企業を際立たせるコーポレートサイトの構成は?実例から注意点まで徹底解説

企業を際立たせるコーポレートサイトの構成は?実例から注意点まで徹底解説

この記事の監修者

粟飯原匠 |プロデューサー

マーケティングを得意とするホームページ制作会社PENGINの代表。教育系スタートアップで新規事業開発を経験し、独立後は上場企業やレガシー産業のホームページ制作・SEO対策・CVR改善の支援を行うPENGINを創業。「ワクワクする。ワクワクさせる。」を理念に掲げてコツコツと頑張っています。

「コーポレートサイトを作りたいが、どんな情報を記載すべきかわからない」といった悩みがあるサイト運営担当者は少なくありません。

この記事では、企業のコーポレートサイトの構成の実例から注意点まで解説します。

コーポレートサイトの構成を知って、自社サイトの構築・リニューアルに役立てたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

コーポレートサイトとは?

コーポレートサイトは、企業が製品やサービス、採用情報、投資家情報(IR)などの企業関連情報を集約して発信するWebサイトです。おもにビジネス目的に特化して制作・運営され、企業の「顔」としての役割をもちます。

コーポレートサイトを効果的に利用することで「ブランドイメージの形成・向上」や「顧客との接点作り」「採用力の強化」などの効果が得られる可能性があります。

コーポレートサイトにおける目的はおもに3つ

コーポレートサイトにおける目的は、おもに以下の3つです。

  1. 商品やサービス情報を発信する
  2. 自社の魅力を伝える
  3. 企業価値を伝える

それぞれ解説します。

1.商品やサービス情報を発信する

コーポレートサイトのおもな目的は、自社のサービスや商品について顧客に包括的に理解してもらうことです。製品の魅力や提供背景、経営理念との関連性を明確に伝え、顧客の興味や信頼を引き出します。

また特定の製品だけでなく、企業が展開する事業全体を一元的に示す場としても機能します。ただし、内容が膨大になりすぎる場合は、サービスサイトをはじめとした新たな専用Webサイトの開設も検討する必要があるでしょう。

2.自社の魅力を伝える

コーポレートサイトは、投資家や顧客だけでなく、多くの求職者が情報収集のために訪れる重要な媒体です。単に募集職種の情報を掲載するだけでなく、社員インタビューや企業文化を反映したコンテンツの提供により、求職者に自社で働くリアルなイメージを持ってもらえます。

また、自社のビジョンやミッション、社内制度なども紹介することで、自社の魅力を伝え、優秀な人材が獲得できる可能性が高まります。ただし、他社との差別化を図るためには、コンテンツの内容や見せ方に創意工夫が必要です。

たとえば「社員の仕事への想いが伝わる動画コンテンツを制作する」「ビジュアルを活用して制度の魅力を訴求する」など、自社らしさを打ち出す工夫が求められます。

3.企業価値を伝える

コーポレートサイトは、特に上場企業の場合は株主や投資家に向けた情報提供の場としての役割も果たします。

法定開示や適時開示情報の発信はもちろん、財務データや企業の長期的な戦略、市場動向などの非財務情報を提供することが重要です。投資家は企業の将来性を多角的に評価できるようになるため、投資先選びの判断材料を提供できます。

また、情報開示を積極的に行うことで、企業の透明性が増し、投資家との信頼関係を築けます。結果として、株価の適正化や資金調達がスムーズになるなどのメリットも期待できるでしょう。

コーポレートサイトの基本構成要素

コーポレートサイトは、企業の顔としての役割を果たし、さまざまなステークホルダーへの情報提供の窓口となります。コーポレートサイトに一般的に含まれる基本的な要素は、以下のとおりです。

  • 会社概要
  • 事業紹介
  • 製品・サービス紹介
  • 実績・導入事例
  • 代表メッセージ
  • 個人情報保護方針
  • 採用情報
  • IR情報
  • よくある質問
  • お問い合わせフォーム

上記の要素は、コーポレートサイトを通じて企業が目指すさまざまな目標を達成するための基盤です。適切に構成されたコーポレートサイトは企業の信頼性を高め、ビジネス成果に直接的に貢献できます。

理想的なページ構成の考え方

コーポレートサイトの理想的なページ構成の考え方には、以下の3つが挙げられます。

  1. コンセプトシートを作成する
  2. 階層をシンプルに設計する
  3. 制作会社に協力を仰ぐ

それぞれ解説します。

コンセプトシートを作成する

コーポレートサイトの制作にあたり、ユーザーへの理解度を高めるためにコンテンツの選択は非常に重要です。会社概要やお問い合わせフォームなど一部のコンテンツは必須ですが、自社の強みを際立たせるためには、それ以外のコンテンツについても慎重に選ぶ必要があります。

同業他社と異なる特色や狙いたいターゲット層を明確にすることで、より効果的なコーポレートサイトの構築が可能になります。

コンセプトシートを作成すれば「サイトに含めるコンテンツの目的」や「どのページで自社の強みを推し進めるか」を明確にできるため、競合との差別化を図りつつ、サイト訪問者に自社の価値を効果的に伝えるのに役立ちます。

具体的には、以下のようなポイントを意識してコンセプトシートを作成しましょう。

  • ターゲットとする顧客層を明確にする
  • 自社の強みや特色を洗い出し、どのページでアピールするか決める
  • 競合他社のサイトを分析し、差別化できる点を見つける
  • サイトに含めるコンテンツを選定し、その目的を明文化する

コンセプトシートを作成することで、サイト制作の方向性が明確になり、ユーザーに自社の価値を効果的に伝えられるコーポレートサイトの構築につながります。

コンセプトシートを作成することにより、サイトに含めるコンテンツの目的や、どのページで自社の強みを推し進めるかを明確にできます。これは、競合との差別化を図りつつ、サイト訪問者に自社の価値を効果的に伝えるために役立ちます。

階層をシンプルに設計する

コーポレートサイトの階層構造は、ユーザビリティに大きく影響します。深すぎる階層は、ユーザーが目的の情報にたどり着くまでの障壁となるため、できる限りシンプルな構造を心掛けましょう。

理想的には、ユーザーが3クリック以内で目的のコンテンツにアクセスできるよう設計することが望ましいです。具体的には、トップページから任意のページまでの階層を3階層以内に収めます。ユーザーのストレスが軽減できるため、サイトの離脱率の低下につながります。

制作会社に協力を仰ぐ

自社だけでWebサイトの全設計を行う場合、効果的なコーポレートサイトを制作するにはサイト制作の技術や豊富な知識が必要です。特に集客に効果的なWebマーケティングの専門知識が必要な場合、制作会社の協力を仰ぐことは非常に重要です。

専門的な制作会社は、集客に特化したサイト制作を得意としており、自社のマーケティング戦略に沿った効果的なWebサイトを構築できます。たとえば、ターゲット顧客の行動分析やSEO対策、ユーザビリティの高いデザインなどを考慮し、最適なサイト設計を提案してくれます。

サイト制作を制作会社に依頼する場合、自社の目標や必要とする成果を明確に伝え、協力して計画を進めることが大切です。自社の強みや特徴、訴求したいポイントなどを詳しく説明することで、制作会社から効果的に表現する方法の提案が受けられます。

制作会社と協力することで、単なる情報提供の場でなく、ビジネスの成果に結びつくコーポレートサイトの構築が可能になります。「訪問者をCVへと導く導線の最適化」や「問い合わせフォームの設置」など具体的な施策を講じることで、自社の収益アップに貢献するコーポレートサイトが構築できるでしょう。

効果的なコーポレートサイトの実例5選

ここからは、コーポレートサイトの実例5選をピックアップして紹介します。

1.日本マクドナルド株式会社

日本マクドナルド株式会社

引用:マクドナルド

日本マクドナルド株式会社は、世界規模でファストフードを提供し、ハンバーガーの代名詞として知られる大手企業です。

同社のコーポレートサイトの主な特徴としては、時間ごとに推奨商品の画像が切り替わり、おすすめ商品がわかりやすくなっています。

ユーザーが必要とする情報のみを厳選して掲載しており、ファーストビュー以下のセクションに詳細情報が充実している点も特徴です。ファーストビューで推奨商品や新商品を紹介し、ユーザーの購入意欲を刺激しています。

2.アップルジャパン合同会社

アップルジャパン合同会社

引用:Apple

アップルジャパン合同会社は、デジタル製品やソフトウェアの開発を行っている企業です。サイトはリンクを最小限に抑え、見やすいサイト設計を実現しています。iPhoneのようなシンプルで無駄のないデザインが特徴です。

また、写真を効果的に使用しつつ、テキストで必要最低限の情報を補足しています。サイト内で直接商品が購入でき、全体的に見やすく情報が把握しやすい設計になっています。精密な機器やソフトウェアを扱う企業にとって参考になる事例です。

3.株式会社WABISUKE

株式会社WABISUKE

引用:ひらがいたまごWABISUKE

株式会社WABISUKEは鶏卵の生産・販売を行っています。コーポレートサイトは、シンプルながらも生産者のこだわりが伝わるデザインです。

装飾を抑えた文章は端的で、大きな画像を使用して要点を明確に伝えています。オンラインショップへの購入ページのリンクも大きく、分かりやすく表示されている点が特徴です。スクロールは最小限で、ひとつの項目が一回のスクロールで完結する設計で、訪問者のストレスを軽減しています。

4.株式会社良品計画

株式会社良品計画

引用:株式会社良品計画

「無印良品」ブランドで知られる株式会社良品計画のサイトは、シンプルで情報が探しやすいのが特徴です。

IR情報ページでは、最新情報や資料がテキストのみで整理されており、装飾を省いた黒一色のデザインが目的の情報を見つけやすくしています。黒、白、茶などの落ち着いた色調がブランドイメージに合致しています。

5.株式会社大創産業

株式会社大創産業

引用:ダイソー

「ダイソー」で知られる株式会社大創産業のコーポレートサイトは、顧客の来店意欲を刺激し、ブランドのアイデンティティを強化するための独自の戦略を採用しています。

トップページに設置された画像スライダーは定期的に更新され、新商品や推奨商品を展示しています。また「アクセスしやすい店舗検索機能」や「シンプルで親しみやすいデザイン」はユーザーフレンドリーであり、情報が見つけやすく整理されている点が特徴です。

機能的な要素と共に、ブランドの親しみやすさとアクセシビリティを前面に出すことで、オンラインの訪問者を店舗の顧客に転換する強力なツールとして機能しています。

コーポレートサイト構築後の注意点

コーポレートサイト構築後の注意点は以下の3点です。

  • サイトを常に最新の状態に保つ
  • 安易に内製化しない
  • 分析と改善を繰り返す

それぞれ解説します。

1.サイトを常に最新の状態に保つ

コーポレートサイトに古い情報や更新されてないコンテンツが掲載されている場合、訪問者からの信頼を損なう可能性があります。そのため、企業としての信頼性を高めるには、製品情報や最新ニュース、事業成果などは定期的に更新しましょう。

また、問い合わせフォームがある場合、顧客満足度を向上させるためには迅速な対応が求められます。最近では、AIチャットボットなど自動応答システムを導入し、ユーザーからの問い合わせに対して即時に対応している企業も存在します。

2. 安易に内製化しない

コーポレートサイトの内製化はコスト削減の面で魅力的である一方で、専門的な知識やリソースが不足している場合、質の低いサイトが完成するリスクがあります。

内製化を決定する際は、デザインやユーザーエクスペリエンス、SEO対策など、一定のクオリティを担保できるかどうかを慎重に評価しましょう。

また制作会社を選ぶ場合は、適切な制作会社を選ぶ必要があります。業界に精通した制作会社やデザインに強い制作会社など、目的に合ったパートナーを選定しましょう。。

3.分析と改善を繰り返す

コーポレートサイトのパフォーマンスを定期的に分析し、改善点を見つけ出すことがコーポレートサイトの成果最大化のために重要です。

Google AnalyticsやGoogle Search Consoleなどのツールを利用して、訪問者の行動やサイトのパフォーマンスを詳細に追跡し、必要に応じて最適化しましょう。

上記のツールは「どのページが高いエンゲージメントを得ているか」「どのマーケティングキャンペーンが効果的か」「どのキーワードがトラフィックを引き寄せているか」などのデータが確認できます。

取得したデータを基に、ターゲットオーディエンスのニーズに合わせたコンテンツや機能の改善を行い、継続的にサイトを進化させていきましょう。

コーポレートサイトの構成に関するよくある3つの質問

コーポレートサイトの構成に関してよくある質問は、以下の3つです。

  1. コーポレートサイトの作成手順は?
  2. コーポレートサイトには何を書くべきですか?
  3. コーポレートサイトとホームページの違いは何ですか?

コーポレートサイトの作成手順は?

コーポレートサイトは以下の手順で作成します。

  1. コーポレートの目的や役割を設定する
  2. Webサイトのターゲットを明確にする
  3. 必要な情報を網羅的に洗い出す
  4. 情報を精査する
  5. ドメインやサーバーなどを取得する
  6. ワイヤーフレームを作成する
  7. Webサイト全体のデザインを作成する
  8. 改善と公開を繰り返す

コーポレートサイトには何を書くべきですか?

コーポレートサイトには、以下の12項目を含めることが一般的です。

  • 会社概要(企業の基本情報と概略)
  • ビジョン・ミッション(企業の目指す未来と使命)
  • ニュース・お知らせ(最新の企業活動やイベント情報)
  • サービスや商品、事業の説明(提供する製品やサービスの詳細)
  • 実績紹介(成功事例や重要プロジェクトのストーリー)
  • 採用情報(現在の求人情報と企業でのキャリア情報)
  • お問い合わせ(顧客サポートや連絡先)
  • よくある質問(FAQ)
  • 代表メッセージ(代表からの言葉や企業の価値観)
  • 社員紹介(社員の声やチーム情報)
  • ブログ (業界の動向や専門的知識を共有する)
  • SNSへの導線( ソーシャルメディアプロファイルへのリンク集)

コーポレートサイトとホームページの違いは何ですか?

コーポレートサイトは、おもに企業全体の情報を広範囲にわたって提供することを目的としています。対象とするのは投資家やパートナー企業などのビジネス関係者が一般的です。

一方、ホームページはより広い意味で使われることが多く、企業情報だけでなく製品やサービス情報、採用情報など、より多岐にわたるコンテンツが含まれることがあります。そのため、ホームページは消費者や一般ユーザーをターゲットにするケースが多いです。

まとめ

企業を際立たせるためのコーポレートサイトの構成を、実例から注意点まで含めて詳しく解説しました。

コーポレートサイトは、顧客だけでなく、投資家や、将来の社員になる可能性がある求職者も閲覧する重要なサイトです。サイトの構成に過不足があれば、コーポレートサイトは目的を果たせなくなる可能性があります。

本記事を参考に、自社の強みや魅力を伝えられるサイト構成のコーポレートサイトを制作しましょう。