BtoBでのマーケティング業務において様々なプロセスがあります。それぞれのプロセスにおいて適したフレームワークを活用することが重要です。
この記事では様々なプロセスの特徴や活用するべきタイミングなどを詳しく説明していきます。
BtoBマーケティングで重要となる15のフレームワーク
BtoBマーケティングで活用できるフレームワークには様々な種類があります。ここでは特に重要となる15のフレームワークを紹介します。
フレームワーク | 特徴 |
3C分析 | 自社の戦略を決める時に活用 |
4C分析 | 新しい商品やサービスを販売するにあたって施策を立案する時に活用 |
4P分析 | 新しい商品やサービスを立案する場合に活用 |
SWOT分析 | 自社の強みや弱みを把握時に活用 |
PEST分析 | 自社の周辺の外部環境を把握するときに活用 |
STP分析 | 狙うべき市場や立ち位置などを明確にする |
フォース分析 | 事業拡大を妨げる要因を把握する |
AISAS | 顧客が商品やサービスを購入するまでのプロセスを可視化 |
AIDMA | 顧客が購入することを決めるまでのプロセスを可視化 |
PDCA | 業務の改善をするために必要なフレームワーク |
ECRS | 業務効率化を進めるために活用 |
OODA | 最終的な意思決定を迅速に行うために必要 |
カスタマージャーニーマップ | 顧客がサービスに対してどのように対応していくかプロセスごとに可視化 |
ペルソナ | ターゲットとなる顧客を明確にする |
SAVE | マーケティングや購買活動が変化している点を考慮 |
フレームワーク1.3C分析
3C分析とは自社の戦略を決める時に活用するフレームワークであり、次の3つの観点において情報を調査します。
- Customer(市場、顧客)
- Competitor(競合他社)
- Company(自社)
市場や顧客、競合他社に関連する情報を自社の情報と比較することにより、自社がどのような価値を訴求するべきか判断します。市場や顧客、さらには競合他社においても常に変化しているためスピーディーに進めることが重要です。
フレームワーク2.4C分析
新しい商品やサービスを販売するにあたって施策を立案する時に活用するフレームワークです。次の4つの視点において分析を進めていきます。
- Customer Value(顧客価値)
- Cost(顧客コスト)
- Convenience(利便性)
- Communication(コミュニケーション)
上記の顧客視点で分析を進め、顧客ニーズを満たし契約まで進めることが目的です。
フレームワーク3.4P分析
新しい商品やサービスを立案する場合に、4P分析を活用すると効果的です。さらにマーケティング施策を企画する場合においても利用されます。4Pとは、次の4つの要素から成り立っています。
- Product(商品・サービス)
- Price(価格)
- Place(販促場所)
- Promotion(販促方法)
商品や価格を設定した上で、販売場所や方法する方法を分析することが必要です。
フレームワーク4.SWOT分析
SWOT分析は自社の強みや弱みを把握するときに活用するフレームワークです。次の四つの観点において業界内外を分析します。
- Strength(強み)
- Weakness(弱み)
- Opportunity(機会)
- Threat(脅威)
新しい企画を立案するときに、自社の特徴を把握することによって他社との差別化がしやすくなるのです。
フレームワーク5.PEST分析
PEST分析とは自社の周辺の外部環境を次の視点から検討することによって、状況を把握することです。
- Politics(政治)
- Economy(経済)
- Society(社会)
- Technology(技術)
初めて授業を展開する場合において、トレンドや想定できるリスクなど把握するために活用されます。上記の外部環境は常に変化をするため、中長期的な視点で把握することが重要です。
フレームワーク6.STP分析
STP分析とはどのようなサービスや商品を展開し、狙うべき市場や立ち位置などを明確にするために活用する分析方法です。次の要素において明確にすることで事業戦略を進めていきます。
- Segmentation(市場の細分化)
- Targeting(狙うべき市場)
- Positioning(自社の立ち位置)
上記の順番にこだわる必要はなく、柔軟に進めていくことが大切です。
フレームワーク7.5フォース分析
5フォース分析は、競合他社をはじめとした事業拡大を妨げる要因を把握するために活用するフレームワークです。
