ECサイトのcvrとは?内製化と外部依頼のメリット・デメリットも解説

ECサイトのcvrとは?内製化と外部依頼のメリット・デメリットも解説

この記事の監修者

粟飯原匠 |プロデューサー

マーケティングを得意とするホームページ制作会社PENGINの代表。教育系スタートアップで新規事業開発を経験し、独立後は上場企業やレガシー産業のホームページ制作・SEO対策・CVR改善の支援を行うPENGINを創業。「ワクワクする。ワクワクさせる。」を理念に掲げてコツコツと頑張っています。

ECサイト運営ではCVR(コンバージョン率)の改善が重要です。

CVRを向上させることで、売上増加や顧客満足度向上につながります。

特に、改善方法を内製化するか外部に依頼するかの選択は、戦略の成否を左右する要素です。それぞれのメリット・デメリットを理解することで、より効果的な判断ができるようになります。

本記事では、CVR改善のポイントや具体的な方法を解説します。

初心者から経験者まで、どなたでも実践できる内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。

なお、以下のYouTubeではECサイトのCVRを2倍にした施策について詳しく解説しているので、本記事とあわせてチェックしてください。

ご相談・お問い合わせフォーム – 株式会社PENGIN

CVRとは?定義と計算方法

CVRは「Conversion Rate(コンバージョンレート)」の略で、ユーザーが商品購入やサービス利用など、目標となる行動をとった割合です。

この数値が高いほど、訪問者がサイトで目標となる行動を達成している割合が高いことを意味します。

CVRの計算方法は次の通りです。

「コンバージョン率(%)=コンバージョン数 ÷ セッション数 × 100」

たとえば、Webサイトに1,000回の訪問があり、そのうち50件が購入につながった場合、CVRは5%です。

この数字を上げることが、売上を効率的に増やすポイントとなります。

CVRの向上がECサイト運営の成功に直結するといっても過言ではありません。

CVRの平均値を知ろう

CVR(コンバージョン率)は業界によって大きく異なります。

アメリカのRuler Analytics社が2023年1月に行った調査によると、14業界の平均CVRは2.9%でした。

業界ごとに比較することで、自社のパフォーマンスを客観的に評価できます。

以下は、主な業界別のCVR平均値です。

業界平均CVR
消費者サービス6.64%
自動車6.03%
雇用サービス6.64%
金融と保険5.10%
健康と医療3.36%
BtoB3.04%
教育3.39%
電子商取引2.81%
出典:Ruler Analytics社

