「競合に勝てない」「どのように戦略を立てればよいのかわからない」このように悩む方は少なくありません。そこで本記事では、競合分析に必要となる考え方やリサーチすべきポイント、分析方法について紹介します。自店舗でも競合分析を行ってみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
楽天市場における「競合分析」とは?
競合分析とは、自社と同じ業種業態や似ているサービスを展開している他社の情報を収集・分析することです。楽天市場に置き換えると、自社と類似しているジャンルの商品を取り扱っている・規模の大きさが近い他店の情報を収集し、販売戦略を立案するために行います。
また、競合分析を定期的に行うことによって、顧客ニーズや市場動向を把握して適切な戦略のもとに運営することが可能です。
競合とすべき店舗の選び方は2つ
競合とすべき店舗の選び方には、以下の2つが挙げられます。
- 自店舗と類似する商品を扱っている
- 自店舗で特に売れている商品を扱っている
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.自店舗と類似する商品を扱っている
競合を選ぶ際は、自店舗と取り扱っているジャンルが似ている商品を販売している店舗をピックアップします。そこから店舗の規模やメインとしているターゲット層や販売施策などをチェックして参考になるポイントを確認してみてください。
その際、他店の実施している施策やまだ実施していない戦略が見つかれば、自店でテストを繰り返しながら取り組むことによって、差別化を図ることにつながります。
2.自店舗で特に売れている商品を扱っている
自店舗において、特に売れている商品を扱っている店舗も競合として観測する対象となります。自店舗の取り扱っているジャンルにもよりますが、絞って販売しているアイテムを決めている場合、比較的簡単に調査を実施することが可能です。
もし、競合とすべきサイトがとても多い場合、3店舗程度まで絞るように注意してください。このときに該当する商品ランキングを確認し、上位サイトの選出をおすすめします。
楽天市場の競合分析をする前に必要な考え方は3つ
楽天市場の競合分析をする前に必要な考え方には、以下の3つが挙げられます。
- 楽天市場のユーザーが注目するポイントを理解する
- 競合店舗と自店舗の差分を把握する
- 自店舗の立ち位置を明らかにする
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.楽天市場のユーザーが注目するポイントを理解する
競合分析を実施する前に、ユーザーが注目するポイントへの理解が欠かせません。ユーザーがどのような行動を取って商品検索をしているのかを、実際にキーワード検索を行ってみてください。
ユーザーが注目している主なポイントは、以下の通りです。
サムネイル:商品の特徴や購入するメリットがわかりやすいか
ポイント還元率:商品価格に対して魅力を感じるのか
レビュー数:安心して購入できそうか
検索順位を高めたとしても、ユーザーにとって魅力的に映らなければクリック率を高めることはできません。そのため、いかにユーザーが魅力的に感じて、クリックしたくなるのかをチェックしてみてください。
2.競合店舗と自店舗の差分を把握する
競合店舗と自店舗の差分を把握することも重要です。基本的には以下の分析を実施しますが、優先順位をつけて少しずつ実施してみてください。
- ページ調査する
- 付帯サービスを比較する
検索順位を高められたとしても、サムネイルが適切でない・商品名やコピーがユーザーニーズと一致していなければ、クリック率を高められません。
たとえば、同一商品のサムネイルを比較する場合、それぞれのファーストビュー画像を並べて、どのような違いがあるのかをチェックします。
2つを見比べることによって、アイコンの配置や配色、デザインの違いを明確化できます。そこで感じたことを書き出していき、記録してみてください。
もしも、競合店舗と自店舗の差分を上手く整理できない場合、強みを作り出すことができないおそれが高まります。また、付帯サービスについても比較を行います。具体的には送料や配送スピードなどです。
ユーザーにとって同じような商品であれば、送料無料のショップの方が魅力的に見えてしまいます。さらに、配送スピードも重要視しているポイントです。ユーザーにとっては早く届くほど大きなメリットを感じられます。
