「楽天SKUプロジェクトって何?」「運営者はどんなことをしなければならないの?」
このように思う方は少なくないでしょう。
この記事では、楽天SKUプロジェクトの概要や4つの変更点、移行時のポイントについて詳しく解説します。
SKUへの対応に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
楽天SKUプロジェクトとは?
SKUとは、Stock Keeping Unitの略語となり、日本語にすると「在庫管理単位」の意味があります。噛み砕いていうと、業者が在庫から商品を引っ張り出すときの単位です。
楽天SKUプロジェクトは、在庫管理を適切に行うことによって過不足を予防し、スピーディーなサービスを提供する目的があります。
ユーザーにとっては、欲しい商品を見つけやすくなる効果などが見込める施策です。
楽天SKUプロジェクトの2つのメリット
楽天SKUプロジェクトのメリットには、以下の2つが挙げられます。
- 商品を比較しやすくなる
- 目的商品が見つけやすくなる
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.商品を比較しやすくなる
楽天SKUプロジェクトに移行することによって、商品比較がしやすくなります。これまでは、価格が異なるSKUごとに異なるページへ遷移する必要がありました。
しかし、同じページ内で商品情報を直接閲覧できるようになり、ユーザーは商品を気軽に比較できます。
このことから購入する意志を促すことも期待できます。
2.目的商品が見つけやすくなる
商品登録の単位をSKUへ移行すると、表示バリエーションが増えるだけに留まらず、検索結果にも表示されるようになります。
たとえば、検索した結果にSKU内に該当する商品画像がまとめて表示されるため、ユーザーが目的としている商品を探しやすくなることはメリットです。
楽天SKUプロジェクトによる4つの変更点
楽天SKUプロジェクトによる変更点には、以下の4つが挙げられます。
- 商品ページ
- レビュー欄
- 商品登録
- 価格表示
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.商品ページ
従来、楽天市場では同一商品でも数量・サイズなどに違いがあれば別々の商品として表示されていました。しかし、SKUプロジェクトに移行することによって、同じページ内にまとめて表示されるようになります。
もしも、これまでの商品ページが残っていると、新旧の両ページから購入操作ができるおそれがあります。そのため、ユーザーが混乱してしまい、問い合わせが増加するリスクが考えられるかもしれません。
2.レビュー欄
これまでは、同じ商品であったとしてもSKUに違いがあると、ページごとにそれぞれのレビュー欄が用意されていました。
たとえば、同じシャツでも色が異なればそれぞれのページにレビュー欄が設置されていることなどが挙げられます。しかし、SKUプロジェクトに移行したあとは、統合された新ページにレビュー欄が移行・集約されます。
また、過去のレビューについては審査を経て引き継がれ、まとめて表示されるようです。
3.商品登録
楽天市場に商品登録する際、ディレクトリIDとタグIDを設定する仕様でした。ディレクトリIDは1商品につき1つ設定し、ジャンルを指定する役割があります。
また、タグIDはジャンル以外にも、ブランドやサイズなどの属性情報を設定するものです。これらはいずれも数字を割り当てる必要がありました。
しかし、SKUへ移行後は、数字ではなく実際の商品属性(ジャンルやサイズなど)を使用して設定できるようになります。
4.価格表示
これまでの商品ページでは、タイプごとの価格しか表示されませんでした。たとえば、同じ商品が5個セットと10個セットであれば、全体価格から別々のページに表示されていることなどが挙げられます。
しかし、SKUへ移行することによって、セット料金の価格が同じページ内で表示されるようになり、ユーザーはSKUからお得な商品を選びやすくなります。
楽天SKUプロジェクトへの移行ですべき4つのポイント
楽天SKUプロジェクトへの移行ですべきポイントには、以下の4つが挙げられます。
- システムやツールのアップデート
- 商品ページの統合
- SUK画像の登録
- 商品属性の準備
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.システムやツールのアップデート
現在、使用しているAPIやCSVなどのツールがこれまで通り使えないおそれがあります。
自社及びベンダーのシステムやツールを使っていることが考えられますが「店舗運営Naviの仕様変更一覧ページ」を確認し、アップデートの必要性を判断するようにしてください。
もしも、不明な点があれば、担当者やベンダーに問い合わせたうえで、アップデートの可否を確認して対応しましょう。
2.商品ページの統合
SKUプロジェクトのもっとも大きな変更点は、商品ページがひとつに統合されることです。これまでバラバラであったSKUをまとめることによって、ユーザーにとって見やすく表示されるようになります。
そのため、ユーザーの離脱を防ぎ、レビューが分散してしまうことを回避することが期待できます。
しかし、クーポンやポイントアップなどは商品ページごとの設定となることから、販売戦略として分けられなくなることに注意が必要です。
実際にまとめるべきかを事前に協議して、適切な判断をするようにしてください。
3.SKU画像の登録
