デジタルマーケティングとは?基礎から勉強したい方にもわかりやすく解説!

デジタルマーケティングとは?基礎から勉強したい方にもわかりやすく解説!

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だいち

PENGIN BLOGメディア編集長。Web業界とは異業種の仕事をしながら、独学でWeb制作の世界に。副業でHP制作やコーディング代行、個人ブログの運営などに取り組み、現在はPENGINにてWebライティングやディレクションをしつつ、メディア運営全般を担当しています。(個人運営ブログ:https://daib-log.com/ )

目次

デジタルマーケティングとは、デジタル媒体を活用した広告や営業戦略を行うマーケティングのひとつです。

戦略的な商品販売には、適切なマーケティングが不可欠と言えますが、顧客行動のデジタルシフトが際立つ現代において、デジタルマーケティングの重要性も高まってきています。

  • デジタルマーケティングの知識を身に着けて、自社製品の販売戦略に活かしたい
  • マーケター志望で就職や転職活動をしているため、基礎知識を身に着けたい
  • 学習方法や役に立つ資格を知っておきたい

当記事では、上記のような考えを持っている方に向けて、デジタルマーケティングの概要や事例を解説します。

デジタルマーケティングとは

デジタルマーケティングとは、WebサイトやSNS、EメールやIOTなど、デジタルテクノロジー全般を媒体としたマーケティング手法のひとつです。

顧客接点数の増加や、既存顧客への販売促進などに、デジタルならではの強みを活かし、細かなデータ分析や画一的にならないアプローチ手法を実現できることが、デジタルマーケティングの特徴とも言えます。

デジタルマーケティングの対象

  • メディア:Webサイト、ECサイト、LP、SNS、Eメールアプリなど
  • デバイス:PC、スマートフォン、タブレット、デジタルサイネージなど
  • 技術・手法:SEO、MEO、広告など

デジタル技術が普及する前までは、営業マンによる個別訪問やテレマーケティングなどのセールス活動や、新聞やテレビCMなどを通じたマスマーケティング(不特定多数へのアプローチ)が主流でした。

そのような中、WebサイトやSNSなどを通じて、顧客行動のデータ分析が容易になったことから、よりターゲットを絞り込んだ販売戦略が可能となったことにより、デジタルマーケティングが浸透してきた背景があります。

デジタルマーケティングは多様なマーケティング手法のひとつではありますが、混同されることの多い用語との違いについても触れておきます。

デジタルマーケティングとWebマーケティングの違い

端的に違いをまとめると以下の通りです。

デジタルマーケティング
Webやオンラインテクノロジー全体を範囲としたマーケティング手法
Webマーケティング
Webに限定したマーケティング手法

上記の通り、Webマーケティングの領域はデジタルマーケティングに含まれていると言えます。

Webマーケティングをおこなう「Webマーケター」の仕事は、Webサイト・SNS・ECサイトなど、Web上にある媒体を通して、事業の売上や利益を上げる活動が基本です。

デジタルマーケターの場合は、上述した通りデジタルテクノロジー全体を活用したマーケティング活動を実施することで、ビジネスの成功につなげることを目的としています。

デジタルマーケティングとインバウンドマーケティングの違い

顧客と接点を持つ手段として、プル型とプッシュ型の2種類あります。

インバウンドマーケティング
(プル型)顧客のほうから自社にきてもらう
アウトバウンドマーケティング
(プッシュ型)自社から顧客へアプローチする

上記の通り、デジタルマーケティングとはマーケティング領域を指すジャンルのため、インバウンドマーケティングとは同列にならない言葉と言えます。

デジタルマーケティングの施策として、オウンドメディアに訪問してきた顧客に価値を感じてもらうことで問い合わせや成約につなげる手法がインバウンドマーケティング、Webサイト上にポップアップやバナーなどで商品訴求して成約につなげる手法がアウトバウンドマーケティングです。

デジタルマーケティングとDX

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタルテクノロジーの活用で生活品質を上げるという考え方で、デジタルマーケティングと併用して使われることの多い言葉です。