そのため、競合と比べてどれくらいリードタイムに違いがあるのかをチェックするようにしてください。付帯サービスを比較することも、他店舗との差分を明確化するうえで重要です。
3.自店舗の立ち位置を明らかにする
差分を明確化したら自店舗の立ち位置を明らかにします。多くのユーザーは検索結果1ページ目に表示されている商品からクリックしていきます。
そのため、自社商品が1ページ目にどれくらい掲載されているのかを確認しなければなりません。
販売している商品がターゲットキーワードで検索したときに、どれくらいの占有率が維持できているのか・RPP広告の1ページ目5枠にどれくらい入っているのかをチェックしてみてください。
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楽天市場の競合調査でリサーチすべき3つのポイント
楽天市場の競合調査でリサーチすべきポイントには、以下の3つが挙げられます。
- 他店の日常的な運営状況を確認する
- イベント開催時の動向を確認する
- 調査結果に基づいた改善を実行する
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.他店の日常的な運営状況を確認する
競合調査する際、最初に他店の日常的な運営状況を確認してください。確認すべきポイントには、以下のようなものが挙げられます。
- 新商品の状況
- 送料無料としているアイテム数
- あす楽に対応しているアイテム数
- 商品価格の変化
- 商品ジャンル
- 関連商品の数
- RPP広告
これらは、いずれもユーザーが購入意思を決定する場合に、判断材料となる項目ばかりです。
2.イベント開催時の動向を確認する
通常期に加えて、楽天がイベントを開催している期間中の競合動向はとくにチェックするようにしてください。
どの店舗も通常期と比較して、売上を高める施策を打って出ている可能性が高いことが理由です。
イベント開催期間中に見るべきポイントには、以下のようなものが挙げられます。
- イベント期間中の価格及びポイントアップ・割引の状況
- クーポン
- RPP広告出稿量
- メルマガ送信のタイミングや内容
- バナーの導線
- 特集ページ
これらの項目を調査し、自店舗の販売施策に取り入れるように取り組んでみてください。
3.調査結果に基づいた改善を実行する
ここまで解説した調査のポイントを踏まえて、改善策を考えてみてください。 具体的な例を挙げると、競合と比較してポイント還元率が悪い場合、ポイント還元率や値引きを見直さなければなりません。
しかし、費用面から考えると、全ての商品の値引きや還元率を改善することは難しい場合が多いでしょう。 そのような状況では、セット買いのオファーをつける・まとめ買いをすることによって、ポイントアップさせるなどの工夫が可能です。
さらに、RPP広告の出稿においても日常的に行うのではなく、イベント期間中にいくつかの商品に絞って掲載することもひとつの戦略だといえます。これらのように、まずは限定的に改善策へと取り組み、範囲を広げるようにすると失敗を防ぎながら販売戦略を進められます。
楽天市場の競合分析に役立つ3つの分析方法
楽天市場の競合分析に役立つ分析方法には、以下の3つが挙げられます
- SWOT分析
- 4P分析
- 3C分析
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.SWOT分析
SWOT分析とは、以下の4つの単語の頭文字を取った分析手法です。
- Strength(強み)
- Weakness(弱み)
- Opportunity(機会)
- Threat(脅威)
SWOT分析のフレームワークでは、自社の内部要因と市場や競合などの外部要因を突き合わせることによって、現状が見えてきます。また、SWOT分析を実施して要素を洗い出したら、クロスSWOT分析を取り入れて具体的な戦略に落とし込みます。
具体的には、以下のように組み合わせます。
強み×機会:自社の強みをどのような機会に活かすのか
強み×脅威:強みを活かしてどのように脅威を避けるのか
弱み×機会:どのような弱みを補い、機会として活かせるのか
弱み×脅威:弱みを理解し、脅威からの影響をどのように抑えるのか
2.4P分析
4P分析とは、以下の4つの単語の頭文字を取った分析手法です。
- Product(製品)
- Price(価格)
- Place(流通)
- Promotion(販促)
4P分析のフレームワークから競合を分析することによって、顧客ニーズや市場状況の理解に役立ちます。競合と比較して優位性や差別化戦略を取ることができれば、自店舗の売上を伸ばすことにつながります。
