コンバージョン率(CVR)の平均値とは?業界別にわかりやすく解説します!

コンバージョン率(CVR)の平均値とは?業界別にわかりやすく解説します!

この記事の監修者

粟飯原匠 |プロデューサー

マーケティングを得意とするホームページ制作会社PENGINの代表。教育系スタートアップで新規事業開発を経験し、独立後は上場企業やレガシー産業のホームページ制作・SEO対策・CVR改善の支援を行うPENGINを創業。「ワクワクする。ワクワクさせる。」を理念に掲げてコツコツと頑張っています。

CVR(コンバージョン率)とは、訪問したユーザー数の中で、特定の行動をとった数に対する割合を意味します。Webサイトや広告では、「商品購入」「問い合わせ」「資料ダウンロード」などが、コンバージョンの指標となることが一般的です。

サイトの種類コンバージョンの例
オウンドメディア・お問い合わせ
・サービスや会社概要資料のダウンロード
・お役立ち資料の資料ダウンロード
ランディングページ・お問い合わせ
・サービス資料のダウンロード
ECサイト・商品の購入件数
・会員登録

自社の運営するWebサイトや広告のCVRが適切な値となっているか、平均値を把握しておきたいと考えている方も多くいらっしゃることでしょう。しかし、CVRの平均値は業界や経路(ユーザー導線)によって異なります。

そこでこの記事では、最新の平均CVRを、さまざまなジャンルにわけて解説します。また、CVRを平均以上にする方法や、測定に使えるツールも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

CVR(コンバージョン率)の平均値とは

ここでは、以下のジャンル別にCVRの平均値をご紹介します。

  • 業界別
  • デバイス別
  • キーワード種類別
  • サイト種類別
  • コンテンツ別

自社が得たいCVRの指標をご確認いただき、平均を超えているかどうかチェックしてみてください。

【業界別】CVR平均

業界別のCVRは、広告の情報から読み取れます。検索結果画面やWebページに表示される「Google広告」と、Facebook上に表示される「SNS広告」で業界別CVRデータをご紹介します。

Google広告(リスティング広告)

業界別リスティング広告の平均CVR

リスティング広告とは、検索結果画面(SERPs)の上部に表示されるテキスト広告です。

上記表を見ると、出会い系やパーソナルに関連する内容がもっともCVRが高く、逆に擁護団体関連や不動産などのジャンルは低いといった結果がわかります。

手軽に情報を得たい娯楽や、緊急性の高いジャンルにおいては、広告のCVRが高くなりやすいことがわかります。

Google広告(ディスプレイ広告)

業界別ディスプレイ広告の平均CVR

ディスプレイ広告とは、WebサイトやWebアプリのページ内の広告枠に表示される画像広告や動画広告、テキスト広告です。(画像広告がもっとも一般的なため、バナー広告と呼ばれることもあります)

リスティング広告と比較して、ユーザーのニーズが顕在化していないシーンで表示されることが多いため、全体的なCVRは低くなる傾向にあります。

その中でも、リスティング広告同様に出会い系やパーソナル、法務系ジャンルのCVRが高いという結果になっています。

SNS広告(Facebook広告)

業界別Facebook広告の平均CVR

出典:Facebook Ad Benchmarks for YOUR Industry [Data]

Facebook広告のCVRは、フィットネス関連や教育関連がもっともCVRが高いといった結果でした。

Google広告においては、何かしらの顕在的な意識を持ってブラウジングしているユーザーが多くいますが、SNSを閲覧しているユーザーの意識は異なります。そういったユーザーの心理状態によっても、CVRは大きく左右されることが読み取れます。