DXは経済産業省の「METI-DX 経済産業省DXオフィス」でも推進している取り組みのひとつで、発信活動も積極的におこなっています。

> METI DX:経済産業省のデジタルトランスフォーメーション特設Webサイト

テクノロジーの発達により、ユーザーが触れるデバイスも多様化しているため、デジタルマーケティングを実行する企業も常にアップデートが必要となります。

デジタルテクノロジーを活用し、ユーザーの生活が変わるサービスの提供=DXを実現させることは、これからの時代に対応するための企業課題とも言えるでしょう。

デジタルマーケティングの重要性とトレンド

説明するまでもなく、現代はデジタルによるデータ提供の需要が加速しています。

総務省の情報流通行政局情報通信政策課情報通信経済室の発表によると、2017~2022年に全世界のIPトラフィックは、インターネットビデオを主軸に3倍強まで増大しているというデータがあります。

> 総務省|デジタルデータの経済的価値の計測と 活用の現状に関する調査研究の請負 報告書 p.12

また、多くの企業でオフラインとオンラインを縦断する施策を打ち立てているニュースを目にするようになってきました。

> 店舗とオンラインで貯まる「LINE・Yahoo! JAPAN・PayPayマイレージ」を23年3月開始 | Web担当者Forum

実店舗の運営においても、デジタルテクノロジーを活用した施策を導入し、最適化を図る動きは加速してきています。

あらためて、今デジタルマーケティングが重要視されている背景について触れていきます。

スマホ時代とオムニチャネル

オムニチャネルとは「すべての接点」を指す言葉で、マーケティングにおいては、企業と顧客の接点となるすべての接触ポイントの境目を無くす、という考えを意味します。

具体的には、実店舗とWeb上のホームページ、ECサイトやSNSなど、多様なチャネル(媒体)を顧客に提供しつつ、すべて一体的に利用できる意識を持ってもらうようにし、購入経路の違いを意識させずに販売を促進する営業戦略のことを言います。

総務省の通信利用動向調査では、スマートフォンの保有世帯率が8割を超えたというデータもあり、今やスマートフォンは「使える若者だけが持っている」モノではなくなったと言えるでしょう(参考:総務省|令和元年通信利用動向調査のポイント p.3)。

個人単位でも6割以上がスマートフォンを保有しているデータもあるため、顧客はどこからでも企業の情報にアクセスできるようになりました。

そのような中で、多様な経路から顧客に違和感を与えず販促するための戦略として、オムニチャネルを意識したデジタルマーケティングを実施することは、企業の目標達成においても重要なカギとなっています。

AIの進化によるデジタルマーケティング手法の多様化

機械がデータを分析し、推論・判断・学習などを行う技術であるAIの成長が著しい昨今、ビジネスにおいてもAIを導入したサービスは増加してきています。

消費行動が多様化する中、最適な提案には顧客ごとの行動を分析する必要があるため、AIの技術はデジタルマーケティングにおいて必要不可欠となります。

AIは進化する技術のため、導入活用すればするほど精度の高いマーケティングが実現します。

すでに導入済み、もしくは導入予定としている企業は2割を超えてきているというデータもあり(参考:総務省|令和元年通信利用動向調査のポイント p.6)、ますます注目されていくジャンルとも言えるでしょう。

コロナ禍によるデジタルシフト

コロナ禍による行動規制などで、飲食業界や観光業界は大きな打撃を受けました。オフラインでのみ営業していた企業や店舗は、客足が遠のいたことで、ビジネスモデルの変化を余儀なくされたところも多くあったかと思います。

しかし一方で、宅内で快適に過ごすための消費行動ニーズを意味する「巣ごもり需要」の拡大で、自宅で完結するWeb上のサービスの利用者が増加しました。

企業や店舗も消費者のニーズに対応すべく、今まで導入していなかったデジタルの技術に触れることとなったため、デジタルを活用したマーケティングの重要性が再認識されることとなりました。

デジタルマーケティングの目的

デジタルマーケティングの概要や重要性とあわせて、実行するときに見るべきポイントも理解しておく必要があります。

企業によってKPIとすべき内容は異なるかと思いますが、ここではデジタルマーケティングの普遍的な目的について触れておきます。

1:顧客データの収集と分析

デジタルマーケティング最大の特徴として、デジタルでしか収集できない細かな情報を収集できるという点があります。

  • Webサイト内でクリックされている項目を分析し、適切な広告をテストする
  • Webサイトのスクロール位置をトラッキングし、適切な箇所にCTAを設置する
  • 防犯カメラとITを連動させ実店舗内の動きをデータ化し、目に留まる場所に広告を掲載する
  • LINEなどのソーシャルコミュニケーションツールを活用してポイントカードをデジタル化する

