Webページのアクセスが多くても、売り上げや会員獲得などのCVR(コンバージョン率)につながらず、課題となっている会社は少なくありません。
そこで、CVRにつながるように見直しをすることで、CVRが増加することが期待できます。本記事では、CVRを増やすための方法や、実際に成功した事例などを紹介していきます。
CVRの改善によって得られる効果
CVR(Conversion Rate、コンバージョン率)とは、Webサイトの目的である購入や会員獲得などの達成できている割合を示す指標です。CV率を呼ばれることもあります。コンバージョン率はコンバージョン数÷Webサイトへのアクセス数÷100といった計算式です。
CVRを改善することで、売り上げをあげたり会員獲得をしたりするなどコンバージョン数が増えます。さらに、売り上げを上げやすい仕組み作りが可能になります。なお、次のページではCVRの計算方法や平均値、改善方法をわかりやすく解説しています。
参考:【2023年最新版】CVR(コンバージョン率)とは?低い場合の要因や高める方法をわかりやすく解説します
CVRを改善するための10の方法
しかし、CVRを上げるといってもどのようにすればいいのかわからないケースもあるでしょう。CVRを改善するためには、次の10の方法があります。
- CVの種別を増やす
- CVまでの導線設計を見直す
- CVボタンを目につきやすいデザインにする
- CVボタンの出現回数を増やす
- EFOを実施する
- ツールを導入する
- エラーページを潰す
- 広告のターゲティングを見直す
- 魅力的なコンテンツを作成する
- コンテンツの表示順を見直す
改善方法1.CVの種別を増やす
従来のWebサイトにおいては、問い合わせや予約などのフォーム、カードくらいしかコンバージョンポイントはありませんでした。しかし、近年SNSからメッセージを送信したり、チャットができたりするなどコンバージョンポイントが増えています。
さらに、ホワイトペーパーのダウンロードもコンバージョンポイントに設定可能です。このように、コンバージョンの種別を増やすことによって、CVRが高まる可能性があります。
改善方法2.CVまでの導線設計を見直す
コンバージョンを得るには、Webサイトを見ているユーザーが自社の商品やサービスに対して興味を持つ必要があります。ユーザーに認知してもらうためには、サイト回遊のストーリーやストーリーを達成するための導線設計を準備するようにしましょう。
サイト回遊のストーリーとは、検索をするユーザーがどのような目的をもってどのような方法で申し込みまで進むかを想像することです。設定したストーリーに対して、ユーザーのニーズにあった工夫が必要です。
例えば、ユーザーが確認したい情報にリンクするようなボタンをタイミングよく表示できれば、コンバージョンにつながる可能性が高まります。
改善方法3.CVボタンを目につきやすいデザインにする
ユーザーが商品を購入したり、サービスを利用したりしようとしてもコンバージョンボタンが見つからないと離脱する可能性があります。Webサイトの作成者にとってコンバージョンボタンを探しやすくても、ユーザーにとっては見つけにくい可能性があります。
また、パソコンとスマートフォンではユーザーにとってのWebサイトの見え方が異なります。スマートフォンの画面でコンバージョンボタンが最下部にあると、ユーザーは購入するために最後までスクロールしないといけません。
しかし、商品説明の真下あたりにコンバージョンボタンがあると、商品を気に入ったユーザーがすぐに購入する可能性があります。購入するために手間がかかるようだと、ユーザビリティが低くなり顧客満足度が下がると考えるべきでしょう。
改善方法4.CVボタンの出現回数を増やす
コンバージョンボタンがすぐに見つからないと、ユーザーは離脱しやすくなります。そのため、少ししつこいと思われるくらいに、コンバージョンボタンの出現回数を増やすようにしましょう。
ユーザーによって商品を購入したいと思ったタイミングでコンバージョンボタンがあると、購入する確率があがります。さらに、購入しやすい、利用しやすいWebサイトであると認識し顧客満足度が上がる可能性もあります。
改善方法5.EFOを実施する
EFO(Entry Form Optimization、エントリーフォーム最適化)とは、問い合わせフォームをはじめコンバージョンにつながる画面において不要な項目を削除したり、任意で項目する欄は非表示にするなどユーザーにとって入力しやすいフォームにすることです。
ユーザーが商品の購入やサービスの利用を目的に入力フォームを開いたとしても、項目数が多すぎたり項目をしてる途中でエラーが発生したりすると入力を途中で嫌になってしまい離脱するケースがあります。一般的な数値ではありますがフォームまで到達しているユーザーの中で、エントリーフォームを最後まで入力するケースは1/5程度だといわれています。
せっかく商品やサービスの良さを伝えることができ、ユーザーのニーズを満たしている状態であり、もったいない状態です。逆にいえばEFOを実施してエントリーフォームを最低化することで、コンバージョン数を上げることが可能です。
改善方法6.ツールを導入する
リンク先のWebサイトが開かなかったり、記載しているデータが古すぎたりするとユーザー離脱の原因となります。さらに、データベースから自動的に情報を移行するシステムを実装していたり、検索システムを活用していたりするとエラー表示になる可能性があります。
離脱数を定期的に確認して、特に離脱の多いページは操作テストをするなど見直すことが重要です。なお、次のページでは被リンクの調べ方や、調べる際の注意点などを詳しく説明します。
参考:【2023年版】被リンクの調べ方とは?目的や調べる際のポイント、よくある質問を紹介します!