【デバイス別】CVR平均

デバイス別の平均CVR

スマートフォンでの閲覧は画面サイズが小さいため、ボタンやフォームの操作がしにくくなることから、スマートフォンのCVRはデスクトップよりも低くなる傾向があります。

一方でタブレットのCVRはデスクトップに近い値です。また、モバイルアプリのCVRはモバイルWebに比べて高くなる傾向があります。

デバイスごとに異なる傾向を理解し、適切な施策を行うことでCVRの向上が期待できます。

【キーワード種類別】CVR平均

キーワード別の平均CVR

画像の内容は、Google検索をする際にもちいられるキーワードを、以下の項目で分類した際の平均CVRです。

  • 指名キーワード
  • 比較検討キーワード
  • 事例キーワード
  • 概要理解キーワード

企業名や商標名などで検索するユーザーは、その存在を認知しているうえで検索しているため、ニーズも明確であることが一般的なためCVRが高くなります。

逆に「○○とは」など、概要を調べるための検索キーワードでは、知識を得たことで満足するユーザーが多いこともあり、CVRは低くなります。

【サイト種類別】CVR平均

サイト種類別の平均CVR

サイト種類別で見ると、LPの平均CVRがもっとも高くなります。

LPはCVを得るために制作されることも多く、目的と異なるページ外には遷移させない導線となっているケースが一般的なため、CVRも高くなります。

一方ブログサイトなどのオウンドメディアは、コンテンツの発信ツールとして活用されることが多いことから、サイト自体のCVRは低くなる傾向にあります。

【コンテンツ別】平均CVR

コンテンツ別の平均CVR

上記表は、主にtoB向けとして提供されるケースのあるコンテンツを、コンバーションポイントとしてご紹介しています。

平均値だけ見ると、ホワイトペーパーのダウンロードがもっともCVRが高いといった結果でした。こちらは、得られる情報が明確であることが影響していると考えられます。

しかしこちらの数値も、業界や商材、検索からかディスプレイ広告からか、何をコンバージョンとしているかなど、さまざまな要因で変化することは認識しておきましょう。

ECサイトのジャンル別CVR平均

ECサイトは、商品を購入(CV)してもらうことを目的としていることもあり、Webサイトの中でも特にCVRが注視されます。

そのため、ここでは商材ジャンルにわけた平均CVRをご紹介します。

ECのジャンル別平均CVR

出典:US CONSUMER ELECTRONICS REPORT | December 2020

上記のグラフ画像は、米国消費者電子製品レポート 2020年12月号に掲載された、ECジャンルにおけるCVR平均データです。米国を拠点とする小売ウェブサイトへの1兆件を超える分析データをもとに、米国の消費者(18歳以上)1,000人を対象に実施した調査結果となっており、信頼性も高いと言えます。

データを見ると、ギフトはもっとも高いCVRを生み出しています。これは購入目的が明確であることが要因と考えられます。

一方家電製品のCVRは、他の高価格カテゴリーと同様に低く、平均のほぼ半分程度(1.7%)です。要因として、複雑で高価な選択には、複数回の訪問(閲覧)が必要となることが考えられます。

CVRの計算式

CVR= CV(コンバージョン)数 ÷ 訪問数(セッション数) × 100

たとえば、あるECサイトで月間の訪問数が10,000回、商品購入回数が500回だった場合、CVRは以下のようになります。

500(商品購入回数) ÷ 10,000(訪問数) × 100 = 5%(CVR)

また、広告に対するCVRを計算する場合は、広告のクリック数を分母にします。

CVR(コンバージョン率)= CV(コンバージョン)数 ÷ 広告のクリック数 × 100

50(コンバージョン数) ÷ 1,000(広告のクリック数) × 100 = 5%(CVR)

メディアのCVRを平均以上にする12の秘策

ここでは、CVRを改善するためのクリティカルな12の秘策をご紹介します。ステップ1から3にわけてポイントをご紹介しますが、詳しい内容は上のYouTubeで解説していますので、ぜひご覧ください。

STEP1:CTA設置箇所の増加+EFO

  • 目次下に共通バナーを設置
  • 画面中央のポップアップを設置
  • h2の上にCTAを設置
  • サイドバーへCTA設置
  • ダウンロードページの最適化(ムダな入力項目は削るなど)
  • 問い合わせページの最適化(実績ロゴやメンバー社員の掲載など)

CVRが上がらないWebサイトは、CTAの設置数自体が少なく、母数となるクリック数が少ない場合があります。また、ユーザーの訪問数は多くても、入力されにくいフォームとなっているケースも見受けられます。

上記施策を実施することで、まずは母数となるクリックや入力などのユーザー行動を増加させましょう。

STEP2:CTAの最適化

  • 目次下バナーをページごとに適したオファーに変更
  • ポップアップバナーをページごとに適したオファーに変更
  • h2上バナーをページごとに適したオファーに変更
  • サイドバーバナーをページごとに適したオファーに変更
  • フォーム剥き出しのCTAをページファーストビューに設定

STEP2では、設置数を増やしたCTAを最適化することでCVR向上を狙います。そのために、設置するバナーの内容を、ページに訪問するユーザー心理に沿ったオファー(ユーザー行動を促すための提示条件)に変更します。当然バナー画像パターンを増やす必要がありますので、クリエイティブの作業も発生します。

また、CMSの機能を活用するか、マーケティングツールなどを導入し、ページごとに表示させるバナー画像を出し分けるなどの工夫も考えたほうがよいでしょう。

STEP3:分析と改善の繰り返し

STEP3は、STEP2までの工程を繰り返しながら結果を分析し改善を繰り返します。

マーケティングを成功させるには、検証・実行・改善の繰り返しが重要です。施策は実施するだけで終わらせず、きちんと結果の分析をしたうえで、次の施策実施までに改善ポイントを明確にしておきましょう。

