「LPの作り方を知りたい」「施策として取り入れたいけど、何から手をつければよいかわからない」このように考える方は少なくありません。
効果的なLPが作れると、訪問者を顧客に転換させる力を持ちますが、その作成過程は複雑で時間を要することがあります。
この記事では、LP作成の基礎から、最適化のための実践的アドバイスまで、成功に導くためのポイントを解説します。事業の成功を目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。
ランディングページ(LP)とは?
ランディングページ(Landing Page/LP)とは、検索結果や広告を通じて訪問者が最初に到達するウェブページのことです。訪問者がホームページに着地する意味の(land)から名付けられました。
検索結果やリスティング広告、SNSから流入した訪問者を、直接的なアクション(注文やお問い合わせなど)に結びつけることに特化しています。訪問者に特定のアクションを促すよう設計されており、アクションのなかには商品の注文、イベント予約、試供品や無料会員登録の申込み、求人応募などが含まれます。
ランディングページの目的は、訪問者を見込み客へと転換させることです。これにより、直接的な売上の向上、見込み客の発掘、人材の獲得などが期待されます。
初めてLPを作る場合のコツは3つ
初めてLPを作る場合のコツは、以下の3つです。成果が出るまでのスピードに影響するため、1つずつ確認してみてください。
- WordPressのテンプレートを利用する
- 無料ツールを活用する
- 制作会社へ依頼する
1.WordPressのテンプレートを利用する
WordPressは、世界でもっとも使われているWebサイトの構築や運用ができるCMSツールです。
デザインやさまざまな機能を備えたテンプレートの「テーマ」を設定すれば、HTMLやCSSの知識がなくても、簡単にLPが作れます。
テンプレートには無料と有料のものがあり、機能やデザイン、カスタマイズのしやすさなどから適切なものを選びましょう。
ただし、WordPressを利用するには、サーバーや独自ドメインの取得など、インフラ面の準備が必要になるため、ほかのツールと比べるとセットアップに手間がかかるのが難点です。
以下より、具体的なテンプレートを2つご紹介します。
Landing Page Builder
Landing Page Builderは、高い自由度をもつエディターツールです。LP専用ではありませんが、Webサイト制作に広く利用されています。
そのため、利用者が多く、問題解決のための情報が容易に入手できるのがメリットです。ただし、初めは操作に慣れるまで時間がかかる場合があるのが難点といえます。
Elementor Website Builder
Elementor Website Builderは、独自のエディタを利用して直感的に操作してWebサイトが作れるプラグインです。
LP専用ではありませんが、エディターの自由度が非常に高いため、Webサイト制作の現場でも多くの人に利用されています。
ただし、ブロックエディターとは操作感が異なるため、慣れるまでには時間がかかる可能性があります。
2.無料ツールを活用する
LP作成の初心者は、コーディングの知識がなくても無料のLP作成ツールを使えば簡単にLPを制作できます。多くのLP作成ツールは無料プランから利用が可能で、デザインテンプレートや、装飾、ボタン設置など、LP制作に必要な基本的な機能を備えています。
まずは、無料プランやお試し期間を活用して、使い勝手や機能をチェックしながら、徐々に有料プランにアップグレードするのも効果的です。
3.制作会社へ依頼する
社内リソースでLP制作が困難な場合、制作会社への依頼も選択肢の1つです。
フリーランスから大手制作会社まで幅広い選択肢がありますが、コストやデザインのオリジナリティ、提供されるサービス範囲などを考慮して選ぶ必要があります。
LP制作はゴールではなく、コンバージョン率の改善を目指す運用が重要です。その観点から、LP制作のみならず運用支援も行ってくれる制作会社を選択しましょう。
また、弊社PENGINはLP制作の実績が豊富にあります。そのため、社内リソースでは対応できない場合やサポートを受けながら施策を実施したい方は、こちらからご相談ください。
LPの構成で含めるべきポイント
LPの構成で含めるべきポイントは、以下の5つです。効果が見込めるLPを制作するための参考にしてください。
- ファーストビュー
- 興味や関心を惹きつけられる内容
- エビデンス
- 信頼を得るための情報
- クロージング
1.ファーストビュー
