プログラム開発の現場では必ず知っておきたいデバッグ(debug)。

私達が普段利用している様々なアプリやシステムは、度重なるデバッグ作業の末に、大きな不具合なく利用出来るようになっています。

デバッグの基本的な作業内容

デバッグとは

ここでは、デバッグ作業の基本的な流れについてご紹介します。

デバッグ作業の流れ

  1. バグを見つける
  2. バグの原因を特定する
  3. バグを取り除く

以降、1.に戻り再度バグがないかチェックします。

バグを見つける

まずはデバッグ対象のプログラムを動かして、バグがないかを確認していきます。

例えば、画面内のテキストボックスに数値を入力する機能がある場合、様々なパターンの数値を入力して、プログラムが想定外の動きをしないか確認していきます。

バグの原因を特定する

バグを見つけたら、次は原因を特定していきます。
バグを見つけた箇所ではどのプログラムが動いているのか、そのプログラムの何行目の処理が影響しているのか等を調査して、原因を特定していきます。

バグを取り除く

バグの原因が特定出来たら、修正を行いバグを取り除きます。修正後に再度動作確認を行い、バグが正しく取り除かれたかを確認していきます。

バグが取り除かれたことを確認した後は、再度バグを見つける作業に戻り、バグがなくなるまでこの一連の流れを繰り返していきます。    

デバッグでバグを見つける方法

デバッグでバグを見つける方法は様々あります。
ここでは代表的な手法をいくつか説明していきます。

分割統治法

分割統治法は、プログラムを細分化して、それぞれを確認していきながらバグとなっている箇所を探していく手法です。

コードが長いプログラムの場合、どこでバグが起きているのかを特定するのには時間がかかってしまいます。

そこで、プログラムの最初や中間地点などに、処理が正常に完了したかを確認するデバッグコードを挟んで、細かい単位でプログラムの動作を確認していく手法が分割統治法です。

例えば、中間地点に挟んだデバッグコードに異常が見つかった場合は、プログラムの最初〜中間地点の間でバグが発生している、などの見当をつけることが出来ます。

分割統治法は、大きな問題を小さな問題へと分割し、そこから解決へと導いていきます。

デバッガを使用する

デバッガとは、バグの原因を特定するために効率的な機能が備わっているツールのことを指します。

例えばデバッガを使用すると、プログラムの動作を任意の箇所で停止させて、その時点での変数の値を確認したり、変更を加えることが出来ます。

コード1行単位でプログラムの動作を検証出来るため、どこが不具合を引き起こしているのかが格段に探しやすくなります。デバッガは、VisualStudioやEclipseなどの統合開発環境(IDE)には標準で搭載されています。

目で探す

プログラムの規模によってはコードの量が少なく、不具合箇所の見当が容易につけられる場合があります。

その場合は、コードを目視で確認して不具合を特定して修正するのも一つの方法です。これを机上デバッグとも言います。

バグの原因を特定して修正・テストの再実行

バグの原因を特定後にプログラムを修正していきますが、修正をしたことによって別のバグが発生していないかを確認しましょう。

修正前は正常に動いていた箇所も、修正の影響で不具合が発生してしまう可能性もあるので注意が必要です。
そのため修正後は、再度バグチェックを行う必要があります。

デバッグの求人

デバッグ業務の求人はネットで探すと数多く出ています。
デバッグ業務に興味がある方は、以下の内容を参考にしてみてください。

雇用形態と年収

デバッグの求人には、派遣スタッフやアルバイトとしての募集が多い傾向にあります。

デバッガーとして求人が出ていても、バグの修正までを担当せず、テスト作業までを担当するテスターとしての募集も多い傾向にあります。

年収はおおむね150万~400万が相場と言われています

デバッグが行われる有名な業界

デバッガーが特に必要とされる業界として、ゲーム業界が挙げられます。
中でも、開発中のゲームのテスターを募集している求人が非常に多いです。

ゲームは、ユーザーが操作をする頻度や割合が、他のシステムと比べて非常に多い特徴があります。様々な動きやパターンを検証して、不具合が起こらないかを入念に確認しなければなりません。

そのため、開発に携わっていない第三者のテスターを採用して動作検証してもらうケースはゲーム業界では多々あります。
ゲームの規模によっては、テスターの募集人数も数人ではなく、数十人となる案件もあります。

【関連記事】
ゲームのデバッグを請け負っている大手企業10社を紹介!

必要な知識

デバッグを行う際は以下が必要となります。

  • プログラミングの基本
  • デバッガの扱い方

バグを見つけた後の修正作業は、その大半がプログラムのコード修正です。使われているプログラム言語は何か、どのような構文が使われているのか、コードを修正する上である程度は理解しておく必要があります。

特に、他人が書いたプログラムを修正するとなると、コードを読む力がある程度求められますので、プログラムの基本は押さえておきましょう。
そして、デバッグ作業を効率よく進める為にもデバッガの使い方を覚えることをオススメします。

デバッガが標準搭載されているVisualStudioやEclipseなどの統合開発環境(IDE)は、実際の開発現場でも利用されることが多いため、事前に触ってみる価値は大いにあります。また、知識とは別に集中力やコミュニケーション能力も必要です。

長いコードで書かれたプログラムは、バグの原因特定に時間がかかる場合があります。
そんな時に途中で折れない集中力、そして複数人でデバッグ作業に取り掛かっている場合はコミュニケーションを取り、バグの原因特定を円滑に進めていきましょう。

まとめ

デバッグは、プログラム開発に必要不可欠な作業です。
デバッグの精度次第でプログラムは安全にも危険にもなりうるため、非常に重要な作業とも言えます。
バグを取り除くためにはプログラミングの知識もある程度必要となってきます。

作業内容はプログラムの修正がメインとなるため、プログラミングが好きな方は知識をより深めることが出来る、やり甲斐のある仕事になるでしょう。
派遣やアルバイトとしての採用も多いため、副業をしてみたい方やプログラミングが好きな方は、ぜひデバッグ業務を検討してみてはいかがでしょうか。