「ECでの売上を伸ばしたい」「新しい販路を獲得したい」
このような悩みを持つ方は少なくありません。そんな方におすすめしたいのが楽天市場への出店です。
しかし、楽天市場への出店は審査基準が設けられており、一定の条件を満たさなければなりません。本記事では、楽天市場に出店する費用から審査に落ちやすいケース、メリットまでご紹介します。
楽天市場での出店にかかる6種類の費用
楽天市場での出店にかかる費用には、以下の6つが挙げられます。
- 出店料
- システム利用料
- システムサービス利用料
- R-Messe利用料
- 楽天ペイ
- オプションサービス利用料金
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.出店料
楽天市場に出店するには以下から出店料のプランを選ぶ必要があります。
- がんばれ!プラン
- スタンダードプラン
- メガショッププラン
各プランともに初期費用6万円に加えて月額料金などが発生します。売上や規模によって最適なプランは異なるため、自店舗に適したプランを選択してください。それぞれのプランの料金について、それぞれに分けて解説します。
がんばれ!プラン
「がんばれ!プラン」は、初めてECを開始する方におすすめしたい出店プランです。月額の出店料は19,500円と、1年契約のプランの中では最安値となっています。こちらのプランでショップを開いた場合の概要は、以下の通りです。
- 登録商品数:5,000商品
- 画像の容量:最大500MB
- システム利用料:月間売上高の3.5〜7.0%
スタンダードプラン
スタンダードプランは、月商140万円以上を目指すショップにおすすめしたいプランです。月額出店料は50,000円となっています。こちらのプランでショップを開いた場合の概要は、以下の通りです。
- 登録商品数:20,000商品
- 画像の容量:最大最大5GB
- システム利用料:月間売上高の2.0〜4.5%
システム利用料が月間売上高の2.0〜4.5%となるため、ランニングコストを抑えられます。
メガショッププラン
メガショッププランは、商品数が多く、画像をたくさん登録したい場合にお勧めしたいプランです。月額出店料は、10万円と1年契約プランの中でもっとも高額となりますが、自由に商品を出品できます。こちらのプランでショップを開いた場合の概要は、以下の通りです。
- 登録商品数:無制限
- 画像の容量:無制限
- システム利用料:月間売上高の2.0〜4.5%
2.システム利用料
システム利用料は、パソコン・スマートフォンを経由した売上に対して発生する手数料です。システム利用料の計算方法は、以下の計算式で算出されます。
- 通常販売金額×各プランごとの適用料率=システム利用料
たとえば、スタンダードプランで月間200万円の売上があり、システム手数料が2.0%だった場合「200万円×2.0%=4万円」の手数料を楽天市場へ支払います。
3.システムサービス利用料
楽天市場が提供しているサービスにおいて、システムサービス利用料が必要となるものには、以下の3つが挙げられます。
- 楽天ポイント:原資として1%を負担
- システム利用料:月間売上の0.1%
- 楽天スーパーアフィリエイト:2〜15%
いずれも低負担で快適なサイトを作る・集客するために必要となる経費だといえます。
4.R-Messe利用料
R-Messe利用料もランニングコストのひとつです。利用料のパターンは2つに分けられ、リーズナブルなパターンであれば毎月3,000円、高くても毎月5,000円が発生します。
しかし、2023年6月時点でR-Messeは無料期間中となっており、こちらの費用は発生しません。終了時期については現在未定です。
5.楽天ペイ
楽天ペイの利用料に応じた手数料も必要です。楽天ペイは、楽天独自の決済サービスとなり、楽天市場はもちろんコンビニなどでも幅広く利用されています。
楽天ペイの利用料は、月間決済金額と平均決済単価に応じて変動しますが、2.5%〜最大3.5%間で決定されます。手数料を必要としますが、ユーザーが安心して買い物を楽しむために欠かせないコストだといえます。
6.オプションサービス利用料金
オプションサービスは、必ずしも必要ありませんが、利用する料金が発生します。オプションサービス利用料金に該当するのは、以下の2つのサービスです。
- R-SNS
- R-Mail
R-SNSは、LINE公式アカウント・インスタグラムなどのSNSを活用したい店舗に対するサポートサービスです。こちらを利用すると、税込3,300円のランニングコストが発生します。
R-Mailは、メールマガジンの配信数に応じて発生するコストです。メール配信料として一通あたり1円(税抜)がかかります。
楽天市場に出店するまでの流れは4ステップ
楽天市場に出店するまでの流れは、以下の4ステップになります。
- ステップ1.楽天市場のサイトで出店申し込み
- ステップ2.RMSアカウントの開設
- ステップ3.開店前の審査
- ステップ4.運営スタート
ここでは各ステップごとに解説しますので、詳しく見ていきましょう。
ステップ1.楽天市場のサイトで出店申し込み
楽天市場のサイトで「出店申込ボタン」から手続きを開始します。会社情報や運営責任者情報を入力し、RMSアカウントを開設してください。申し込み後、内容確認や手続きがあり、2〜4週間が必要です。
ステップ2.RMSアカウントの開設
手続き完了後、RMSアカウントが開設されます。RMSとは「Rakuten Merchant Server」の略語となっており、楽天市場における店舗運営システムです。RMSアカウントで管理画面にログインをして、実際のショップ作りが始まります。