ファーストビューは、ランディングページを開いた際に訪問者が最初に目にする部分を指します。このセクションの目的は、訪問者に「このサービスは何を提供しているのか」を明確に伝えることです。
効果的なファーストビューには、魅力的なキャッチコピー、目を引くメインビジュアル画像、そしてアクションを促すCTAボタンが含まれます。
キャッチコピーとビジュアルは訪問者の注意を引き、サービスや商品の魅力を一瞬で伝えることが重要です。また、ファーストビューにCTAボタンを配置することで、成約率の向上が期待できます。
2.興味や関心を惹きつけられる内容
ランディングページを読み進めてもらうためには、訪問者の興味や関心を引くことが欠かせません。
そのためには、「得られる具体的な効果」「こんな方に/こんなお悩みを持つ人に向けた内容」「新たな気づき」といった要素が有効です。
得られる明確な効果について述べたり、特定の悩みを持つ人への共感を示したり、訪問者に新しい発見をもたらすような内容を盛り込むことで、訪問者の興味を持続させることができます。
3.エビデンス
ランディングページにおけるエビデンスは、サービスの効果を「納得」してもらうために重要な要素です。
しかし、多くの訪問者はサービスや商品の効果について半信半疑の状態であることが多いのが現状です。
そのため、具体的な実績データ、機能の詳細、専門知識の提示、実際の活用例を示すことで、サービスの信頼性を構築し、説得力を高めることが求められます。
4.信頼を得るための情報
信頼を得ることは、訪問者がサービスや商品に対する不安や疑問を解消し、最終的に購入や申し込みに至るうえでの重要なファクターです。
具体的には以下の情報を掲載し、信頼性の向上と訪問者の不安の払拭を目指します。
- 顧客の声(評価やレビュー)
- 著名人の推薦
- 料金体系の詳細な説明
- よくある質問とその回答
- 開発者からのメッセージ
5.クロージング
クロージングは、ランディングページの最後に位置し、訪問者に具体的なアクションを促す部分です。
たとえば、限定オファーや迅速な対応を約束する表現、特典の提供など、訪問者を行動に促すための情報を提供します。
ただし、押し付けがましい感じを避けるため、訪問者のメリットに焦点を当てた訴求が重要です。
LP制作の流れ
LP制作の8つの流れを解説します。実際の作業手順の確認や、現状把握としてお役立てください。
1.目的の設定
ランディングページの制作において、デザインや情報の量よりも重要なのは「何を目的にLPを作るのか」を明確にすることです。
目的が明確であれば、そのランディングページを通じて実現したいターゲットの行動やブランド認知の拡大、商品売上の増加など、具体的な成果に結びつけることが可能になります。
一方で、目的が不明瞭だと、デザインが良くてもターゲットに響かず、プロジェクトの方向性にズレが生じるおそれがあります。
2.KGI・KPIの設定
KGI(Key Goal Indicator)とKPI(Key Performance Indicator)は、それぞれ最終目標とその達成のための途中経過を示す重要な指標です。
KPIにはWebサイトのトラフィック数、リピート率、直帰率などが含まれ、これらは具体的な数値で設定され、KGI達成に向けた中間指標として機能します。
目標達成の進行状況を明確にするためにも、これらの指標は数値化されるべきです。
ただし、目標達成のためにはLPの制作だけでは不十分で、Web広告の活用やPDCAサイクルの実施も欠かせません。
そのため、LP制作に際しては目的や目標を再確認し、それらを念頭に置いたうえで取り組むことが重要です。
3.ターゲット・ベンチマーク選定
ターゲット層の設定にあたっては、Webサイトへの流入キーワードなどから、訪問してくれる可能性が高いユーザー像の想定(ペルソナの設定)が重要です。
ペルソナとは、「事業や施策のターゲットとなる中心顧客像」として、性別、年齢、職業などの属性を含めた詳細なユーザー像を具体的に設定することです。
こうしたペルソナ設定を通じて、商品やサービスを実際に利用しそうな具体的な人物像を明確にし、LPが訴求すべきユーザーグループを特定できます。
その際、ペルソナには名前や家族構成まで含めた詳細な作り込みが大切です。単に「30代・男性」のような漠然とした設定ではなく、より具体的な人物像を描くことが重要です。
4.構成・CVまでの動線の作成
LPの目標とターゲットが明確になった段階で、ワイヤーフレームを用いて全体のレイアウトを定める作業に取り掛かるようにしましょう。LPは主に3つのパーツで構成されますが、各セクションに必要な要素を適切に配置することが求められます。
