コーポレートサイトリニューアルの7つのステップ｜メリットやユーザビリティを高めるためのポイント、運用を軌道に乗せるコツまで徹底解説

「サイトアクセスが伸び悩んでいる」「デザインが古く感じる」などの課題は、コーポレートサイト運営において多くの方が抱えています。課題を解消し、集客やブランディングを効果的に行うためには、サイトの定期的なリニューアルが欠かせません。

この記事では、リニューアルの目的とメリットから、運用を軌道に乗せるためのコツまでを詳しく解説します。リニューアルを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

コーポレートサイトをリニューアルする目的は？

コーポレートサイトのリニューアルは、企業の持続的な成長に欠かせないプロセスです。おもな目的は以下の3点です。

• ブランドイメージの強化
• ユーザー体験の改善
• 企業価値の向上

最新のデザインを取り入れることで、企業の印象を刷新し、ブランド価値を高められます。また、サイト構成を見直して情報へのアクセスを容易にすることで、ユーザーにとって使いやすいサイトになります。よって、顧客満足度の向上が期待できます。

さらに、コーポレートサイトを通じてステークホルダーとの信頼関係を深め、競争が激しい市場環境に適応することで、企業の長期的な成功への基盤を築けます。

リニューアルは単なる外観の美化ではなく、戦略的なビジョンを形にする重要なステップです。企業の将来を見据えた取り組みといえるでしょう。

コーポレートサイトをリニューアルする3つのメリット

コーポレートサイトをリニューアルするメリットは、以下の3点です。

1. ブランディングを高められる
2. 見込み客の獲得につながる
3. SEO対策することによってアクセス数の増加を期待できる

それぞれ解説します。

1.ブランディングを高められる

Webサイトのデザインを一新することは、ブランディングの強化につながります。時代に合ったデザインへのリニューアルは、ユーザー体験（UX）と使いやすさを向上させ、ユーザーに新鮮でポジティブな印象を与えられます。

リニューアルによって、以下のようなブランディング効果が期待できます。

• リード獲得や適切な人材の引き付けが可能になる
• 企業の現代的なイメージを強化できる
• 潜在的な採用希望者に対して、会社の方向性を明確に示せる
• 求人のミスマッチを防ぎ、応募者のモチベーションを高められる

コーポレートサイトは潜在的な採用希望者にとって重要な情報源です。リニューアルを通じて、会社の魅力や強みを効果的にアピールできます。

2.見込み客の獲得につながる

効果的なサイトリニューアルには、ユーザーの行動を考慮したコンテンツ配置とナビゲーションの最適化が必要です。たとえば「問い合わせボタンを目立つ位置に配置する」「ユーザーが求める情報にたどりつきやすいメニュー構成にする」などにより、問い合わせ数の増加につなげられます。

3.SEO対策することによってアクセス数の増加を期待できる

適切に実施されるサイトリニューアルは、SEO向上にも寄与します。リニューアルプロセスでHTMLの構造を見直し、内部リンクの最適化をすることで、検索エンジンの評価が改善される可能性があります。

特に、指名検索で競合他社より上位に表示されると、ブランド認知度の向上に役立ちます。ただし、SEO対策は単発の施策ではなく、継続的なメンテナンスと更新が欠かせません。サイトリニューアルを機に、最新のSEOトレンドに適合した戦略を立て、長期的な視点でアクセス数増加を目指すことが大切です。

具体的には、以下のような施策が有効です。

• キーワードリサーチに基づいたコンテンツ最適化
• ユーザー体験を考慮した導線設計とページ構成
• モバイルフレンドリーなレスポンシブデザインの採用
• ページ表示速度の改善
• 権威あるサイトからの被リンク獲得

上記のような対策を組み合わせ、PDCAサイクルを回しながら継続的に改善することで、検索順位の向上とアクセス数増加につながります。

コーポレートサイトをリニューアルする2つのデメリット

コーポレートサイトをリニューアルするデメリットは、以下の2点です。

1. 検索順位が下がるおそれがある
2. コスト・時間を必要とする

それぞれ解説します。

1.検索順位が下がるおそれがある

Webサイトのリニューアルは、SEOにおいてもリスクを伴います。SEOを意識して構築されていたサイトの場合、リニューアルにより一時的に検索評価がリセットされるケースがあります。サイトのコンテンツや構造の変更により、検索エンジンが新しい情報を再評価することが理由です。その結果、アクセス数の減少や検索順位の低下が起こる可能性があります。

たとえば、URLの変更によりGoogleに新規ページとして認識されたり、コンテンツの大幅な入れ替えによりページの関連性が下がったりすることで、一時的に検索順位が下がるケースがあります。

