QA表(質問管理表)とは、システム開発をするときに事業者との間でやり取りする質問と回答形式のツールです。質問に対して回答をすることで、認識のずれを防ぎます。ここでは、QA表に記載するべき内容や注意点などを詳しく説明します。
QA表(質問管理表)とは?
QA表(質問管理表)とは、システムを開発する場合において事業者とやりとりする場合に認識にずれがないように質問と回答を管理したツールです。開発において認識がずれていたり、担当者が代わったりした場合に何度も聞き直すことを防げます。
Q&A表に必要な項目
Q&A表には、質問の内容のほかに、質問者や質問日、回答や回答者、回答日などを記載します。そのほか、あとで検索しやすいように質問を分類したり番号をふったりするなど工夫が必要です。
QA表への質問の書き方で注意すべきポイント
QA表への質問の書き方で注意すべきなのは、次のポイントです。
- QAの対象を明示する
- 「?」で終わる文書を最初に書く
- 1行には1つの質問・回答を記載する
- 漏れなく記載する
QAの対象を明示する
QA表の質問のフォーマットにおいて、QA箇所を最初に明示するようにしましょう。質問をする人と回答をする人との間で、質問内容において認識のずれを防げます。
例えばAPIに関連した質問をするのであれば、API定義書などまずはどのような前提であるのかを明確にすることが重要です。
「?」で終わる文書を最初に書く
最初にどのような質問であるか明確にして、そのあと質問をする背景や理由などを書きましょう。最初に質問内容を書くことでどのような質問であるのかがわかりやすくなります。さらに、あとから検索するときもスムーズに見つけやすくなるのです。
1行には1つの質問・回答を記載する
QA表は1行に1つの質問や回答を書くようにしましょう。質問の内容が異なるごとに行を変えることで見やすくなります。
例えば1行に2つの質問をした場合、2つ目の質問に対する回答がされなかったり、両方まとめて回答しようとして時間がかかったりとさまざまなトラブルが発生するリスクが高まります。よって、回答状況を把握するためにも質問はわけて記載しましょう。
漏れなく記載する
影響範囲や趣旨が同じことなど1つの質問で明確にするべきこともあります。質問内容が同じであれば、1つの質問にした方がQAのやりとりが減り業務効率化につながるのです。
質問先に適した質問の書き方
クライアント向けと他システムの開発担当者向けでは、質問の書き方が異なります。それぞれに合った書き方を把握するようにしましょう。
クライアント向けの場合
クライアント向けの場合は、決定の予知をできる質問にすることが必要です。例えば、注文番号について聞く場合は「12桁でしょうか」ではなく、「何桁でしょうか」といった聞き方をします。初めから12桁といった聞き方をすると、考えを押し付けているととられる場合があるのです。
他システムの開発担当者向けの場合
他システムの開発担当者に向けた回答の場合、明確に回答を求めることが重要です。また、回答者が明確に回答しやすいように「スペックの肩や桁、最大値を教えてください」などとわかりやすく聞くようにしましょう。質問を明確にしないと、質問者が求めている回答をされない可能性があります。
QA表のフォーマットをダウンロードできる4つのサイト
QA表のフォーマットをダウンロードできるサイトにはさまざまな種類があります。ここでは、次の4種類のサイトを紹介します。
サイト | 特徴 |
bizroute | Excelでのテンプレート |
セールスフォース標準化推進ラボ | セールスフォースを使っていなくても利用可 |
FrontierLink | Excelの機能を活用したテンプレート |
bizocean | ビジネス向けのテンプレートに特化したサイト |
1.bizroute
ビズルートでは、Excelを使ったQ&Aシートのテンプレートを提供しています。A4 シートで全ての項目を把握できるように作られているため、共有また管理しやすい点が特徴です。質問や質問日、回答や回答日、分類など必要事項が全て含まれています。
ダウンロードページ:Q&Aシートのエクセルテンプレート | ビズルート
2.セールスフォース標準化推進ラボ
セールスラボでは標準化推進ラボを運営しており、Q&A表のテンプレートを提供しています。セールスフォースプロジェクトに合わせたものですが、他でも利用できるので安心です。さらに、バックログにてQA管理をはじめとしたコミュニケーション管理ツールを提供しています。
ダウンロードページ:質問管理表(QA管理表/一覧)(Excelテンプレート)サンプル – セールスフォース標準化推進ラボ
3.FrontierLink
引用:フロンティアリンク
FrontierLinkはビジネススクールですが、ビジネスに必要なテンプレートなどを提供しています。Q&Aシートサンプルもあり、Excelの機能を活用したものです。
条件付き書式を使ってステータスをわかりやすくすることやフィルターを使って未回答の質問だけを表示する、データの入力規制を使って入力項目と統一するといった活用が可能です。
ダウンロードページ:Excelの機能を活用したQAシートサンプル
4.bizocean
引用:【bizocean】ビジネス文書・書式のテンプレート/フォーマット/文例の無料ダウンロード
Bizoceanはビジネス文書や書式などのテンプレートやフォーマットを多数提供しているサイトです。Q&A管理表は、Excelで作成したもので質問と回答を一覧で確認できます。Webサイトの構築やプロジェクト進行状況の確認、メールのやり取りなどさまざまな活用方法があります。
ダウンロードページ:Q&A管理表|bizocean(ビズオーシャン)
何のためのQ&Aシートかを決めて活用しよう
Q&Aシートを作る上で、シートの目的を明確にすることが重要です。メンバー内での共有やクライアントとのやりとりなど、Q&Aはさまざまな目的で利用します。シートが明確でないと、質問や要望などがバラバラになってしまう可能性があります。何のためのQ&Aシートかを決めて、効果的な活用方法を見出してみてください。