「LPを施策として取り入れてみたい」「LPのメリットや効果的な作り方を知りたい」このように考える方は少なくありません。
この記事では、LP制作のプロがLPのメリット・デメリットから制作するための基本ステップ、王道となる構成パターンまで詳しく解説します。
ランディングページ(LP)とは?
ランディングページ(LP)とは、広告などを経由してユーザーが最初にアクセスするページを指します。
訪問者が企業サイトへ着地する(land)イメージから名づけられました。
また、ランディングページには広義・狭義の意味合いがあり、それぞれの指すものや特徴は以下の通りです。
- 広義ランディングページ:ホームページの中で最初にアクセスされたページ
- 狭義のランディングページ:ユーザーのアクションを誘導することに特化したページ
この記事では、狭義のランディングページについて解説します。
LPをつくる目的
LPをつくる目的には、以下のようなものがあります。
- 購入を促す
- 問い合わせてもらう
- 資料請求してもらう
ユーザーに対して何らかの行動してもらうためにLPは作成されます。これらは最終的な成果であるコンバージョンを意識して作られることが大きな特徴です。
ホームページとの違い
ホームページの目的は、幅広い情報をユーザーに理解してもらうことです。そのため、関連する情報をサイドメニューに表示する・自社の商品・サービスを解説します。
しかし、LPはコンバージョンにつながることを目的にしているため、購入を後押しするようなデザインやユーザーへ訴求することを第一に考えて制作します。
ホームページ・LPは、それぞれ目的も構成も異なることを覚えておきましょう。
LPのメリット
LPのメリットは、主に以下の3つが挙げられます。
- コンバージョンを向上させられる
- 伝えたい順番で情報を届けられる
- 効果測定や改善策を検討しやすい
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.コンバージョンを向上させられる
LPは情報を簡潔にまとめ、興味や関心を持つ訪問者に適したコンテンツを提供することで、コンバージョン率を向上させられることがメリットです。
また、消費者心理を反映した内容を効率的に作成できることも挙げられます。そのため、ターゲット層のニーズを正確に捉えることができるようになるため、より高いCV率を実現可能です。
2.伝えたい順番で情報を届けられる
LPは縦長のページ構造を活かし、訪問者を段階的に誘導します。最初に訪問者の問題を指摘し、次に商品のメリットを提示、最後に割引情報で購入を促すなど、興味を引きつけ、行動を促す理想的な情報の流れを実現可能です。
このような構成により、メッセージを伝えたい順番で届けることができ、効果的にコミュニケーションを図れます。
3.効果測定や改善策を検討しやすい
LPは、一般的なWebページと比較するとコンテンツ量が少ないため、どの部分で訪問者が離脱しているかなどの分析がしやすくなっています。
そのため、キャッチコピーの改善や、訪問者の関心を引き留めるための戦略をスピーディーに練ることが可能です。効果測定や改善策の検討が容易であることも、LPを活用する大きなメリットの一つです。
LPのデメリット
LPのデメリットは、主に以下の3つが挙げられます。
- コストを必要とする
- 回遊率は低くなりがち
- キーワードによってはSEO効果が薄い
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.コストを必要とする
LPのデザイン品質は、コンバージョン率に大きく影響します。しかし、高い訴求力を持つデザインを制作するのは専門知識が必要であり、初心者には難しいことです。
そのため、プロのデザイン会社に依頼する場合、費用が数十万円を要する場合があります。この点は、LP制作を検討する際の重要なコスト要因となります。
2.回遊率は低くなりがち
LPの特性上、リンクが限られているため、サイト内での回遊率は低めです。特にECサイトへの誘導を目指す場合には適していないことがあります。
多くの場合、関心のない訪問者はページを途中で離れる傾向にあります。リンクを増やすことで回遊率を高めようとする試みは、意図しない離脱を招くリスクがあるため、慎重に行うべきです。
サイトの構造としては、回遊を促す目的のページとLPは別々に設計することをおすすめします。
3.キーワードによってはSEO効果が薄い
LPでは、魅力的なデザインが優先される一方で、テキスト量は少なく保たれます。これにより、検索エンジンによる評価は低めになりがちで、検索結果の上位表示は期待しにくいです(キーワードによってはこの限りではありません)。
そのため、LPをコンバージョンの最適化に特化させ、集客にはWeb広告などの別の手段を活用することをおすすめします。このアプローチにより、LPの限界を補いつつ、目的に合った効率的な集客が可能です。
LPの大きな3つの特徴
LPの大きな特徴は、主に以下の3つが挙げられます。
- 縦長のレイアウト
- 目立つデザイン
- リンクが限られている
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.縦長のレイアウト
LPは縦長のページ構造で、訪問者がスクロールすることで商品やサービスを一貫して紹介することが特徴です。
この形式は、情報を絞り込み、訪問者が関連情報に散漫せず、目的の情報に集中できるよう設計されています。
LPはセールスメッセージを効果的に伝え、ユーザーの関心を引きつけ、離脱を防ぐのが主な狙いです。
2.目立つデザイン
LPのデザインは、訪問者の興味を引きつけるために、鮮やかな色彩や目を引くレイアウトを用いています。
アクションを促すボタンは特に大きく目立たせ、訪問者が取るべき行動を明確に示します。
さらに、共感を呼ぶキャッチコピー、ユーザーの悩みに対する共感部分、利益を強調するセクションも、デザインを通して強調されることが特徴です。
3.リンクが限られている
LP上では、訪問者の注意を分散させないように、リンクは最小限に抑えられています。主に「申し込み」や「購入」に関連するアクションへのリンクのみを設けることで、他の商品やページへの誘導を避け、訪問者をコンバージョンへと直接導きます。
この戦略は、選択肢の限定を通じて、訪問者の意思決定を容易にし、目的のアクションへ集中させることを目指すのがLPの特徴です。
LP制作の基本4ステップ
LP制作の基本となる4つのステップをそれぞれに分けて解説します。
1.目的・ペルソナを設定する
LPの制作を開始するにあたり、まずは目指すコンバージョン(CV)の目的を明確に設定し、その目的に合ったペルソナを細分化して定義することが必須です。
ペルソナの悩みやLPを訪れるシチュエーションを具体的に理解することは、後のデザインやメッセージの方向性を決める上で欠かせません。
この段階での詳細な設定は、後のステップでのブレを防ぐためにも、重要なプロセスとなります。
2.構成を立てる
LP制作の次の段階では、魅力的で効果的な構成を計画します。LPを7つのセクションに分けたワイヤーフレームが用いられ、各セクションが特定の役割を担うことが一般的です。
これには、訪問者の心を捉えるキャッチコピー、共感を誘う内容、サービスの紹介、低いハードルのCV促進、ユーザーに提供するメリット、信頼性の向上、最終的なアクションへの誘導が含まれます。
これらの要素を総合することで、CV率の高いLPを構築可能です。
3.デザインを作成する
デザインの段階では、ペルソナに焦点を当て、ビジュアル要素全体を通じてLPの魅力を最大化します。この際、ペルソナがLPをどのように感じるか、情報が伝わりやすいかを常に意識することが重要です。
また、競合のLPを参照することで、良い点を取り入れつつ、差別化を図ることも有効な戦略となります。
LP制作においては、目標とするペルソナの視点からデザインの各要素を選択し、調整していきます。
4.実際に作成・コーディングする
デザインが完成したら、LPをWebページとして実際に構築し、オンラインで機能させる作業に移ります。
この過程では、サーバーの選択、URLの設定、お問い合わせ用メールアドレスの準備など、技術的な詳細に注意を払います。
さらに、表示速度や動作の安定性、CV後の自動返信メールの内容など、ユーザー体験に直結する要素についても、徹底的にテストすることが重要です。
この段階での慎重なチェックと調整により、LPの効果を最大限に引き出せるようになります。
LPを運用する重要なポイントは3つ
LPを運用する重要なポイントには、以下の3つが挙げられます。
- 分析ツールを導入する
- A/Bテストを実施する
- 定期的に分析・改善を行う
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.分析ツールを導入する
LPを成功させるには、ユーザーの行動を詳細に分析することにあります。ここで役立つのが、Google Analyticsやヒートマップなどの分析ツールです。
これらを活用することで、訪問者がどのセクションで関心を持ち、どのポイントで離脱するかなどのデータを得られます。
特に訪問者数が多いサイトでは、これらのツールを用いることで、精度の高いユーザー行動分析が可能となり、LPのどの部分を改善すべきかの手がかりを提供します。
2.A/Bテストを実施する
A/Bテストは、異なるデザインやコンテンツのバリエーションを試し、どちらがより高いコンバージョン率を達成するかを比較する手法です。
このテストを通じて、ボタンのデザインや位置、キャッチコピーの変更が目標達成にどう影響するかを検証できます。特定の変更点がCV率に与える影響を正確に測定し、最も効果的な要素を見極められるため、A/BテストはLPの最適化に欠かせません。
3.定期的に分析・改善を行う
LPの効果を最大限に引き出すには、定期的な分析とそれに基づいた改善が必要です。ただし、更新の頻度が高すぎると、反対に成果を損ねる可能性があるため、適切なタイミングでのリニューアルが求められます。
流入数やコンバージョンデータを基に、信頼できる仮説を立てた上で改善策を実行することが重要です。また、市場や技術環境の変化に応じて、LPの更新を行う必要があります。これにより、常に時代に即した最適なLPを維持できるようになります。
LPの王道構成パターン
LP構成の王道パターンを7つに分けてそれぞれ解説します。
1.ファーストビューで興味を惹く
LP制作における初めの印象は、ファーストビューによって大きく左右されます。コンバージョン率を高めるためには、この部分に特に注力することが重要です。
効果的なファーストビューを構成するためには、商品やサービスの利点を明確に伝えるキャッチコピー、即座に内容を理解できる画像、そして目立つ申し込み・購入ボタンが必要です。これらの要素を適切に配置することで、ユーザーの関心を引き、アクションに繋げやすくなります。
キャッチコピーはメリットを前面に、画像は商品を直感的に伝えるものを選び、購入ボタンはアクセスしやすい位置に設置することがポイントです。
2. 課題と解決策の提示
ユーザーの興味を一度ファーストビューで引きつけたら、次にその興味を具体的なアクションへと導くためには、彼らの課題を理解し、適切な解決策を提示することが必要です。
急な販売促進よりも、まずはユーザーの悩みに共感し、それに対する解決策を提供することで、信頼を築きます。この過程で、ユーザー自身が感じている問題点を明確にし、それに対する自社の商品やサービスがどのように役立つのかを示すことが効果的です。
3. 商品のメリットのエビデンスを記載
商品やサービスのメリットを訴える際は、単なる主張だけでなく、具体的な証拠やデータを提示することで、その説得力を高めます。
たとえば、使用者の満足度や販売数などの数値を出すことで、ユーザーに対して商品の価値を客観的に伝えることが可能です。
重要なのは、提示するデータに説得力を持たせるために、その出典や調査時期なども明記することが挙げられます。これにより、ユーザーの信頼を得やすくなり、コンバージョン率の向上につながります。
4. 実際のユーザーの声で信頼感と共感を与える
LPで提供する製品やサービスに対する信頼感を高める方法の一つとして、実際のユーザーからの声を取り入れることが効果的です。
「お客様の声」セクションでは、実際に商品を使用した人々の具体的な体験談を紹介します。その際、レビュアーの信頼性を示すために、実名、顔写真、年齢、居住地を掲載することが重要です。
また、ターゲット層に対応したレビューを選択し、読者が自身と同じ立場の人の声を見ることで、より共感を得やすくなります。
5. 有識者からのレビューで納得感を与える
LPにおける信頼性のさらなる向上には、有識者や専門家からの肯定的なレビューや推薦が役立ちます。テレビや雑誌の掲載情報、専門家の推薦、受賞歴などを紹介することで、商品・サービスの価値を客観的に証明します。
これらの情報を選ぶ際は、商品・サービスの品質や価値を直接的に反映するものに限定し、過度な自己宣伝や無関係な情報は避けることが望ましいです。
6. 開発者の声、企業のメッセージでファン化を狙う
BtoCだけでなくBtoBにおいても、商品やサービス背後にあるストーリーを共有することで、顧客との深いつながりを構築可能です。
開発者の声や企業のメッセージを通じて、製品に込められた情熱や企業の理念を伝えることが、顧客の購入動機を刺激します。
直接的な販売促進よりも、製品が生まれた背景や企業の使命を語ることで、顧客はより製品に対する愛着や信頼感を深めることができるでしょう。
7. 申込フォームの設置(CTA)
LPのゴールである購入や申し込みへの最終誘導では、ユーザーの行動を刺激する強力なインセンティブが必要です。
特典の提供、スピーディーな問題解決のアピール、返金や返品の保証は、ユーザーが行動に移すための決定的な後押しを提供します。
たとえば、限定特典や速やかなサービス提供を前面に出すことで、ユーザーの購入意欲をかき立てることが可能です。
また、返金・返品保証を明記することで、リスクを感じずに購入を決断できる環境を作り出します。これらの策は、購入や申し込みの最後の障壁を取り除き、ユーザーを安心させることにより、コンバージョン率の向上に直結します。
「LP とは」に関するよくある3つの質問
「LP とは」に関するよくある質問には、以下の3つが挙げられます。
- LPのデザインのコツは何ですか?
