「売上がなかなか伸びない」「リピーターが増えない」など、楽天市場へ出店している方は、このような悩みを抱えていることが多いかもしれません。
それは、メルマガを上手く活用できていないことが考えられます。そこで本記事では、楽天市場におけるメルマガ配信のメリットから具体的な施策、注意点まで詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
楽天市場内におけるメルマガとは?
楽天のメルマガは、1通あたり1円からの配信が可能です。配信先や配信日時を自由に設定でき、一定の条件を満たせば一週間に一度の配信が無料で行えるため、楽天市場に登録しているユーザーにアプローチする施策としておすすめします。
メルマガを配信する目的は、ユーザーとの関係構築による「リピーター獲得」や定期的な配信によるユーザーとのコミュニケーションを通じた「ファン作り」などです。新商品の販売やイベントの告知など、定期的に情報を発信してメルマガを活用することで、集客だけでなく売上の向上にもつながります。
楽天市場のメルマガは、デバイスに合わせてそれぞれ設定をする必要があるため、のちほど詳しく解説します。
楽天メルマガの利用料金
楽天メルマガ「R-Mail」の基本月額料金は無料です。登録や申し込みに際しての手続きも無料で行えます。
ただし、メルマガを発信する際には配信数に応じて1通あたり1円の配信料が必要です。条件を満たせば、週に一度無料で配信できます。条件は以下のとおりです。
- 毎週日曜0:00から土曜23:59まで
- 楽天が提供している「週1回無料配信対象のユーザー」リストを使う
無料の配信枠を使えば、ユーザーへの訴求もより効果的にアプローチできます。
楽天メルマガの特徴
楽天のメルマガ「R-Mail」の特徴には、以下の6つがあります。
- PC用・スマートフォンなどのデバイスごとのメール設定が可能
- 条件を満たせば週に一度の無料配信が可能
- デザイン性や機能性に富んだメールテンプレートが使える
- メルマガの効果測定結果に基づく計画的なアプローチができる
- ポイントが付与できるクリックインセンティブがある
- 送信先のリストを作成することによるターゲット設定が可能
「R-Mail」の特徴は、メルマガに登録したユーザーを対象としたリストの選定や保存が可能です。ユーザーが楽天市場で購入したり、メルマガに登録したりすることでメルマガの送信先としてメールアドレスが登録されます。作成したメルマガは、保存・配信の管理・データ分析ができます。
楽天メルマガの種類は5つ
楽天メルマガの種類には、以下の5つが挙げられます。
- 文字のみを使用した「PCテキストメール」
- 画像や動画も盛り込める「HTMLメール」
- 画面サイズに自動対応する「レスポンシブメール」
- ガラケーに文字を配信する「モバイルテキストメール」
- ガラケーに画像や動画を配信する「モバイルテキストメール」
ここではそれぞれに分けて解説します。
1.文字のみを使用した「PCテキストメール」
「PCテキストメール」は、PCに向けて発信するメールです。テキストタイプのメール形式であり、画像や装飾などは盛り込めないシンプルなメールになります。
メルマガ登録したユーザーのアドレスがPC用だった場合に配信されます。楽天市場を利用するユーザーはスマートフォン利用者も多く、PC用のメールアドレスはスマートフォンアドレスと比べると数が少なくなる傾向にありますが、メルマガ施策として有効の方法の1つです。
2.画像や動画も盛り込める「HTMLメール」
「HTMLメール」では、マークアップ言語として使用されるHTMLの形式でメールが作成・送信できます。HTMLメールでは、コードを記入して作成する方法と、文章を作成してから装飾する(太字やフォントの色変えなどが可能)方法があります。
HTMLメールはテキストフォントのサイズやカラー、太字、箇条書き、画像や動画の挿入、リンクの挿入など、自由度の高いメールが作成できるため、華やかでユーザーの記憶に残りやすいメルマガが作ることが可能です。
使用可能なHTMLのタグについては、メール本文作成画面にて記載されています。自由度が高いと言っても、JavascriptやCGI、スタイルシートは使えません。
ただし、一度作成したコードは記録として残り、再利用できます。似たようなスタイルや本文の構成なら、何度でも作成したコードの流用も可能です。
3.画面サイズに自動対応する「レスポンシブメール」
「レスポンシブメール」は、一つのメールだけでPCやスマートフォン、タブレットなどさまざまなデバイスの画面に対応しているメルマガです。
レスポンシブメールの作成では、最初にテンプレートを選びましょう。白紙の状態で、ゼロから自分の好みに作成することも可能です。次に、「ブロックを選ぶ」でパーツが追加できます。ランキングやキャンペーンなど、必要なパーツを足しましょう。
HTMLほど自由ではありませんが、おすすめ商品の画像や店舗独自の商品を紹介するなど、使い方次第で店舗独自の特色を出していくことが可能です。
