【2023年最新版】クロージングとは?基本の流れや成功に導くテクニックをわかりやすく解説!

【2023年最新版】クロージングとは?基本の流れや成功に導くテクニックをわかりやすく解説!

この記事の監修者

粟飯原匠 |プロデューサー

マーケティングを得意とするホームページ制作会社PENGINの代表。教育系スタートアップで新規事業開発を経験し、独立後は上場企業やレガシー産業のホームページ制作・SEO対策・CVR改善の支援を行うPENGINを創業。「ワクワクする。ワクワクさせる。」を理念に掲げてコツコツと頑張っています。

営業でアポや商談はたくさんあるのに、成約に結びつかない……。このような悩みを抱えている営業担当は多いでしょう。もしかしたらクロージング手法が商談相手に合っていないおそれがあります。

この記事では、クロージングの重要性から流れ、応用できるテクニックまで徹底解説します。成約率を高めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

クロージングとは?

クロージングとは、終わりや締めくくりの意味を表す言葉です。特に、営業シーンで使われる場合は商談を契約へと結びつける段階を指します。

クロージングで求められることは、アポイントからプレゼンまで積み上げてきた顧客の興味や関心をまとめあげて、成約へと結びつけることだといえるでしょう。もしも、クロージングが成約に至らない場合、セールスに原因があるか、商談相手の関心がまだ薄い状態かのいずれかであることがほとんどです。

オンライン営業におけるクロージングの重要性

コロナ禍によって、外出自粛やリモートワークが急速に普及しました。そのため、オンライン営業に力を入れる企業も急速に拡大しています。

オンラインミーティングツールを利用した営業は、クロージングに苦労している担当者も多いようです。基本的には、オンライン営業でも商談のプロセスからクロージングに至るまでのテクニックは変わりません。

しかし、対面できないことによって、表情や言葉の細かいニュアンスが読み取りづらく、相手の状況を把握しきれないこともあります。オンライン営業でクロージングを成功させるためには、商談前の準備が大切です。

画面越しの商談で相手に伝わりづらいことを想定して、わかりやすい資料を用意する・可能な限り先方の情報を集めておくようにしましょう。

クロージング率の平均目安

クロージング率の平均目安についても理解しておきましょう。前提として営業手法(アウトバウンド・インバウンド)やBtoB・BtoCによって、目安となる目標は大きく異なります。一般的な目安としては以下の通りです。

  • アウトバウンド:10〜30%
  • インバウンド:50〜70%

また、クロージング率を高めるには、マーケティング戦略や手法を理解しているだけでなく、コミュニケーション能力が求められます。営業で求められるコミュニケーション能力は、商談相手の話に耳を傾け、ニーズを把握し、最良のタイミングでクロージングすることです。

クロージングにおける基本の流れは3ステップ

クロージングにおける基本の流れには、以下の3点が挙げられます。

  1. テストクロージング
  2. クロージング
  3. 契約締結

クロージングは相手の興味関心や、どれくらい契約に対する気持ちが高まっているかを観察することが大切です。ここでは基本の流れをそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

ステップ1.テストクロージング

テストクロージングは、商談の中で得た相手のニーズや希望する内容に沿って、契約する意思があるのかを探る手法です。テストクロージングの際、よく使われる言葉には以下のようなものが挙げられます。

  • ご興味を持っていただけましたか?
  • 導入に関しての不安はございませんか?
  • 見積書にはご納得いただけましたか?

これらの言葉を伝えたときのリアクションを観察し、興味や関心の度合いを推し量ります。このときの反応がよければクロージングへ進みますが、まだ不安が残っていそうであれば1つひとつ課題を解消しながら成約へと導くようにしましょう。

ステップ2.クロージング

契約する意思が確認できたら、クロージングへと段階を進めます。この場合は、契約意思の有無をきちんと問いかけましょう。

曖昧な問いかけ方をしてしまうと、商談相手も的確に意志を示してくれないおそれが高まります。クロージングする際、よく使われる言葉には以下のようなものが挙げられます。

  • ご契約について、現時点ではどのようにお考えでしょうか?
  • AとBでしたら、どちらが御社に合いそうでしょうか?
  • ご契約いただけるとしたら、いつ頃をお考えでしょうか?

