カスタマージャーニーマップ解説!テンプレートや作成ツールも紹介!

カスタマージャーニーマップ解説!テンプレートや作成ツールも紹介!

この記事の監修者

粟飯原匠 |プロデューサー

マーケティングを得意とするホームページ制作会社PENGINの代表。教育系スタートアップで新規事業開発を経験し、独立後は上場企業やレガシー産業のホームページ制作・SEO対策・CVR改善の支援を行うPENGINを創業。「ワクワクする。ワクワクさせる。」を理念に掲げてコツコツと頑張っています。

業績を改善したいとお悩みの経営者様やマーケティング担当者の方にとって、顧客のニーズや行動パターンを把握し、効果的なマーケティング施策や営業戦略を考えることは重要な課題と言えるでしょう。

そのような時に作成をオススメするのが、カスタマージャーニーマップです。

本記事では、カスタマージャーニーマップの目的と効果、実例紹介やフェーズごとの注意点、作成手順などを解説します。

ぜひこの機会にカスタマージャーニーマップを活用できるようになりましょう。

カスタマージャーニーマップとは

カスタマージャーニーマップとは、顧客が製品やサービスに触れる一連のプロセスをビジュアル化したものです。

カスタマージャーニーマップを作成することで、製品やサービスに対する興味関心・検討・購入・使用・リピートなど、各フェーズごとに顧客が感じることや行動の傾向が明確になります。分析内容からタッチポイント(顧客と企業が接触する場面)を洗い出せれば、マーケティング戦略に活かせるようになります。

また、顧客の行動や感情をマッピングし、顧客満足度を向上させるための改善点やオポチュニティ(機会・好機)の特定も可能です。

以上のことから、顧客の視点に立ったサービス改善やプロモーションをおこないたい方は、カスタマージャーニーマップの作成がオススメと言えるでしょう。

カスタマージャーニーマップのテンプレート

以下はカスタマージャーニーマップのフレームとなるテンプレートです。

条件
Webデザインやマーケティングを学べるWeb上の動画カリキュラムを販売したい
ターゲット
Web制作を学びたいと考えている人
フェーズタッチポイント行動・感情オポチュニティ・改善点
認知フェーズインターネット検索副業に興味を持ち、Web制作について調べる。興味を持つ。SEO対策を行い、検索結果で上位に表示されるようにする。
検討フェーズ動画カリキュラムのLPカリキュラム内容や価格を比較検討。疑問や不安が生じる。LPの情報を充実させ、疑問や不安を解消するコンテンツを提供する。
購入フェーズ問い合わせフォームサポート体制や返金保証について問い合わせ。安心感が得られる。迅速な対応と丁寧なサポートで、安心感を与える。返金保証を明確に示す。
使用フェーズ動画カリキュラム利用カリキュラムを学習し、スキルを習得。自信がつく。わかりやすい解説と実践的なカリキュラムで、学習者がスキルを習得しやすくする。
ロイヤルティフェーズSNS / 友人への紹介友人にカリキュラムを勧める。学びの喜びを共有。リファーラルプログラムを用意し、紹介者にインセンティブを提供する。

各フェーズごとのタッチポイント、行動・感情、そしてオポチュニティ・改善点が記載されています。

カスタマージャーニーマップの目的と効果

カスタマージャーニーマップの目的と効果を知ることで、売上やリピート率の向上が期待できます。

  • 顧客体験の把握と改善
  • マーケティング施策の効果的活用
  • 課題解決と顧客満足度向上

顧客体験の把握と改善

アンケートや競合他社調査などから仕入れた情報を、カスタマージャーニーマップで明文化することで、顧客が望むことを把握しやすくなります。

顧客のニーズや期待に応える施策を実行することで、顧客満足度を向上させ、リピート購入や口コミなどのポジティブな影響を生み出すことができます。

また、顧客の痛みや不満を特定し、改善策を考案することで、顧客体験を向上させられるでしょう。

マーケティング施策の効果的活用

顧客の行動パターンやニーズを把握し、それに基づいた効果的なマーケティング施策を展開することも可能です。

これにより、広告費の最適化やターゲティングの精度向上など、マーケティング効果を最大化できるでしょう。

さらに、顧客の購買プロセスや購入決定に影響を与える要素を理解し、それらに適したコンテンツやプロモーションを提供することで、顧客の購入意欲を高めることができます。

課題解決と顧客満足度向上

顧客が抱える課題を特定し、それに対する解決策を提供することができます。顧客の課題を解決することで、顧客満足度が向上し、長期的な顧客ロイヤルティの獲得につながります。

また、顧客のフィードバックや意見を収集し、それらをもとに製品やサービスの改善を行うことで、顧客満足度をさらに高めることが可能です。

顧客とのコミュニケーションを大切にし、顧客の声を取り入れた取り組みを行うことが、顧客満足度の向上につながります。

カスタマージャーニーのフェーズ例と注意点

カスタマージャーニーは、製品やサービスに関わる様々なフェーズに分けて考えることができます。以下では、各フェーズの特徴や注意点について解説します。

認知フェーズ

認知フェーズとは、一般的に顧客が初めて製品やサービスに触れるタイミングを指します。

この段階では、顧客がどのような情報源やチャネルを通じて製品やサービスに出会っているか、またその際にどのような感情や印象を持っているかを把握することが重要です。

また、広告やウェブサイトのデザイン、口コミなど、顧客が触れるさまざまな要素が顧客の認知に影響を与えることを理解し、視野を広げて分析する必要があります。

検討フェーズ

検討フェーズでは、顧客が製品やサービスの詳細を調べ、比較検討を行う段階です。

このフェーズで重要なのは、顧客がどのような情報や基準をもとに製品やサービスを評価しているかを理解することです。

購入フェーズ

購入フェーズでは、顧客が製品やサービスを購入するまでのプロセスを追います。

実際に購入するまでの導線や、購入方法や購入画面のUIによって、顧客の心理や行動は変わります。

購入手続きの簡素化や安全性の確保、顧客へのサポート体制の整備など、顧客がスムーズに購入できる環境を整えられているかなども考慮するとよいでしょう。

使用フェーズ

使用フェーズでは、顧客が製品やサービスを実際に利用し、その体験を評価する段階です。

このフェーズでは、顧客が製品やサービスをどのように活用し、どのような価値を感じているかを把握することが重要です。

製品やサービスの使い方や機能に関する口コミから、顧客のフィードバックを収集し、製品やサービスの改善点はないのかを探ります。

ロイヤルティフェーズ

ロイヤルティフェーズでは、顧客がリピート購入や口コミ紹介を行う状況を捉えます。

この段階では、顧客が製品やサービスに対するファン心を持っているか、また、継続利用してもらうために必要な、インセンティブ要素はどういったものがあるのかを把握することが重要です。

ビジネスモデル別カスタマージャーニーの例

カスタマージャーニーの実例紹介では、BtoCやBtoBの事例を取り上げます。自社に適したカスタマージャーニー構築の参考にしてみてください。

BtoC事例: 顧客感情の可視化

BtoC企業においては、カスタマージャーニーマップを用いて顧客感情を可視化することが重要です。

顧客がどのような感情を抱えているかを理解し、その感情に応じた適切なサポートやサービスを提供することで、顧客の満足度やリピート購入率を高めることができます。

また、顧客感情の分析を通じて、顧客が抱える潜在的なニーズや期待を明らかにし、新たな商品開発やサービス改善のアイデアを獲得することができます。

これにより、顧客との強固な関係を築き、顧客価値を最大化することが可能になります。

BtoB事例: タッチポイントの最適化

BtoB企業のカスタマージャーニーマップでは、タッチポイントの最適化が重要です。

タッチポイントの見直しや改善をおこなうことで、顧客とのコミュニケーションが円滑になり、商談や契約締結の確率を向上させることができます。

また、顧客の問題や課題を早期に発見し、それに対応するための最適なソリューションを提案することができます。

これにより、顧客満足度や顧客ロイヤリティを向上させることができます。さらに、タッチポイントの最適化を通じて、効率的な営業活動やマーケティング施策を実施することが可能になります。

業界・事業別カスタマージャーニー事例

こちらでは、業界別カスタマージャーニーの事例をご紹介します。

EC事業: 顧客購入プロセスの最適化

EC事業では、カスタマージャーニーマップを活用し、顧客購入プロセスを最適化することが求められます。

Webサイトの使い勝手や購入フローを改善することで、顧客の購入意欲を高め、売上向上に繋げられます。

さらに、顧客サポートやアフターサービスの向上を通じて、顧客満足度を高め、リピート購入や口コミ効果を促進することが可能です。

また、顧客の購入データや行動履歴を分析し、個別の顧客に適した商品のプロモーションを提供することで、顧客の関与度を高めることも意識するとよいでしょう。

金融事業: デジタル顧客体験の向上

金融業界では、デジタル技術の活用によって顧客体験を向上させることが重要です。

カスタマージャーニーマップを用いて、顧客がデジタルチャネルを通じてどのようなサービスや情報を求めているかを把握し、それに対応したデジタルサービスを提供することで、顧客の利便性を向上させることができます。

また、デジタルチャネルにおけるタッチポイントを最適化することで、顧客とのコミュニケーションが円滑になり、顧客満足度やロイヤリティを高めることができます。

ホテル事業: ゲストの滞在満足度の向上

ホテル業界においては、カスタマージャーニーマップを活用して宿泊者の滞在満足度を向上させることが重要です。

滞在中にどのようなサービスや設備が求められているかを把握し、それに応じた施策を実行することで、宿泊者の満足度を高めることができます。

また、宿泊者が抱える課題や不満を早期に発見し、それに対する改善策を実施することで、ゲストの滞在体験を向上させることができます。

さらに、ゲストのフィードバックを活用してサービスや設備の改善を行うことで、顧客満足度をさらに高めることが可能です。

カスタマージャーニー作成の手順

カスタマージャーニーを作成する際には、以下の手順を踏むことが推奨されます。

STEP1:顧客ペルソナの整理

顧客ペルソナは、理想的な顧客像を具体的に表現したものです。年齢、性別、職業、趣味、価値観など、顧客の属性やライフスタイルを明確にし、製品やサービスがどのように役立つかを理解することが大切です。

STEP2:タッチポイントの洗い出し

タッチポイントは、顧客が製品やサービスと接触するすべてのポイントを指します。

これらのタッチポイントを特定し、顧客の行動や感情を分析することで、改善点や新たなビジネスチャンスを発見することができます。

タッチポイントが不十分にマッピングされていると、顧客体験の全体像が把握できず、効果的な改善策が立てられません。全てのタッチポイントを洗い出し、顧客との接点を詳細に分析することが求められます。

STEP3:感情と行動のマッピング

顧客の感情や行動をカスタマージャーニーの各フェーズにマッピングすることで、顧客のニーズや期待を把握し、顧客満足度を向上させる施策を検討することができます。

このとき、顧客のニーズや期待がカスタマージャーニーマップに反映されていない場合、顧客満足度の向上やビジネスチャンスの発見が難しくなります。顧客の声を収集し、マップに反映させることが重要です。

STEP4:アクションプランの策定

最後に、カスタマージャーニーの改善点や新たなチャンスを具体的なアクションプランに落とし込みます。これにより、顧客体験の向上や課題解決に向けた取り組みが効果的に進められるようになります。

(3選)カスタマージャーニーマップのオススメ作成ツール

作成用ツールには多くのテンプレートやデザインが用意されているため、はじめての方でも作成が容易になり、作成の手間や時間の削減が可能となります。

また、多くのツールには共同作業機能があるため、チーム内でリアルタイムに情報を共有しながらスピーディーな編集もできます。

ここではオススメの作成ツールを3つご紹介します。

HubSpot

HubSpot(ハブスポット)は、インバウンドマーケティングや営業活動を支援するオールインワンのプラットフォームで、カスタマージャーニーマップ作成機能も含まれています。HubSpotを利用すれば、顧客の行動や感情、状況を網羅的に把握し、効果的なマーケティング戦略を立案することができます。

