株式会社PENGINでWebディレクター兼デザイナーをしている佐藤です。サイト制作の方法はさまざまですが、StudioとWordPressの比較で迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「保守の手間が少ないからStudioにしたが、あとから必要な機能を追加できなかった」
「拡張性を重視してWordPressにしたが、更新が止まってしまった…」
などなど、StudioとWordPressの選び方を間違えると、このような事態が起こりがちです。
この記事では、StudioとWordPressの特徴を比較します。そもそも両者は何が違うのか、というところから、BtoBサイトでの選び方まで丁寧に解説します。
ツール選びで後悔しないための一つの判断材料として、ぜひご覧ください。
【結論】サイトの目的に合ったツールを選びましょう!
結論からいうと、Studioは「すぐにサイトを持ちたい会社」、WordPressは「サイトを長く育てたい会社」に向いています。
Studioなら、サーバーの知識がなくても、無料プランで試しながらサイトを作れるのが強みです。月590円(年払い)から自社のURLで公開でき、立ち上げまでの手間を大きく減らせます。
一方、WordPressは立ち上げに準備が必要な代わりに、サイトとデータを自社の資産として持てます。事例やコラムを積み上げても、料金が上がりにくいのが特徴です。運用メンバーや連携ツールが増えても対応できるため、時間をかけて成果を伸ばすサイトに向いています。
StudioとWordPressの違いを一覧で比較
主な違いを一覧にまとめました。
| 比較項目 | Studio | WordPress |
|---|---|---|
| 公開までの準備 | アカウントを作るだけで始められる。サイトを置く場所(サーバー)を自分で借りる必要がない | サイトを置く場所(サーバー)を借りて、WordPressを入れる準備が必要 |
| 制作期間 | 短くなりやすい。画面上で作ったデザインが、そのままサイトになる | 長くなりやすい。デザインをもとに、プログラムを書いてサイトに組み立てる工程が入る |
| 料金 | 無料で試せる。 自社のURLで公開するなら月590円(年払い)から(URLの取得費用は別途)。 ページや記事が増えると、上のプランが必要になる (出典:Studio 料金プラン) | WordPress自体は無料。 サーバー代とURLの取得費用が別にかかる。 ページや記事が増えても料金は上がりにくい。 |
| 公開後の管理 | 更新作業やセキュリティ対策はStudio側が行う。ただし、料金や仕様の変更には従う必要がある | 定期的な更新作業が必要。その代わり、サイトのデータを自社で持てる |
※本記事の「WordPress」は、自分でサーバーに設置するWordPress.orgを指します。
※記事公開時点の2026年10月の情報にもとづきます。
StudioとWordPressの基本|ノーコードツールとWordPressの仕組みの違い

サイトを公開するまでにやることは、StudioとWordPressで大きく違います。
Studioは、アカウントを作ればすぐにサイトを作りはじめられます。これに対してWordPressは、サイトを置く場所(サーバー)を借りて、WordPressを設置してから作りはじめます。
この差は、サイトを動かす仕組みを「サービスに任せるか」「自分たちで持つか」の違いから生まれています。
Studioとは
Studioは、日本の企業が提供するノーコードのWeb制作ツールです。ノーコードとは、プログラムを書かずに画面上の操作だけでサイトを作れることを指します。
サーバーやセキュリティの管理まで、Studioがまとめて引き受けます。また、お知らせやブログを更新する記事管理機能もあります。制作会社に作ってもらえば、公開後の文字や画像の更新は専門知識がなくても行えます。さらに、日本語で操作できるのも、うれしいポイントです。
WordPressとは
WordPressは、誰でも無料で使えるCMS(サイトの文章や画像を管理するシステム)です。世界中のWebサイトで使われています。
自分たちで用意したサーバーに設置するため、準備や管理に手間がかかります。その代わり、デザインや機能を自由に追加でき、サイトもデータも自社の資産として育てていけます。
これだけ見ると、Studioの方がサービスにまるっと含まれていて楽そうに見えますが、Studio側で仕様変更があればそれに合わせた対応が必要です。楽な分、Studioの仕様に依存しがちになるのが欠点でもあります。
デザイン・SEO・更新のしやすさの違い
比較表で取り上げた項目のほかにも、サイトの作り方や運用で差が出るポイントがあります。ここでは、デザイン、SEO、更新のしやすさの3つを比べます。
デザインの自由度・テンプレート
デザインについては、「テンプレートの質」と「デザインの自由度」の2つに分けて考えるとわかりやすくなります。
