CVRの基礎知識
CVRを改善するためには、CVRとはどのようなものかを正しく理解する必要があります。そのため本章ではCVRの基礎として概要や重要性・実際に計算する方法を紹介していきます。
CVR(コンバージョンレート)とは
CVR(コンバージョンレート)とは、サイト訪問者のうち、購入や問い合わせなどそのサイトが設定している最終成果地点に至った件数の割合を意味します。
例えば、資料請求をCV(コンバージョン)に設定している場合には、訪問数に対する資料請求された件数の割合がCVRとなります。
CVRの重要性
CVRの重要性は、短期的にCV(コンバージョン)の向上が見込めることです。コンバージョンは、以下の公式で求めます。
サイト訪問数 × CVR(コンバージョンレート) =CV(コンバージョン)数
そのため、CV(コンバージョン)の向上をさせるための手法は、サイト訪問数を増やすかまたはCVRを改善するかという2つの選択肢となります。
この際にサイト訪問数を増やすためには、SEOのような中長期で時間をかけて行うケースか広告を活用して短期的に費用をかけるというような選択肢があります。その際に、SEOでは短期的な成果を見込みにくいことや広告では資産性が低い(継続的にコストをかける必要がある)という点がデメリットです。
一方で、CVRの向上を行うと短期的でかつ試算性が高い効果を得ることができます。
※一度CVRを改善すると急激なアクセス増加などがないかぎり大きな現象は起こりにくいという点から試算性が高いとしています。
弊社では、CV数を短期的に高めたいとご要望の企業様にCVR改善サービスを提供させていただいております。無料で分析から改善のご提案まで実施させていただきますのでお気軽にお問い合わせください。
▼サービスページ
https://pengi-n.co.jp/service/cvr-consulting/
▼お問い合わせページ
https://pengi-n.co.jp/contact/
弊社が運営するYouTubeチャンネルCVR研究所にて、CVR改善の具体例を紹介しておりますのでぜひあわせてご確認ください。
CVRの計算方法
CVRの計算方法は、コンバージョン数(商品購入や資料請求などの成果に至ったユーザー数)をセッション数(サイト訪問者数)で割り、100をかけることで求められます。
CVR=コンバージョン数÷セッション数×100
という式で計算が可能です。例えばサイト訪問者が10,000人で、そのうち200人が商品を購入した場合、CVRは以下のような計算になります。
200÷10,000×100=2%
なお、ジャンル別のCVR平均目安は以下の記事で解説しています。
▶︎コンバージョン率(CVR)の平均値とは?業界別にわかりやすく解説します!
CVRを最短で改善するための4ステップ
CVRを改善する際にはやみくもに改善を進めても効果は出ません。正しく現状を把握しながらインパクトのあるページに対して適切な施策を行うことが重要です。
1.現状の数値を把握する
CVRを改善させるためには、現状の数値を正しく把握することが重要です。この際に、サイト全体のCVRだけではなくページごとのCVRも把握できるととても精度の高いCVR改善を行うことができます。実際に計測すべき内容は以下です。
取るべき数値 | 詳細 |
---|---|
サイト全体のアクセス数(セッション数) | サイト全体のアクセス数はGA4のセッション数をもとに取得していきます。 |
サイト全体のコンバージョン数 | サイト全体のコンバージョン数はGA4のキーイベントをもとに取得していきます。 ※初期設定が必要です。 |
サイト全体のCVR(コンバージョンレート) | コンバージョン数÷セッション数×100を行いサイト全体のCVRを算出します。 |
ランディングページ別のアクセス数(セッション数) | ランディングページ別のアクセス数(セッション数)ランディングページ別のアクセス数はGA4のページごとのセッション数をもとに取得していきます。 |
ランディングページ別のコンバージョン数 | ランディングページ別のコンバージョン数。ランディングページ別のコンバージョン数はGA4のページごとのセッション数をもとに取得していきます。 |
ランディングページ別ののCVR(コンバージョンレート) | コンバージョン数÷セッション数×100を行いランディングページごとのCVRを算出します。 ※キーイベントを設定しているとGA4ランディングページから確認が可能です。 |
フォーム記入完了率 | コンバージョン数÷フォームページのセッション数×100で算出ができます。 フォーム記入完了率は20~30%を目標値となりますが多くのサイトで10%を切るケースが多いです。 必ず把握するようにしましょう。 |
サイト全体の数値を計測するがまずは重要ですが、最短でCVR改善を行うためにはページ別まで算出する必要がありますのでできる限り計測するようにしてください。
2.CVRが低く、アクセスの多いページを抽出する
CVRを改善する際には、CVRが低くかつアクセス数の多いページから実行することが重要です。CVRはアクセス数が同じな場合、CV数が向上するとCVRも改善されます。そのため、アクセス数の多いページから優先的にCVR改善を行うことで最短でCVRの向上、すなわちCV数の向上に繋がります。
なんとなくでCVR改善を行うページを選定してしまうと短期的に成果が出ないというケースが発生してしまうので必ずCVRが低く、アクセスの多いページから改善していきましょう。
3.CVR向上に繋がりやすい施策を実施する
CVR改善を行う際には成功事例をもとに効果の出やすい施策から実施していくことが重要です。やみくもにサイトを改善したがCVRが改善されないというケースは非常に多く、むしろ下がってします危険性もあります。
必ず他社事例など効果が出ている施策を行うようにしましょう。
本記事の後半でも具体的な施策を紹介していますが、最新の情報は弊社が運営しているYouTubeチャンネル「CVR研究所」にてご確認ください。
4.効果を計測して改善
CVR改善は継続的に実施することも重要です。最初はインパクトのある向上施策(本記事の後半で紹介)を行うと一定の改善が見られることは多いですが、ページごとに最適なCVR改善施策は異なるため細かくバナーのクリエイティブなどを変更していくことでさらに改善されます。
細かな改善は、インパクトのある向上施策(本記事の後半で紹介)を終えてからで問題ありませんが必ず取り組むことをおすすめします。
弊社が運営するYouTubeチャンネルCVR研究所にてABテストのやり方について紹介しておりますのでぜひあわせてご確認ください。
CVRを劇的に改善するには現状分析が重要
CVRを改善するためには、現状分析も重要な工程です。現状サイトのCVRがいくつなのかを正しく把握をして最も効果があるのはどのページなのかを明らかにしていきます。
CVRを計測するために必要なデータ
先ほどCVRの公式について紹介しました。CVRを正しく計測するには、公式にあるコンバージョン数とサイト訪問数を把握する必要があります。
まずは、サイト訪問数(セッション数)をGoogleアナリティクスから確認していきます。
動画のように「レポート→集客→概要→セッション(トラフィック獲得レポートを表示)」を開くと確認することができます。
次にコンバージョン数をGoogleアナリティクスから確認していきます。
コンバージョン数を計測するには、キーイベントというイベント設定を行う必要があります。まだキーイベントが設定できていないという方はまずはキーイベントの設定を行ってください。
キーイベントは、以下の動画のように「レポート→集客→ユーザー獲得」から確認することができます。
※キーイベントを一覧で見ることはデフォルトの設定ではできません。
サイト計測シートを作成する
弊社では上記のような計測シートを作成してCVRなどサイトの主要なデータをまとめています。もっと詳細なデータも取得しますが、最低限これらのデータがあれば全体のCVRは把握することができるのでまずはこのようなシートを作成するようにしましょう。
CVRが一般的な水準と比較した際にCVRが低いか確認する
CVRの目安はサイトの種類ごとによって大きく異なります。例えばランディングページを運用している際に、弊社では3%までは改善できる余地があると考えているため改善を行います。
オウンドメディアは、コンバージョンの定義がお役立ち資料など幅広くなる傾向があるためページごとにCVRを最適化させることで全体のCVR向上が可能です。
ここからはECサイト・ランディングページ・オウンドメディアそれぞれの具体的なCVR改善施策について紹介していきます。
CVRを劇的に改善する秘策〜ランディングページ(LP)〜
ここではLPのCVRを改善する4つの秘策をご紹介します。
- メインビジュアルをフォーム剥き出しにする
- ポップアップを実装する
- CTAを最適化させる
- フォームを最適化させる
LPのCVRを劇的に改善する秘策①メインビジュアルをフォーム剥き出しにする
メインビジュアルにフォームを剥き出しにすることで、LPに訪問したユーザー全員にCVポイントを示せます。
LPの場合、メインビジュアルで約80%程度は離脱されると言われておりますが、CTAのクリック率などを考慮せずとも、初めからユーザー行動を促進できるためかなり効果的な施策です。
LPのCVRを劇的に改善する秘策②ポップアップを実装する
ポップアップでCTAを全画面表示することで、確実にインプレッションを増やしながら、インパクトのある訴求ができます。
ただ、ページ内ユーザー行動の阻害につながってしまう可能性も高いため、ポップアップの表示タイミングは「離脱時」がオススメです。
ページを閉じようとするタイミングで魅力的なポップアップが表示されると、ユーザーの足を止めつつ、訴求の後押しができます。
LPのCVRを劇的に改善する秘策③CTAを最適化させる
CTAはユーザーニーズを捉えた内容にする必要があります。
自然検索(Google検索など)経路である場合、検索されたキーワードによって、ユーザーのニーズが変わります。
指名キーワードや比較検討キーワードなど、それぞれの検索キーワードごとにあわせたニーズに沿ってCTAを作成することで、効果的にCVRを向上されられます。
オウンドメディアのCVRを劇的に改善する秘策④フォームを最適化させる
フォームの最適化には以下のポイントが重要です。
- 信頼できるサイトであること
- 記入完了のメリットがわかりやすく提示されていること
- 記入が簡単であること
そのほかにも、実績を提示することで信頼感を与える、スタッフ写真を掲載して安心感を与える、といったテクニックもあります。
弊社が運営するYouTubeチャンネルCVR研究所でも、LPのCVR改善について紹介しておりますのでぜひあわせてご確認ください。
CVRを劇的に改善する秘策〜オウンドメディア〜
続いて、オウンドメディアにおけるCVRの改善策も、4つご紹介させていただきます。
- ポップアップを実装する
- 追従バナーを実装する
- CTAを最適化させる
- フォームを最適化させる
オウンドメディアのCVRを劇的に改善する秘策①ポップアップを実装する
ポップアップは、中央へ表示させるタイプが一番クリック率が高まるため効果的です。
メディアにWordPressを使用している場合は、「popup maker」というプラグインを使用することで改善がスムーズにできるので活用してください。WordPress以外の場合は、ミエルカヒートマップツールがおすすめです。
バナーの遷移先は、LPではなく、お問い合わせページか資料ダウンロードページにたほうがCVRは高まります。
オウンドメディアのCVRを劇的に改善する秘策②追従バナーを実装する
サイドバーに追従するCTAを設置するのもおすすめです。
WordPressを使用している場合は、「AdRotate Banner Manager」というプラグインを使用することで改善がスムーズにできるので活用してみてください。
またバナーの遷移先は、ポップアップ同様、LPではなくお問い合わせページか資料ダウンロードページにすることで、CVRが高まります。
オウンドメディアのCVRを劇的に改善する秘策③CTAを最適化させる
記事内容とCTAのオファーがずれている場合、クリック自体されにくくなってしまいます。そのため、記事テーマにあわせたCTAを設置することが重要です。
上画像のように、記事が「CVRが低いことに悩んでいる方向け」のテーマであれば、当然CTAは「CVRを改善策を示す内容」であるべきです。
オウンドメディアは多様なニーズに対応したページがあるかと思いますので、ある程度カテゴライズしたうえで、CTAにバリエーションを持たせるのが理想です。
オウンドメディアのCVRを劇的に改善する秘策④フォームを最適化させる
フォームは、ファーストビューで全体が収まるようにし、スクロールは極力避ける位置に配置することで、もっともCVRが高まります。
なお、フォームには無駄なリンク先やボタンは設置しないことが鉄則です。レイアウトは、左に訴求内容、右にフォームの組み合わた2カラムの構成が鉄板です。フォーム自体には極力無駄な入力項目をなくすことも重要となります。
フォームとセットで掲載する訴求部分には、取引実績を示すロゴや、スタッフの写真を掲載することで、信頼感や暗視感を与えることもできるためおすすめです、
弊社が運営するYouTubeチャンネルCVR研究所でも、オウンドメディアのCVR改善策について紹介しておりますのでぜひあわせてご確認ください。
CVRを劇的に改善する秘策〜ECサイト〜
ここではECサイトにおけるCVR改善策について、以下2点の内容をご紹介します。
- ポップアップを実装する
- 記事タイトルの直下に記事に沿った商品を並べる
ECサイトのCVRを劇的に改善する秘策①ポップアップを実装する
ポップアップは、ユーザーに対してインパクトを残せる効果的なアプローチです。なお、中央へ表示させるタイプが一番クリック率が高まります。
ECサイトにおいては、ページ遷移時などに表示させることで、閲覧していた商品ジャンルを訴求をすることができます。また、サイト内を回遊後、10秒程度経過したらキャンペーン告知のポップアップを表示するなども効果的です。
CTAも、ユーザー行動にあわせた内容にすることで、よりCVRを高められます。
ECサイトのCVRを劇的に改善する秘策②記事タイトルの直下に記事に沿った商品を並べる
こちらの施策は、オウンドメディアと複合されたECサイトにおいて実施した施策です。
検索から流入するユーザーは、「おすすめの商品を知りたい+購入したい」という複合されたニーズを抱えているケースが多くあると考えられます。そのため、比較もしつつ種類も見れる、そんなニーズに対応できるよう、タイトル下に商品一覧を並べました。
オウンドメディアも運営している企業様は、ECサイトの商品ページへの導線ポイントとしておすすめの施策です。
弊社が運営するYouTubeチャンネルCVR研究所では、ECサイトのCVR改善施策を実施した結果、2ヶ月で2倍のCVとなった事例をご紹介しております。ぜひあわせてご確認ください。
まとめ
この記事では、以下のポイントについて解説しました。
- CVRの基礎知識
- CVRを最速で改善するためのステップ
- CVR改善のための分析方法
- LP/オウンドメディア/ECサイトにおけるCVR改善策
CVRが伸び悩んでいるとお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。