楽天市場に出店している方で、RSLの利用を検討している方も多いのではないでしょうか。

この記事では、 RSLの利用条件やRSLの料金体系について解説します。また、RSLを利用するメリットについても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

RSLとは?

RSLは「楽天スーパーロジスティクス」の略称で、楽天市場の出店者向けに提供される物流アウトソーシングサービスです。このサービスを利用すれば、商品の入荷から保管、出荷梱包、そして配送に至るまでの一連の物流業務を外部に委託できます。

現在、RSLは料金体系やサービスの質においてAmazonのフルフィルメント・バイ・アマゾン(FBA)よりも優れているといわれています。これは、RSLがFBAをベンチマークとして後発で開発されたためです。

RSLの利用条件

RSL(楽天スーパーロジスティクス)を利用するための条件は、以下のとおりです。

  • RSLは楽天市場の出店者向けサービスのため楽天市場に出店している必要がある
  • 倉庫とのスムーズな連携を実現するため、受注管理システムの導入が不可欠である

一方、AmazonのFBAマルチチャネルサービスでは、受注管理システムの導入は必要ありません。RSLを利用する場合、これらのシステムの導入により、注文処理から出荷までの効率化が期待できます。

RSLの料金体系

次に、RSLの料金体系について解説します。

  • 在庫保管量
  • 出荷作業料
  • 配送費

それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.在庫保管量

1.在庫保管量

楽天スーパーロジスティクス(RSL)の料金体系は、在庫保管料が商品のピース数(PCS)ごとに計算される仕組みです。具体的には、1,000立方センチメートル(㎥)あたり7.5円という単価で、月ごとに保管料が発生します。

この料金は、「商品の体積」「保管される期間」「保管される数量」という3つの要素に基づいて決まります。

2.出荷作業料

2-1.出荷作業料

出荷作業料は、商品ピース(PCS)ごとに発生する注文商品の出荷に必要な手数料です。出荷作業料は商品のサイズに応じて設定されており、梱包費用も含まれています。

とくに注目すべき点として、「小サイズ」の商品については、2ピース目以降65円/ピースというディスカウントが適用されます。

2-2.出荷作業料

3.配送費

3.配送費

商品一個あたりの配送費用が、梱包資材を含めた一律料金で設定されています。この料金体系の特徴は、沖縄、北海道、離島を含む全国どこへでも同じ料金で配送できる点です。

RSLは日本郵便と提携しているため、通常の配送料金よりも割安に設定されていることが大きなメリットです。この一律料金制は、出品者にとって配送コストの計算が容易になるだけでなく、消費者にとっても明確で理解しやすい価格設定となっています。

商品サイズ出荷数1個あたりの配送料金
ポスト投函180円
60~100サイズ380円
120サイズ500円
140~160サイズ850円

RSLを利用する7つのメリット

次に、RSLを利用するメリットについて解説します。

  • 立ち上げのサポート体制が充実している
  • 梱包や配送の品質向上が期待できる
  • あす楽を利用できる
  • 年中無休で対応してくれる
  • チラシや販促物を同梱できる
  • 楽天市場以外の注文にも対応できる
  • ギフトラッピングに対応している

それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.立ち上げのサポート体制が充実している

RSLに申し込むと、出店者は専任の担当者が付き、楽天市場での店舗立ち上げに関する幅広いサポートを受けられます。このサポートには、費用面や商品管理に関する相談が含まれ、出店者は不明点を気軽に質問することが可能です。

担当者はネットショップの立ち上げに関するポイントを熟知しているため、楽天市場にはじめて出店する人や物流アウトソーシングをはじめて利用する人も安心してRSLを活用できます。

2.梱包や配送の品質向上が期待できる

RSLでは、倉庫での管理が徹底されており、ピッキングや梱包、配送の各プロセスが専門的に行われています。商品は緩衝材やシュリンクラップを使用して丁寧に梱包されるため、消費者が受け取る際の印象が良くなります。

商品の届け方は、その商品自体の価値認識に大きく影響するため、梱包や配送の品質は極めて重要です。RSLを利用することで、出品者はこれらのプロセスを専門家に任せ、結果として顧客満足度の向上が期待できます。

3.あす楽を利用できる

多くの店舗が自社での発送を実施しているなか、あす楽の提供はかなりの労力と時間を要する作業です。しかし、RSLでは注文が当日の15時までであれば、商品を翌日に届けるあす楽サービスを実施しています。

このサービスは365日出荷に対応しており、土日や祝日でも発送が可能です。このため、配送スピードが売上に大きく影響する商材を扱っている店舗にとっては、RSLの利用が大きな競争優位をもたらします。

4.年中無休で対応してくれる

自社運用では店休日の設定や長期休暇があり、365日体制の対応は困難です。しかし、RSLを利用すると、倉庫に商品を納品しておくだけで、休業中でも発注オーダーに応じて配送を実施してくれます。