テンプレートの質で選ぶなら、Studioです。審査を通ったテンプレートが公開されており、質の高いものがそろっています。テンプレートをもとにすれば、見栄えのよいサイトを短期間で用意できます。これに対して、WordPressのデザインのひな形は、数が圧倒的に多いものの、品質にはばらつきがあります。
デザインの自由度で選ぶなら、WordPressです。プログラムを書けば、表現の幅に制限はほとんどありません。Studioはコーディングなしで作れますが、一から作るにはデザインの知識が必要で、表現できる範囲も用意された機能の中に限られます。
SEO
「StudioはSEOに弱い」という声を聞くことがありますが、一概にそうとは言えません。
SEOとは、Googleなどの検索結果で上位に表示されるための工夫のことです。検索順位を左右するのは、主に記事の中身とサイトの設計で、どのツールを使うかではありません。
Studioでも、ページのタイトルや検索結果に表示される説明文、画像の説明文など、基本的な設定はひととおり行えます。
一方で、より細かい対策まで行いたいなら、WordPressがおすすめです。SEO用の追加機能(プラグイン)で、記事の内容を検索エンジンに詳しく伝える設定などができるためです。記事を積み上げて検索から集客したい会社には、WordPressの方が心強い選択肢になります。
更新のしやすさ
どちらが更新しやすいかは、「何を更新したいか」で変わります。
ちょっとした見た目の調整まで社内で行いたい場合は、Studioの方が扱いやすいです。Studioなら実際の見た目を確認しながら、文字や画像に加えて色や配置などの小さな調整もその場で行えます。
一方でコラムや事例の投稿が更新の中心でデザインには手を加えない場合は、WordPressがおすすめです。文書作成ソフトに近い感覚で記事を書けるので、表示崩れが起きる心配は少なくなります。
なお、大幅なレイアウトの変更は、どちらのツールでも専門の知識が必要です。Studioではデザインの知識、WordPressではプログラムの知識が必要になる場面があります。
そのため、自社に専門の部署がない場合は制作会社に任せた方が安心です。
Studioのメリットと向いている会社
主なメリットを3つほど挙げました。私は自分のポートフォリオをStudioで実装していて、無料プランでサーバーやドメインを用意しなくても公開まで試せるのがありがたいです。
1. サーバーの準備や管理がいらない
サイトを置く場所(サーバー)の用意や、セキュリティ対策はStudio側が行います。そのため、公開後の保守に手間がかかりません。ただし、料金や仕様が変わったときは従う必要があります。
2. 少ない費用ではじめられる
無料プランで試せて、自社のURLで公開する場合も少額ではじめられます。ただし、ページが増えると上のプランが必要になるため、サイトの規模に合わせてプランを選びましょう。
3. 短期間で公開できる
画面上で作ったデザインがそのままサイトになるため、プログラムを書く工程がいりません。審査を通った質の高いテンプレートもそろっており、それをもとにすれば見栄えのよいサイトを短期間で用意できます。
<まとめ>Studioが向いている会社
・制作は制作会社に任せ、公開後の文字や画像の更新は社内で行いたい会社
・会社案内や採用サイトなど、ページ数がそれほど多くないサイトを早く公開したい会社
・サーバーの管理や保守に、社内の手間をかけたくない会社
WordPressのメリットと向いている会社
WordPressはお知らせやブログなどをこまめに更新したい人におすすめです。最初に構築するときの手軽さはStudioに劣りますが、サイトを育てていくならカスタマイズ性の高いWordPressで作っておくと便利です。
1. サイトとデータを自社で持てる
WordPressは、自社で借りたサーバーにサイトもデータも置いて管理します。サーバー会社を乗り換えても、バックアップから同じサイトを復元できるため、サイトを長く自社の資産として育てていけます。
ただし、WordPress本体や追加機能の更新、バックアップは自社か制作会社で行う必要があります。
2. ページや記事が増えても料金が上がりにくい
WordPressは、ページ数や記事数によって料金が変わる仕組みではありません。そのため、事例やコラムを積み上げていくサイトでも、サーバー代の範囲で運用を続けられます。
3. 機能をあとから自由に足せる
WordPressは、サイトの成長に合わせて機能を足していけるのが強みです。追加機能(プラグイン)を入れれば、必要になったときに必要な機能だけを加えられます。
ただし、プラグインの選定や細かな調整には、専門の知識が必要な場面があります。長く運用するなら、相談できる制作会社がいると安心です。
<まとめ>WordPressが向いている会社
・事例やコラムを増やして、検索から見込み客を集めたい会社
・更新や保守を担える担当者、または任せられる制作会社がいる会社
・会員ページや外部ツールとの連携など、将来的に機能を足していきたい会社
BtoBサイトならどちらを選ぶべき?