そのため、リニューアルは業務の繁忙期や集客ピークを避け、影響を最小限に抑える計画を立てることが重要です。

事前にサイトマップを更新したり、301リダイレクトを設定したりするなど、SEOへの影響を軽減する施策を打つことをおすすめします。

2.コスト・時間を必要とする

Webサイトのリニューアルは、時間とコストが大きくかかるプロジェクトです。具体的には、デザイン選定、コンテンツの再構築、外部制作会社との協議など、多くの工程が関与します。たとえば、デザイン選定では、ターゲットユーザーの属性や競合サイトの分析を行い、最適なデザインを決定する必要があります。

プロジェクトをスムーズに進行させるためには、事前に詳細な予算計画とスケジュールの策定が不可欠です。これにより、予期せぬコストオーバーやプロジェクトの遅延を防ぐことができます。

また、リニューアルの全工程で関係者間の密なコミュニケーションと進捗状況の共有が重要です。定期的な会議を開催し、各工程の進捗状況や課題を報告することで、問題の早期発見と解決が可能になります。関係者全員が情報を共有し、協力して作業を進めることが、プロジェクトの成功につながります。

ユーザビリティを高めるための5つのポイント

ユーザビリティを高めるためのポイントは以下の5つです。

1. 視覚的にわかりやすいデザイン
2. 理解しやすい内容
3. 高い操作性
4. シンプルなフォーム
5. ユーザーが目標を達成しやすい

それぞれ解説します。

1.視覚的にわかりやすいデザイン

ユーザビリティを高めるためには、視覚的にわかりやすいデザインが不可欠です。ユーザーがストレスなく情報を得られるように、シンプルで直感的なデザインを心がけましょう。

具体的には、余計な装飾を省き、重要な情報は大きく明瞭に表示します。また、図表を活用すれば、視覚的にも理解しやすくなります。さらに、一般的に親しまれているアイコンを使用することで、ユーザーは直感的な操作が可能になります。

デザインは、目を引くことだけでなく、情報の伝達とユーザーの操作性を最優先に考えるようにしましょう。適切なデザインにより、ユーザビリティの向上につながります。

2.理解しやすい内容

コンテンツの明瞭さがWebサイトのユーザビリティを大きく左右します。専門的な内容や独自のテーマであっても、一般的なユーザーが理解しやすい言葉を選び、専門用語には簡潔な説明を加えることが重要です。

たとえば、UI（ユーザーインターフェース）は、ユーザーがWebサイトやアプリケーションを操作する際の画面デザインや機能のことを指します。一方、UX（ユーザーエクスペリエンス）は、ユーザーがサービスを利用する際の総合的な体験や満足度を表します。

このように、専門用語の意味を明確に説明すれば、より広い読者に理解してもらうことが可能です。また、説明の信憑性を高め、内容の理解を助けるために、実例やデータを引用するのも効果的です。わかりやすいコンテンツを心掛け、理解しやすい内容のコーポレートサイトを制作しましょう。

3.高い操作性

コーポレートサイトの操作性を高めるためには、ユーザーの意図に応じた設計が必要です。たとえば、勝手に動くアニメーションや自動的に展開するメニューバーは、ユーザーの混乱を招き、操作性を損なうことがあります。

ユーザーが予期せずにインターフェースが変化することは、体験の質を下げる原因にもなり得ます。そのため、アニメーションはユーザーの操作を促すために意図的に使用し、不意に動く要素は避けるようにしましょう。

情報を適切に整理し、画面上の混雑を減らすことも操作性を向上させる方法です。具体的には、以下のような工夫が考えられます。

• メニューやナビゲーションを階層化し、必要な情報にたどり着きやすくする
• 重要な情報やアクションボタンを目立つ位置に配置する
• アイコンやラベルを使って、機能や情報の内容をわかりやすく示す
• 一画面に表示する情報量を絞り、見やすいレイアウトにする

このように、ユーザーの視点に立ってインターフェースを設計することで、ストレスのない操作性の高いコーポレートサイトを実現できます。

4.シンプルなフォーム

Webサイト上の入力フォームは、シンプルで利用しやすいデザインが求められます。入力フォームの複雑さがユーザーの離脱率を高める恐れがあるため、フォームの利便性向上は重要な課題です。

フォームに関する問題に対処するために、入力フォーム最適化（EFO）が注目されています。EFOでは以下のような施策が推奨されます。

• 選択形式の入力項目を増やす
• 入力必須項目を赤字で表示する
• 入力エラー時に分かりやすい案内を表示する
• 入力完了までの予想所要時間を提示する
• 郵便番号から住所を自動入力する

上記の施策を手軽に実装できるEFOツールを使用することで、ユーザビリティの向上が期待できます。

5.ユーザーが目標を達成しやすい

効果的なWebデザインは、ユーザーがサイトを通じて目標を簡単に達成できるよう設計します。たとえば、特定の情報を求めてサイトを訪れるユーザーは、その情報に迅速にアクセスできるような設計が求められます。