例えばWebサイト制作ツールであれば、制作期間の短縮や人件費の削減など、具体的な数字を示すことで、ユーザーのベネフィット(利益)をアピールできます。コンバージョンまでの導線を簡単かつ分かりやすくすることで、ユーザーのコンバージョン率を上げることができるのです。

以下から、詳細資料をダウンロードできますので、あわせてご確認いただければと思います。

CVR改善の優先順位が高いページとは

CVR改善の優先順位が高いページは、主に以下のページが該当します。

  • 自社のサービスに関わりが深いページ
  • アクセスの多いページ
  • CVRが低いページ

上記2つは改善することでCV数が増加した際のインパクトも大きくなるため、優先的に改善していくとよいでしょう。

また、現在CVRが低いページは、何かしらの問題を抱えている可能性があります(アクセス数が少ない、CTAが設置されていない、ページを重く開くまでに時間がかかるなど)。改善点を明確にして、施策を実施することで、全体の平均CVR向上を目指しましょう。

Webサイト全体のCVRを平均以上にする5つの方法

ここでは、Webサイト全体のCVRを平均以上にするための方法を解説します。CVRを上げるための施策を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

  • Webサイトの構造を見直す
  • コンバージョンまでの導線を見直す
  • コンバージョンのハードルを下げる
  • ターゲット層を再定義をする
  • ツールを活用する

方法1.Webサイトの構造を見直す

CVR(コンバージョン率)を平均以上にするには、Webサイトの構造を見直すことが重要です。ユーザーが直感的にコンバージョンの行動を起こせる構造にすることで、CVRの向上が期待できます。

まずはユーザー目線でWebサイトを見直し、わかりにくい部分や手間がかかる部分を改善しましょう。CTAボタンの見やすさや設置場所の変更、お問合せフォームの簡略化など、ユーザーがスムーズに行動を起こせる工夫をすることも大切です。

特にスマートフォンからのアクセスが増えているため、入力項目が多いお問合せフォームはユーザーにとって手間となりがちです。そのため自社にとって必要な情報を絞り込み、フォームの入力を減らすことも効果的です。

さらに郵便番号の自動入力やエラー部分の事前確認など、ユーザーの手間を減らす工夫を行うことで、CVRを平均以上に向上させることができます。

方法2.コンバージョンまでの導線を見直す

CVR(コンバージョン率)を平均以上にするには、ユーザーがコンバージョンに至るまでの導線を見直すことが重要です。ユーザーが求める情報を網羅し、商品やサービスによる利益を具体的に示すことで、ユーザーの気持ちに寄り添った導線を意識できるでしょう。

唐突な情報提供はユーザーを困惑させるため、ユーザーの悩みが解決できると認識できるよう、情報提供の流れを工夫することが必要です。

方法3.コンバージョンのハードルを下げる

コンバージョン率を改善するには、コンバージョンのハードルを下げることが重要です。ユーザーにとってコンバージョンまでのハードルが高い場合、購入や申し込みに至るまでの導線が途中で切れてしまうことがあります。

コンバージョンの対象行動を「クリックで購入」ではなく、「無料で資料請求」や「登録して試してみる」など、少しハードルの低いものに変更しましょう。商品やサービスの特長やメリットを具体的に示し、利益を伝えることも重要です。

方法4.ターゲット層を再定義をする

CVRを平均以上にするには、自社のターゲット層が正しく設定されていることを確認することが大切です。自社サイトに訪れるユーザーと定めているターゲット層に大きなズレがある場合、コンバージョン率が低下する可能性があります。

具体的なターゲット層を設定することで、よりターゲットにあわせたSEO対策や広告配信ができるでしょう。より多くのコンバージョンを獲得できます。

再定義が必要な場合には、ターゲットの性別、年齢、趣味、ライフスタイル、職業などを考慮し、より具体的な設定を行いましょう。

方法5.ツールを活用する

CVR(コンバージョン率)を向上させるには、Webサイトの設計やコンテンツの改善が必要です。加えてツールを活用することも有効といえます。

例えばアクセス解析ツールを導入することで、ユーザーの行動や離脱箇所を把握し、改善点を見つけることができるでしょう。A/Bテストツールを使うことで、ユーザーにより好まれるデザインやコンテンツを見つけ、CVRを向上させることができます。

リマーケティングツールを使うことで、過去に自社サイトを訪れたユーザーに対して広告を表示し、再度自社サイトに訪れてもらうことが可能です。これらのツールを活用することで、CVRの改善につながる効果的な施策を行いましょう。