HTMLの記述方法がわからなかったり、メルマガの作成が初めてでも直感的に作成できるので、今までメルマガに取り組んだことのない事業者様におすすめです。
4.ガラケーに文字を配信する「モバイルテキストメール」
「モバイルテキストメール」は、「PCテキストメール」のモバイル版です。スマートフォンやガラケーといったキャリアアドレスに向けたテキストメールの作成や送信ができます。携帯のキャリアごとに字数制限があり、以下のとおりとなっているため、注意しましょう。
- docomo:全角5,000文字
- au:全角5,000文字
- SoftBank:全角5,000文字
半角カタカナを入力すると文字化けする可能性があるため、本文、および件名(サブジェクト)内で半角カタカナを使用すると全角カタカナに自動変換されます。
また、プレビュー画面にてブラウザを複数同時に立ち上げたり、ステップ中にブラウザの「戻る」あるいは「更新(再読み込み)」ボタンを押したりするとエラー表示になる可能性があるため、注意しましょう。また、機種依存文字を使用できません。
モバイルメールに送信できる回数は、1ヶ月に12回まで(予約中のメールも1回とカウントする)という上限があります。モバイルを中心としたメルマガ戦略を立てる場合には、上限に達しないよう計画的に配信内容を考える必要があります。
5.ガラケーに画像や動画を配信する「モバイルHTMLメール」
「モバイルHTMLメール」は、スマートフォンやガラケーといったモバイルに対応したHTMLメールを作成できます。モバイルHTMLメールも「モバイルテキストメール」と同様、モバイルメールに対しての送信回数上限(月に12回)があります。
携帯のキャリアごとの字数制限も、モバイルテキストメールと同じです。画像を差し込むことができ、メールだけのシンプルなメルマガよりも読みやすいメールが作成でき、ユーザーも最後まで読んでくれる可能性が高くなります。
モバイルによってはHTMLメール非対応となるケースもあり、モバイルテキストメールと組み合わせて配信することでユーザーの取りこぼしを防止できます。
楽天メルマガを活用する4つのメリット
楽天メルマガを活用するメリットには、以下の4つが挙げられます。
- 低コストで利用できる
- リピーター向けに訴求できる
- 認知度のアップにつながる
- 信頼性や安心感を与えられる
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.低コストで利用できる
メルマガの運営には、さまざまなコストがかかります。初期費用や月額費用、作成者の手配など、事業者としてはコストをなるべく抑えたいものです。
楽天メルマガの「R-Mail」なら、登録は無料でできます。月額費用もなく、1通1円(税込)のシンプルな価格設定で、効果的に施策が展開できます。
また、送信リストは絞込み条件をあらかじめ設定しておくことができ、狙うターゲット層へとピンポイントにアプローチが可能です。リスト条件設定(利用サービス回数やメール購読開始日など)では、ユーザーのアクションによって振り分けることができ、最小限のメールによる低コストな施策として利用できます。
2.リピーター向けに訴求できる
自社商品を何度も買ってくれているリピーター客は、ファンとなる確率が高く、再び購入してくれる可能性の高い顧客です。新規顧客と比較しても、成果につながりやすく、メルマガでの訴求が重要となります。
リピーター向けの訴求方法としては、メルマガ登録の「リスト条件選択」画面に行き、PCテキスト/HTMLメールの「新規条件設定」をクリックします。PCとモバイルでは条件が異なるため、注意しましょう。「ユーザのアクションによるリスト条件設定」から、「購入回数」のチェックボックスをクリックし、1回〜10回以上のいずれかを設定します。
リピーターは、新規顧客よりも距離感がぐっと近くなり、そのぶん親密なコミュニケーションもとりやすくなるでしょう。日頃の感謝や季節の挨拶など、ファンになってもらうための細かい配慮も必要です。
3.認知度のアップにつながる
メルマガでは、競合他店との差別化が図れます。定期的なメルマガの配信によってユーザーとコミュニケーションをとることで親密度も高まり、認知度のアップによって自社のブランディングにもつながります。
ECサイトは手軽に利用できますが、実店舗と比べて集客や接客が一方的になってしまいます。メルマガもユーザーに向けて送信する一方向のコミュニケーションですが、定期的な接点を持てるため、施策によってはさまざまなアプローチが可能です。
もしメルマガ施策による効果が感じられない場合は、ECサイトを得意とする運営代行会社やマーケティング会社など、プロに相談するのもおすすめです。
4.信頼性や安心感を与えられる
メルマガでは、店舗独自の情報や商品情報、サービスガイドなどユーザーが欲しいと思う情報が配信できます。ユーザーの求める情報に見合った内容にすれば、店舗に対する信頼性や安心感が増します。
