【初心者向け】BtoBマーケティングの戦略策定の手順とは?必要な知識や成功事例について紹介します

【初心者向け】BtoBマーケティングの戦略策定の手順とは?必要な知識や成功事例について紹介します

この記事の監修者

粟飯原匠 |プロデューサー

マーケティングを得意とするホームページ制作会社PENGINの代表。教育系スタートアップで新規事業開発を経験し、独立後は上場企業やレガシー産業のホームページ制作・SEO対策・CVR改善の支援を行うPENGINを創業。「ワクワクする。ワクワクさせる。」を理念に掲げてコツコツと頑張っています。

「BtoBマーケティング戦略」という言葉を耳にしても、実際のやり方や必要な知識がわからない人がいるのではないでしょうか。身近な消費者向けのBtoCと比べてBtoBはマーケティング戦略の効果的な手法が異なるため、どうすればいいかわからないという人もいるかもしれません。

そこで今回は、BtoBマーケティングの基礎知識と手順、実際の成功企業例を紹介します。

BtoBマーケティングにおける戦略策定の手順は4ステップ

BtoBマーケティングにおける戦略策定の手順は4ステップです。

  1. 課題や目的を明確にする
  2. ペルソナを明確にする
  3. カスタマージャーニーマップを作成する
  4. PACAサイクルを回す

BtoBマーケティングを成功させるためには、マーケティングの戦略と策定が欠かせません。ここからは、それぞれのステップについて詳しくみていきます。

ステップ1.課題や目的を明確にする

マーケティング戦略策定をする前提として、どうしてマーケティング策定をするのかという課題や目的を明確にすることが必要です。目的がはっきりしないと結果的に何も役にも立たなかったということがあり得ます。

しかし、マーケティングの目的が分かると、ペルソナやターゲットの選定も比較的簡単になる上に、今後のマーケティング策定実行の流れがスムーズになるので、最初のステップとして大事な要素です。

ステップ2.ペルソナを明確にする

課題と目的が決まると、次に誰をターゲットにしてマーケティング施策をするのかを決めるためのペルソナを明確にします。ペルソナを明確にすると、顧客目線での課題やニーズ、目的などのターゲット像を統一することが可能です。

ペルソナの選定は難しいと感じるかもしれませんが、既存の顧客情報を元に、年齢や性別、職業といった情報を具体化し、購買パターンを分析してみましょう。

ステップ3.カスタマージャーニーマップを作成する

カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品やサービスを知ってから商品の購入までの間に抱く感情や思考、行動などのプロセスをまとめたマップです。顧客が商品購入するまでの流れとして以下のものが挙げられます。

  • 課題発見前
  • 課題発見
  • 情報収集
  • 比較と検討
  • 評価・選定
  • 購入・導入

カスタマージャーニーのプロセスでは、ペルソナを元に顧客の思考や行動をするのかをシミュレーションしてみましょう。また、カスタマージャーニーマップは課題発見を容易にすることや、業務に関わる人全員の共通認識を持てるといったメリットが得られます。

ステップ4.PDCAサイクルを回す

マーケティング戦略に時間や予算、人員といったリソースを割いても最初から上手くいくことは多くありません。そのため、マーケティング戦略は結果における分析と解析を繰り返すことが大事です。

策定をひと通り終えた後に、どのような課題があり、どのような違う施策や改善が必要かを考えながらPDCAを回します。PDCAを回すことで、マーケティング戦略の効果が増え、成果が生まれやすくなります。

BtoBマーケティング戦略を立てずに施策を実行するリスク

BtoBマーケティング戦略を立てずに施策を実行することによって、最終的な成果につながらない可能性が高くなります。マーケティング戦略を考えない、分析せずに施策を実行する企業をよく見かけますが、多くの場合は「顧客理解ができていない」「施策の効果が少ない」といったことが原因です。

マーケティング戦略の成果が出ないことによって、社内で予算がもらえなかったり、理解が得られなかったりします。予算や時間といったリソースを考慮しながらマーケティング戦略を立て、正しい優先順位の施策を考えて実行してみましょう。

BtoBマーケティングの戦略策定に必要な3つの知識

BtoBマーケティングの戦略策定に必要な知識は以下の3つです。

  1. 顧客ニーズについて
  2. 顧客とのリレーションについて
  3. MAツールについて

マーケティングの成功を考えた際に、顧客とのコミュニケーションだけでなく、最新のツールを利用する手法もあります。BtoBのマーケティング戦略を策定する際に必要な知識について詳しくみていきます。

