オウンドメディアは、ただ作って終わりではありません。コンテンツを正しくGoogleに評価してもらい、検索上位を上げるためには、SEO対策が欠かせないです。
この記事では、オウンドメディアのSEO対策の基本的な知識や具体的な方法をプロが解説しています。
「オウンドメディアで結果が出ない」「検索順位が上がってこない」という方は、ぜひ参考にしてください。
SEO対策の基本となる3つの知識
SEO対策の基本となる知識には、以下の3つが挙げられます。
- Googleが示す基準を知る
- 高品質な記事をアップする
- 施策のひとつとして理解する
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。
1.Googleが示す基準を知る
Googleは以下の「10の事実」と称する基準を設けており、これはSEOにおいても重要な考え方です。
- ユーザー中心のアプローチ
- 一つのことに特化すること
- 速さの重視
- Webの民主主義の信頼
- デバイスを問わない情報アクセス
- 倫理的な利益の追求
- 未だ発掘されていない情報の存在
- 国境を越える情報の必要性
- カジュアルな環境でも真剣に取り組むこと
- 常に「すばらしい」を超える努力
上記に加えて、品質の高いコンテンツ制作、目標設定の重要性、そしてE-E-A-T(Experience、Expertise、Authoritativeness、Trustworthiness)の対策が必要です。
特に、特定分野に特化した専門性と権威性を確立する方法、コンテンツの信頼性を高めるための実名使用などが、SEOで情報の信頼性を高めるために求められています。
参考:Google社「Google が掲げる 10 の事実」
2.高品質な記事を公開する
SEO戦略の核心は、高品質な記事の提供にあります。製品の魅力やメリットを明確に伝え、読者の関心を引く内容が基本です。
文章の流れや広告との調和を含む全体的な品質も重要です。不正確または信頼性の低い情報があると、読者は不信感を覚えます。
常に正確で価値ある情報を提供し、品質の一貫性を保つことで、ユーザーの信頼を確保し効率的なコンテンツ管理が可能になります。
3.施策のひとつとして理解する
SEO対策は、オウンドメディアの集客手段の一つであり、即時効果を期待するものではありません。
「Google Search Central Channel」によると、SEOの成果が表れるまでにはサイト開設から少なくとも4ヶ月、場合によっては半年や1年が必要です。即効性を求めずに、長期的な視野でのSEO実施が求められます。以下はSEO以外の集客方法です。
参考:YouTube「How to hire an SEO」
- 広告出稿
- SNSの活用
- メール配信
- プレスリリース配信
効果を早めに実感したい場合は、上記の方法も併用してみてください。
オウンドメディアのSEO対策は主に3つ
オウンドメディアのSEO対策には、以下の3つが挙げられます。
- コンテンツ制作
- 内部施策
- 外部施策
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。
1.コンテンツ制作
オウンドメディアでのSEO対策には、効果的なコンテンツ制作が欠かせません。以下は、基本的な新規コンテンツ作成の流れです。
キーワード戦略
- 自社のターゲットニーズの把握
- 競合他社の獲得キーワードの調査
- 狙うべきキーワードの洗い出し
- 検索ボリュームの分析
- 自社サイトのメインキーワードを決定する
- キーワードツリーの作成
自社の専門性、権威性を発揮できる分野をもとにキーワードを決めましょう。検索回数の多さだけで決めると、メディアとしての信頼感が薄れ、ユーザーにもGoogleにも評価されない結果となります。
キーワードツリーとは「軸となるメインキーワード」をもとに、書くべきキーワード群のことを指します。一般的にはサジェストキーワードをもとに作成します。
例えば「オウンドメディア」をメインキーワードに据える場合は「オウンドメディア 成功事例」「オウンドメディア KPI」などです。
こうした発想で、作成するべき記事を決めていきます。
記事作成
一般的には以下の流れに基づいて記事の作成を進めます。
- リソースの確保(ライター、ディレクター、デザイナー、監修者等)
- 記事のディレクション