このプロセスを経ることで、訪問者に商品やサービスの価値をしっかりと認識させ、最終的なコンバージョン率(CVR)の向上を目指します。
具体的には、ユーザーがサイトに訪れてからコンバージョンに至るまでの流れの設計が重要です。訪問者がスムーズに情報を得られるように設計できれば、効果的なユーザー体験が提供できます。
5.コンテンツ作成
構成(ワイヤーフレーム)完成後は、ターゲットに刺さる具体的なキャッチコピーと記事内容を策定します。
特に重要なのは、ファーストビューでユーザーの目に触れるコンテンツです。ユーザーが現在直面している課題やサービス選択時の視点、ほかのサービスを選ばなかった理由などを深く考察し、それらに適したメッセージの構築が求められます。
また、ユーザーにわかりやすくベネフィットを明記することも不可欠です。「機能や会社の説明」よりも「利用結果」を明確に伝えることがポイントとなります。
6.デザイン
選定したデザインツールを使って、ターゲット層が好む全体の配色やレイアウトを設計します。
ブランドイメージとの整合性を保ちつつ、読みやすさとナビゲーションのしやすさを兼ね備えたデザインを描くことが重要です。
また、デバイスごとの表示差異にも対応するため、PCだけでなくスマートフォンでのレイアウトも十分に考慮する必要があります。
7.コーディング
HTML、CSS、JavaScriptなどを使用してデザインを実装し、レスポンシブデザインにも配慮して、スマートフォンやタブレットでも最適な表示がされるようにします。
WordPressなどのCMSツールを使えば、テンプレートのカスタマイズだけで簡単にWebサイトが構築でき、コーディングの負担を大幅に軽減できます。
特に、BtoCではスマートフォンからのアクセスが多いため、適切なレスポンシブ対応が欠かせません。
8.公開・効果測定
LP公開後は、Googleアナリティクスをはじめとする各種アクセス解析ツールを用いて効果測定を行います。
公開後、期待する成果が得られない場合には、LPOを実施して、分析に基づく改善作業が欠かせません。
具体的な改善策としては、ヒートマップを利用してユーザーの行動を把握し、効果的な改善点を特定することをおすすめします。
小さな変更でもコンバージョン率に大きな影響を与えることがあるため、継続的な検証と改善が重要です。
LP制作時の注意点は5つ
LP制作時の注意点には、以下の5つが挙げられます。チェックリストとして参考にしてみてください。
- ユーザーファーストを意識する
- ベネフィットを伝える
- ストーリーを意識してブランド力をアピールする
- 信頼性・権威性を大事にする
- 継続して改善する(LPO)
1.ユーザーファーストを意識する
ランディングページの成功は、ユーザーファーストの設計ができているかどうかにかかっています。
企業が一方的に伝えたい情報を押し付ける形式ではなく、ユーザーの課題やニーズに寄り添った内容の提供が重要です。
そのため、異なる部署の人にもフィードバックを求めて、より一層ユーザーフレンドリーなLPを制作できるよう心がけましょう。
2.ベネフィットを伝える
ユーザーが商品やサービスを選ぶ際、もっとも重視するのは特徴ではなく、自身が得られる「ベネフィット」です。
ランディングページでは、ユーザーがどのような価値を得られるのかを明確に伝え、商品の特徴をユーザーにとってのベネフィットに変換して提示することが、売上やコンバージョン率の向上につながります。
3.ストーリーを意識してブランド力をアピールする
効果的なランディングページ作成には、商品の単なる紹介を超えたストーリーテリングが欠かせません。
ユーザーが商品使用時の具体的なシーンを想像できるような内容で、ユーザーの悩みに寄り添いつつ安心感を提供する構成が重要です。
たとえば、以下のような基本構成を踏襲すれば、直帰率の低下とコンバージョン率の向上が期待できます。
- 共感を呼ぶ導入部
- ベネフィットの明確な提示
- 実績や事例の紹介
- 顧客の声の共有
- 特典の提示
- クロージング
自社や商品ができるまでのストーリーを通じて、ユーザーの商品購入や問い合わせへと自然に誘導しましょう。
4.信頼性・権威性を大事にする
ランディングページでの信頼性と権威性の提示は、訪問者の関心を惹き、信頼を獲得するうえで極めて重要です。
例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 企業の実績
- 具体的な数値データ
- メディアでの掲載実績
- 信頼を示す視覚アイコン(賞、メダルなど)
- 具体的な数字の提示(小数点は使用せず)
- 有名企業のロゴ掲載
これらの情報を提供すれば、「このサービスは信頼できる」との印象を与えられます。特に、ファーストビューでの権威付けは「期待以上の商品(サービス)かも」という好印象を与えるチャンスです。
5.継続して改善する(LPO)
ランディングページの最適化は一度きりの作業ではなく、継続的な取り組みが必要です。
ファーストビュー、CTA(コールトゥアクション)、エントリーフォーム、コンテンツの質と表示順、ページの表示速度など、細部にわたる改善を実施するため、効果測定を通じてLPO(ランディングページ最適化)を継続的に行うことが重要です。
これらの最適化を重ねることで、訪問者のユーザーエクスペリエンスを向上させ、ひいては高い成果の実現につながります。
細かい調整が全体の成果に大きな影響を及ぼすため、定期的な分析と改善のサイクルを確立しましょう。
LPOとは
近年、マーケティングやWeb制作、グロースハックに携わる方々にとって、LPO(ランディングページ最適化)は重要な概念となっています。
LPOについて耳にする機会はあっても、具体的な内容や効果について不明瞭な方が多いかもしれません。また、「LPOを導入しているけれど、これが正しい方法なのか?」と疑問を持つ方もたくさんいます。
LPOとは、ランディングページの効果を最大化するためのさまざまな取り組みを指します。
本プロセスを理解し、適切に実施することで、目的に応じた効果的な施策を展開し、成果を向上させることが可能です。
そのためには、LPOの基礎をしっかりと学び、目標達成のための適切なKPIの設定とPDCAサイクルの運用が欠かせません。
SEOとの違い
LPOとよく比較されるのがSEO(Search Engine Optimization)です。
SEOは、Googleなどの検索エンジンで自社サイトが上位に表示されるように行う一連の対策を指します。
一方、LPOはランディングページ自体のコンバージョン率を高めるための最適化を目指します。
つまり、SEOが「サイトへの流入を増やすこと」にフォーカスしているのに対して、LPOは「流入したユーザーを顧客に転換すること」に注目している点で分類が可能です。
SEOとLPOはともにWEBサイトのパフォーマンス向上に寄与するものですが、その目的と対象が異なります。
LPの作り方に関するよくある3つの質問
LPの作り方に関するよくある質問には、以下の3つが挙げられます。
- LP作成の相場はいくらですか?
- LPに信頼感を与えるための手段を教えてください
- LPの制作期間はどれくらいですか?
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。
1.LP作成の相場はいくらですか?
LP制作の相場は、一般的に10万〜60万円程度が一つの目安です。
費用に幅が生じる理由は、依頼する制作範囲や内容によって必要となる経費に違いがあるためです。
また、依頼先にもフリーランスから小規模制作会社、大手Web制作会社までと幅が広く、それぞれで費用が異なります。
そのため、自社の要件や予算に応じて最適なパートナーを選ぶことが重要です。
2.LPに信頼感を与えるための手段を教えてください
LPに信頼感を与えるためには、以下のような情報の提供が重要です。
- 利用者の評価やレビュー
- 会社の実績や歴史
- 専門家の推薦
- 料金、サービス内容、効果などの比較表
- よくある質問とその回答
これらの情報は、ユーザーがサービスや商品を信頼し、安心して利用を決断するための重要な要素です。
3.LPの制作期間はどれくらいですか?
LP制作の期間は、依頼する内容によって大きく異なります。戦略設計や構成を含む全面的な制作を依頼する場合は、1〜2ヶ月程度を見込む必要があります。
ただし、あくまで目安であり、プロジェクトの複雑さによっては2ヶ月以上かかる場合も珍しくありません。工程ごとの制作期間の例を挙げると、以下のとおりです。
- デザインからコーディングまでを依頼:1~2週間
- コーディングのみを依頼:3日~1週間
しかし、短期間でLPを完成させたい場合は、戦略や構成を自社で実施し、制作のみを外部に依頼するという方法もあります。
まとめ
ランディングページの作成と最適化は、Webマーケティングでの成功を実現するために欠かせません。
目的を明確にした設計から効果的なコンテンツ制作、継続的な改善まで、一連のプロセスを踏むことで目標達成に大きく近づけられます。
この記事で解説した制作の流れやポイントを活用し、ビジネスやプロジェクトに最適なランディングページを作成して、その効果を最大限に引き出しましょう。