておくことで、迅速な対処が可能です。