上記は一例ですが、成約率の向上やコストパフォーマンス向上には、ITの技術を用いた顧客行動データの収集や分析が効果的です。

販促に適したデータの収集ができれば、企業としても打ち手が増えるため、デジタルマーケティングの根本となる目的とも言えるでしょう。

2:顧客との接触回数増加

人間は、何度も顔を合わせた人・目にしたものに好意を持ちやすくなる「単純接触効果(ザイアンスの法則)」という心理効果があります。

マーケティングにもよく活用されるテクニックで、とくに施策対象が広範囲に及ぶデジタルマーケティングにおいては意識されることが多いです。

  • Webサイト
  • SNS
  • アプリケーション
  • IOT

普段から使うチャネルやデバイスを通してマーケティング施策を実行することで、顧客との接触回数の増加が図れます。

3:顧客提案の最適化

収集・分析したデータは、施策に落とし込むことではじめてマーケティングとしての意味を成します。

Web上や店舗(オフライン)における顧客の年齢層や性別、再来店率や滞在時間などの顧客行動から、最適な施策を打ち出すことに目的を定めることで、収集するデータの精度も高まるでしょう。

潜在的に感じる可能性のあるストレスをなくすことで、心地よい体験(UX)を得られるような施策を実施できれば、企業が求める成果の実現にも近づきます。

デジタルマーケティング10の手法

ここではデジタルマーケティングとして実施する、具体的な手法を紹介します。

上記で紹介した目的を達成するためにはどのような手法が効果的か、各手法の特徴から見定めていくことが必要となります。

アクセス解析

アクセス解析とは、Web上のコーポレートサイトやECサイトなどに訪問したユーザー属性や行動の分析を意味します。

一般的にはGoogle Analyticsなどのアクセス解析ツールを活用し、さまざまな情報を収集します。

解析項目例

  • 訪問数
  • 滞在時間
  • リンクや画像のクリック率
  • ページ内のスクロール量
  • 訪問ユーザーの地域や性別

アクセス解析で必要なデータを収集することで、サイトの課題を抽出し、具体的な施策を打ち出します。

以下はアクセス解析から発見した課題と実行施策例の一部です。

商品バナーをクリックしてもらうには?
バナーの掲載箇所を変える、デザインを変える
ユーザーにたくさんのページを閲覧してもらうには?
サイト内の回遊率を高める内部リンクを追加する、検索窓を設置する
ページ下CTAのCVRを上げるには?
スクロール量の計測、コンテンツの見直し、訴求ポイント(CTA)をページ上部に変更

デジタル広告

デジタル広告とは、公開先のプラットフォーマーに課金することで出稿できる広告のことです。

掲載される場所や種類がいくつかあるため、代表的な広告を紹介します。

リスティング広告

リスティング広告とは「検索連動型広告」とも呼ばれる広告で、Googleなどの検索結果画面(SERPs)に出稿できる広告です。

掲載される枠は常に固定されておらず、予算や広告内容との関連性を踏まえて、プラットフォーマーが最適な広告枠に自動で出稿する「運用型広告」とも呼びます。

出稿した広告は検索結果の最上部に表示されるため、検索エンジンを利用するユーザーの目につきやすくなりますが、狙うキーワードによってアクセスが大きく左右されるため、アクセスを獲得したいキーワードのボリュームや競合の状況に応じて必要な広告費用が変わります。

その分、キーワード次第では検索行動をとるユーザーのニーズもある程度明確になっているため、高い訴求効果を期待できることが特徴です。

SNS広告

SNS広告とは、TwitterやInstagram、TikTokなどのSNSプラットフォーマーに課金することで、SNSのタイムライン上などに出稿できる広告です。

SNS広告も、運用型広告に分類されます。

配信する広告は、ユーザーのプロフィール情報をベースに効率的にターゲティングを行えることや、顕在ニーズにまで至っていない新規ユーザーへも幅広く配信できることが特徴です。

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告とは、Googleの「Googleアドネットワーク」やYahooの「Yahoo! ディスプレイアドネットワーク」などのアドネットワークを使い、Webサイトやアプリ内に配信できる広告です。

ディスプレイ広告も、運用型広告に分類されます。運用型広告の課金タイプにはいくつか種類がありますが、リスティング広告同様、クリック課金(CPC型)が採用されることが多いです。

ディスプレイ広告で配信できる広告は、テキストだけでなく、バナー画像なども使用できます。また、実際にサイトやアプリを利用している、ニーズが明確なユーザーに向けて出稿できる点が特徴と言えます。