1.顧客ニーズについて

顧客のペルソナを選定する際に、顧客がどのような悩みや課題があって、それに対する解決策やゴールが何かといった顧客のニーズを考えることは重要です。

例えば、ひとつの企業から管理職と経営部といった異なる部署からの顧客がいる場合は、業務や立場の違いから課題内容が異なります。そのため、それぞれの顧客に適切なアプローチをかけるには、顧客ニーズを理解することが欠かせません。

2.顧客とのリレーションについて

BtoBマーケティングにおいて、顧客に商品を買ってもらうためには顧客とのリレーションが欠かせません。リード獲得から商談までのフローを行う際は、マーケティング部門や営業部門などの様々な部署が関わってくるため情報共有や連携が必要です。

共有した情報を元に、各部門が顧客に対してどのようなアプローチや業務が必要かを把握して、商品の購入につなげましょう。

3.MAツールについて

BtoBマーケティングをする中で耳にするMAツールは、大量の顧客管理やメルマガ配信、スコアリングなどの自動化を図れる高機能なツールを兼ね備えています。BtoBマーケティング戦略を実施する中でMAツールを導入する必要があると思っている人もいますが、必ずしも必須のツールではありません。

管理する顧客数が少ない場合やMAツールを使う目的が明確ではない場合は費用対効果が見込めない可能性があるので、自社に必要かどうかを見極めて使いましょう。

BtoBマーケティング戦略に役立つ3つのMAツール

BtoBマーケティング戦略に役立つ3つのMAツールは以下の3つが挙げられます。

  1. SFAツール
  2. BIツール
  3. アナリティクスツール

MAツールを使うことで、メルマガの一斉配信や顧客管理などのリード獲得から商談までのプロセスが効率的になります。MAツールはそれぞれのツールで機能が異なるため、どのような昨日の違いがあるのかをみていきましょう。

1.SFAツール

SFA(セールスフォース・オートメーション)ツールは、営業支援システムが備わっているためチーム全体で顧客や案件情報を一括で管理できるツールです。

また、スケジュール管理や営業行動管理、見積書や請求書の作成など営業活動における効率化を図れます。個人のスキルに依存してしまいやすい営業ですが、SFAツールの導入によりチーム内での情報共有ができます。

2.BIツール

BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールは、企業に蓄積された大量のデータを収集、分析して見える化し、営業や業務における作業の効率化を図れるツールです。

各部署によって集められた情報やデータを保管している場所がバラバラになることが大半ですが、BIIツールによってデータを集約して分析、見える化して企業の経営にスピーディーな意思決定を手助けします。

3.アナリティクスツール

アナリティクスツールは、Webサイト内に訪れたユーザーの行動を分析するツールです。Webサイト内に訪れたユーザーの性別や流入経路、どのページを訪れたか、どのページを最後に離脱したのかを把握できます。

自社のWebサイトを分析、課題発見のために顧客を分析することはとても重要な要素なので、無料で使える「Googleアナリティクス」を利用してみましょう。Googleアナリティクスの設定までのステップや効率的に使うためのコツは、次のページにて解説しています。

参考:【初心者向け】Googleアナリティクスとは?設定までのステップや効率的に使うためのコツをわかりやすく解説

BtoBマーケティング戦略で成功している企業事例5選

BtoBマーケティング戦略で成功している企業事例として以下の5選が挙げられます。

  • 株式会社ブイキューブ
  • キヤノンマーケティングジャパン株式会社
  • 株式会社ストライク
  • マネーフォワード株式会社
  • ライオン株式会社

これからBtoBマーケティング戦略を立てたいという人には、実際に成功している企業を参考にすると必要な要素が見えてきます。実際にどのような施策で成功してきたのかをみていきましょう。

1.株式会社ブイキューブ

1.株式会社ブイキューブ

引用:ブイキューブ

株式会社ブイキューブは企業向けにWeb会議やセミナーといったオンライン配信サービスを提供する企業です。新型コロナウイルスをきっかけにオンライン会議が着目されたことから、BtoBマーケティングとして新規顧客獲得を目指してコンテンツメディアに力を入れました。

その結果、コンテンツ検索が上位に出現して流入数が増加しました。同時にサイト内のアクセス解析をすることで、10倍以上の新規による受注率を記録しています。

2.キヤノンマーケティングジャパン株式会社

キヤノンマーケティングジャパン株式会社

引用:キヤノンマーケティングジャパン株式会社

キヤノンマーケティングジャパン株式会社は、プロジェクターやカメラ、複合機といった様々なプロダクションを販売する企業です。製品の多さが強みでありながらも、営業担当が全ての製品を紹介できないことが課題となっていました。

そこで、営業担当者の負担を減らすという課題に着目し、PDCAを回してデジタルマーケティングが効果的だと考えました。デジタルマーケティングは即効性がないため時間はかかりますが将来性を考えた結果、大幅な売り上げの向上ができています。