- 競合他社
- 代替品の脅威
- 売り手の交渉力
- 買い手の交渉力
- 新規参入の障壁
上記の5つの脅威に対して外部環境を分析することによって、新規事業を導入して収益を得られるかどうかを判断します。分析の結果驚異の度合いが大きいようであれば撤退する必要がある可能性もあります。
フレームワーク8.AISAS
AISASは、顧客が商品やサービスを購入するまでのプロセスを可視化したフレームワークです。 つまり顧客に契約してもらうためにどのように行動するのか、検討する場合に活用することが一般的です。
AISASは顧客が購入するまでの次のプロセスにおいて、それぞれの状況を把握するためにあります。
- Attention(気付く)
- Interest(興味をもつ)
- Desire(欲しいと思う)
- Memory(記憶する)
- Action(行動する)
フレームワーク9.AIDMA
AIDMAは、AISASと同じように顧客が購入することを決めるまでのプロセスを可視化するフレームワークです。次の5つのプロセスにおいて詳しく分析していきます。
- Attention(気付く)
- Interest(興味をもつ)
- Search(調査する)
- Action(購入する)
- Share(感想や実際使った体験を共有する)
AISASと違うのはお客が自分で情報を検索したり、商品を購入した後の感想を共有することです。
フレームワーク10.PDCA
PDCAとは、計画や実行、確認、改善といった次の4つのプロセスを繰り返す事によってマーケティングをはじめとした業務の改善をするために必要なフレームワークです。
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(確認)
- Act(改善)
よく知られているフレームワークではありますが、効率よくPDCAをまわしている企業は決して多いとはいえません。
フレームワーク11.ECRS
ECRSは業務効率化を進めるために活用するフレームワークです。以下の4つの要素において順番に検討することによって、業務改善を進めます。
- Eliminate(排除)
- Combine(統合)
- Rearrange(順番の変更)
- Simplify(簡素化)
ECRSにおいては順番が重要であり、違う順番で進めてしまうと非効率となる場合があるので注意が必要です。
フレームワーク12.OODA
OODAとはマーケティング業務を進める上で、最終的な意思決定を迅速に行うために必要なフレームワークです。以下の4つの要素を繰り返していきます。
- Observe(観察)
- Orient(方向性の決定)
- Decide(判断)
- Action(行動)
新規事業を始める時に特に効果的であり、前例がない場合であってもプロセスを繰り返すことによって効率的に事業を進められます。
フレームワーク13.カスタマージャーニーマップ
カスタマージャーニーマップとは、顧客がサービスに対してどのように対応していくかプロセスごとに可視化することです。Webや対面、メール、電話といったチャネル、記事や上司などのタッチポイントなどを詳しく記載します。
次に、行動や行動につながった心理、顧客が持つ悩みなど顧客が商品やサービスを認知してから購入するまでの行動を予測します。
フレームワーク14. ペルソナ
ペルソナとはターゲットとなる顧客を明確にすることにより、商品やサービスにおいて共通認識を持つことが目的です。
ペルソナを設定することにより、プロジェクトに関連するすべての担当者が同じ認識を持ちやすくなります。共通認識を持つことによって、商品やサービスの開発また戦略立案をする際に同じ方向で進めることが可能です。
フレームワーク15.SAVE
SAVEとは従来のマーケティングフレームワークである4Pに変わる新しい考え方であり、次の4つの要素が含まれています。
- Solution(解決策)
- Access(接点)
- Value(価値)
- Education(教育)
SAVEはマーケティングや購買活動が変化している点を考慮したフレームワークです。そのため、BtoBマーケティングにおいて活用しやすいのが特徴です。
BtoBマーケティングの戦略を立てる基本的な流れ
BtoBマーケティングの戦略を立てるためには、市場の調査を十分にしたうえで施工の実行が必要となります。外部環境を把握しなければ自社の強みを生かすことができないのです。
BtoBマーケティングの戦略を立てる基本的な流れは次のようになります。
- 市場の調査
- 市場の細分化
- 施策の決定
- 施策の実行
