「バグが見つかった」や「バグが生じてしまった」など、バグという言葉を耳にすることは多いですよね。ですが「バグ」とは一体どんな状態のことを指しているのでしょうか?

「バグ」と似た言葉は多く、間違った使い方をしている人も多いでしょう。そこで、本記事ではバグの意味や類義語との比較、バグの対策について詳しく解説していきます。

これからバグについて学ぶ方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください!

「バグ」とは一体なに?

「バグ」とは一体なに?

ここでは「バグ」に関する基本的な内容を理解するためにも、意味や由来、使い方について解説します。

「バグ」はプログラムの不具合

バグとは、プログラムの不具合や誤りのことを指します。もっと簡単な言い方にすると、プログラム中の「おかしなところ」ということです。

その意味の通り、プログラムの中にバグが存在するとプログラムは思い通りの動きをしてくれません。それどころか、プログラムの停止や暴走した結果のトラブルに繋がることもあります。

そのため、バグが重大なトラブルに繋がる前に発見し、修正することが大切です。

「バグ」の由来と使い方

本来「バグ」とは英語で「虫」を意味します。なぜプログラムの不具合を「虫」と呼ぶようになったかというと、1940年頃にアメリカで開発されたコンピューターの不具合がきっかけとなりました。

そのコンピュータを修理をしたところ、中から虫が出てきたことが由来となり「プログラムの不具合」=「虫」と呼ばれるようになったのです。

そのため「バグ」の使い方には「バグを見つける」以外にも「バグを潰す」「バグのいる場所」「バグの住処」などの虫につながるような表現が多くあります。

「バグ」に似た4つの言葉

「バグ」に似た4つの言葉

バグの意味について解説してきましたが、「バグ」以外にもコンピューターがうまく動かない際に使われる言葉にはさまざま種類があります。代表的な言葉は次のとおりです。

  • 故障
  • エラー
  • 欠陥
  • 障害

ここでは、それぞれの意味や使い方を解説します。バグの類義語も覚え、間違った使い方をしないように気をつけましょう。

1.故障

故障とはバグが起きた結果、正常な機能や動作を行えない状態になっていることを指します。

バグとの決定的な違いは「バグ」=原因であり、「故障」=結果を指している点です。正しい使い方は「バグが発生した結果、コンピューターが故障した」となります。

2.エラー

エラーとは、人為的な間違った設定のことを指します。つまり、コンピューターの開発者や設計者がシステムに間違った設定をしている状態のことです。

「バグ」がコンピューターの不具合全体を指すのに対し、「エラー」はバグの中でも人為的な不具合のみを指す言葉となっています。そのため、エラーのことをバグと表現しても間違いではありません。

3.欠陥

コンピューター用語における、機能の欠陥をバグとおいます。簡単に説明すると「バグ」を日本語表現に直したようなもので、両単語とも意味は同じです。

人為的な設計ミス(エラー)がある状態で、システムを構築すると欠陥が出てきます。

4.障害

障害とはシステムを起動させた結果、本来予測していた動作とは異なる動作をする結果のことを指します。

例えば、Aという動作を実施するようプログラムしたはずのシステムを起動させて結果、Bという動作が見られた場合に「障害が発生した」と表現します。

「バグ」と「デバッグ」について

「バグ」と「デバッグ」について

「バグ」に関係するコンピューター用語として必ず上がってくる用語が「デバッグ」です。ここでは「デバッグ」の意味や重要性、作業手順、解説していきます。

デバッグとは

デバッグとは「プログラムのバグを改善する作業のこと」です。英語で「虫」を意味するバグですが、コンピューター内に入り込んだ虫をを取り除くという意味で「デバッグ」と呼ばれます。

よくある間違いとして「デバック」という人もいますが、正しくは「デバッグ」なので間違えないように気をつけましょう。

デバッグの重要性

システムやプログラムの開発では、大きなものや小さなもの合わせて必ずと言っていいほど「バグ」が発生します。

そのため、開発者自らが「デバッグ」を行うだけではなく、重大な役割を担うプログラムであればあるほど厳重なデバッグが必要になるのです。

その際には前記した通り、「バグのないプログラムはない」という事実を念頭に置いたデバッグが必要になります。

デバッグを行う際は「このくらいのズレは大丈夫だろう」と言ったアバウトな判断は行わず、少しでも想定と違う動作が起こった際はすぐに修正しましょう。

「デバッグ」作業の手順

プログラム開発において非常に大切な工程であるデバック作業は、以下の手順で行っていきます。

  1. バグの存在を疑う
  2. バグの発生条件を固定する
  3. 分割統治法などの方法を使用し、問題のあるコード範囲を絞る

上記の3ステップが最も基本的なデバッグの手順となっているため、確実に覚えておきましょう。

バグを発見する方法

デバッグでバグを探す方法には以下の3つの方法があります。

  1. 目視で確認する
  2. 分割統治法を使用する
  3. デバッガを使用する

上記の方法それぞれの特徴や作業方法を紹介します。

1.目視で確認する

目視での確認では、実際にソースコードを目視確認しながら簡単なミスがないかをチェックしていきます。

原始的で非効率的と思われることも多いですが、簡単なミスを探す場合は専用のツールを使用するよりも効率的に確認することができる場合もあります。

2. 分割統治法を使用する

分割統治法とは、そのままでは解決できないような大きな問題を小さな問題に細分化し、そのすべてを解決することで結果的に大きな問題全体を解決するという問題解決方法です。

簡単に説明すると、一度では解決できない大きな問題を少しずつ解決していこうというものです。この分割統治法を利用したデバッグの方法が「デバッグライト」や「スナップショット」です。

上記の方法では大きなプログラム全体を見るのではなく、ある一部分にデバッグを実行するための文を入れることで、バグの原因を探ります。

3.デバッガを使用する

デバッガとは、バグを見つけるための専用ツールのことを言います。目視でのデバッグでは小さな初歩的なミスは効率的に探すことができますが、やはり専用のツールを使うことでより詳しくバグを見つけることができます。

そのため、実際にデバッグ作業を行う現場ではデバッガを使用することが多いです。デバッグについて更に詳しく知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひご確認ください!

まとめ

本記事では「バグ」の意味や類義語、対処法を紹介しました。

現在の社会は、航空機の制御や銀行のシステムなど多種多様な高度プログラムによって支えられています。

そんな高度なプログラムで今のところ大きな問題が発生していないのは、管理者によるデバッグの徹底や、バグが表面化した際の迅速な対応の賜物なのです。

そのため「バグ」の類義語である「故障」「エラー」「欠陥」「障害」といった言葉の意味を理解しておくことは、プログラム開発において不具合が発生する原因の解明や開発工程前提の改善にもつながります。