- 検索者の意図を把握し、内容の方向性を決める
- 既に評価されている記事の構成内容を把握する
- 自社が優位性を発揮できる内容を決める
- アンケートや口コミなどから得た一次情報を活用する
- 記事のライティングを行う
- ディレクター、監修者などがライティングのレビューを行う
- デザイナーがアイキャッチを作成する
- 公開をする
- 公開後は適宜、リライトや修正を行う
大切なのはディレクション時にしっかりと読者のニーズを把握したうえで、信頼性を高めることです。戦略的な視点が必要になります。
また記事作成の際には権威性・信頼性・独自性などを重視する必要があります。そのうえでライティングができるように、参加者全体でコミュニケーションをしてく必要があります。
2.内部施策
SEO成功のためには、サイト内施策が欠かせません。具体的な手法としては、以下の通りです。
- ユーザーと検索エンジンのクローラー双方に理解しやすいサイト設計
- タイトルやメタ情報の最適化
- キーワードの適切な設定
- XMLサイトマップの利用
- パン屑リストの設置
- 内部リンクの戦略的配置
- 構造化データのマークアップ など
スマートフォンユーザーの増加に伴うモバイル対応の徹底、ユーザーエクスペリエンスの改善、ページ表示速度の向上が重要です。
さらに、ページのインデックス確認やnoindexタグ、meta descriptionの活用、適切な外部リンクの引用、画像のalt属性による説明の追加などの施策により、SEOの効果を高め、読者がサイトを離れずに良い体験を提供できます。
3.外部施策
オウンドメディアのSEO向上には外部施策も必要です。とくに重要なのが、サイトの信頼性と認知度を高めるための以下のアクションです。
- 高品質な被リンクの獲得(ドメインの権威を強化)
- SNSを活用してコンテンツの拡散力を高める(ユーザーの関与を促進)
被リンクとは、自社のURLリンクを他社サイトに貼ってもらうことを指します。自社のURLを引用してくれる=評価されているということです。そのためポジティブな引用のされ方が求められます。
SNS上の引用は直接的な評価にはつながりませんが、拡散され流入者が増えることで間接的にSEO評価を高めることができます。
上記の施策を通じて、SEOの効果を最大化し、オウンドメディアの価値を高められます。
記事公開後にすべき5つの作業
記事公開後にすべき作業には、以下の5つが挙げられます。
- ツールを活用して分析する
- リライト
- 過去記事のメンテナンス
- SEOにこだわりすぎない
- KPIを設定して改善に取り組む
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.ツールを活用して分析する
記事の効果を確認し、問題点を洗い出す必要があります。そのためには、分析ツールの使用がおすすめです。
無料のツールを利用しても、検索回数などのデータから、記事が目指すユーザーに届いていない可能性を検証できます。
データ分析を通じてユーザー流入が少ない原因を特定し、改善策を講じることが可能です。無料のツールとしては、パスカル(内部対策)、ahrefsm(外部対策)、ミエルカなどがあります。
2.リライト
公開済みの記事は、時代の変化や新情報の流入に伴い、更新が必要です。古い情報をそのまま掲載し続けることは、誤った情報を伝えるリスクを持ち、サイトの鮮度や信頼性を損ねる可能性があります。
読みにくい文章や理解しづらい表現があれば、それらをリライトするとコンテンツの質を向上させられます。
記事の定期的な見直しと更新は、ユーザーからの信頼獲得にもつながり、オウンドメディアの価値を高める効果的なアプローチです。
3.過去記事のメンテナンス
過去に公開した記事も定期的に見直し、更新することが重要です。古い情報はユーザーにとって価値が低く、SEO効果を下げる原因ともなります。
適切なメンテナンスを行い、不足している情報を追加したり、最新のデータを反映させたりすると、古い記事でも再びユーザーの関心を引きます。
とくにアクセス数が多いコンテンツほど、更新効果は顕著です。過去のコンテンツにも目を向け、継続的なメンテナンスを心がけることで、サイト全体の質を高め、より多くの顧客を獲得するチャンスを増やせます。
4.SEOにこだわりすぎない