例えば、広告が1,000回クリックされ、そのうち50回がコンバージョンに至った場合、CVRは以下のようになります。

ブログ型ECのCVRを2倍にした施策を紹介

ECサイトのCVRは平均1.5%程度ですが、ここのCVRをブログ型ECサイトで2倍にアップさせた施策をご紹介します。

まず前提として、ブログページから商品ページへの遷移はなかなか難しいところがあります。そこで実施した施策が、記事タイトルの直下に記事に沿った商品を並べるというものです。

こちらの施策は、ECサイトのサービスページなどに遷移させる動作を省略し、ブログ記事から直接商品を訴求したほうが、CVRが向上するのではないかといった仮説をもとに実施しました。

検索結果の上位表示内容を見ても、「オススメの商品を知りたい+購入したいというニーズ」があるユーザーニーズがありそうでしたので、このニーズが満たせるハイブリッド型のサイトを制作しました。

結果的にCVRは2倍に上がり、かつ副次的な効果として検索順位も上昇することになりました。

詳細はYouTubeで解説していますので、ぜひあわせてご視聴ください。

CVRを平均以上にするために役立つ3つのツール

ここからはCVRを平均以上にするために役立つ、以下の3つのツールについて、より詳しく解説します。CVRを平均以上にしたいと考えている方、CVRを上げるためのツールを探している方はよく読んで下さい。

1.アクセス解析ツール(Google Analytics)

GoogleAnalyitics
例:Google Analytics

Google Analyticsは、Webサイトのアクセス解析に必要不可欠なツールです。CVRの数値管理だけでなく、性別・年齢層・デバイス・滞在時間・閲覧ページ・コンバージョン数といった詳細な解析データを閲覧できます。

Google Analyticsを活用することで、ユーザーがどのページで離脱してしまったのか、どのページでコンバージョンが生まれたのかを確認でき、改善の手掛かりを得ることが可能です。CVRを平均以上にするには、Google Analyticsの解析データを活用し、ターゲット層に興味を持ってもらえるコンテンツを作成しましょう。

ユーザーが離脱してしまう原因を突き止め改善策を立てる際にも、Google Analyticsは有効なツールとして使えます。

2.ヒートマップツール(Microsoft Clarity)

例:Microsoft Clarity

ヒートマップツールは、ユーザーのWebサイトでの行動を視覚的に把握できるツールで、Microsoft Clarityなどが代表的です。クリックやマウスの動きを色で表現し、赤い色ほどユーザーの関心が高く、青い色ほど関心が低くなるなど、ユーザー行動を客観的に観測・分析できます。

ヒートマップツールを使うことで、どの部分にユーザーが注目しているのか、興味を持っているのか、どの部分で離脱しているのかが一目で分かります。

ヒートマップツールで赤い色が多い部分は、そこに注目するコンテンツを増やすことで、ユーザーの興味を引きやすくなるでしょう。逆に青い色が多い場所は、改善する必要がある場所です。

CTAボタンの位置も調整できるため、ユーザーの行動に合わせた最適な場所に配置できます。ヒートマップツールを使うことで、ユーザーが興味を持っている箇所を見つけ、改善していくことができるのです。

3.チャットボット

例:チャットプラス

チャットボットは、自動的にテキストや音声でユーザーからの問い合わせに返答するツールです。24時間365日対応が可能であるため、企業側はユーザーの問い合わせに迅速かつ適切な対応を行うことができます。

ユーザーはチャット形式で気軽にサービスについての問い合わせを行えるため、お問合せフォームよりも利用しやすく、企業側もユーザーの関心が高い時にアプローチが可能です。チャットボットを活用することで、ユーザーが知りたい情報を選択肢から選んだり、テキストを入力するだけで得ることができるため、ユーザーのサービスに関する知識を増やすこともできます。

その結果ユーザーの成約に対する意欲を高めることができ、コンバージョン率の上昇が期待できるでしょう。

例に挙げたチャットプラス以外にも、多くの企業がチャットボットサービスを提供していますので、導入時は複数社で比較検討することをオススメします。

まとめ

CVR(コンバージョン率)は、Webサイトのコンバージョン数をアクセス数やクリック数で割った値で、Webマーケティングにおいて非常に重要な指標です。目的によって平均値は大きく異なるため、単純に数値を出すのは難しい部分もあります。

自社の業界やデバイス、流入経路によっても平均のCVRは変化するため、それぞれの平均CVRを踏まえたうえで、より高いCVRを獲得できるよう、Webサイトを改善していきましょう。