楽天メルマガでは、ユーザーの属性による条件設定も可能です。商品に合わせたターゲット層の設定によって、よりターゲットに見合った内容のメルマガが配信できます。年齢や居住地、性別など細かい条件設定を行うことによって、メルマガの内容を工夫してみてください。
楽天メルマガの効果を高める10のコツ
ここでは楽天メルマガの効果を高めるコツを紹介します。
1.ユーザー目線で魅力的なタイトルをつける
メルマガのマーケティングにおいて、タイトル(件名)は非常に重要な要素です。メールが届いたユーザーが最初に目にするものであり、タイトルによってメールの開封率が大幅に変わってしまうのです。
ユーザーは1日に何通ものメールが届き、そのすべてに目を通してくれるわけではありません。タイトルでユーザーの興味や関心を引く必要があります。
タイトルの左側は、とくに重要な情報を記載するようにしましょう。「【期間限定】」や「トライアル終了まで1週間」といったように、思わず開きたくなるような魅力的なタイトルを考えてみましょう。
2.ターゲットが開封しやすいタイミングを狙う
メルマガ施策では、メルマガを配信する時間も重要なポイントです。タイミングを間違うと、他のメールやSNS通知に埋もれてしまい、せっかくのメルマガも発見されなくなってしまいます。ターゲットとなる顧客が開封しやすい時間帯を狙いましょう。
例えば、ビジネスマンなら平日の8時前後やお昼どき、帰るタイミングの夕方ごろです。主婦や主夫なら、朝の家事が終わった10時頃がおすすめです。学生は朝の7時〜8時、または18時以降、シルバー層は午前中の早い時間がおすすめです。
自分の店舗に訪れるユーザー層が知りたい場合は、管理画面の「月次主要指標」の「クロスデバイス効果測定」を確認してみてください。
3.イベントやセールの期間中に配信する
楽天市場のイベントやセール期間中に、メルマガを配信することもポイントです。セール期間中はポイント還元率が高く、消費者が普段よりも多く購入することが期待できます。
たとえば、毎月開催される「お買い物マラソン」や1年に4回開催される「楽天スーパーセール」などのイベントは狙い目です。これらのようなイベントやキャンペーンのタイミングを狙って、メルマガを配信してみることがおすすめです。
なお、以下の記事では楽天セールの施策について解説しているため、ぜひあわせてご覧ください。
⇒【出店者必見】|楽天のセールの種類と売上を上げるために実施すべき施策をわかりやすくご紹介します!
4.誕生日にクーポンやポイントを配信する
メルマガの企画として定番となっているのが、誕生日にクーポンやポイントを配信することが挙げられます。一見するとメリットが大きい施策のように感じます。
しかし、定番となっているため、メルマガ会員からは忘れられてしまいがちです。そのため、誕生月にメルマガを送るだけではなく、配信後にもリマインドメールを送るとより効果を見込めます。
5.クリックインセンティブ機能を活用する
R-Mailには「クリックインセンティブ」機能があり、活用することによって開封率などを高めることができます。クリックインセンティブとは、メルマガ内に設置したURLをクリックしたユーザーへポイント付与できる機能です。
ユーザーへ付与するポイントは負担しなければなりませんが、開封率・クリック率を高めることに活用できます。
6.配信リストの対象者を絞り込む
楽天市場のメルマガ配信は、以下のリストごとに絞り込むことが可能です。
- ユーザーのアクション
- ユーザー属性
ターゲットを絞り込むと該当ユーザー数も確認できるため、予算に応じて対象ユーザーを抽出できます。また、絞り込み条件についてはR-Mailに登録及び保存が可能です。
さらに、保存した絞り込み条件から最新のリストをピックアップしてメルマガを送信できます。
7.配信後に効果を測定する
メルマガ配信後は必ず効果測定しましょう。配信のたびに分析を実施し、修正すべき点を明確化してください。効果測定する手順は以下の通りです。
- メルマガ配信
- 管理
- 月次主要指標
- クロスデバイス効果測定
これらの効果測定をできるのは、HTMLメールとモバイルHTMLメールに限られますが、開封率や転換率、送客率などの項目を分析してください。
8.購読解除されないよう改善を続ける
メルマガの購読解除されないようにするには、改善を続けることが求められます。メルマガ購読者は「配信を停止させたい」のようなイメージを持たれることが避けられません。
しかし、ユーザーの特徴を踏まえて改善を重ねることにより、解除率を下げることが可能です。たとえば、配信を行う度に効果測定を実施し、ブラッシュアップを続けましょう。
9.競合他店のメルマガを参考にする
競合他店のメルマガは参考にすべきものです。購読可能な競合のメルマガはすべて目を通すようにしましょう。動向を把握することも目的ですが、以下のようなポイントをチェックしてみてください。
- どのような切り口で発信しているのか?