- LP作成を外注する場合の費用相場は?
- LPのCVRを最大化するための施策は?
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.LPのデザインのコツは何ですか?
LPをデザインする際のコツには、以下のようなものが挙げられます。
- 構成の流れを最適なものにする
- ファーストビューを作り込む
- 顧客目線から検討する
- メリハリをつけて注意を引く
また、これら以外にも競合他社のLPを集めて比較したり、実際に社内でターゲット層(年齢・性別など)と近い人に意見をもらったりして、精度を高めることが成功させるためのポイントです。
2. LP作成を外注する場合の費用相場は?
LPの作成を外注する場合の費用は、依頼先や業務内容によって大きく異なります。そのため、費用相場は幅広く、数万円から60万円までと幅広いことが特徴です。
以下の表では、依頼内容ごとの相場を紹介します。
デザインのみ | 3〜10万円 |
コーディングのみ | 1〜10万円 |
3. LPのCVRを最大化するための施策は?
LPのCVRを最大化するための施策には、以下の3つが挙げられます。
- お問い合わせフォームを最適化
- CTAの最適化
- 広告など流入元の訴求に一貫性を持たせる
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
お問い合わせフォームを最適化
購入意欲が高いユーザーを最後のステップで逃がさないためには、お問い合わせフォームの使い勝手を最適化することが非常に重要です。
入力フォームは、シンプルかつ直感的であることが求められ、不要なリンクの除去、エラー表示の明確化、必要最小限の入力項目に絞ることがポイントとなります。
また、応答性を高めるためのステップフォームの導入も有効です。これにより、ユーザーの離脱率を減少させ、より多くの問い合わせへと繋げることが可能です。
CTAの最適化
LPの成果を左右するCTAは、ユーザーを次のアクションへと導くための重要な要素です。効果的なCTAのためには、動詞を使用した明確なメッセージ、適切な配置、そして全体のデザインと調和しつつ目を引く見た目が求められます。
たとえば、「無料特典を申し込む」のように具体的な行動を示すことで、ユーザーが期待する結果を直感的に理解しやすくなります。
広告など流入元の訴求に一貫性を持たせる
LPへの流入元となる広告との一貫性は、ユーザー体験を向上させ、コンバージョン率の最大化に欠かせません。
広告で訴求したポイントとLPのメッセージが異なると、ユーザーの混乱を招き、離脱のリスクが高まります。
そのため、広告とLPで訴求ポイントを統一し、デザインの観点からも一貫性を持たせることが大切です。これにより、ユーザーは自身のニーズに応じた情報をスムーズに受け取ることができ、より高いエンゲージメントを期待できます。
まとめ
ランディングページ(LP)とは、ユーザーに購入や問い合わせなどのアクションを促すためのページです。シンプルな構造が求められ、コンバージョンを得ることに特化しています。メリット・デメリットがありますが、ユーザーへ自社が届けたい情報を伝えやすいことや購買率を高められることが特徴です。
また、LPを作ってアップロードすれば終わりではなく、定期的な分析・改善を図ることで最適化が見込めます。ぜひ、この記事で紹介したポイントを参考にして、自社にとって最適なLP制作に取り組んでみてはいかがでしょうか。