これにより、出店者は休日や長期休暇中でも売り上げ機会を逃さずに済みます。また、受注処理を自動化し、社員が休んでいる間も滞りなく商品販売が可能です。

5.チラシや販促物を同梱できる

商品の出荷と同時にチラシや販促物を同梱するオプションは、追加料金が発生します。しかし、リピート購入を促す有効な手段となるため、費用対効果を考慮して利用を検討する価値があります。

また、出店者はすべての出荷物に同梱するか、特定の商品に限定するかなど、対象となるオーダーを自由に指定可能です。この柔軟性により、出店者は特定のキャンペーンやターゲット顧客に合わせた販促活動を効率的に実施できます。

6.楽天市場以外の注文にも対応できる

RSLは、楽天市場だけでなく、ほかのECモールや自社サイトの注文にも対応している点が大きなメリットです。

このサービスに追加料金は発生せず、出店者はさまざまな販売チャネルからの注文を一括して処理できます。さらに、RSLではブランドイメージを損なうことのないロゴなしの梱包資材を使用することも可能です。

7.ギフトラッピングに対応している

出店者は自店舗のオリジナルギフトラッピングやメッセージカードの封入を指定することが可能です。このサービスは、顧客の満足度を高めるとともに、店舗のファンを増やす効果が期待できます。

出店者がギフトラッピングを指定すると、RSLでは専用の資材を使用して丁寧に包装し、出荷の対応を行ってくれます。特別な日の贈り物や記念日のプレゼントなど、さまざまなギフトニーズに対応することが可能です。

RSLとはでよくある3つの質問

最後に、RSLとはでよくある質問を紹介します。

  • 質問1.RSL利用時の注意点は?
  • 質問2.Amazon(FBA)との違いは?
  • 質問3.RSL導入までの流れは?

それぞれについて詳しくみていきましょう。

質問1.RSL利用時の注意点は?

楽天スーパーロジスティクス(RSL)の利用にはいくつかの注意点があります。これらを理解し遵守することが、サービスをスムーズに利用するために重要です。

  • すべての商品には管理用のバーコードが表示されている必要がある
  • 危険物、生鮮品、組み立てが必要な商品、冷蔵・冷凍品は取り扱いができない
  • 3辺の合計が160cm以内の商品のみが対象
  • 商品は空調設備のない環境で保管されるため、夏場は最大40度、冬場は0度程度になる
  • 個別のオプション対応や商品のカスタマイズは不可

物流拠点は倉庫の状況に応じて変更されるケースがあるため、RSL利用中に稼働拠点が変わる可能性があります。

質問2.Amazon(FBA)との違いは?

楽天スーパーロジスティクス(RSL)とAmazonのフルフィルメント・バイ・アマゾン(FBA)は、多くの点で比較されます。以下にその主な違いを紹介します。

  • 配送料金の違い
    RSL:楽天市場向けの出荷もほかのモールへの出荷も同一料金
    FBA:Amazon向けの出荷とほかのモールへの出荷で料金が異なる
  • 配送までの時間
    通常配送
    RSL:通常配送は遅くとも翌日以降に出荷
    FBA:通常配送に出荷日の約束は無し

    翌日配送
    RSL:当日15:30までの出荷指示で翌日中にお届け
    FBA:注文確定日から3日以内にお届け

    当日配送
    RSL:実施していない
    FBA:東京や神奈川、大阪など一部エリアで当日配送が可能
  • 配送会社の違い
    RSL:日本郵便と連携して全国一律の品質で配達
    FBA:複数の配送業者と連携し、場合によっては配達トラブルが生じる場合もある
  • 梱包資材のロゴ
    RSL:基本的にロゴのない梱包資材を使用
    FBA:基本的にロゴ入り梱包材が使用され、ロゴなし梱包材を利用するには別途申請が必要

質問3.RSL導入までの流れは?

楽天市場で楽天スーパーロジスティクス(RSL)を導入する際のプロセスは以下の手順で進められます。

  • 楽天市場に対し見積もり依頼を実施
  • 楽天の担当者が物流状況に関してヒアリング
  • 約1~2週間で担当者から見積もりが提示される
  • 担当者と共に必要経費、利用条件、注意事項などを確認
  • 利用申込書を提出し、契約が成立
  • RSL導入の準備を実施
  • 稼働開始

導入準備にはテスト実施などが含まれ、契約後から稼働開始までの期間は通常「1ヶ月以上」を要します。そのため、稼働開始までの全プロセスは早くても約2ヶ月前後かかるのが一般的です。

まとめ

この記事では、RSLの利用条件やRSLの料金体系、RSLを利用するメリットについて解説しました。

RSLは、楽天市場の出店者向けに提供される物流アウトソーシングサービスです。利用するには、楽天市場への出店と受注管理システムの導入が不可欠です。

なお、利用料金のシミュレーションには、「在庫保管量」、「出荷作業量」、「配送費」の3点での見積もりが必要になります。RSLは、利用する際のメリットが大きく、高い費用対効果が期待できるため、自社のニーズに合わせて検討してみる価値があります。

ぜひ、この記事を参考に、RSLの活用を検討してみてください。

なお、RSLの利用や楽天市場への出店でお困りの場合は、支援実績が豊富なジャグーまでお気軽にご相談ください。
ジャグー株式会社