3.株式会社ストライク

株式会社ストライク

引用:株式会社ストライク

株式会社ストライクはM&Aのコンサルタントや経営支援などを行う企業です。従来ではM&Aに関する情報はオフラインでの収集がメインでしたが、現在ではオンラインでの情報提供ニーズが集まってきました。

株式会社ストライクはオンライン上での情報収集に着目し、M&Aについてのオウンドメディアに関するコンテンツを掲載しました。その結果、月間ビューは100万に到達し、顧客のニーズを捉えて大きな成果を挙げた成功事例です。

4.マネーフォワード株式会社

マネーフォワード株式会社

引用:マネーフォワード株式会社

マネーフォワード株式会社は中小企業や個人事業をターゲットとした企業です。マネーフォワードは「Money Forward Bizpedia」というオウンドメディアを立ち上げ、BtoBに役立つ情報を発信しています。

記事の内容には読者の悩みを解決できるような内容に加えて、マネーフォワードの製品の広告を出現させることから、製品を利用することで悩みを解消できる期待感を抱いて製品に興味を持ってもらえます。良質な情報提供からBtoBマーケティングを成功させた企業の成功事例です。

5.ライオン株式会社

ライオン株式会社

引用:ライオン株式会社

ライオン株式会社はWebサイトの問い合わせに着目し、問い合わせへの導線を変更することでBtoBマーケティングを成功させました。

従来のWebサイトからは顧客からの問い合わせが少なかったため、各製品のページから問い合わせがくるように誘導した結果、問い合わせ数は飛躍的に伸び、3ヶ月で6.2倍になりました。問い合わせによる導線だけでなく、適切な問い合わせ内容やコンテンツによりプロモーションできたことが成功のポイントです。

BtoBマーケティングの戦略でよくある3つの質問

初めてBtoBマーケティングの戦略を実施する人からよくある3つの質問は以下の3つです。

  • BtoBマーケティングの戦略を学びたい人向けにおすすめの本はありますか?
  • BtoBマーケティングの戦略策定の始め方がわからない場合の対処法はありますか?
  • BtoBマーケティング戦略は見直すことも必要ですか?

それぞれの回答をみていきます。

質問1.BtoBマーケティングの戦略を学びたい人向けにおすすめの本はありますか?

Kindleや書店にてマーケティング戦略についての本がたくさん出版されているので、マーケティング戦略について初めて取りかかる人には本を読んで勉強することがおすすめです。マーケティングを勉強しようとしている人はぜひ以下のおすすめの本を参考にしてみましょう。

  • 新規顧客が勝手にあつまる販促の設計図(日経BP)
  • BtoBマーケティングの戦略と実践(すばる舎)
  • 究極のBtoBマーケティング ABM(日経BP)
  • マーケター1年目の教科書(フォレスト出版)
  • デジタル時代の基礎知識『BtoBマーケティング』「潜在リード」から効率的に売上を作る新しいルール(翔泳社)

質問2.BtoBマーケティングの戦略策定の始め方がわからない場合の対処法はありますか?

BtoBマーケティングの戦略策定の始め方がわからない場合は、以下の2通りから始めてみましょう。

  • 自社のペルソナを明確に定義する
  • 外部のパートナーに相談してみる

ペルソナを明確にすることで、顧客との最適なコミュニケーションがとれてマーケティングのプロセスがスムーズになりやすくなります。

また、どうしてもペルソナの選定が合っているかわからない場合やデータの分析の活用方法、受注に至らない原因がわからない場合は外部のパートナーに相談してみましょう。特に、マーケティングのノウハウがわからない場合には最適な手段です。

次のページでは、BtoBマーケティング支援でおすすめの会社を22選紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

参考:【2023年最新】BtoBマーケティング支援でおすすめ会社22選|注目される理由やよくある質問も紹介

質問3.BtoBマーケティング戦略は見直すことも必要ですか?

BtoBマーケティングは最初の施策から成功することは少なく、ビジネスの様々な要因が加わったり予想外のことが起きたりすることも視野に入れることが必要です。

そのため、最初の施策を元にPDCAを繰り返して柔軟に戦略を立て直すことも重要です。特に新型コロナのような大きな要因があっても柔軟に戦略を見直して対応できます。

まとめ

BtoBマーケティング戦略策定を実施するためには、基礎の知識となる知識や手順を踏んでから実行することが大事です。最初から戦略がうまくいくとは限らないため、PDCAを回しながらどの方法で顧客数を増やせるか、施策の効果を出せられるかを試して改善していきましょう。

また、参考企業例を元にどのような施策ができるのかを参考にしてみてください。