システム開発において「コスト削減」は大きな課題の1つです。企業の利益を損なわないためにも「優先して掛けるべきコスト」と「省くべき無駄なコスト」を見極める必要があります。
そのコストの中でも、その見極めが極めて重要となるのが人件費です。今回は、テストやデバッグ作業にかかる人件費をはじめとするコスト削減の方法についてご紹介します。
システムテストやデバッグがなかなか削減できない背景

テストとデバッグの人件費がなかなか削減できない背景には、最低限保証しなければならない品質の問題があります。
テストとデバッグはシステム開発に欠かせない工程です。ただし、これらの工程にかかるコストは開発コストに占める割合の中でも多くなります。
その理由の1つに、単純なテストの回数の多さが挙げられます。システム開発時におけるテストの例は次のとおりです。
- 単体テスト
- 結合テスト
- 総合テスト(システムテスト)
- 受け入れテスト
それぞれのテスト工程では、不具合が見つかれば当然デバッグを行います。そして「テスト〜デバッグ」の作業を何度も繰り返すため、作業に掛かる人件費や時間も増加します。
また、実際のシステムはリリース前のテストだけでなく、リリース後の保守運用や機能改修などのバージョンアップ時にも同様にテストを繰り返す必要があります。
さらに、バージョンアップ時は他の機能に悪影響が出ていないかを確認するリグレッションテストも行う必要があり、テストすべき箇所が増えていきます。
それらの点を考えると、コーディングによる機能の実装工程より何倍もテストとデバッグに掛かるコストが大きくなることが分かります。
とはいえ、コストを削減するためにテストの回数を減らせばいいのかというと、そういう訳にもいきません。なぜなら、テストやデバッグを疎かにすると、十分な品質が保証されないからです。
品質が低いシステムは、不具合が頻発してユーザーの満足度も低くなり、結果的に企業の信頼性にまで関わってくる大きな問題となります。
品質のためにはテストとデバッグの精度を上げることが重要ですが「テストの粒度をどれぐらいにすればよいか難しい」「品質に問題があってはならないので、テスト出来る箇所は必要性を問わず全て行う」といった現状も多くあるため、テストやデバッグのコストをなかなか削減できません。
システム開発に求められる品質、コスト、そして納期のQCDをバランスよく改善することは、企業の課題となります。QCDについては、こちらの記事でも詳しく紹介しているのでぜひご確認ください。
システムテストやデバッグのコスト削減にはコストの把握から

テストとデバッグのコストを少しでも削減するためには、まずは開発に掛かるコストを全体的に把握して可視化してみましょう。
現在かかっているコストの把握
システム開発において、現在掛かっているコストをまずは把握しましょう。システム開発では主に次のコストが発生します。
- ハードウェア費:システムに関わる機器周辺で掛かるリース費や設置費など
- ソフトウェア費:開発費や連携サービスのライセンス費など
- 人件費:システム開発に関わる人員に掛かる費用など
テストやデバッグ作業には、特に人件費が大きく掛かります。
コストの内訳を可視化
コストの内訳について把握したら、コストの詳細を書き出して可視化することで、無駄なコストの発見につながります。
開発に伴って購入・リース契約した機器やプロジェクトの人数、スケジュール表からの作業時間の算出など、掛かるすべての項目をリストアップしてみましょう。
リストアップした項目からコスト削減の余地があるものについては、対策や代替手段を考えてみてください。例えば、開発に利用する機器を購入ではなくリース契約へと変更することで、購入にかかる高いコストを削減できます。
また、テストやデバッグといった人件費が多く掛かる作業は、外注すると大幅に削減可能です。
システムテストやデバッグのコスト削減方法

ここでは、システムテストやデバッグにかかるコスト削減に必要な内訳の可視化以外の方法についてもご紹介します。
早期のうちに外注を検討する
開発業務の一部を外注する場合は、早期に検討しましょう。外注すると、その分のリソースを他の作業に割けるため作業効率は高まります。
ただし、外注先の作業時間については考慮する必要があります。外注の検討・依頼が遅くなればなるほど、スケジュールにも影響が出かねません。
納期を考慮に入れて外注の検討を行いましょう。テストやデバッグの外注先としてのおすすめ企業については、こちらの記事でも詳しく紹介しているのでぜひご確認ください。
どこまで社内対応するのか明確化
開発の一部を外注する際、開発工程において「社内で対応するのはどこまでか」や「どこから外注するのか」といった点を明確にしましょう。
開発がスケジュール通りに進まないからと後になって外注を検討しても納期に間に合わない可能性があります。また、短納期での作業を希望する場合は費用が上乗せとなり、かえってコストが膨らむ可能性があります。
システム開発目的の明確化・共有
システム開発の目的を明確化して、共有することも重要です。何のために開発するシステムなのかを事前に明確にしなければ、開発工程に入ってからの急な仕様変更に対応できず、無駄なコストが掛かる場合があります。
システムの開発目的の認識をプロジェクトメンバーや経営陣とすり合わせておくことが大切です。
目的にマッチした要件定義を行う
開発途中に仕様変更を発生させないためにも、目的にマッチした要件定義を行いましょう。
要件定義を正確に行うことで、予算や人員、以降のスケジュールに対しての無駄なコストの削減につながります。
型化・自動化できるものはする
開発において繰り返し発生する作業は、可能であれば自動化して効率よく作業を進めましょう。例えば、テストは目的や環境に応じた自動化ツールが多く存在します。
自動化ツールを活用することで、スケジュールの効率化はもちろん、ヒューマンエラーも防止できます。テスト自動化については、こちらの記事でも詳しく紹介しているのでぜひご確認ください。
早期の段階でユーザーからフィードバックをもらう
システムリリース後の不具合や仕様変更は、修正に多くのコストが掛かります。受け入れテストやベータ版の公開など、本番リリース前にユーザーからフィードバックをもらえる機会を作り、少しでもコストを削減しましょう。
【まとめ】システムテストやデバッグは賢くコスト削減しよう
テストやデバッグのコスト削減は、システムの品質を高く保つためにも、なかなか上手く実行出来ません。
外注やユーザーの早期フィードバックをもらうなど、さまざまな観点から少しでもコスト削減につながる手段を検討してみてください。