クロージングのポイントとしては、明確に契約の意思を探りつつも、条件の余白を残しておくことです。このように問いかけることで、相手が意思表示をするハードルを低くできます。

ステップ3.契約締結

契約する意思を確認できたら、契約締結のステップへと進みます。このステップでは商談の中で進めてきた条件を確認することです。確認事項には以下のようなものが挙げられます。

  • 契約金額
  • 納期
  • 注文数や契約プラン

条件にお互いの認識の不一致がないかを丁寧に確認し、問題が無ければ契約書を交わしてクロージングのフェーズは終了です。

クロージングを成功に導くテクニック10選

クロージングを成功に導くテクニックには、以下の10点が挙げられます。

  • 選択肢を設ける
  • クロージングのタイミングを見計らう
  • BANTの条件を確認する
  • 受注を前提に話す
  • ドア・イン・ザ・フェイステクニックを活用する
  • 決断できない理由をなくす
  • ゴールデンサイレンスを妨げない
  • イエスセット話法を活用する
  • 損失回避の法則を活用する

ここではそれぞれのテクニックに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

1.顧客にベネフィットを提示する

ベネフィットは、商品やサービスを使ったときに「相手が享受できるビジョンや利益」を指します。メリットと異なるのは、商品自体が持つ特徴ではなく、商品を使ったことによって得られる未来像です。

たとえば、ブランドイメージの向上や事業拡大のスピードアップ、品質向上などが挙げられます。ベネフィットを提示する際、大切なことは「具体的なビジョンを思い描いてもらう」ことです。

相手が「ぜひ商品を使ってみたい!」と感じさせられることができれば、成約への意欲は高まるでしょう。

2.選択肢を設ける

クロージングは、商談相手に決断を迫ることです。こちらの伝え方によっては強引に思われたり、不快に感じさせてしまったりするおそれがあります。

このように感じさせないために有効な手段が選択肢を設けることです。たとえば、サービスプランや商品のグレードなど、選択肢を残しておくようにします。

そうすると、相手は自分が主導権を持っていると感じて、安心して示された選択肢の中から適したものを選びやすくなる効果が期待できるでしょう。

3.クロージングのタイミングを見計らう

商談は一般的に、ヒアリング〜商談〜交渉〜クロージング〜成約のプロセスを通ります。しかし、プロセスの途中であったとしても、成約する見込みが高そうであれば、タイミングを見計らってクロージングへ移行するのも手段のひとつです。クロージングに最適なタイミングは、以下の2パターンが挙げられます。

  • 相手の条件が出そろったとき
  • タイムリーなタイミングを見つけたとき

いずれも相手の興味関心が高まった状態といえ、相手の反応を観察しながら適宜、クロージングへ移行しましょう。

4.BANTの条件を確認する

BANTは、法人営業で使われる基本的なフレームワークとされています。それぞれの頭文字の意味は以下の通りです。

  • B:Budget(予算)
  • A:Authority(決裁権)
  • N:Needs(需要)
  • T:Time frame(導入時期)

これらの条件は、1つでもミスマッチがあると成約率が低下します。そのため、ヒアリングする段階で丁寧に確認しておきましょう。

5.受注を前提に話す

契約する意志が不明瞭な場合でも、受注する前提で会話を進めましょう。話し方としては、以下のように言葉を組み立てましょう。

  • もしもご契約いただいた場合、このような流れで進めさせていただきたいのですが、問題ありませんか?
  • ご購入いただいた場合、どのオプションをご利用されるおつもりですか?

