近年ビジネスの方向性が変化したり、人材不足やコロナウイルス2019対策などによりデジタル技術を活用する業界が増えています。それぞれの業界にあったシステムが開発されており、業務効率化や売り上げ向上、コスト削減などさまざまなメリットがあるのです。

この記事では、それぞれの業界においてソフトウェアの開発事例を紹介していきます。

【業種別】ソフトウェアの開発事例

【業種別】ソフトウェアの開発事例

2024年のシステム市場規模は12兆7,665億円になるといわれ、今後もさまざまな業界においてシステムの導入が進んでいくことでしょう。導入を検討している会社は同じ業界でどのようにシステムを導入しているか、参考にすることでスムーズに導入を進められる場合があります。

この章では、それぞれの業界においてソフトウェアの開発事例を紹介します。

  • 介護業の開発事例
  • 金融業の開発事例
  • 物流業の開発事例
  • 医療業の開発事例
  • 製造業の開発事例
  • 飲食業の開発事例
  • 不動産業の開発事例
  • 農業の開発事例
  • 水産業の開発事例
  • 小売業の開発事例

介護業の開発事例

介護現場では担当者の業務負担が大きいことから離職率が高く、人手不足が大きな課題となっています。そこでシステムを活用することによって業務効率化をすることが必要不可欠です。

近年では呼吸や血圧、意識などのバイタルサインチェックや高齢者の見守りなどシステムを導入することによって効率化が進められています。バイタルサインチェックの自動化をできるセンサーシステムや、介護者の居場所を把握できる高齢者見守りシステムなど様々なシステムが導入されている点も特徴です。

金融業の開発事例

金融業界は24時間365日稼働しているため、保全性や信頼性を継続できるシステムが求められます。デジタル技術を活用することによってオンライン完結型のサービスを提供することで、顧客満足度を上げられる他、担当者の負担を減らすことにより業務効率化も可能です。

金融業界では資産運用業務システムや電子決済システム、債権管理システムなど様々なシステムが活用されています。

物流業の開発事例

物流業務は入庫や出庫、ピッキング作業など様々なプロセスが必要です。そのため多くの担当者を必要としており業務の負担が大きくなっています。

さらに、EC事業の需要が高まっていることから、物流業への負担が増加している状況です。そこで、ピッキング業務をロボットに任せたり、配送管理システム、在庫管理システムなどを活用してデジタルを導入した運用が進んでいます。

医療業の開発事例

医療業界では日医標準レセプトソフトを無償で提供しているなど、日本医師会ではデジタル化を推進しています。レセプト以外でも電子カルテシステムや放射線治療管理システム、在宅アセスメントシステムなど様々なシステムを導入することが一般的です。

また診療支援向けのシステム以外にも、医療データを活用することによって健康プロジェクトにもIT技術が導入されています。

製造業の開発事例

製造業では、製造装置にIoTを設置することで製造現場を可視化したり、AIを活用することで製造プロセスを自動化したり効率化したりする動きが進んでいます。

この他にも、生産管理システムや工程管理システム、不具合検知システムなどさまざまなシステムを活用することで、業務効率化や生産性の向上などの効果があるのです。

飲食業の開発事例

飲食業界は、コロナウイルスの影響を受けて閉店するケースが増えています。そのため、テイクアウトや宅配など新しいビジネスへの転換が求められている業界です。

モバイルオーダーシステムや店舗で利用できるオーダリングシステム、顧客満足度を上げる電子決済システム、業務効率化につながる売上管理システムなど多数のシステムが導入されています。

不動産業の開発事例

不動産業では、電子契約や物件情報管理システム、Web上での内覧などさまざまな業務においてデジタル化が進んでいます。

不動産業では、仲介業務や物件情報管理、不動産査定などさまざまな業務が必要であるため、業務効率化やコスト削減のためにもデジタル化が重要です。デジタル化が進んでいないと、機会損失につながる可能性があるため積極的にITを活用するケースが増えています。

農業の開発事例

農業では天候や震災などに収穫量が影響する他、労働者不足が課題です。このような課題を解決するために、スマート農業に取り組んだりIT技術を使った業務効率化を進めています。

農業生産システムや土壌センサー、搬送ロボットなどさまざまなデジタル技術が活用されています。農業従事者の負担を減らすほか、農業人口を増やすことが大きな目的です。

水産業の開発事例

水産業では震災はじめ大きな災害によって漁獲量が大幅に減ることがあります。そこでこれまでの天候や漁獲量などのデータを活用することにより運用を見直す動きがあるのです。

また養殖魚場や海の状況を分析し、効率的に漁獲量を増やせるような動きがあります。水産業ならではの、水域情報可視化システムや養殖管理システム、環境情報提供システムなどが活用されています。

