この記事を書いた人
粟飯原 匠
こんにちは!
合同会社PENGINでマーケティングを担当しているケインです😊
今回はイギリスでUIデザイナーをしているキャシさんにインタビューを行いました。
大学を2回退学・1回入学辞退して(!?)グラフィックデザインを学び、その後様々な経験を経て、現在イギリスでUIデザイナーをしているキャシさん。
自分の心や欲求に正直に生き、大好きな仕事をしているキャシさんの生き方や考え方には、よりよく生きるためのヒントが満載です。
キャシさんの人生は情報量が多くて1つの記事にまとめられなかったため、前後編でお送りします。前編は、キャシさんが初めてデザインの仕事に就くまでの過程をご紹介します。
それではいってみましょう!
【キャシさんのプロフィール】
・アメリカの2年制カレッジでグラフィックデザインを学ぶ
・日本に帰国後、当時はデジタルのデザインの仕事がほとんどなかったため、様々な職種を経験
・2016年からフロントエンド、UXデザイン、UIデザインを2年半学ぶ
・現在、イギリスに住みながら、on株式会社のデザイナーとして、デザインシステムやFigmaルール策定、勉強会・デザインチェックからアートディレクションのサポートまで幅広く担当している
キャシさんのTwitter:@UIAlchemist
大学を2回中退した学生時代
ケイン:本日はよろしくおねがいします!
まずは、キャシさんの経歴について教えていただきたいです。
大学を2回辞めて、そのあとにグラフィックデザインの2年制カレッジに入ったということなんですが、そのあたりの経緯を教えていただけますか?
キャシ:「化学と生物が得意だったから」という理由だけで、大阪の某国立大学の薬学部を受験して合格しました。
合格後に動物実験があると聞いて、ドン引きしてしまって1日も行かずにそのまま退学しました笑
ケイン:いきなりインパクトのあるエピソードですね笑
大学の勉強って、気に入ってなくても何となく単位取って卒業する人がほとんどだと思うんですけど、当時はどういった考えで辞めたんですか?
※化学と物理は全国でもトップクラスの成績だったそうです。
キャシ:キャリアについては何も考えていませんでした笑
極端な性格で、「やりたい!」と思ったら誰が何を言おうとやるし、「無理」と思ったら無理なんですよね。 当時もいろいろな人から止められたんですけど、「嫌なものは嫌」という感じで入学式にも行かずに退学しました。
ケイン:そうだったんですね。
その後、オーストラリアのパースにある大学の音楽系の学部に入学したんですよね?
キャシ:そうです。 小さいころからピアノをやっていて、音楽が好きだったこともあり、パースの大学のMusic studyに入りました。
ケイン:なんでパースに行こうと思ったんですか?
キャシ:大阪の大学を辞めたときに、なぜか日本の大学に入り直すことは頭になかったんですよね。おそらく、パースは日本との時差もないし、一番近い英語圏の国だったので、パースに行くことにしたんだと思います。
ケイン:これが初の海外生活ということですよね。
英単語を暗記したことがないということですが、コミュニケーションとかは困らなかったですか?
キャシ:コミュニケーションは困らなかったですね。
英語は堪能ではなかったんですけど、人目を気にしない性格が幸いしました。正しくしゃべることよりも、言いたいことを通じさせることができればいいので。
ケイン:たしかにそうですね。
僕も少しアメリカで生活したことがありますが、怒ったときは日本語で怒った方が通じました笑
キャシ:そうそう×10
そうなんですよ!怒ってるぞっていうことを伝えればいいんですよね。
ケイン:その後、音楽学部は辞めて、シアトルの大学の海洋学部に合格したものの、そこには行かずにグラフィックデザインを学んだということですよね?
キャシ:そうですね。 音楽を学問として学ぶと、最初は理論ばっかりでまったくおもしろくなくて。 そのあと、シアトルの大学の入学手続きをする日に、カフェで暇つぶしに見た本がグラフィックデザインの本で、「これだ!」と思いました。
ケイン:それで、入学手続きはどうしたんですか?
キャシ:入学手続きではなくて転向手続きをしに行きました笑
転向先が2年制のカレッジだったので、担当の方には「普通逆よ!?」ってびっくりされましたね。
ケイン:誰もがびっくりすると思います笑
それまでは、デザインがやりたいと思ったことはなかったんですか?
