「ランディングページの成果が伸びない」「もっと効率よく販売したい」―Webサイトから商品やサービスの販売をしている方なら、一度は頭を悩ませたことがあるのではないでしょうか。
そんな悩みを解決に導いてくれるのが、ランディングページ最適化(LPO)ツールです。LPOツールを使えば、自社サイトの課題を発見し、効果的な改善策を打ち出せます。その結果、コンバージョン率が大幅にアップした事例も少なくありません。
この記事では、LPOツールの詳しい仕組みや選び方、具体的な改善手順を解説します。「もっと売上を伸ばしたい」そんな思いをお持ちなら、ぜひ最後までご一読ください。
LPOとは?
LPO(ランディングページ最適化)とは、Webサイトの訪問者が最初に目にするページ(ランディングページ)を効果的に設計し、最終的な成果(コンバージョン)へ導くマーケティング手法です。
コンバージョン率(CVR)の向上が目的で、販売件数や資料請求、会員登録数など、自社の目標に沿った成果を増やすことを目指します。そのために、ページの構成やデザイン、コピーなどを訪問者の行動データをもとに最適化していきます。
LPOツールの主な機能
LPOツールには、以下5つの主要機能があります。
- ヒートマップ
- A/Bテスト
- セッションリプレイ
- ポップアップ
- パーソナライズ
それぞれの機能について、詳しく解説していきます。
ヒートマップ
ヒートマップは、Webページ上でのユーザー活動を色で視覚化する分析ツールです。ページのスクロール率やクリック率、タップ率などを色の濃淡で表現します。
この機能を使えば、ユーザーがどのコンテンツに興味を持っているかが一目でわかります。そのデータをもとに、ページ構成やデザインの改善が可能です。
A/Bテスト
A/Bテストは、Webページの2つ以上のバージョンを比較し、より高い効果を発揮するデザインを見極める手法です。ユーザーごとにランダムに異なるバージョンを表示し、その反応を分析します。
多くのLPOツールには、コーディング不要でA/Bテストを実行できるエディターが搭載されています。この機能を活用すれば、専門知識がなくても簡単にテストを開始できるでしょう。
セッションリプレイ
セッションリプレイは、ユーザーのWebサイト閲覧時の操作を動画で再現するツールです。マウスの動きやクリック、スクロールなどの行動を視覚的に確認できれば、より具体的な洞察が得られます。
ヒートマップや数値データと合わせた活用により、サイトのユーザビリティ向上につなげられるでしょう。
ポップアップ
ポップアップ機能を使えば、訪問者に対して重要な情報を効果的に伝えられます。たとえば、初回訪問者にお得なクーポンを表示したり、離脱しそうなユーザーにおすすめ商品を案内したりできます。
タイミングや内容を工夫すれば、ユーザー体験の向上やコンバージョン率のアップが期待できます。
パーソナライズ
パーソナライズは、ユーザーの属性や行動に合わせて、最適なコンテンツを提供する手法です。年齢や性別、閲覧履歴などをもとに、個々のユーザーに適したページを表示します。
マス向けのアプローチでは対応しきれないニーズにも応えられるため、ユーザー満足度の向上につながります。
以上のようにLPOツールを導入すれば、手間をかけずにパーソナライズ対応が可能です。
LPOツールの選び方
LPOツールを選ぶ際は、以下4つのポイントをおさえておきましょう。
- 操作性
- 機能の高さ
- レポート機能
- 自社が求める機能があるか
それぞれの詳細についてみていきます。
1. 操作性
LPOツールの操作性は、業務効率に大きな影響を与えます。直感的なUIを備えたツールなら、テストの設定や改善案の実行がスムーズに行えます。
反対に、操作に手間取るようなツールでは、担当者のモチベーション低下や適切な施策の遅れにつながりかねません。
ツール選定の際は、実際の管理画面にアクセスして使い勝手を確かめてみましょう。操作方法がわかりやすく、ストレスを感じさせないツールの選定が肝心です。
2. 機能の高さ
適切なツール選びにおいて、必要な機能が備わっているかどうかは重要なポイントです。たとえば、A/Bテストを頻繁に行うなら、多様なテストオプションに対応したツールが適しています。
また、ページ内の細かな要素を簡単に変更できる編集機能の充実度も見逃せません。ただし、機能が多いほどコストが高くなる傾向があります。
実際に使う機能を見極め、必要十分な製品を選ぶことがコストパフォーマンスを高めるカギとなります。