改善方法7.エラーページを潰す
情報を頻繁に変更する必要のある採用サイトやECサイトなどは、掲載終了になった情報をそのまま放置していてはユーザーの満足度が落ちる可能性があります。掲載が終わった案件においてはただ掲載終了しましただけではなく、現在でも応募可能な案件をのせるなど工夫をすることが重要です。
掲載が終了すればそれで終わりではなく、少しでもユーザーによって有益な情報を提供するようにしましょう。
改善方法8.広告のターゲティングを見直す
CVRが低い場合、ユーザーのニーズを満たしている商品やサービスを提案できていない場合があります。もしくは、ニーズの高い商品を提案していてもタイミングが合っていない場合もあるでしょう。
多くの商品を扱うECサイトであれば、ターゲットによって欲しい商品は異なるでしょう。ターゲットが男性なのに女性をイメージしたWebサイトであれば集客に影響が出る可能性があります。
そこで、 ペルソナや商品の特性などを把握して、ユーザーごとにニーズを満たしているページに集客をすることが重要です。
改善方法9.魅力的なコンテンツを作成する
CVRを上げるためには、ユーザーにとって魅力的なコンテンツを作ることが重要です。ECショップであれば、ユーザーのニーズにあった商品や商品紹介をして、さらにわかりやすいようなレイアウトにしたり、商品にあったデザインにしたりするなど工夫が求められます。
多くのWebサイトがある近年において、他のWebサイトと差別化をするようにしましょう。
改善方法10.コンテンツの表示順を見直す
データベース系のWebサイトであれば、コンテンツの並び替えをするだけでコンバージョン率が上がる可能性があります。例えば、求人サイトであれば給与が低い順と高い順では求人サイト自体のイメージが変わることもあるでしょう。
順番はユーザーにとって魅力的に感じるように並べることが重要です。仮に自分で並び替えを設定できる場合でも、初期設定での並び替えを工夫をすることが大切です。
CVR改善に成功した企業事例5選
会社によってさまざまなCVR改善の成功事例があります。どこから取り組めばよいか迷っている場合は、自社に似た成功事例の会社を選ぶとよいでしょう。
ここでは、次の5社において成功事例を紹介します。
- 株式会社SBI証券
- 株式会社いえらぶマーケティング
- ビズメイツ株式会社
- Hulu
- 吉本興業
それではそれぞれの企業において、成功事例を詳しく説明していきます。
1.株式会社SBI証券
引用:SBI証券
株式会社SBI証券では、取引口座を開設していながら入金や取引をされないことが課題でした。そこで証券初心者向けにトップページのデザインを変えたことで、入金率が向上し取引の促進に繋がったのです。
初心者向けのページには、ロボアドバイザーや投資信託などの初心者でも取り組みやすいようなコンテンツを中心に載せることによって、初心者にとってのハードルを下げることに成功しました。
2.株式会社いえらぶマーケティング
株式会社いえらぶマーケティングは、不動産業界に特化した転職支援サービスです。株式会社いえらぶマーケティングでは会員数を増やすことが目的で、CVRの改善を行い実施後は会員数の増加に成功しました。
紹介ページの冒頭で5つの項目を入力するだけで、資料をダウンロードできるように設定した他、画面の最下部には問い合わせに移動するボタンを設置したことにより会員を増やすことに成功したのです。
3.ビズメイツ株式会社
引用:ビズメイツ株式会社
ビズメイツ株式会社はオンライン英会話を提供している会社であり、CVRは会員数の増加を目標に導入を始めました。その結果、全体のCVRは113%、スマートフォンだけに絞ると133%と大きな成果を出すことに成功したのです。
ユーザビリティの良くするために、進めるボタンや問い合わせにつながるボタンなど、スムーズに進められるようなCTAが1つのページに複数個所設置されています
4.Hulu
引用:Hulu
Huluでは、申し込みフォームまで行きながら会員登録完了まで進まない数が多い点が課題です。そこで、ユーザー流入経路に応じてLPを出し分けて、会員登録完了率を上げることに成功しました。
2週間無料とHuluで視聴できる本数の他、独自コンテンツをアピールしたのです。また、検索ワードや乳流経路によってアピールするべき軸が異なると判断したことが成功につながりました。
5.吉本興業
引用:吉本興業
吉本興業では、クロスセル促進施策を導入することによって、チケット購入率が104%となりました。吉本興業では、デジタル上の利益において最も重要なチケット売り上げにおいてどのように利益を伸ばすのかわからないといった点が課題でした。
そこで、他のコンテンツとユーザーをWeb上でつなぐことにより新しいビジネススタイルを作りました。チケット売り上げに加えて、DVDやライブ配信などのコンテンツをつなげることによりクロスセル促進施策を進めています。
CVRの改善に役立つ5つのツール
CVRが低くなる理由は様々なものがあり、まずは要因を明確に把握することが重要です。しかし、要因を明確にして対策まで進めることは容易ではありません。