情報へのアクセスを容易にするためには、タグ検索やカテゴリー検索のような機能の実装が有効です。これにより、ユーザーは必要な情報へ迅速にアクセスでき、サイト内での迷いや繰り返しの検索を避けられます。

また、関連情報へのリンクの設置により、ユーザー体験をさらに向上させられます。具体的には、記事内で言及されているトピックに関連するほかの記事へのリンクを貼ることで、ユーザーは興味のある情報を掘り下げて探索できるようになります。よってユーザーのサイト滞在時間が増え、サイトに対する満足度を高める効果も期待できます。

さらに、ユーザーの目標達成をサポートするためには、わかりやすいナビゲーションの設計も重要です。メニューやボタンの配置を最適化し、ユーザーが迷わずに目的のページへ到達できるようにしましょう。加えて、サイト内検索機能を充実させることで、ユーザーがキーワードから目的の情報を見つけやすくなります。

このように、ユーザーの目標達成を念頭に置いたWebデザインを心がけることで、ユーザー満足度の高いサイトを作ることができるでしょう

コーポレートサイトをリニューアルする7つのステップ

コーポレートサイトをリニューアルするステップは、以下の7つです。

1. 現場把握・分析
2. 目標設定
3. 予算の割り出し・確保
4. 制作会社の選定
5. サイト構成の精査・実施
6. デザインおよびコーディング
7. 最終チェック

それぞれ解説します。

1.現状把握・分析

コーポレートサイトのリニューアルに先立ち、サイトの現状を正確に把握し、改善すべきポイントの特定が重要です。具体的には、Google AnalyticsやGoogle Search Consoleを活用してアクセス状況を把握したり、ヒートマップツールやA/Bテストを用いてユーザー行動を観察したります。

さらに、3C分析やSWOT分析を行い、競合の動向も調査することで、具体的かつ効果的な課題設定が可能です。これらの分析を基にリニューアルの方向性を定め、適切な改善策を講じます。

2.目標設定

リニューアル後のコーポレートサイトが達成すべきゴールを現状分析に基づき明確に設定します。重要目標達成指標（KGI）を具体的な設定が必要です。

たとえば、「特定の期間内にアクセス数を〇%増加させる」や「月間問い合わせ数を〇件以上にする」など数値で明示します。これに加え、KGI達成のためのKPI（重要業績評価指標）も設定し、「広告経由での訪問者数増加」や「検索エンジンからの訪問者数増加」などの段階的な目標を設定しましょう。

3.予算の割り出し・確保

サイトリニューアルには適切な予算の割り当てが必要です。サイトの規模や採用するCMS、外部委託先によって、コストは大きく異なるため、詳細な比較検討がおすすめです。

簡易なデザイン変更からシステム全体のオーバーホールまで、必要な機能や改修範囲に応じて費用を見積もり、予算を計画しましょう。最終的には、目的に応じたリニューアルプランを実現可能な予算内で行うことが重要です。複数の提案を比較し、コストパフォーマンスの高い選択を目指しましょう。

4.制作会社の選定

Webサイトのリニューアルを外部の制作会社に依頼する際は、複数の見積もりを比較してパートナーを選ぶことが重要です。プロジェクトの提案依頼書（RFP）を作成する前に、以下の4点を社内で明確にしましょう。

• 納期と予算
• 実装機能
• 参考サイト
• リニューアル後の運用体制

納期と予算は、現実的な設定が必要です。実装機能はリニューアルに必要な機能をリストアップします。参考サイトは、リニューアルのビジョンに合うサイトを選定しましょう。運用体制は、リニューアル後の運用計画を策定します。

上記の要素の整理により、最適な制作会社選びにつながります。制作会社選定の際は「RFPに明記した要件を満たしているか」「提案内容が魅力的か」「コミュニケーションが取りやすいか」などを総合的に判断しましょう。

5.サイト構成の精査・実施

ページ構成や主要コンテンツの配置を決めるワイヤーフレームの作成はサイト制作の前段階で不可欠です。

このプロセスを通じて、ナビゲーションや主要なユーザーインターフェースのレイアウトを計画し、制作過程での誤解を避け、時間のロスを防ぎます。制作チームとの十分な意見交換がプロジェクト成功のためのポイントです。