BtoBサイトでどちらを選ぶかは、サイトにどんな役割を持たせたいかで決まります。
会社や事業を正しく伝える「会社案内型」のサイトなら、Studioで十分に役割を果たせます。一方、見込み客を集める「リード獲得型」のサイトなら、WordPressのほうが長く成果を伸ばしやすくなります。資料ダウンロードや問合せを受け付けるサイトが、これにあたります。
ここでは、BtoBサイトで特に差が出る3つの場面を比べます。
問合せ・資料ダウンロードの受け付け(リード獲得)
フォームで問合せを受けるだけならStudio、集めた情報を営業に生かすならWordPressが扱いやすいです。
Studioには標準のフォーム機能があり、追加の準備なしで問合せを受け付けられます。一方、MAツール(見込み客の情報を管理し、メール配信などで関係を深めるツール)と連携する場合、WordPressならツールによって専用の追加機能があります。フォームの設置から情報の取り込みまで、管理画面でまとめて設定できます。
事例・コラムなどのコンテンツ更新
BtoBの購買では、担当者が導入事例やコラムを読み比べながら検討を進めます。そのため、こうしたコンテンツを継続的に増やせるかが重要です。
Studioでも記事の投稿や管理はできます。ただし、プランごとに記事数の上限があり、記事が増えるほど上のプランが必要になります。
一方、WordPressは基本的に記事数で料金が変わらないうえ、カテゴリやタグで記事を細かく整理できます。事例やコラムを長く積み上げていくならWordPressが向いています。
公開後のCVR改善(計測・改善施策のしやすさ)
CVR(サイトを訪れた人のうち、問合せや資料ダウンロードに至った人の割合)を上げるには、公開後の改善が欠かせません。
たとえば、ページのどこがよく見られているかを色で示すツールや、2つのデザインを出し分けて効果を比べるツールがあります。WordPressなら、こうしたツールを追加機能(プラグイン)で手軽に導入できます。
Studioでも、有料プランならコードを追加して導入できます。ただし、外部ツールの動作はStudioのサポート対象外になる場合があるため、事前に確認しておくと安心です。
<まとめ>BtoBサイトでの選び方
・会社案内が中心で、問合せをメールで受け取れれば十分 → Studio
・事例やコラムを増やして、検索から見込み客を集めたい → WordPress
・公開後もツールを足しながら、計測と改善を重ねたい → WordPress
まとめ|迷ったらツール選びから相談するのも一つの手
Studioは「すぐにサイトを持ちたい会社」、WordPressは「サイトを長く育てたい会社」に向いています。
Studioは、サーバーの準備や保守がいらず、少ない費用と短い期間でサイトを公開できます。WordPressは、立ち上げに準備が必要な代わりに、サイトとデータを自社で持ち、記事や機能を積み上げていけます。
どちらにするか迷ったときは、次の3つを確認してみてください。
- サイトの役割:会社案内が中心か、見込み客を集める場にしたいか
- 運用の体制:公開後の更新や保守を、誰が担うか
- 将来の計画:事例やコラム、機能を今後どれだけ増やしていくか
ツールは、サイトで何を達成したいかから逆算して選ぶものです。目的があいまいなままツールを決めると、思わぬ事態につながりかねません。冒頭で紹介した「機能が足りない」「更新が止まる」は、その典型です。
PENGINでは、サイト制作のご相談を承っています。サイトの目的や運用体制の整理など、ツール選びの段階からでも大丈夫です。
StudioとWordPressのどちらが自社に合うか迷っている方も、お気軽にご相談ください。