- どのような表現でアピールしているのか?
- どのようなコミュニケーション手法を採用しているのか?
競合の手法を理解したうえで、メルマガ配信した方が有利に展開できます。そのため、常に競合のメルマガを確認しながら、自店の内容や施策を検討してみてください。
10.外部の支援サービスを活用する
これらの施策を施しても効果を見込めない場合、外部の支援サービスへ相談することも効果的です。店舗のコンサルティングから運営代行までをサポートしてくれる代行業者は、楽天市場へ出店している人にとって強い味方だといえるでしょう。
ジャグー株式会社のサポート業務の例を挙げると、以下のようなものが挙げられます。
- 販売戦略立案
- 広告運用
- ページ制作
- ディレクション
- 店舗構築
自社が課題に感じていることを明確にしたうえで相談してみてはいかがでしょうか。
引用:楽天市場 – ジャグー株式会社
楽天メルマガを活用する際の注意点は5つ
楽天メルマガを活用する際の注意点には、以下の5つが挙げられます。
- 配信枠が埋まると予約できない
- 定期的にデータが削除される
- モバイルメールには配信制限がある
- メルマガ登録は即時反映ではない
- 法律の遵守が欠かせない
ここではそれぞれに分けて解説します。
1.配信枠が埋まると予約できない
楽天市場のセール時は、多くのショップがメルマガ戦略を打ち出します。楽天市場のR-Mailでは、1週間前から予約配信が可能です。
しかし、配信枠が埋まってしまうと予約ができません。メール配信の混雑状況については、以下の手順で確認が可能です。
- メール・SNSマーケティング
- メルマガ配信
- 「PCメールの混雑状況」または「モバイルメールの混雑状況」
2.定期的にデータが削除される
R-Mailで配信したメルマガは、過去185日まで遡って確認可能です。しかし、この期間を経過してしまうとデータは削除されます。
配信から185日経過するごとにデータが削除されてしまうため、過去のメルマガの記録や履歴を残しておく必要がある場合はバックアップを行い、ローカル環境やクラウドへ保存しましょう。
3.モバイルメールには配信制限がある
R-MailのPC向けメールには配信制限がありません。しかし、モバイル向けメールは「1ヶ月あたり12回まで」の制限が設けられています。制限期間は毎月1日の0:00から1ヶ月単位です。
この際、注意すべき点は「予約配信で月をまたぐ場合、予約時点ではなく配信時点でカウントされる」ことが挙げられます。そのため、配信するタイミングも考慮しましょう。
4.メルマガ登録は即時反映ではない
ユーザーがメルマガ登録をした場合、リストへと反映されるのは翌日となります。そのため、すぐに反映されるわけではないことを把握しておいてください。
5.法律の遵守が欠かせない
楽天市場のメルマガに限った話ではありませんが、メルマガを配信する際、以下の法律への理解を深めておくことが求められます。
- 特定電子メール法
- 個人情報保護法
もしも、これらの法律に抵触した場合、業務改善命令が出されるおそれも考えられるでしょう。マーケティング施策を無駄にしないように、基本となる部分だけでも把握するようにしてください。
まとめ
楽天市場におけるメルマガに関することを解説してきました。メルマガ配信は、継続的な売上を得るリピーター獲得に欠かせない施策となっており、ポイントを押さえながら取り組むと、高い効果が期待できます。
しかし、メルマガは競合も取り組んでいる施策といえるため、コンスタントな流入を取るには、ノウハウが欠かせません。もし、自社だけで対応できない場合、楽天市場に強みがある外注業者へ相談してみてはいかがでしょうか。
ジャグー株式会社では、毎月10社限定のサイト分析を実施しているため、自社の課題を明確化することができます。「売上が思うように上がらない」「売上は上がっているけど、利益が出ない」といった場合には、ぜひ一度ご相談ください。