ステップ3.開店前の審査
店舗運営システムにログインしたら本格的にショップを作成していきます。決済や配送などを設定し、開店準備を整えていきます。
すべての準備が完了したら開店前のオープン審査を受けなければなりません。開店準備と審査を合わせて2週間〜3か月程度の期間を見ておくと安心です。オープン審査はRMS内で楽天に依頼しますが、複数の条件があります。
- 店舗ルール検定試験の受講と合格
- 楽天からの振込口座登録
- 楽天への自動振替設定口座の登録
- 配送設定
- 商品登録
- カテゴリページ作成
- 看板画像作成
これらの条件がそろってから審査を受けなければなりません。
ステップ4.運営スタート
審査に無事通過したらショップをオープンさせられます。楽天のシステムを活用しながら、ショップを運営し、売上を積み重ねていきます。
また、具体的な戦略がわからない場合や売上が伸び悩んでしまうこともありますが、楽天では店舗オープンアドバイザーやECコンサルタントからのサポートを受けることが可能です。ほかにも、コールセンターなどのサポート体制が整っています。
楽天市場の出店審査に落ちやすい4つのケース
楽天市場の出店審査に落ちやすいケースは、以下の4つが挙げられます。
- 販売商品が取り扱い禁止商材に当てはまっている
- 個人が副業として出店している
- 運営実績や知名度が足りない
- 開店審査項目に漏れがある
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.販売商品が取り扱い禁止商材に当てはまっている
楽天市場では、規約やガイドラインにおいて特定商材を禁止ジャンルとしてルールが定められています。たとえば、以下のようなものがそれに当たります。
- 法令によって販売や所持が規制されている
- モラルに反する
- 危険物など
このようなものを取り扱っていることは少ないかもしれませんが、販売したい商品が取り扱い禁止商材に該当しないかを「出店審査や取扱商材に関する注意事項」をチェックしてみてださい。
2.個人が副業として出店している
楽天市場では、前提として事業者が運営することが条件です。そのため、個人が副業として出店する場合は、書類審査から落ちてしまいます。
もし、個人で出店を考えている場合は開業を提出し、個人事業として成立させたのちに審査を受けなければなりません。資料請求時の形態は未定でも構いませんが、出店前には明確な事業として実績を積んでいることが求められます。
3.運営実績や知名度が足りない
楽天市場から基準は示されていないものの、開業して間もない場合や運営実績がない店舗、知名度が低ければ、審査に通りにくい傾向にあるようです。
これは楽天市場が「品質」を重視しているためだとされており、事業内容が不明瞭な事業者は審査で落とされてしまうおそれがあります。もし、店舗規模・知名度に不安があれば、ほかのECモールや自社サイトで実績を積んでから審査に申し込むようにしてください。
以下の記事では、ECサイトの売上を伸ばす方程式について解説しているため、あわせてご覧ください。
⇒【担当者必見】ECサイトの売上を伸ばす方程式とは?効果的な施策について詳しく解説します!
4.開店審査項目に漏れがある
楽天市場が設定している審査項目に抜け・漏れがあると、まず審査には通りません。そのため、提出書類や記入内容に不備がないかを確認したうえで提出してください。
さらに、基本情報だけでなく、ページデザインなども審査対象です。すべての項目をきちんと作り込み、準備を怠らないようにしなければなりません。
もしも、不明なことがあれば、楽天市場での出店サポート実績が豊富な代行業者へ相談してみてください。たとえば、弊社「ジャグー」では立ち上げから販売まで包括的な支援で出店者をサポートいたします。
楽天市場に出店する3つのメリット
楽天市場に出店するメリットは、以下の3つが挙げられます。
- 圧倒的なシェア・知名度を誇る
- セールやキャンペーン期間は集客しやすい
- 支社からのサポートを受けることができる
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.圧倒的なシェア・知名度を誇る
楽天市場は、日本国内においてAmazonに次ぐ巨大ECモールです。そのため、毎日数多くのユーザーが利用しています。
買い物に必要な楽天会員ID数は1億3,000万(※2023年3月時点)を誇っており、2021年の国内EC流通総額は約5兆円です。また、それぞれのシェア率も非常に高い数値を叩き出しています。
- インターネット通販全体:28.0%
- 生活雑貨:40.8%
- 食品・生鮮品:38.3%
参考:楽天広告の強み|Rakuten Marketing Platform navi
圧倒的なシェアを誇るプラットフォームを選ぶことは、ネットショップを運営するうえで大切なポイントです。
2.セールやキャンペーン期間は集客しやすい
楽天市場では、ユーザーに対してセールやキャンペーンを定期的に開催しています。ポイントアップキャンペーンなどのお得なイベントを実施しているため、期間中は集客しやすいことが大きな魅力です。
よく知られている「楽天スーパーセール」以外にも、楽天イーグルスやヴィッセル神戸の勝利・優勝にともなうセールも実施されています。イベントでの購入がきっかけとなり、新規顧客の獲得・リピーターにつながることが期待できます。
以下の記事では、楽天セールの種類や売上アップの施策を解説しているため、ぜひご覧ください。
⇒【出店者必見】|楽天のセールの種類と売上を上げるために実施すべき施策をわかりやすくご紹介します!
