製造業の現場などで品質管理など日々の様々な業務で問題が発生したときなどに原因究明、適確な対策を見つけて提案し、改善するときに便利な方法があります。

系統図法とは、原因を深堀りし、真因を探り、さらに言葉で事柄を整理して扱う定性的手法です。本記事では、新QC七つ道具の1つとして紹介されることも多い系統図法について詳しく解説していきます。

系統図法とは?

系統図法とは?

「なぜなぜ分析」という問題解決のための思考方法があります。なぜなぜ分析では、「なぜ?」を5回繰り返すことで、真の原因と解決策を考える手法です。

系統図法は、その「なぜなぜ分析」をさらに分りやすく図式化したものと言うことができます。図式化することによって視覚的に把握しやすく、抜け漏れ防止にも有効です。

系統図法は、目的→一次手段(目的のためになにをするか)→二次手段(一時手段のために何をするか)→三次手段(二次手段のために何をするか)というように「目的」「手段」を右方向へと展開していき図に表します。

そうするとネズミ算式に増える解決手段を視覚的に把握しやすくなり、有効な解決策を見出しやすくなります。そうすることにより他の要因、他の手段等、抜け漏れの有無を見出しやすくなる効果も期待できる図法です。

新QC七つ道具とは?

新QC七つ道具とは、以下の七つの技法を指します。いずれも、言語データを整理して扱う定性的な手法です。

  • 親和図法
  • 連関図法
  • 系統図法
  • マトリックス図法
  • アロー・ダイヤグラム
  • PDPC法
  • マトリックス・データ解析法

系統図法と連関図法との違いとは?

「系統図法」は、目的と手段の構造を展開する図であるのに対し、「連関図法」は様々な情報から互いに絡み合う因果関係(原因と結果・目的と手段)を論理的に解き明す手法です。

そのため連関図では、どのような相互関係にあるかを視覚化し、解決すべき要因を突き止めていくので矢印が問題点へと集まります。

系統図法と親和図法との違いとは?

親和図法は、ものごとを似たもの同士に分類・整理する手法です。

お客様のニーズに沿って、市場要求に合った新製品開発のために「親和図法」を用いると、お客様の要望をカテゴリに分類しニーズを正確に把握しやすくなります。

また、「新和図法」を用いて、また、過去のトラブルやクレームを傾向別に分類しまとめ把握してておくと、事前に対応方法や手順など準備できるので対応がスムーズです。

系統図法を活用するメリットとは?

系統図法を活用するメリットとは?

系統図法を用いるメリット = 目的と手段を抜けもれなく構造的に把握できる

系統図法を用いるメリットは、図式化することにより情報を視覚化・構造化して、問題を把握しやすくなることです。

情報が体系的に整理されるため、目的と手段の関連性の把握が容易です。有効な解決策を見出し、他の手段はないか抜け漏れを発見しやすくなります。

系統図法の活用方法

系統図法の活用方法

それでは便利な系統図法を実際に活用する方法を見ていきます。

作成する目的を設定する

まず解決したい問題や目的などテーマを言語化します。

「▲▲を□□する」「●●を□□するには?」など

手段の検討

テーマえお決めたら、次にそのテーマを解決または達成するための手段を考えて言語化し、テーマの右側に複数出していきます。

次に最初の手段(一次手段)を目的として次の手段(二次手段)を話し合い、言語化してこれを繰り返します。

構成として、三次手段の目的は二次手段、二次手段の目的は一次手段とします。

そうして右に展開されていきどんどん具体化されていきます。

抜けや漏れをチェックする

三次手段まで言語化し、図式化できたところで全体を見て、重要なことを忘れていないか、さらに有効手段を考えられないか、抜け漏れがないかチェックします。

新たに手段があれば追加し、系統図法を完成させます。

系統図法を活用して目的達成のための手段を検討しよう

系統図法を活用して目的達成のための手段を検討しよう

系統図法を活用することで、職場のメンバー全員で目的と手段の共通認識を作り上げることができます。

系統図法などの便利な手法を活用して、問題解決や目的達成をスピーディーに行うことにより組織全体を強化しライバル会社との競争の中でも強い体制を作りましょう。