それではそれぞれのステップにおいて詳しく説明していきます。
ステップ1.市場の調査
BtoBマーケティングの戦略を立てるためにはまず市場の調査が重要です。
市場の調査をするためにはここまで説明した3C分析やPEST分析、SWOT分析などを活用することにより、様々な角度において詳しく分析をすることが重要です。外部環境を把握することによって、自社が置かれてる立場を明確にすることが求められます。
ステップ2.市場の細分化
市場の調査が終わると次に市場の細分化を行います。STP分析を活用することが一般的で、調査した市場をさらに細分化してどの部分で狙っていくのかを明確にすることが必要です。
さらに狙う市場において、他社と比較して自社にはどのような強みがあるのかを明確にしましょう。この時点でSTP分析におけるポジショニングまでできたことになります。
ステップ3.施策の決定
次に施策の決定をしていきますが、4C分析を活用することが一般的です。4C分析とは、顧客にとっての価値や負担、入手利便性や顧客とのコミュニケーションなど顧客にとって商品やサービスに対してどのようなメリットがあるのかを分析します。
さらに顧客の負担を減らしたり、いつでもコミュニケーションを取れる状態を提供することによって顧客の負担を減らすことが可能です。
ステップ4.施策の実行
施策が決まったらいよいよ実行していきます。施策を実行するためには顧客にとって認知から、比較検討、購入までのプロセスにおいてそれぞれのフェーズにあった施策を可視化していきます。
例えば顧客が商品やサービスに対してまだ認識していない状態であれば、新聞広告やテレビ CMといったマスメディアが有効的です。 課題を認識している場合は、セミナーを活用するケースが一般的です。
このように顧客の状態に対して適切な対応を進めることが重要です。次のページでも、BtoBマーケティングの戦略策定の手順や必要な知識について解説しているので、あわせて参考にしてみてください。
参考:【初心者向け】BtoBマーケティングの戦略策定の手順とは?必要な知識や成功事例について紹介します
BtoBマーケティングのフレームワークでよくある3つの質問
BtoBマーケティングのフレームワークにおいてよくある次の質問をまとめました。
- 商品内容と競合優位性を決める際に役立つフレームワークとは?
- 狙う市場とターゲットを決める際に役立つフレームワークとは?
- プロモーション方法を決める際に役立つフレームワークとは?
マーケティングには数多くのフレームワークがありますが、それぞれ目的に応じて適切なフレームワークを活用することが重要です。
質問1.商品内容と競合優位性を決める際に役立つフレームワークとは?
商品内容と競合優位性を決める際には、以下のフレームワークを使うことが効果的です。
- 5F分析
- 3C分析
- PEST分析
5F分析とは新規参入の脅威や業界内の競合他社など、市場において商品やサービスを展開する場合に脅威となる要因を明確にします。
さらに3C分析を活用することにより顧客のニーズを把握して競合他社に対して自社の立ち位置を明確にするようにしましょう。 PEST分析では経済や社会、技術、政治といった要因に対してどのように対処するかを確認することも必要です。
質問2.狙う市場とターゲットを決める際に役立つフレームワークとは?
狙う市場とターゲットを決める際には、STP分析と呼ばれるフレームワークを使うことが効果的です。STP分析とは、市場を細分化してその構造を把握することにより市場のどの部分を対象にするかを決めることができます。
さらに決定した非常に対して、自社の商品やサービスが競合他社に対してどのような強みを持っているのかを考慮することが重要です。
質問3.プロモーション方法を決める際に役立つフレームワークとは?
プロモーション方法を決める際には、競合施策分析を使うことが効果的です。
STP分析が終わった時点で具体的なマーケティング戦略を進める前に、競合施策分析をする必要があります。検索エンジンマーケティングツールを活用したり競合企業のセミナーの内容などを調べたりすることによって、競合他社が行なっている施策を把握することが可能です。
まとめ
BtoBにおけるマーケティングフレームには様々な種類があります。マーケティング業務においては様々なプロセスがあり、適切なフレームワークを活用することが必要です。
さらに効果的な順番もあり、それぞれのフレームワークの特色を理解することが重要です。 マーケティングの方法はそれぞれ企業や業界によっても異なり、それぞれの企業において最も適切なフレームワークを活用することが求められます。