3.支社からのサポートを受けることができる
楽天市場では、ネットショップを運営するためのサポート体制が整っています。主なサポートは以下の2つです。
- ECコンサルタント:販売戦略の立案及びサポート
- 楽天大学:無料のeラーニングを受講可能
また、数多くの販促ツールを利用できる点も見逃せません。たとえば、HTMLコードを使えるフリースペースの利用やメルマガの配信などが挙げられます。販促を積極的に推進できる環境が整備されています。
楽天市場に出店する3つのデメリット
楽天市場に出店するデメリットには、以下の3つが挙げられます。
- 販売のためには集客が欠かせない
- 他のECモールに比べて利用料が高め
- 出店者側で個人情報を自由に扱えない
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
販売のためには集客が欠かせない
楽天市場は、知名度・信頼性ともに高く、利用者数は多い傾向にあります。しかし、販売につなげるためには集客が欠かせません。
楽天市場に出店しているショップはたくさんあり、自身のジャンルには、必ずライバルがいます。そのため、集客が上手くいかなければ、数多くある商品の中に埋もれてしまいかねません。商品や運営の方向性ごとに適した集客方法を実施してみてください。
他のECモールに比べて利用料が高め
楽天市場は、他のECモールと比較すると、利用料が高めに設定されています。プランごとの月額出店料やシステム利用料以外にも、発生する各種費用がかかるため、低コストでネットショップを運営していきたい人にはあまり向きません。
基本的なランニングコストとして、楽天ポイント原資やアフィリエイト利用料、決済サービス利用料などが差し引かれてしまいます。
出店者側で個人情報を自由に扱えない
楽天市場に限りませんが、個人情報保護の観点から、自由なプロモーション活動に利用できない場合があります。基本的に出店者がメールアドレスなどをダウンロードすることはできません。
ECサイトを利用するユーザーは、個人情報流出を心配していることが多いため、このルールによって障壁となることは少ないといえます。また、個人情報の利用にはいくつかの制限があることを覚えておくようにしてください。
もしも、個人情報や集客などで不安を覚える場合、豊富なサポート実績がある弊社「ジャグー」のコンサルサービスを検討してみてはいかがでしょうか。
楽天市場の出店でよくある3つの質問
楽天市場の出店でよくある質問 には、以下の3つが挙げられます。
- 質問1.楽天市場の出店店舗数は?
- 質問2.楽天市場の国内EC流通総額は?
- 質問3.楽天市場での出店に使える補助金・助成金は?
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
質問1.楽天市場の出店店舗数は?
「楽天市場」は1997年の開設時には、出店店舗数13店舗、初月流通総額32万円でした。しかし、25年の運営を経て、5万6千以上の店舗、商品登録数3.6億点を超える日本最大級のECモールへと成長しています。リーズナブルな商材からハイブランドまで取り扱っているものの幅が広いことも特徴だといえます。
質問2.楽天市場の国内EC流通総額は?
楽天市場の国内EC流通総額は、2021年に5兆円を突破しました。販売されているアイテム数を挙げると、以下の通りです。
【ファッション】
- シューズ:約980万足
- トップス:約2,000万枚
- ワンピース:約290万着
※2021年の累計販売数
また、ふるさと納税においても全国約1,400の自治体への寄付を受け付けており、楽天市場を介して返礼品を選ぶことができます。
質問3.楽天市場での出店に使える補助金・助成金は?
楽天市場へ出店時、国や自治体からの助成金や補助金をもらえないか確認してください。多額の資金を得られる機会となります。主に利用できる制度は以下の通りです。
- IT導入補助金制度:ITツール導入にかかる費用の一部を負担
- 事業再構築補助金:コロナの影響で事業転換する場合に受けられる
- 自治体独自の補助金:所在地がある自治体によっては制度がある場合も
制度を上手く活用して、設立・運転資金などを獲得してみてください。
参考:IT導入補助金
参考:事業再構築補助金
まとめ
楽天市場への出店に関することを解説しました。楽天市場は日本でも有数のECモールとなり、高い知名度と集客力を誇ります。
しかし、出店するには審査を通過しなければならないなど、一定の基準が設けられているため、状況によってはショップ設立が難しい場合もあります。
もしも、出店が上手くいかない・売上が伸びないなどの課題を自社で解決できない場合、楽天市場のショップ運営に強みがある外注業者へ相談してみるのも手段のひとつです。
ジャグー株式会社では、毎月10社限定のサイト分析を実施しているため、自社の課題を明確化することができます。「なかなか思うように運営できない」などのようなお悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください。