「売り上げが伸びない」このような課題を抱えながらECサイトを運営している人は少なくありません。
この場合、離脱率の改善を図ることによって、課題を解決できるかもしれません。
この記事では、ECサイトにおける離脱率の平均値や具体的に改善する対策について解説します。
ECサイトにおける「離脱率」とは?
ECサイトにおける「離脱率」を知るには、以下の3つを理解しておく必要があります。
- 離脱率の計算方法
- 離脱率の確認方法
- 直帰率との違い
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
離脱率の計算方法
離脱率の計算方法は、離脱したセッション数から当該ページを含むセッション数の合計を割ることによって求められます。計算式にすると、以下の通りです。
- 離脱率=当該ページで離脱したセッション数/当該ページを含むセッション数合計
たとえば、セッションが5回あり、離脱した回数が3回だった場合の離脱率は60%と計算できます。
離脱率の確認方法
サイト全体の離脱率を確認したい場合、GoogleAnalyticsにて以下の方法を行ってみてください。
- 「行動>概要」をクリックして、サマリーを表示
- 「ページビュー数」となっている指標を「離脱率」に切り替える
- 「Webサイト全体の離脱率」を確認
また、右上のセレクトボックスから、データの集計期間を選択することも可能です。さらに、各ページごとの離脱率を確認したい場合は、以下の手順を踏んでください。
- 「行動>サイトコンテンツ>すべてのページ」をクリック
- 「各ページの離脱率」が確認できる
直帰率との違い
直帰率は、最初のセッションのうち直帰したユーザーの割合のことを指します。セッションとは、Webサイトへ訪問した数のことを指し、直帰とはユーザーが訪問し、1ページのみの閲覧でページを離れたことです。
一方、離脱率はWebサイトの全てのページビューのうち、離脱したユーザーの割合を指します。
つまり、1ページだけで離脱した割合か複数のページを閲覧したユーザーの割合を示すのかが違いです。
ECサイトにおける離脱率の平均値
サイト離脱率を比較する際、平均値を把握できればサイト改善に活かしやすくなります。しかし、ユーザーの行動パターンは無数に存在するため、離脱率の平均を求めることは現実的ではありません。
そのため、他サイトと比較するのではなく、自身のサイト内での推移を確認してみてください。
たとえば、75%程度を推移していた離脱率が80%台に至った場合、ページの改善を実施するタイミングだといえます。
ECサイトにおける離脱率の平均値を改善する8つの対策
ECサイトにおける離脱率の平均値を改善する対策には、以下の8つが挙げられます。
- フォームの入力項目を見直す
- ページの表示速度を改善する
- タイトルとページの内容を適切にする
- 内部リンクを改善する
- 決済方法を充実させる
- 複数のデバイスに対応させる
- ヒートマップ分析を実施する
- サイトの信頼度をアップする
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.フォームの入力項目を見直す
フォームの入力項目を見直すことによって、離脱率を改善する効果があります。
もしも、フォーム入力から離脱が多い場合、ユーザーに入力を面倒だと思われている可能性を想定することが可能です。
そのため、入力項目を減らすことによって、面倒だと思われにくくなることを改善できます。たとえば、住所を入力させる際、入力項目が多くなってしまうため、項目数を必要最小限に絞るようにしてみてください。
2.ページの表示速度を改善する
ページの表示速度は、離脱率を改善するうえで重要な項目のひとつです。Googleの調査結果によると、表示速度が遅いほどユーザーが離脱しやすいとされています。
表示速度を速くする方法は、以下の通りです。
- 画像サイズを最小にする
- コードを最適化する
- コンテンツをキャッシュする
この際、画像圧縮やコンテンツデリバリーネットワークを利用して最適化を図るようにしてみてください。
3.タイトルとページの内容を適切にする
タイトルとページ内容が適切であるかを見直すことは、ユーザーの離脱を防ぐことが可能です。
ユーザーは見たいサイトを選ぶ場合、検索結果に表示されているタイトルやディスクリプションからクリックするかを考えています。
そのため、タイトルと内容に一貫性がなければ、ユーザーニーズを満たせずに離脱してしまいます。
たとえば、初心者向けとしているのに内容が上級者に向けたものであれば、ユーザーは離れてしまうでしょう。
4.内部リンクを改善する
内部リンクとは、Webサイト内に設置されている「自分のサイト内に向けたリンク」を指します。
内部リンクを適切な位置に貼ることは、離脱率を改善するために効果的です。しかし、内部リンクが設置されている場所がわかりにくければ離脱の原因となってしまいます。
また、ECサイトの場合、購入ページやフォームへのリンクのわかりやすさは特に重要です。そのため「購入する」のようなわかりやすい文言と、目を惹きやすいデザインであることが求められます。
5.決済方法を充実させる
あらゆる決済方法に対応することも重要なポイントです。ユーザーはどれだけ欲しいものがあったとしても、自分が望む決済方法を選択できなければ、サイトから離脱してしまいます。
たとえば、クレジットカード決済のみにしか対応していない場合、クレジットカードを持っていない人はその時点で離脱せざるを得ません。
コード決済や銀行振込、代金引換など、幅広い決済方法に対応することによって、購入確率を高められます。
6.複数のデバイスに対応させる
パソコンだけではなく、スマートフォンやタブレットに対応することも重要です。このことを「レスポンシブ対応」と呼びます。
現在、ECサイトへアクセスする人の半数は、スマートフォンなどのモバイル端末を利用しているため、あらゆるデバイスに対応することは重要です。
サイトの構築はパソコンで行う場合が多い傾向にありますが、確認する際は可能な限りあらゆるモバイル端末から見た目や使いやすさを確認するようにしてください。
7.ヒートマップ分析を実施する
離脱率の改善を図るには、ヒートマップ分析の実施をおすすめします。
ヒートマップ分析を行うことによって、ユーザーがサイトへ訪問してから離脱するまでの行動を可視化することが可能です。
たとえば、よく離脱しているポイントや読まれていない箇所をデータとして蓄積できます。また、コンテンツを改善したあとも、ユーザーの行動変化をチェックできることは大きなメリットです。
8.サイトの信頼度をアップする
最近、個人情報の保護が益々重要視されるようになってきました。そのため、企業では情報流出を予防するためのさまざまな対策を施すようになっています。
ECサイトの場合、商品を購入するには個人情報の入力が欠かせません。しかし、信頼度が低い店舗では、個人情報の入力を躊躇ってしまいます。
具体的な対策としては、トラストマークを活用することがおすすめです。
また、ここまでご紹介した対策を実施してくても、具体的にどのようにすればいいのかわからない場合や、リソースが十分でないことも考えられます。
もしも、不安があれば楽天市場の運営サポート経験が豊富にあるジャグーに相談してみてはいかがでしょうか。
ジャグーのコンサルサービスを利用すると、さまざまな施策を用いて離脱率を改善できます。
ECサイトにおける離脱率の平均でよくある3つの質問
ECサイトにおける離脱率の平均でよくある質問には、以下の3つが挙げられます。
- 質問1.ECサイトの平均購入率は?
- 質問2.カゴ落ちとは何ですか?
- 質問3.ECサイトの直帰率の平均は?
ここではそれぞれの質問について解説しますので、詳しく見ていきましょう。
質問1.ECサイトの平均購入率は?
ECサイトの平均購入率は、2021年〜2022年の統計を見ると1.53〜2.36%の間です。
これは世界のECサイトも含めた数値となっているため、セグメントを日本にしたり、業種を細かく分けたりすることによっても異なります。
購入率が高いカテゴリとしては、ギフト、ヘルスケア、アパレルなどが挙げられ、4%台の数値です。
質問2.カゴ落ちとは何ですか?
カゴ落ちとは、ECサイトでユーザーが商品を選らび、カートに入れたとしても購入には至らなかったことを意味します。
カゴ落ち以外にも、カート離脱やカート放棄と呼ばれている現象です。つまり、購入に至るまであと一歩のところまでユーザーを導いたにもかかわらず、コンバージョンしなかったケースを指します。
カゴ落ちを防ぐには、リマインドメールを送信することなどが効果的です。
なお、以下の記事ではカゴ落ちの対策についてより詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
⇒ECサイトの「カゴ落ち」とは?起こる理由や防ぐための施策、対策におすすめのツールをご紹介!
質問3.ECサイトの直帰率の平均は?
ECサイトの直帰率平均は、20〜45%だとされています。比較するためにほかの種類の直帰率の平均をご紹介すると以下の通りです。
- 記事メディア:65〜90%
- BtoBサイト:25〜55%
目的を持って訪れることが多いBtoBサイトと同程度の直帰率となっていることがわかります。
また、自社サイトがこの範囲を超える直帰率だった場合、改善を図らなければ売上の増加を見込むことは難しいことです。
まとめ
ECサイトの離脱率や平均値について解説しました。離脱率を改善することによって売上の向上を見込めます。しかし、実際に改善に取り組むには適切な現状分析が欠かせません。
しかし、現状分析を行うには、ノウハウがなければ多大な時間を費やしてしまいます。効果的な施策を実施することは難しいかもしれません。そんな場合、楽天市場のコンサルティングに強みがある外注業者へ相談してみてはいかがでしょうか。
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