HubSpot特徴としては、カスタマージャーニーマップ機能だけでなく、CRM、メールマーケティング、ソーシャルメディア管理、SEO対策などの機能が一体化されている点です。これにより、カスタマージャーニーマップを作成した後も、HubSpot内でマーケティング施策を実行し、効果測定まで一貫して行うことが可能となります。

また、HubSpotは高度なデータ分析機能を搭載しており、顧客の行動や属性を詳細に分析することができます。データをもとに、カスタマージャーニーマップに具体的な改善策を反映させることで、より効果的な顧客体験の向上が期待できます。

KARTE

KARTE(カルテ)は、カスタマージャーニーマップ作成ツールの中でも特にデータ分析機能に優れたツールです。顧客の行動データをリアルタイムで解析し、その結果をもとにカスタマージャーニーマップを作成・最適化することができます。

KARTEは顧客のオンライン行動データを自動で取得・分析し、それらをもとにカスタマージャーニーマップを作成することが可能です。

また、顧客セグメント別のカスタマージャーニーマップ作成も可能であり、異なる顧客層に対して最適なマーケティング施策を立案できます。さらに、マーケティングオートメーション機能も備えており、カスタマージャーニーマップに基づいた施策の実行もスムーズに行える点が魅力です。

Lucidchart

Lucidchart(ルシッドチャート)は、多機能なオンライン図表作成ツールで、カスタマージャーニーマップの作成にも対応しています。

ドラッグアンドドロップ式のエディタを使用して、さまざまなシェイプや線を組み合わせてカスタマージャーニーマップを作成できます。また、リアルタイムでの共同作業が可能です。さらに、作成したカスタマージャーニーマップは、様々な形式でのエクスポートも可能です。

初心者でも手軽にプロフェッショナルな見た目のカスタマージャーニーマップを作成することができます。

カスタマージャーニー関連のオススメ書籍

書籍1: はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ

カスタマージャーニーマップの基本概念や作成方法、活用法をわかりやすく説明しており、初心者でも取り組みやすい内容となってる書籍です。

実践的なワークショップ形式で進められるので、読者は自分のビジネスに合わせてカスタマージャーニーマップを作成しながら学ぶことができます。

具体的な事例やヒントも豊富に盛り込まれており、顧客体験を改善し、ビジネス成果につなげるための知識を効果的に身につけることが可能です。

書籍2: カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則

「ニック・メッタ」「ダン・スタインマン」「リンカーン・マーフィー」による書籍で、サブスクリプションビジネスの成功を目指すために必要な「カスタマーサクセス」に焦点を当てた内容です。著者たちは、顧客の成功を支援し続けることがビジネスの成長を加速させると主張し、10の原則を提案しています。

書籍では、カスタマーサクセスの概念やその実践方法、組織づくりやチームマネジメントのポイントなど、幅広いトピックが扱われており、具体的な事例やツールも紹介されています。

これからカスタマーサクセスを取り入れたい企業や既に取り組んでいる企業の担当者、リーダーに向けて、どのレベルの人でも役立つ情報が満載です。

書籍3: マーケティングオートメーションに落とせるカスタマージャーニーの書き方

本書では、カスタマージャーニーをマーケティングオートメーションに適用する方法について詳しく解説しています。書籍の概要として、カスタマージャーニーを分析し、それをもとに効果的なマーケティングオートメーション戦略を構築する方法が紹介されています。

具体的な手法やツールの使い方、マーケティングオートメーションプラットフォームの選び方や活用方法など、多くの実践的な情報が提供されています。

本書は、初心者から上級者まで幅広いレベルのマーケターにオススメです。

まとめ

カスタマージャーニーマップは、顧客が製品やサービスに触れるプロセス全体を理解し、顧客満足度を向上させるための有効なツールです。

顧客ペルソナの作成やタッチポイントの洗い出し、感情と行動のマッピング、アクションプランの策定など、カスタマージャーニーマップを作成する際には、様々なステップがあります。

適切な手順を踏んでカスタマージャーニーマップを作成し、顧客体験の改善に努めましょう。