3. レポート機能
LPOツールのレポート機能は、効果測定や成果の共有に大きく影響します。優れたレポート機能なら、必要なデータを自動で集計し、視覚的にわかりやすく表示してくれます。
データをグラフや図表で俯瞰できれば、分析結果の理解が深まり、適切な意思決定につながります。レポートのカスタマイズ性や見やすさも、ツール選定の際にチェックしたいポイントです。
4.自社が求める機能があるか
自社のWebサイトに最適なLPOツールを選ぶには、必要な分析機能が揃っているかを確認しましょう。分析目的に応じて、ツールに求める機能は異なります。特に以下の機能の有無や性能を比較することをおすすめします。
- アクセス解析機能
- ターゲティング機能
- ヒートマップ分析機能
これらの機能をもとに、自社の課題解決にもっとも役立つツールを見極めてください。
おすすめLPOツール16選
おすすめLPOツールを16種類ピックアップして紹介します。
1.AGARU CVR
引用:AGARU CVR
AGARU CVRは、CVRの向上と売上アップを実現するLP制作ツールです。BtoBのLPには成果が出る型が存在しますが、AGARU CVRでは100社以上の改善実績をもとに考案されたテンプレートを提供しています。
このテンプレートを活用すれば、画像素材・テキスト・カラーを変更するだけで、最短3日間で効果的なLPを完成させられます。ゼロから開発する必要がないため、制作コストを抑えつつ、運用に十分な資金を割り当てることが可能です。
さらに、管理画面からほとんどすべての文言編集ができるのも大きなメリットです。通常なら制作会社に依頼しなければならない文言の変更を、自社で迅速に対応できるようになります。
詳しい情報が気になる方は、以下のページを参考にしてみてください。
2. Optimizely
引用:Optimizely
Optimizelyは、2008年の米大統領選で活躍したDan Sirokerによって設立されたデジタルエクスペリエンスプラットフォームです。eBayやDolbyなど、8,000社以上の企業で利用されており、世界トップクラスのA/Bテストツールとして知られています。
高度な統計エンジンを用いて、少ないサンプルと短時間での検証を可能にし、直感的な操作性と豊富なデザインカスタマイズ機能が特長です。
3. Visual Website Optimizer(VWO)
引用:Visual Website Optimizer(VWO)
VWOは、コストパフォーマンスに優れたLPOツールで、月額15万円からのリーズナブルな価格設定が特徴です。
A/Bテスト、多変量テスト、ヒートマップ、ターゲティング機能のいずれもマウス操作だけで利用でき、使い勝手のよさに優れています。
4. Mouseflow
引用:Mouseflow
Mouseflowは無料で利用できるWeb解析ツールで、訪問者の全行動を録画可能です。ヒートマップやフォーム分析機能を備え、セッションリプレイによってユーザーの具体的な動きを追跡できます。
このツールは、コンバージョンに成功したユーザーとそうでないユーザーの行動を比較でき、詳細な分析に適しています。
5. Ptengine
引用:Ptengine
Ptengineは、株式会社Ptmindが提供するLPOツールで、月間3,000PVまでのページに対応する無料プランを提供します。
直感的なエディターを用いたノーコードでのLP編集が可能で、ヒートマップやABテストなどの複数の機能を併用できます。
6. SiTest
引用:SiTest
SiTestは、ヒートマップとセッション録画機能を併せ持つLPOツールで、ユーザーの行動を詳細に把握可能です。
A/Bテスト、クリック解析、スクロール解析に対応し、自動でレポートを生成する機能も備えています。特に、ユーザーの行動録画はCVRの改善に直接的に寄与し、実際のユーザー体験の理解に役立ちます。
7. User Insight
引用:User Insight
User Insightは、アクセス解析とヒートマップを組み合わせたUI/UX改善ツールです。PC、スマートフォン、タブレットからの流入を詳細に分析し、ユーザーの行動パターンを可視化します。
このツールは、ユーザーがどのエリアに最も関心を持ち、どこで離脱しているかを明確にし、ページビューやユーザー属性のリアルタイム分析を提供します。