あくまでも「もしも」や「ご購入・契約いただいた場合」など、仮定の話として相手に投げかけることで、契約に向けて自然に相手を導くことができます。

6.ドア・イン・ザ・フェイステクニックを活用する

ドア・イン・ザ・フェイステクニックは、人間心理を利用した交渉術のひとつです。「返報性の心理」を応用したテクニックといえ、最初に過大な要求を提示してから、相手の断りを待って本来の要求を示します。営業シーンであれば、以下のように使われることが多いでしょう。

  • 営業担当:月額10万円のAプランはいかがでしょうか?(本当は5万円のBプランを売りたい)
  • 商談相手:その金額だと予算オーバーですね……検討させてもらってもいいでしょうか?
  • 営業担当:では、月額5万円のBプランでしたらいかがでしょうか?
  • 商談相手:半額のプランであれば、すぐに導入できますよ!

注意点としては、最初に提示する要求が相手の想像とかけ離れた条件や価格を示してしまうと、不信感を与える原因です。相手の費用感や想定を慎重に見極めるようにしましょう。

7.決断できない理由をなくす

人間は「損を嫌い、少しでも得をしたい」と考えます。そのため、常日頃から迷いが生まれてしまいますが、これは3つの不安から発生するといわれています。

  • もっと安いものはないか?
  • もっとよいものはないか?
  • 目の前のセールスマンを信じても大丈夫か?

これらの不安をなくすことによって、商談相手は決断しやすくなります。値段で迷っている場合は少しでも値下げに応じ、相手が「もっとよいものはないか?」と悩んでいるのであれば条件に対して最良の選択肢であることを伝えてあげましょう。

セールスマンの信頼は、真摯に相手の言葉に耳を傾け、商談の中で人間関係を作り上げるように意識してみてください。ひとつずつ相手の「決断できない理由」を解消することで成約率を高められるでしょう。

8.ゴールデンサイレンスを妨げない

ゴールデンサイレンスとは、商談相手が考えることに集中して沈黙する時間のことを指します。商談中に相手が黙り込んでしまう場合、心の中で条件をすり合わせているといえるでしょう。

そのタイミングで過剰に話しかけてしまうと、まとまりそうな商談が白紙になってしまうおそれがあります。沈黙が続くと営業担当としては不安に思ってしまいますが、相手の思考に寄り添うように相手が求めるまで無闇に話しかけないように注意しましょう。

9.イエスセット話法を活用する

イエスセット話法とは、意識的に相手に“イエス”と何度もいわせることによって、次も“イエス”と答えやすくするテクニックです心理学における「一貫性の法則」の考えに基づき、営業シーンでよく取り入れられています。

イエスセット話法は、商材やサービスに興味があり、積極的になっている状態の相手に効果的です。しかし、無理に“イエス”を引き出そうとすると、相手からの印象を損ねてしまうおそれがあります。

10.損失回避の法則を活用する

損失回避の法則とは、「得ることよりも失うこと」を重視する心理現象です。同じ現象だったとしても、言葉の選び方ひとつで損失回避の法則を活用できます。

たとえば、「導入すると500万円の売上向上が見込めますよ」ではなく、「導入しなければ500万円の機会損失が発生しますよ」のように言い換えるイメージです。実際に損失回避の法則を商談で使う場合、事前に商材の希少性や利用しなかったときのデメリットを伝えておきましょう。

クロージングにおける3つの注意点

クロージングにおける注意点には、以下の3点が挙げられます。

  • 顧客視点を意識する
  • テクニックに走り過ぎない
  • リードの質にこだわる

クロージングは商談のクライマックスといえるフェーズです。事前に注意点を押さえておくと成約率向上につながります。ここではそれぞれの注意点に分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

1.顧客視点を意識する

顧客視点を意識することは、クロージングで大切なことです。クロージングのフェーズまで商談が進むと、売り込むことに必死になってしまう営業担当も少なくありません。

しかし、ここまでフェーズが進んだということは「商談相手も前向きに検討している」と考えて落ち着いた対応を心がけましょう。

売り込み感や不自然な必死さが相手へ伝わると、顧客にネガティブな印象を与えてしまうおそれがあります。顧客視点で考えるようにし「どのように対応すれば価値を感じてもらえるのか」と念頭に置いて、対応しましょう。