キャシ:まっっっっったくなかったです。
グラフィックデザインという存在・概念を知ったときに「これやりたい!」って思いました。
ケイン:それは、運命の出会いだったんですね!
キャシ:そうですね。勝手にそう思っています笑
ケイン:方向転換をたくさんしたと思うんですけど、誰かから反対にあったり不安に思ったりしたことはないんですか?
キャシ:反対されたり止められることはたくさんありましたが、不安や悩みはまったくなかったです。
いつでも「うまくいかないわけがない」と思っています。
今、何かに向かって勉強中の方も「この努力が報われる日が来るのか」と不安に思うことがあるかもしれないけど、絶対うまくいくって信じることはすごく大事です。
ケイン:たしかに!
僕もWebの勉強を30歳から始めたんですけど、今思い返すと「今更キャリアチェンジ無理でしょ」とか「Webデザイナー飽和してるでしょ」って反対する人がいたんですけど、当時は悔しいとか悩むとか全くなくて「この人何言ってるんだろ??」としか思ってなかったです笑
キャシ:それですよ!正しい反応です笑
何をやっても文句言ってくる人っているんですけど、全無視でいいと思います。
「関係ないのにうるさいな」としか思わないですね。
ケチャップとマヨネーズをスキャンしたらドリームワークスに採用された話
ケイン:アメリカの2年制大学でグラフィックデザインを学んでから、向こうの会社に就職したんですよね?
キャシ:はい。
ケチャップとマヨネーズをスキャンしたら、ドリームワークスにデザイナーとして採用されました。
ケイン:???
その話、詳しく聞かせていただいていいですか??
キャシ:当時大好きな先生がいたんです。
変わり者で偏屈な人だったんですけど。その人が当時は普及していなかったスキャナーを教えてくれたんですね。
ケイン:あの、紙媒体の情報をパソコンに取り込んだりできるスキャナーですか?
キャシ:そうです。
で、その先生が学生を集めて「このスキャナーを使って何か作品を作ってみなさい」と言ったんです。 みんなは紙の書類や写真をスキャンしていたんですけど、私はアルミホイルから始めて…
ケイン:その時点で既成概念にとらわれてないですね!笑
アルミホイルってスキャンするとどうなるんですか??
キャシ:設定にもよるんですけど、真っ黒になりました笑
で、「液体をスキャンしたい」と思ったんですけど、完全な液体は無理なので、液体に近そうなケチャップとマヨネーズをびゅーっと出してスキャンしたんですね。それで満足して、後片付けをするのを忘れて帰ってしまって。
ケイン:あちゃー笑
キャシ:その翌日に、ケチャップとマヨネーズでべちゃべちゃになったスキャナーを見つけた先生が「これをやったのは誰だ!!」って喚いていて、呼び出されたんです。
ケイン:(これは怒られるだろうなぁ…)
キャシ:そうしたら、「あのスキャンはある種の試験だったんだ。知人がドリームワークスという会社を立ち上げるから、そこでデザイナーとして働かないか」と言われました。
喚いていたのは、怒ったのではなく、感動して喚いていたようでした。
ケイン:そうなんですね!(絶対怒られると思った…)
発想の自由さを見ていたということなんですかね??
キャシ:そうかもしれません。
ただ、あの先生に何かが刺さったんだと思います。先生が変人だったことが幸運でした。
ケイン:「これをやったら怒られるかも」とか考えなかったんですか?
キャシ:まったく考えませんでした。
人にアドバイスできることがあるとすれば、「これすると誰かに何か思われるかな?」と不安に思うことがあっても気にせずやってみたらいいじゃんって思っています。
既成概念って「普通〜だよね」の中に入っていることなので、そこから外れた発想が自分の中にあるならドンドン試してみたらいいと思いますね!
ケイン:なるほど!!ありがとうございます😊
既成概念や周囲の目を気にせずに自分のやりたい道に突き進むキャシさんにインタビューさせていただいて、自分はまだまだ何かにとらわれているときがあると改めて感じました。
現在はUIデザイナーとして働いているキャシさんですが、実は長くデザインから離れていた期間があったそうです。 次回はUIデザイナーになった方法やデザイナーとして大切にしている考え方、スキルアップの方法などに迫れたらと思っています!
それでは次回もお楽しみに😊