SEOはオンライン集客の一手段であり、即効性を求める方法ではありません。前述の通り、成果が見え始めるまでには時間がかかり、一度に多大な努力とリソースが必要となる場合があります。
また、Googleのアルゴリズム更新によって、サイトの検索順位が大きく変動するリスクも伴います。
そのため、SEOに全てを依存するのではなく、他の集客手段としての広告、メールマガジン、SNS運用などと組み合わせて利用することが、よりバランスの取れた効果的な集客戦略です。
SEOは長期的な視点で取り組むべき戦略のひとつであり、多角的なアプローチが成功へと近づけます。
5.KPIを設定して改善に取り組む
オウンドメディア運営においては、目標達成に向けた業績の測定・改善が欠かせません。ここで重要になるのがKPI(重要業績評価指標)の設定です。
KPIを利用して、オウンドメディアの成果を定量的に把握し、必要な改善策を検討します。主なKPIは、以下の通りです。
- 記事投稿数
- サイト訪問回数
- 検索順位
- 訪問者数
- 自然検索からの流入数
- 詳細ページへの遷移数
- バナークリック数
- コンバージョン率 など
上記の指標を基にKPIツリーを作成し、オウンドメディアの目標に沿った改善活動を展開します。PDCAサイクルを回すことで、効果的なオウンドメディア運営を実現させられます。
オウンドメディア SEOに関するよくある3つの質問
オウンドメディアのSEOに関する質問には、以下の3つが挙げられます。
- オウンドメディアとSEOの関係は?
- SEOメディアとはどのようなものを指しますか?
- オウンドメディアとWebサイトの違いは何ですか?
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。
1.オウンドメディアとSEOの関係は?
オウンドメディア、つまり企業が自ら運営するWebサイトやブログは、効果的なSEO対策によって大きな利益をもたらす可能性があります。
メディアを適切に管理し、Googleのガイドラインに沿ったSEO対策を施すことで、検索結果の上位表示が期待できます。
反対に、ページの重複、不適切なタイトル設定などのSEO対策を怠ると、Googleからの評価が得られず、検索順位の低下につながる可能性があるのです。
オウンドメディアのポテンシャルを最大限に引き出すためには、SEOの重要性を理解し、適切な施策を講じる必要があります。
2.SEOメディアとはどのようなものを指しますか?
SEOメディアは、Googleなどの検索エンジンを通じて訪れるユーザーをメインターゲットとしたWebサイトです。
これらのメディアは、ユーザーが検索するキーワードに対応した内容の記事を提供し、サイト訪問者を増やして、最終的には商品やサービスの申し込み、購入につなげることを目的としています。
「seoClarity」の調査では、検索結果の1ページ目でのクリック率が全体の42.06%に上る
とされています。検索結果の上位に表示されることが、多くのクリックを得るためには大切です。
検索結果1位に表示された場合、クリック率は13.94%にも達します。このため、SEOメディアは日々、新しい記事の作成や既存コンテンツの更新に力を入れています。
3.オウンドメディアとWebサイトの違いは何ですか?
オウンドメディアとホームページの主な違いは、それぞれの目的にあります。
ホームページは、一般的に企業の基本情報、製品やサービスの紹介、お問い合わせ方法など、比較的静的な内容の公開を目的としています。
オウンドメディアは、マーケティング活動が目的です。読者に価値を提供する情報や製品の利用方法など、よりダイナミックなコンテンツを通じて、読者を購入やアクションへと促します。
オウンドメディアは、顧客とのエンゲージメントを深め、集客のための有益な情報を提供することに焦点を当てています。
まとめ
オウンドメディアのSEO対策について解説しました。Googleのクローラーは一定の基準を持ってコンテンツを評価しており、Googleの公式サイトで基準について発表がされています。
SEOについて重要な指標を見逃さず、定期的なリライトやメンテナンスを忘れないでください。
また、オウンドメディアが成果に結びつくまでには時間と手間がかかります。思うような評価を得られない場合は、メディア作成のプロ集団である制作会社やコンテンツ作成を請け負ってくれる会社の依頼も検討してみてください。