2.テクニックに走り過ぎない

テクニックに走り過ぎないことも重要なポイントです。心理現象やテクニックを知っておくことはとても大切です。しかし、テクニックばかりに頼ったトークを多用すると、見込み顧客へ不自然な印象を与えかねません。

そのため、テクニックは補助的に利用するようにし、まずは見込み顧客の話に耳を傾け、課題解決に向けて伴走する姿勢を見せることが重要です。

3.リードの質にこだわる

商談の機会を増やすにはリード(見込み顧客)を作り出すことが欠かせません。常に一定数のリードを作り出すプロセスを構築できると、商談数は自然と増加します。

成約率を高めるにはリードの数も重要ですが、質にこだわるようにしましょう。過去の成約データや現在の顧客を分析し、ターゲットを明確にすることが質を高めることにつながります。

また、一度明確にしたターゲット層も更新を続けて鮮度を保つことが重要です

クロージングでよくある3つの質問

クロージングでよくある質問には、以下の3点が挙げられます。

  • オンライン商談でのクロージングのコツはありますか?
  • クロージングの成功率を上げるための商談プロセスを知りたいです
  • 商談効率を向上させるリードナーチャリングとは何ですか?

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

質問1.オンライン商談でのクロージングのコツはありますか?

オンラインでの商談は、対面時とは異なる点がいくつかあります。クロージングのコツには以下のようなものが挙げられるでしょう。

  • 短時間の商談を心掛ける
  • 決裁フローまで把握しフォローする
  • わかりやすい資料/伝え方準備する

オンライン商談は、相手の感情や温度感を読み取りにくいことがクロージングを難しくしている要因です。なるべく短時間で済ませるように準備を怠らないようにしましょう。

質問2.クロージングの成功率を上げるための商談プロセスを知りたいです

クロージングの成功率を上げるための商談プロセスは、以下の通りです。

  • ターゲットの絞り込みと定義
  • 顧客へのナーチャリング(顧客育成)
  • 相手の温度感を知る

自社のターゲットとズレた相手にいくら商談を持ちかけても意味がありません。まずはターゲットの絞り込みと定義を明確にし「自社商材を使うとメリットを得られるのは〇〇のような企業。個人」と明確にしましょう。

また、ナーチャリングも重要です。ナーチャリングとは見込み顧客の興味の段階に応じて情報提供を行うこととされ、重要な営業戦略のひとつといえます。ナーチャリングには以下のような手法が使われることが一般的です。

  • メールマガジン
  • ターゲティングメール
  • ホワイトペーパー
  • ウェビナー

自社の情報をベースにナーチャリング資料を作成して、見込み顧客へ定期的に接点を持つように心がけましょう。

相手の温度感を知ることも意識して欲しいポイントです。オンライン商談は対面するよりもハードルが低く、プレゼンの機会は増えるかもしれません。

しかし、相手の温度感に意識を向けて商談に臨まなければ、時間を浪費してしまうおそれがあります。事前に相手がどの程度の興味関心を自社の商品に持っているのか、課題解消に向けて前向きになっているのかを見極めたうえで対応しましょう。

質問3.商談効率を向上させるリードナーチャリングとは何ですか?

商談効率を向上させるリードナーチャリングとは、まだ見込み顧客段階の相手との間に関係性を構築していくプロセスです。

リードがどのような状態(関係性・課題・興味関心など)になれば、クロージングへ移行できるのかを定義し、適切なタイミングでアプローチするフローを作り上げることが理想的だといえるでしょう。

つまり、見込み顧客に有益な情報を定期的に伝えることによって、信頼関係を高める・相手のニーズを引き出すことがリードナーチャリングのポイントです。

まとめ

クロージングについて、基本の流れから成功に導くテクニックまで解説しました。クロージングは、営業におけるクライマックスシーンともいえるでしょう。売上を最優先にして自分のことを主役にするのではなく、商談相手の考えに寄り添うことを意識して臨んでください。

あらゆるテクニックがありますが、基本的には相手の言葉に耳を傾け、課題を解消していくことがクロージングの重要なポイントです。ぜひ、この記事を参考に商談相手にとって最良なクロージングを心がけてみてください。