こういったデータを活用して自社の状況を把握すると、改善の指針を見つけやすくなります。

ECサイトのCVRが低くなる理由

ECサイトでCVRが低くなる原因には、以下のような要素があります。

  • 購入までの導線設計ができていない
  • 商品画像や情報が不足している
  • ページ読み込み速度が遅い

このような要因を理解し、改善するとコンバージョン率の向上につながります。

以下でそれぞれの要因について、くわしく解説するので参考にしてください。

購入までの導線設計ができていない

ECサイトでは、ユーザーが商品を購入するまでの流れがスムーズであることが重要です。

しかし、購入までのプロセスが複雑だったり、ナビゲーションがわかりにくい場合、ユーザーは途中で混乱しやすくなります。

特に、カートに商品を入れた後の手順が多すぎたり、確認ページが煩雑だったりすると離脱率が高まるでしょう。

直感的で簡潔な導線の設計が、CVR向上のポイントとなります。

商品画像や情報が不足している

商品ページにおいて商品の画像や詳細な情報が不足していると、ユーザーの購買意欲を引き出すことが難しくなります。

たとえば、商品の使用シーンがわかる写真や、サイズ・素材などの詳細がないと、ユーザーは購入をためらうでしょう。

CVRを高めるには、ユーザーにとって十分な情報を提供し、安心して購入できる環境を整える工夫も必要です。

ページ読み込み速度が遅い

ページの読み込み速度が遅い場合、ユーザーはすぐに離脱するものです。

Googleの調査によると、読み込み速度が1~5秒の場合90%離脱率が上昇すると公表されています。

特にモバイルユーザーは速度に敏感で、少しでも待たされるとサイトから離れる可能性が高くなる傾向にあります。

高速なページ表示は、ユーザー体験を向上させ、CVRを改善する基本的な要素だといえるでしょう。

出典:Google

カート投入率とCVRの関係

ECサイトの売上向上には、CVR(コンバージョン率)とカート投入率が密接に関係しています。

カート投入率とは、商品詳細ページを訪れたユーザーが実際に商品をカートに追加する割合を指します。

一方、CVRはサイト全体の訪問者の中で購入を完了したユーザーの割合です。

どちらの数値も高めることで、効率的な売上増加につながります。

カート購入率とCVRを改善するためのポイントは以下です。

  • シンプルで直感的なデザインで、使いやすいカートページにする
  • 入力項目を最小限に抑え、スムーズに購入できる流れを作る
  • 配送料や手数料を事前に表示して購入直前の離脱を防ぐ

このような改善策を実施すれば、カートから購入完了までのプロセスがスムーズになり、CVR向上を期待できます。

短期で効果を得られるCVR改善の施策

ECサイトのCVRを短期間で改善するには、即効性のある具体的な施策を実行する必要があります。

以下は効果が期待できる施策の例です。

  • 商品ページの最適化
  • 購入プロセスの簡略化
  • モバイル対応の強化
  • サイト表示速度の向上
  • 信頼性の向上

以下で各施策の内容を詳しく解説します。

商品ページの最適化

まず、商品ページを使いやすく改善します。

商品ページを最適化するには、商品の詳細情報をユーザーに対して明確に伝える必要があります。

商品の詳細がわかりやすい画像を掲載し、ユーザーが商品を手に取るような感覚を提供する工夫が必要です。

また、サイズや素材などの基本情報に加え、使用シーンや注意点も具体的に記載することで信頼感を高められるでしょう。

こうした取り組みは商品理解を深め、ユーザーの購入意欲の向上につながります。

購入プロセスの簡略化

購入手続きの煩雑さが離脱の原因となるため、入力フォームの項目数を最低限に抑えるのも一つの方法です。

ユーザーが迷わないよう、現在地を示すバー(パンくずリスト)を導入するのもオススメです。

ほかには、ゲスト購入を可能にしたり、入力情報を自動で補完する機能を追加したりすれば、ユーザーはストレスなく購入できるようになるでしょう。

ユーザーを購入というゴールまで、ストレスない状態で導くことが完了率を大幅に改善するポイントだといえます。

モバイル対応の強化

離脱率を下げ、CVRを向上させる施策として、モバイル対応の強化もひとつの方法です。

モバイルユーザーの増加に伴い、スマートフォンやタブレットで快適に操作できるサイト設計が必須となりました。

具体的には、タップ操作しやすいボタン配置や、スクロールがスムーズにできるデザインが求められます。

モバイルフレンドリーな環境を整えれば、離脱率を下げて購入完了につなげられるでしょう。

サイト表示速度の向上

「ECサイトのCVRが低くなる理由」の章でも解説したように、サイトの読み込み速度が遅いと、ユーザーは数秒以内にサイトを離れる傾向があります。

画像サイズの最適化やキャッシュの利用、サーバーの性能向上などを通じて、表示速度を改善しましょう。

とくにモバイル環境では速度の重要性がさらに高まるため、迅速な対策が必要です。

表示速度の改善はCVRの向上に直結する施策の一つだといえます。

信頼性の向上

ユーザーが信頼して目的を達成できるよう、信頼させる要素を取り入れることも施策の一つです。

購入者のレビューや評価を表示するだけでなく、FAQや返品ポリシーを明確に記載すると、安心感を与えられるでしょう。

さらに、信頼性を強化するために、安全な決済システムを導入するのも効果的です。

ここで紹介した施策は一部の例ですが、どれもすぐに実践できる内容なので、ぜひ試してみてください。

内製化 vs 外部依頼どちらを選ぶべきか?