そこで、CVRの改善に役立つツールを活用しましょう。次の5つのツールがおすすめです。
- アクセス解析ツール
- ヒートマップツール
- A/Bテストツール
- 自動返信ツール
- 離脱防止ツール
1.アクセス解析ツール
CVRの改善に繋がるツールはさまざまなものがありますが、アクセス解析ツールは必須です。中でも、Googleが運用しているGoogleアナリティクスはタグを埋め込むだけでWebサイトにおける詳細なデータを解析できます。
CVRを計測できる設定のほか、ユーザー数や教示回数などさまざまなデータの確認が可能です。Google 広告との連携が可能であることから、広告運用している場合は特に必須のツールです。
2.ヒートマップツール
ヒートマップツールとは、Web上でのユーザーの動きをはっきりと可視化できるツールです。ユーザーが長時間滞在している部分やクリックをした箇所など、色の変化によって一目でわかります。
例えばコンバージョンにつながるようなボタンをクリックされていない場合は、その原因を突き止めることによってCVRの工場につながる可能性があるのです。
3.A/Bテストツール
A/Bテストツールとは、テストを行いどちらの方が良い結果が出るかどうかの確認ができます。例えば、Webページを修正した状態で効果を知りたい場合はA/Bテストツールを活用すると良いでしょう。
通常Webページの効果を確認するためには一定の期間が必要ですが、A/Bテストツールを活用することによって施策をするべきかどうかを判断できます。
4.自動返信ツール
自動返信ツールはチャットボットと呼ばれることも多く、ユーザーからの問い合わせに対して自動的にAIを使って返信をすることが可能です。Webサイトの様々な位置に設定可能であり、例えばECサイトであれば店舗で接客をするようにユーザーの質問に答えられる場合があります。
さらに、自動返信ツールからコンバージョンにつながるページへの誘導も可能です。
5.離脱防止ツール
離脱防止ツールとはユーザーが迷っている、または他の商品と比較していると思われるタイミングでセール情報をポップアップで出すなどWebサイトの回遊を促せるツールです。ユーザーが戻る、もしくは閉じる操作をしてWebサイトから離れようとしたときに表示することで、離脱を防止できる場合があります。
CVRの改善でよくある3つの質問
CVRが下がる要因は様々な物があり、それぞれの要因に対して改善が必要です。CVRの改善に苦労している方は、よくある質問を3つ紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。
- どうしてもCVRが改善されない場合の対処法は?
- CVRとはそもそも何ですか?
- CVRが低い主な要因は何ですか?
質問1.どうしてもCVRが改善されない場合の対処法は?
CVRを改善するために様々な取り組みをしているのに、なかなか結果が出ない場合は商品がユーザーのニーズに合っているかどうかを考えましょう。CVRの 改善をいくらしても、商品や サービスがユーザーのニーズに合っていなければCRVが上がることはなかなかありません。
CVR対策はあくまで、ユーザーのニーズを満たしている商品やサービスを提供していることが大前提となります。
質問2.CVRとはそもそも何ですか?
CVR(Conversion Rate、コンバージョン率)とは、ユーザーがWebページにアクセスした数に対してフォームから申し込みをした割合のことです。コンバージョンとは、Webサイトの最終的な目的であって、Webサイトによって商品購入やサービスに申し込みなど内容が異なります。
Webページにアクセスしているのにコンバージョンに至らない原因を把握し、対策を続けることが重要です。
【2023年最新版】CVR(コンバージョン率)とは?低い場合の要因や高める方法をわかりやすく解説します
質問3.CVRが低い主な要因は何ですか?
CVRが低い要因として、次の2つが挙げられます。
- ターゲットに対する対策ができていない
- ユーザビリティが低い
まずターゲットに対して、適切な対応をできていない可能性があります。
ターゲット設定が的確であっても、ターゲットのニーズを提供できていなかったり、出稿先のサイトが適切でない場合があります。他にも、ファーストビューを見て、自分が探している雰囲気ではないと判断されるケースもあるでしょう。
CVRが低い要因としてユーザビリティの低さもあるでしょう。例えば、商品を購入しようとして申し込みをするページまで来ているのに入力項目が多すぎたり、項目する場所が不明確だったりするとその時点で離脱してしまう可能性があります。
このように、CVRが低い理由は様々なものがあり、要因を明確にして対処することが必要です。
まとめ
CRV改善とは、Webサイトにアクセスしているユーザー数に対して、購入や会員獲得などに繋がっていない場合の改善を行うことです。ユーザーが購入前に離脱している場所を把握し、それぞれ対応することが重要です。例えば、問い合わせフォームで離脱をしていれば、質問の数や内容などを見直しましょう。
CVRの改善をするために様々なツールがあるため、手間や時間を省きながら効率よく改善をすることが重要です。