SKUに対応することによって、仕様が異なる商品についても同一ページに統合されます。そのため、代表画像の選定や説明文を調整しなければなりません。
検索結果に表示される画像についても変わることから、ユーザーの目線に立ち、魅力的に見えるように取り組んでください。
実際に改修後、それぞれの商品の見え方をページからチェックして最適化しましょう。
4.商品属性の準備
これまで属性情報については、数字を付帯するタグIDを使用して登録・管理していました。しかし、SKU移行後は商品属性をそのまま登録するようになります。
移行措置として、SKU移行日から6ヶ月は属性を入力しなくても登録・更新が可能です。
しかし、6ヶ月を経過したあとは、商品属性の入力が欠かせなくなり、商品の登録・更新ができなくなります。
商品ごとの属性については、「SKUプロジェクト商品属性情報の準備」に記載があります。
楽天SKUプロジェクト移行での3つの注意点
楽天SKUプロジェクト移行する際、以下の3つの注意点が挙げられます。
- 移行直後は問い合わせが増加する可能性がある
- スーパーSALEサーチの申請には全SKUの審査が必要
- 受注管理システムやページ編集ツールの調整が必要
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.移行直後は問い合わせが増加する可能性がある
SKUに移行した直後は、旧来の商品ページをそのままにしていても問題ないかは不透明です。
また、運営者ごとに実際の運営方法には違いが見られるため、あらゆる問題が発生すると想定できます。
楽天SKUに移行したページについては、問い合わせが増加し、混乱することが考えられるかもしれません。
事前にQ&Aを整理して、対処法を検討しておくことをおすすめします。
2.スーパーSALEサーチの申請には全SKUの審査が必要
複数の仕様をまとめた商品をスーパーSALEサーチにする場合、1商品の全てのSKUが審査基準を満たさなければなりません。
これは、ユーザーが「割引率が高い商品」と思ってクリックした場合に、一部商品が対象であったというギャップを発生させないことが目的です。
また、SALEアイコンについても全てのSKUが条件を満たしておく必要があります。
さらに、移行にともなって販売実績が初期化される点にも注意が必要です。このことから、実績不足を原因に審査に通らなくなるおそれがあります。
3.受注管理システムやページ編集ツールの調整が必要
外部の受注管理システムや編集ツールを使っている場合、これらもSKUプロジェクトの変更に対応させなければなりません。
各ツールのベンダーが、楽天SKUプロジェクトに対してどのように対応するのかや、機能の変更点について、情報を確認したうえで調整する必要があります。
SKUへ対応する前に、それぞれのベンダーへ問い合わせるようにすると安心です。
楽天SKUプロジェクトでよくある3つの質問
楽天SKUプロジェクトでよくある質問には、以下の3つが挙げられます。
- 質問1.商品ページ統合後に残ったページはどうすればよいのか?
- 質問2.移行後の各商品ページの商品レビューはどうなる?
- 質問3.楽天市場に出店しているショップは必ず対応が必要なのか?
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
質問1.商品ページ統合後に残ったページはどうすればよいのか?
統合後に残ったページは、そのままにしておくことが認められていません。
そのため、SKUに移行した日から360日間については、注文ボタンを非表示にすることが推奨されています。
また、360日経過後は商品を削除し、ページエラー状態にしなければなりません。
これらを守らなければ、違反点数が課されてしまうおそれがあります。
質問2.移行後の各商品ページの商品レビューはどうなる?
移行後の商品レビューは、申請することによって1つのページに集約できます。
たとえば、100ずつレビューがあった別々の商品ページが、統合された新ページには合計200件と表示されるようなイメージです。
レビューを移行する申請については、ショップでページを統合後、楽天市場へレビュー移行の申請を行います。審査を通過すればレビューが統合されたページへと移行します。
質問3.楽天市場に出店しているショップは必ず対応が必要なのか?
自店が対応しなくても、自動でSKUプロジェクトへ移行してしまいます。そのため、大きな問題はないといえるかもしれません。
しかし、可能な限り対応すべきです。その理由としては、対応しなかった場合、自動的に表示が変更されるため、商品ページの見え方が不自然になるおそれがあります。
さらに、楽天が推奨している方法に則ることによって、上位表示される可能性を高めることにつながります。
そのため、積極的にSKUへ対応することによって、大きなメリットを得ることにつながるでしょう。
まとめ
楽天SKUプロジェクトについて解説しました。ユーザーにとって見やすく、買い物しやすい表示へと変更することで、売上の増加を期待できます。
出店しているショップ運営者にとっては大きな手間がかかってしまいますが、積極的に取り組むことで商品ページの上位表示される可能性を高めることが可能です。
しかし、莫大な商品数を抱えているショップにとって、SKU対応は多くのリソースを割かなければならない業務となってしまいます。
弊社ジャグーでは、SKU対応や店舗を効率的に運営するためのノウハウがあります。これらの課題をお持ちの運営者さまは、ぜひお気軽にお問い合わせください。⇒ジャグー株式会社