8. KAIZEN UX
引用:KAIZEN UX
KAIZEN UXは、5万件以上のWebサイト改善実績を持ち、専門家チームによる全面的な支援を提供するツールです。
ランディングページだけでなく、サイト全体のユーザー体験を改善するのに役立ち、データドリブンなパーソナライズ機能を通じてコンバージョン率を向上させます。
9. Ferret One CMS
Ferret One CMSは、BtoBマーケティングに特化したCMSで、PowerPointのような直感的な操作性が特徴です。1,000社以上のBtoBマーケティング事例に基づいたガイドラインを提供し、専門知識がないチームでも効果的なマーケティング活動ができます。
10. ミエルカヒートマップ
引用:ミエルカヒートマップ
ミエルカヒートマップは、サイト内のユーザー行動を「見える化」するツールです。スクロール、クリック、注目度などの様々な行動データをヒートマップで提供し、Webサイトの具体的な改善点を識別します。また、無料のサポートもあり、初心者でも簡単に使い始められます。
11. WebAntenna
引用:WebAntenna
WebAntennaは、異なる流入経路からのデータを一元管理し、広告効果を測定するLPOツールです。アトリビューション分析を利用して、各広告や施策の効果を定量的に評価し、最適な予算配分を支援します。このツールは特に広告コストを効率化したい企業に適しています。
12. CVX
引用:CVX
CVXは、200種類以上のデザインテンプレートを搭載し、直感的な操作で迅速にランディングページを制作できるツールです。ABテスト機能も備えており、リアルタイムでのデータ分析と改善が行えます。特に内製化を目指す企業や新規事業のテストマーケティングに適しています。
13. DLPO
引用:DLPO
DLPOは、ABテスト、多変量テスト、パーソナライズ施策を通じてコンバージョン率を向上させる高度なツールです。
大手広告代理店も採用しており、ランディングページだけでなく、ECサイトやオウンドメディアにも対応しています。高度なテストとパーソナライズ機能が特徴です。
14. MATTRZ CX
引用:MATTRZ CX
MATTRZ CXは、Web接客からコンバージョン改善、ユーザー分析まで一括で行えるプラットフォームです。
多様な表示オプションと共に、ヒートマップやレポート機能で施策の効果を詳細に分析できます。また、専門サポーターからの支援もあり、実装から運用までサポートを提供します。
15. AIアナリスト
引用:AIアナリスト
AIアナリストは、Google Analyticsと連携し、データ分析から改善提案、効果検証までサポートするツールです。
初期設定が不要で、手軽にデータドリブンなマーケティング施策を展開できます。総合的なレポート機能により、特定のデータポイントに基づいた改善提案が可能です。
16. Juicer
引用:Juicer
Juicerは、LOGLYが提供する無料のWeb解析ツールで、訪問者の属性や行動データを分析し、ペルソナを自動生成します。
Google Analyticsよりも使いやすく、直感的なUIが特徴です。データ解析初心者にも親しみやすいデザインと機能を備えており、データドリブンな意思決定を支援します。
LPOを進める手順
LPOを進める際は、以下の4つのステップを踏むことが重要です。
- 課題の明確化
- 仮説の構築
- 施策の実行
- 効果測定
1.課題の明確化
ランディングページの最適化において、まず取り組むべきは現状の課題特定です。Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを活用し、以下の指標を確認します。
- 各CTAのクリック率
- 広告別の直帰率とコンバージョン率
たとえば、ある広告の直帰率が異常に高ければ、広告内容とランディングページのメッセージにズレがある可能性があります。
また、ヒートマップツールを使えば、ユーザーがページのどの部分に注目し、どの地点で離脱しているかを視覚的に把握できます。これにより、課題のある箇所を特定しやすくなるでしょう。
2.仮説の構築
課題の原因について仮説を立てる際は、データに基づいて考えることが重要です。例えば、ファーストビューでの高い離脱率には以下のような仮説が考えられます。
- ページの読み込み速度が遅いため、表示完了前にユーザーが離脱している