また、一度Webサイトに訪問したユーザーをターゲットに、追跡しながら広告配信できる「リターゲティング」も可能です。リターゲティング広告は、潜在的にニーズを持っているユーザーからのクリックを獲得しやすくなります。

純広告

純広告とは、指定した広告媒体と広告枠に出稿できる広告です。代表的なもので言えば、Yahoo! JAPANトップページ右上の広告枠を指します。

純広告は他の広告と違い、不特定多数の目に止めてもらうことができるため、認知の獲得と新規ユーザーの取り込みを目的に出稿することが一般的です。

掲載期間や表示回数などを事前に決めて契約する保証型契約が多く、広告掲載後の成果で費用が変動する運用型広告とは異なります。

SEO

SEOとはSearch Engine Optimizationの略で、「検索エンジン最適化」を意味するマーケティング手法です。検索エンジンとは、Googleなどが提供する検索プラットフォームで、検索ユーザーが求める情報を提供する「検索システム」を意味します。

検索結果画面(SERPs)とユーザー行動の関連性として、1ページでも手前に、ひとつでも上の順位に掲載されているWebページほど、クリック率は高まる傾向にあります。

そのため、SEOの実施目的は、狙ったページを少しでも上位に表示させることです。

ランキングの細かなアルゴリズムは一般に公開されていないため、公式の断片的な声明や、実際の順位変動から傾向を分析し、Web上で施策を実施する必要があります。

SEOについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

SEOで確実な成果を求めることは難しいですが、検索意図を考慮してコンテンツを磨きこむことで上位表示できる傾向もあり、無料で誰でも実施できる手法であるという特徴から、多くのWebサイト運営者が取り組んでいる手法です。

MEO(ローカルSEO)

MEOとはMap Engine Optimizationの略で、「地図エンジン最適化」を意味するマーケティング手法です。海外ではローカルSEOと呼ばれることもあります。

MEOの目的は、Googleマップ上の地図エンジンにおいて、検索上位表示を狙うことです。実店舗への集客において、Googleマップ上の情報管理は非常に重要となります。

> 【Googleマップ運用調査 2022】ユーザーの約8割はGoogleマップの店舗情報を認知!MEO対策の重要性があきらかに|株式会社エフェクチュアルのプレスリリース

SEO同様、正しいノウハウで時間をかけながら実施する必要がある手法ですが、コストもかからない点から、オフラインでビジネスをするうえでMEOは欠かせないと言えるでしょう。

SNSマーケティング

SNSマーケティングとは、SNSを使って行うマーケティング活動の総称で、ソーシャルメディアマーケティング(SMM)とも呼ばれます。SNSを通じて、企業や商品の認知を広げ、顧客となるファンの獲得を目的に実施します。

SNS広告を出稿して広い範囲に広報することもありますが、ブランディング目的で、ユーザーに直接訴えかけるような投稿ができれば、共感や信頼を得ることも可能です。

また、SNSは他プラットフォームにはない拡散性があるため、上手くいけば爆発的なシェア、いわゆる「バズ」が生まれることもあります。バズることができれば、広告費に充てる資金が潤沢ではないスタートアップ企業や、小さな商店などにもチャンスが生まれるという点で、SNSマーケティングも多くの企業が導入しています。

動画マーケティング

動画マーケティングとは、動画コンテンツを用いた手法で、Webサイトへの埋め込みやSNSの投稿、YouTubeなどの動画配信プラットフォームに公開することで、自社をPRするマーケティングです。

魅力的な動画コンテンツで顧客獲得や商品販促の実現を目的としており、広義ではコンテンツマーケティングの一部に含まれます。

人間はメラビアンの法則で、情報を受け取る際に視覚情報55%・聴覚情報38%・言語情報7%の割合で影響を受けるとされています。そのため、90%以上を占める視覚と聴覚両方同時に訴えかける動画コンテンツは、他媒体と比べても情報伝達効率は高いです。

情報媒体としての動画は、文字と比較して5,000倍もの情報を伝えることができると言われており、アメリカの調査会社Forrester Researchが発表した研究結果では、1分の動画でWebページ約3,600ページ分の情報伝達ができるともされています。

YouTubeやTikTokなど、動画プラットフォームの成長も速いため、動画と相性の良い商材であれば積極的に導入したいマーケティング手法と言えます。

オウンドメディアマーケティング

オウンドメディアとは、「ブログ」や「広報誌」など、企業自らが所有・運営する情報発信媒体のことで、オウンドメディアを活用したマーケティングをオウンドメディアマーケティングと呼びます。