小売業の開発事例

コロナウイルスの影響で、店舗への集客が難しい状況です。さらに、大型スーパーなど大型店の影響により売り上げが下がっている場合もあるでしょう。そこで、デジタル技術を活用することで業務効率化をしたり、販路拡大をしたりすることが必要です。

POSレジや電子決済システムを使った決済方法は、顧客満足度の向上につながります。さらに、在庫需要予測システムや販売管理システムを使うことで、業務効率化につながるなどさまざまなシステムが導入されています。

ソフトウェア開発における今後の展望

ソフトウェア開発における今後の展望

ソフトウェアを活用する業界が増えており、さまざまなケースにおいてソフトウェアの需要が高まっている状況です。ソフトウェア開発の需要が高まっている理由として次の点が挙げられます。

  • ソフトウェア業界の市場規模は拡大が続く
  • ビッグデータを活用した開発需要が増加する
  • 組み込み系のソフトウェア需要が高まる
  • AI技術の採用が進む

ソフトウェア業界の市場規模は拡大が続く

近年の動きとして、自社でオンプレミスのシステムを運用するのではなくクラウド環境を活用するケースが増加中です。保守業務が不要であったり、専門の作業ができる人材が最小限で良かったりなどコスト削減や人材不足対策にもなっています。

このことから、ソフトウェア業界の市場規模が拡大しており、今後もさらに同じ動きが続くと予想されています。

ビッグデータを活用した開発需要が増加する

近年ではWebを使って情報を調べたり、商品を購入したりするケースが増加中です。そのため、顧客情報やWeb上での行動履歴などビッグデータを所有することが増えています。

これらのビッグデータを活用することで、顧客のニーズをつかむためのマーケティングや商品開発が展開されています。そのため、ビッグデータを分析できるようなソフトウェアの開発における必要性が高まっているのです。

組み込み系のソフトウェア需要が高まる

ビジネスや普段の生活においてIoTの普及が一般的となりました。家電や家具などにも導入されており、必要性が高まっている状態です。

そこで、組み込み系のソフトウェアの需要が高まっています。今後も車や住宅、家電製品などこれまでにあった商品に、デジタル技術を加えてより便利になるケースが増えていくことでしょう。

AI技術の採用が進む

AIシステム市場規模は年々拡大しており、2020年度は約1,580万円、2025年には約4,910億円になるといわれています。現在導入しているシステムにAIを導入することで、生産性向上や業務効率化などのメリットが期待できるのです。

自動運転や自動文章作成などさまざまな分野においてAIが導入されており、今後もさらにAI技術の採用が進んでいくことでしょう。

ソフトウェア開発の業種でよくある3つの質問

ソフトウェア開発の業種でよくある3つの質問

ソフトウェア開発の業種において、エンジニアに求められる知識や関連しやすい業界、ソフトウェア業界の現状等の質問が多く集まっています。この章ではこれらの質問について詳しく説明していきます。

ソフトウェア開発のエンジニアを目指している人や、ソフトウェア開発業界の現状について詳しく知りたい場合は参考になるでしょう。

ソフトウェア開発のエンジニアに求められる知識やスキルはありますか?

ソフトウェア開発のエンジニアになるために、必須となる資格はありません。しかし、資格を持っていることで知識を持っていることや実力の証明になることから、資格の取得は無駄になることはないでしょう。

ソフトウェア開発だけでなくIT業界に勤めるのであれば取得しておきたい情報処理技術者試験や、ネットワークスペシャリストなどがおすすめです。

ソフトウェア業界と関連しやすい業界はありますか?

ソフトウェア業界はさまざまな業界と関連しやすい特徴があります。IT関連業界以外にも、ゲームメーカーや家電メーカーが主な例として挙げられるでしょう。

ゲームは次々に新商品が発表されており、特にスマートフォン向けのソフトにおける需要が高まっています。そのため、ゲームの開発者は常に求められています。

家電においては、自動的に設定できる洗濯機や人がいる場所に風を送るエアコンなどソフトウェアが組み込まれた商品が増えています。

ソフトウェア業界の現状は?

経済産業省の平成30年特定サービス産業実態調査におけるソフトウェア業界の事業所数は、2万1,953事業所と前年比2.9%減、しかし従事している人は70万7,600人と前年と比べて0.9%増加したといった結果です。今後は、ビッグデータの活用やIoT、AIなどの分野にて需要が高まることが予想されています。

まとめ

まとめ

ソフトウェア開発は、IT業界だけでなく様々な業界で導入されています。業務効率化や人材不足への対策、売り上げ向上などそれぞれの業界において課題を解決することが目的です。

さらに、従来ある商品にデジタル技術を追加することでこれまでにないような商品が開発されるケースは少なくありません。今後もソフトウェア開発の需要度は高まっていくことでしょう。