CVR(コンバージョン率)改善を目指す際、内製化と外部依頼にはそれぞれメリット・デメリットがあります。

効率的かつ効果的にCVRの改善を目指したいなら外部への依頼がオススメです。

自社の状況やリソースを考慮し、最適な選択をするためにも、ぜひ以下の内容を参考にしてください。

内製化のメリット・デメリット

内製化のメリットとデメリットを以下の表にまとめました。

メリットデメリット
知見とスキルを社内に蓄積できる人材の採用・育成に時間とコストがかかる
柔軟な対応が可能全業務を社内で行うため従業員の負担が増える
長期的には外部委託費用を削減できる特定のスタッフに依存するとリスクが生じる

内製化の最大の利点は、自社内で得た知識やスキルを活用し、継続的に改善を進められる点です。

特に、自社の商品やサービスについて深く理解しているからこそ、より効果的な戦略を立てられます。

一方で、内製化には優秀な人材の確保や育成という課題があります。

これには時間とコストが必要であり、即効性は期待しにくいでしょう。

また、従業員への負担が増えすぎると、生産性の低下や離職率の上昇を招く可能性があるため、計画的なリソース配分が求められます。

生産性の低下や離職率の上昇といったリスクを抑えるためには、社内体制の強化、もしくは外部依頼が必要となるでしょう。

外部依頼のメリット・デメリット

外部依頼のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリットデメリット
専門業者の経験と最新知識を活用できる費用が高額になりやすい
自社リソースを他の業務に集中できる情報共有や意思疎通が難しい場合もある
短期間で効果的な改善が可能得られた知見が社内に蓄積されにくい

外部依頼の大きな強みは、専門業者の持つノウハウや最新の技術を活用できる点です。

専門的な知識により、短期間で成果を上げることが可能となります。

さらに、自社のリソースを他の重要業務に振り向けられるため、全体的な効率化が期待できる点もメリットです。

ただし、依頼にはコストがかかり、長期的な視点では費用がかさむ可能性もあります。

また、外部業者との連携がスムーズに進まない場合、意図した成果が得られないリスクもあるでしょう。

こうした課題をクリアするには、信頼できる業者選びや連携体制の強化が欠かせません。

信頼できる業者か見極める方法は、以下を参考にしてください。

  • 過去の実績や成功事例を確認する
  • 契約内容や費用の透明性を確認する
  • コミュニケーションの質をチェックする

内製化か外部依頼するのかは、自社の課題やリソース状況にあわせて比較検討しましょう。

ECサイトにおけるCVR改善の成功事例

最後に、ECサイトでのCVR(コンバージョン率)改善に成功した具体的な事例を、PENGINの取り組みを通じて紹介します。

ECサイトのSEO対策でサイト流入を増やし売上を3倍に拡大した事例

ある食品ECサイトでは、売上の伸び悩みが課題でした。

PENGINが行ったCVR改善の施策は以下です。

  • サイト設計の見直しや商品画像のリデザインによるユーザー体験の改善
  • オウンドメディアのブログ機能を活用し、SEOを強化
  • コンバージョンを意識した商品ページの最適化

その結果、2年間でサイト流入が10万セッションに増加し、売上は3倍に成長しました。

詳細は、以下のページをご覧ください。

ECサイトのSEO対策とCVR改善を実施し、売上3倍を実現|PENGIN

ECサイトとオウンドメディア運用で前年比300%の売上増加を達成した事例

建具メーカーの富士産業様は、事業者向けの卸売から一般消費者向けのEC販売への転換を図っていました。

ご依頼をいただき、PENGINがサポートした内容は以下です。

  • ECサイトの構築および一般消費者向け販売への転換支援
  • メディアサイト運営による集客戦略の立案と実施
  • SEOを基にした記事の更新やコンバージョン最適化

上記内容をサポートした結果、公開から約1年半で月間ユーザー数8万人を達成し、月間売上は100万〜200万円に増加しました。

こちらも詳しくは以下のページをご覧ください。

ECサイト×オウンドメディア運用で売上の前年比300%を達成|PENGIN

まとめ

CVRを向上させれば売上増加や顧客満足度向上につながるため、適切な改善策の実施が不可欠です。

CVR改善を進めるにあたっては、その方法を内製化するか外部に依頼するかの選択肢がありますが、それぞれの方法にメリット・デメリットがあります。

効率的な改善を目指すなら、自社のリソース状況や課題に応じた選択が重要です。

まずは、自社の現状を正確に把握し、取り組むべき課題を明確化しましょう。

その上で、本記事で紹介した施策を活用し、CVR改善を目指してください。

ECサイトのCVR改善についてお困りの場合は、どのような内容でも構いませんので、PENGINまでお気軽にお問い合わせください。

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