企業では、多様な情報母艦として、ブログサイトを軸にオウンドメディアとして運営するパターンが多いです。

訪問してきたユーザーの役に立つ情報を提供し続けることで、情報を蓄積しつつ、SEOなどで検索エンジン流入の獲得が実現するようになれば、リード獲得や商品販売ページへの誘導も可能となり、企業の資産にもなります。

どのようなコンテンツを用意して顧客に情報発信するか見極め、コツコツと継続的に運営できるかが成功の鍵になります。

Eメールマーケティング

Eメールマーケティングとは、顧客に対してメールを用いて情報配信するマーケティング手法を指します。自社製品のリリース情報やキャンペーン情報などの訴求から、購入者へのお礼メールなども含まれます。

普段はSNSがコミュニケーションツールのメインとなりつつありますが、メールは長文でも読みやすく、幅広い世代に利用されている点はメリットと言えるでしょう。

メールもテキストメールだけでなく、HTMLメールを用いれば、フォント・カラー・写真などWebサイトのような装飾も可能となるため、リッチな情報伝達も可能です。

似た言葉で「メルマガ」がありますが、メルマガはマガジン=読みものとして配信することで、読者の興味関心を継続的に維持させることが目的となります。一方でメールマーケティングは、閲読率やメール内CTA(訴求ポイント)からの成約率向上を狙って運営していくものとなります。

アプリマーケティング

アプリマーケティングとは、自社で運営するスマートフォンなどのアプリを通して、顧客データを収集し、課題の分析から集客・購入などにつなげるマーケティング手法です。

アプリマーケティングでは、実際にアプリを使っているユーザーへアプローチするため、SEOやSNSマーケティングのような潜在層に対するアプローチとは対象が異なります。

そのため、ニーズが顕在化しているユーザーへ、直接的かつ独占的に自社の情報を提供できる点においては、効果的なマーケティングが実施しやすい手法とも言えるでしょう。

アプリの集客には、オウンドメディアやSNS、広告などを活用することもあります。すでに端末にインストール済みの場合は、デバイス上にメッセージをポップアップさせるプッシュ通知などでアプリの利用を促す施策も取り入れることが可能です。

マーケティングオートメーション

マーケティングオートメーション(MA)とは、マーケティング活動の可視化と施策の自動化を意味します。

上述してきた内容が「アプローチの手法」であるのに対し、マーケティングオートメーションは「管理の手法」になります。

多岐に渡るマーケティング施策をマンパワーで管理していると効率が落ちてしまうため、より精度高く効率的に実行するために、ツールを導入して管理することが一般的です。

デジタルマーケティングで成功した企業の事例紹介

ここでは、デジタルマーケティングを実施したことで、KPI数値の改善や向上につながった企業の事例をご紹介します。

【土屋鞄製作所】SNSマーケティングを活用したプロモーション

企業名株式会社土屋鞄製作所
マーケティング手法SNSマーケティング
成果販売数増

土屋鞄製作所は、オリジナルブランドでの皮革製品を中心とした鞄や小物の企画・製作販売をおこなう企業です。

Facebookでは製品の制作過程などを投稿し、多くのユーザーから好反応を得ています。ブランディングとファン化が成功したことで、プロモーションへも違和感がなくつながるようになったことで、製品の販売数増にもつながっています。

【アウディフォルクスワーゲン】ストリーミング動画のデジタル広告によるCM

企業名フォルクスワーゲングループジャパン株式会社
マーケティング手法デジタル広告
成果販売数増

フォルクスワーゲングループジャパン株式会社は、走行安定性の高いクワトロと呼ばれる独自の四輪駆動システムや、アルミボディなどの先進技術が特徴の車種「アウディ」を販売する企業です。

フォルクスワーゲンでは、5秒程度の短いストリーミング動画の中に、アウディの持つ性能を詰め込んだキャッチーな広告を展開することで、視聴者に製品の魅力を伝えています。