6.デザインおよびコーディング

ワイヤーフレームの完成後、デザインフェーズに進みます。この段階では、ユーザビリティを考慮したデザインや購入や問い合わせへの動線を慎重に設計します。

そしてコーディング作業に移り、デザインされたページが実際のWebサイトとして機能するよう実装します。

CMSの使用はコーディング作業を軽減するため、事前に使用するか検討するとよいでしょう。また、特殊な機能や動作が必要な場合は、制作初期に明確に指示します。

7.最終チェック

デザインとコーディング作業の完了後、サイト公開前に綿密な検証を行います。デザインの精査で計画と実際のサイトの食い違いがないか、コーディングの検証でサイトが各種デバイスや主要ブラウザで正常に動作するかを確認します。

厳密なチェックにより、ユーザーに最良の体験を提供するサイトの構築が可能です。

リニューアル後に軌道に乗せるための3つのコツ

リニューアル後に軌道に乗せるためのコツは以下の3つです。

1. デザインや表示崩れがないか確認する
2. リニューアルを告知する
3. 解析ツールを導入し、改善に取り組む

それぞれ解説します。

1.デザインや表示崩れがないか確認する

コーポレートサイトのリニューアル後、最初にすべきは実際のディスプレイ上での確認作業です。具体的には、以下の点をチェックします。

• サイトのデザインやレイアウトが意図した通りに表示されているか
• 表記に誤りがないか
• リンク切れなどの不具合がないか

どれだけ事前に準備しても、小さなミスが発生することは避けられません。そのため、確認作業を担当するスタッフとスケジュールを事前に確保し、確実にチェックを行うことが重要です。特に、スマートフォンやタブレットなど、多様なデバイスでの表示確認を忘れずに行いましょう。

2.リニューアルを告知する

Webサイトのリニューアルが完了したら、広く伝えることが次のステップです。具体的には、以下の方法で情報を拡散しましょう。

• PR TIMESなどのプレスリリースサービスを利用する
• 企業のSNSアカウントから発信する

情報を広めることで「顧客や投資家に対して、サイトの更新をアピールできる」「潜在的な新規顧客の獲得につながる」「ブランドイメージが強化できる」といったメリットがあります。

3.解析ツールを導入し、改善に取り組む

新しくリニューアルされたサイトの効果を測定するため「Google Analytics」や「Google Search Console」などのツールを使用してデータを収集します。訪問者数や問い合わせ数などの指標を通じてサイトのパフォーマンスを把握し、設定された目標が達成されているかを定期的にチェックしましょう。

目標に達していない場合は、ヒートマップツールやA/Bテストツールを使用して、サイトの更なる改善に取り組むことが重要です。たとえば、ヒートマップツールでユーザーの行動を分析し、離脱率の高いページを特定します。そのページの問題点を洗い出し、デザインや文章を変更してA/Bテストを行えば、改善につなげられます。

このように、データに基づいた継続的な改善を行うことで、よりユーザーフレンドリーなサイトを目指せます。サイトリニューアル後も、PDCAサイクルを回して最適化に努めましょう。

コーポレートサイトのリニューアルに関するよくある3つの質問

コーポレートサイトのリニューアルに関するよくある質問は、以下の3つです。

1. コーポレートサイトのリニューアルの頻度は？
2. サイトリニューアル時に注意すべき点は？
3. サイトリニューアルで確認すべきことはありますか？

1.コーポレートサイトのリニューアルの頻度は？

コーポレートサイトのリニューアルは、3〜5年ごとに行われるのが一般的です。デザインのトレンドの変化や技術的進化に対応し、サイトを現代のユーザーの期待に合わせて更新する必要があります。

多くの企業が前回のリニューアルから6年以内に再度更新を行っており、ブランドの鮮度を保ち、競争力を維持しています。

2.サイトリニューアル時に注意すべき点は？

サイトリニューアル時に注意すべき点は、以下の6点です。

1. 目的を明確にする
2. 事業・サービスの現状をコンテンツに反映させる
3. URLの変更はなるべくしない
4. 古いサーバはすぐに解約しない
5. スマートフォンへの対応を確認する
6. 他媒体へ掲載しているURLに注意する

リニューアルを依頼する制作会社を選ぶ際は、技術的な要件だけでなく、企業のビジョンや戦略についても理解しているかどうかを確認しましょう。

3.サイトリニューアルで確認すべきことはありますか？

サイトリニューアル前に自社で確認しておくべき内容は、以下の6点です。

1. リニューアルの目的
2. 自社の強み
3. ターゲット
4. 改善したい点
5. アクセス状況
6. 会社のビジョン

上記を確認して整理することで、リニューアル後のサイトがより効果的に機能し、企業価値の向上が期待できます。

まとめ

コーポレートサイトのリニューアルは、ビジュアルの変化以上の効果をもたらします。リニューアルプロセスを通じて、サイトの現状を把握し、明確な目標設定から構築、適切な告知、そしてデータに基づく継続的な改善が必要です。

この記事で解説したポイントを活用し、コーポレートサイトのリニューアルにチャレンジしてみましょう。