- ファーストビューのキャッチコピーやイラストが、ユーザーの期待と合っていない
- 商品やサービスの内容がファーストビューから伝わりにくく、興味を引けていない
また、フォーム到達率が低い場合は、以下のような仮説が立てられるでしょう。
- CTAまでの導線が長すぎる
- CTAボタンが見つけにくい
- コンテンツが冗長で、ユーザーが途中で離脱してしまう
3.施策の実行
立てた仮説を検証するには、具体的な改善策を計画し実行する必要があります。LPOは単なるテクニックではなく、ターゲットユーザーに適したコミュニケーションと適切な訴求点の特定が鍵となります。主な仮説と具体的な施策の例を以下の表に示します。
仮説 | 施策 |
ページの読み込み速度が遅い | ・画像の最適化 ・ブラウザキャッシュの利用 ・コンテンツ配信ネットワーク(CDN)の使用 |
ファーストビューのキャッチコピー・イラストがユーザーの期待と異なる | ・ターゲットユーザーの再分析 ・A/Bテスト ・フィードバックの収集 |
商品やサービスの内容がファーストビューから明確でない | ・明確なユーザーベネフィットの提示 ・情報の階層化 ・ビジュアルの活用 |
フォーム到達率が低い | ・ナビゲーションの最適化 ・進捗バーの導入 ・マルチステップフォームの使用 |
4.効果測定
施策の効果を測定する際は、A/Bテストなどを活用して定量的に評価することが重要です。LPOツールを使えば、異なるランディングページのバージョンを比較し、どの改善案が最も効果的だったかを確認できます。
さらに、多変量テストを実施すれば、ページ内の複数の要素を組み合わせた場合の効果を測定できます。また、パーソナライズテストにより、ユーザーの属性や行動に合わせた最適化も可能です。
これらのテストを通じて得られた知見を活かし、PDCAサイクルを回しながら継続的な改善を図りましょう。目標とするコンバージョン率の達成に向けて、仮説の構築と検証を繰り返すことが成功のカギとなります。
LPOツールでよくある3つの質問
LPOツールでよくある質問には、以下の3つが挙げられます。
- LPOツールの費用はどれくらいかかりますか?
- LPOツールでできることは何ですか?
- LPOツールを使用するメリットは?
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。
1.LPOツールの費用はどれくらいかかりますか?
LPOの実施方法によって、必要な費用は異なります。自社でLPOを行う場合、外部への支払いは発生しませんが、人件費を考慮する必要があります。
一方、ツールの導入や外注を選択する際の費用相場は以下のとおりです。
カテゴリ | 初期費用 | 月額利用料 | 備考 |
LPOツールの導入 | 約10万円(無料オプションあり) | 2万〜4万円 | クラウドサービスの場合、初期費用が無料のオプションもあり |
代行サービスの利用 | 5万円から20万円 | 10万〜30万円 | 単発プロジェクトと継続的サービスの料金 |
2.LPOツールでできることは何ですか?
LPOツールは、ランディングページの効果を最大化するために設計されています。主な機能は以下の通りです。
- A/Bテストや多変量テストによる、異なるページデザインやコンテンツの効果測定
- アクセス解析を通じた、ユーザー行動や流入源の詳細分析
- データに基づくページ要素の自動調整による、最適化の自動化
これらの機能を活用することで、ユーザー体験の向上とコンバージョン率の増加を図ることができます。
3.LPOツールを使用するメリットは?
LPOツールを導入するメリットは多岐にわたります。
- CVRの向上と売上増加が見込める
- ツールの活用によりコスト削減が可能
- ユーザー行動を数値化し、可視化できる
- ランディングページの課題が明確になる
- 精度の高いA/Bテストが実施できる
これらの利点から、LPOツールはWebサイトのパフォーマンス向上に欠かせない存在として広く認識されています。ランディングページの効果的な最適化を実現するための強力なツールといえるでしょう。
まとめ
自社に適したLPOツールを選ぶためには、まず達成したい目標を明確にすることが大切です。また、LPOは一度きりの取り組みではなく、継続的な分析と改善を積み重ねれば成果を最大化できます。
ぜひ本記事で紹介した内容を参考に、自社のランディングページを理想的な状態へと磨き上げていってください。