【ユニクロ】アプリマーケティングによるO2O施策

企業名株式会社ユニクロ
マーケティング手法アプリマーケティング
成果集客数増

株式会社ユニクロは、カジュアル衣料をメインに、自社で企画から販売まで完結させるビジネスモデルが特徴の企業です。

ユニクロでは自社アプリを提供しており、アプリ内でクーポンを配信することで実店舗への来店数増加を実現させました。

このような、インターネットからリアル店舗に導線を構築する施策をO2O(Online to Offline)と呼びます。

デジタルマーケティングが勉強できる書籍

デジタルマーケティングの概要や実践方式について、より具体的に学びたい方は書籍もチェックしてみるのもよいでしょう。

ここでは、評価の高いオススメの書籍を3つ、ご紹介します。

デジタルマーケティングの定石

株式会社WACUL(ワカル)取締役CIOの垣内氏が執筆した書籍。「成果の出ない施策」に終止符を打つと銘打たれた1冊で、豊富な実績や知見をもとに、デジタルを活用した場合の正解・不正解を解説しています。

基礎知識から実践で活かせる考え方を知りたい方は手にとってみるとよいでしょう。

ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング Webマーケティングの成果を最大化する83の方法

北の達人コーポレーション代表取締役社長の木下氏が執筆した書籍。現役マーケッターでもある著者が「Webマーケティングの成果を最大化する83手法を全公開」と銘打ち、実践的な手法が細かく紹介されています。

人間の感情をベースにしたコミュニケーションの設計方法である「ファンダメンタルズマーケティング」と、デジタルデータを駆使して利益を計算しながら運用していく方法である「テクニカルマーケティング」を軸に解説されています。

データ・ドリブン・マーケティング―――最低限知っておくべき15の指標

ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院非常勤教授のマーク・ジェフリー氏が執筆した書籍。アマゾンのジェフ・ベゾス氏の愛読書であることも有名で、アメリカ・マーケティング協会が選出する最優秀マーケティング・ベストブック(2011)にも選出されています。

データドリブンとは、経験値からくる感覚ではなく、蓄積した情報(ビックデータ)から分析した結果をもとに、意識決定を行う業務プロセスのことです。マーケティング活動の成果を網羅するために厳選された、15の指標による意思決定を知りたい方はチェックしてみるとよいでしょう。

デジタルマーケティングに活かせる資格

資格を取得することは、マーケター・デジタルマーケターの職で仕事をしたい方にとって、対外的な学習量などの証明になります。

ここではデジタルマーケティングの学習に活かせる資格をご紹介します。

マーケティング・ビジネス実務検定

資格名マーケティング・ビジネス実務検定
主催国際実務マーケティング協会
種類民間資格
受験資格誰でも受験可

マーケティング・ビジネス実務検定は、マーケティング実務の知識を総合的に判定するための検定試験です。

マーケティング知識とマーケティング事例の分野で出題され、A級・B級・C級の3レベルがあります。難易度はC<B<Aと上がりますが、全体の難易度は比較的簡単で、近年の合格率は70%と言われています。

Webアナリスト検定

資格名Webアナリスト検定
主催一般社団法人日本Web協会[JWA]
種類民間資格
受験資格誰でも受験可

Webアナリスト検定とは、Google Analyticsなどの分析ツールを用いたアクセス解析や、市場動向などの読み取りなど、実践で活用できる知識を学べる資格です。

4択形式の問題で、合格率は約80%程度と言われており、難易度はそこまで高くありません。

ウェブ解析士

資格名ウェブ解析士
主催一般社団法人ウェブ解析士協会
種類民間資格
受験資格・ウェブ解析士:誰でも受験可
・上級ウェブ解析士:ウェブ解析士
・ウェブ解析士マスター:上級ウェブ解析士

ウェブ解析士は、WebマーケティングやWeb解析に関する知識の習得を目的とした認定資格です。

「ウェブ解析士」「上級ウェブ解析士」「ウェブ解析士マスター」と、難易度別に3種類あり、それぞれステップを踏んで受験が可能となります。また、ウェブ解析士は50〜60%程度の合格率と言われています。

まとめ「デジタルマーケティングを成功させるには?」

デジタルマーケティングを成功させるためには、自社の顧客対象を明確にし、ターゲットにどのような行動をとってもらいたいかを決めることからはじめることが必要です。

また、自社のビジネスに必要なゴール(KGI)を達成させるために、必要な評価指数(KPI)を設定します。訪問数や来店数、リピート率や滞在時間など、数値で集計できるものをKPIとして設定し、KPIを達成するための運用施策を、デジタルマーケティングで分析します。

デジタルマーケティングには運用手法が多くありますが、自社に必要な運用に絞ることも重要です。また、継続的にコツコツ続けられる体制を構築する必要もあります。

PENGINではWeb制作からマーケティング支援までおこなっています。内製化に課題を感じている企業さまは、ぜひ一度ご相談ください。