3.3C分析
3C分析とは、以下の3つの英単語の頭文字を取った分析手法です。
- Customer(市場・顧客)
- Competitor(競合)
- Company(自社)
3C分析は市場と顧客のニーズを検討し、競合戦略の把握をします。そのうえで、自社が取るべき戦略を立てるのに役立つ手法です。
さらに、先に解説したSWOT分析と組み合わせて分析を進めることによって、抜けや漏れをなくすことができます。具体的には、3C分析で洗い出した情報をSWOT分析に落とし込むことによって、具体的な戦略を立てることが可能です。
楽天市場の競合分析に活用できる分析ツール3選
楽天市場の競合分析に活用できる分析ツールには、以下の3つが挙げられます。
- Market Pulse(マーケットパルス)
- Nint(ニント)
- Oxicim(オキシム)
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.Market Pulse(マーケットパルス)
引用:Market Pulse
Market Pulse(マーケットパルス)は、楽天・YahooショッピングのランキングデータCSVを購読できるツールです。無料で利用できるため、コストをかけたくない方におすすめします。
利用方法も非常に簡単で、メールアドレスと企業名、運営サイトのURLを入力することによって、データリンクが毎日配信されます。商品のランキングや売上データを気軽に収集したい方は、ぜひチェックしてみてください。
2.Nint(ニント)
引用:Nint
Nint(ニント)は楽天だけではなく、国内外のECモールやサイトに掲載されている情報を集められるツールです。商品ページやランキング、レビューなどあらゆる情報を得ることができます。
そのため、市場状況を分析して自店舗がどのような戦略を立てるべきかを検討する際、役立ちます。2023年9月時点で1,300社以上の企業に選ばれている信頼度の高いツールのひとつです。
3.Oxicim(オキシム)
引用:Oxcim
Oxicim(オキシム)は、国内の3大ECモールのデータを一元化できるツールです。収集できるデータの例を挙げると、指定したカテゴリーの売上状況や競合商品レポート、間接流通など多岐にわたります。
市場調査や自社のポジションの把握、競合の売上などを掛け合わせて可視化することが可能です。また、無料で利用することができるため、初めて分析ツールを導入する人にもおすすめします。
楽天市場の競合分析でよくある3つの質問
楽天市場の競合分析でよくある質問には、以下の3つが挙げられます。
- 質問①楽天市場の競合を分析するメリットとは?
- 質問②楽天市場の競合を分析するデメリットとは?
- 質問③楽天を取り巻く市場の動向とは?
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
質問①楽天市場の競合を分析するメリットとは?
楽天市場で競合分析するメリットには、以下のようなものが挙げられます。
- 自社の強みと弱みを把握できる
- 差別化戦略を考えるための材料を見つけられる
- 競合を発見できる
- トレンドの把握
- 顧客ニーズの変化
- 効果的なアプローチ手法
自社の強みと弱みを理解することによって、競合との差別化ポイントを検討することができるようになります。また、自社や競合、市場環境を客観的に見ることによって、これまででは認識できなかった問題点や魅力を発見することにもつながります。
質問②楽天市場の競合を分析するデメリットとは?
楽天市場で競合分析するデメリットとしては、手間や時間、コストを必要とすることが挙げられます。競合調査を実施し、効果的な戦略を立てるには知識や経験を必要とします。さらに、競合の選別からチェックすべき項目の選定、具体的な分析まであらゆる手間が必要です。
また、通常業務に加えて競合分析を行おうとすると、社内リソースが不足してしまうおそれもあります。分析に時間がかかってしまい、通常業務が滞ってしまうと、ユーザーからの信頼を下げることにもつながりかねません。
そのため、まずは社内で競合分析するゆとりがあるのかを把握し、リソースが不足しそうであれば外部委託することも検討してみてください。
質問③楽天を取り巻く市場の動向とは?
楽天を取り巻く市場動向は、EC・FinTech・デジタルコンテンツの3つを事業の柱として経営しています。このなかでも、もっとも規模が大きいのはECとなり、2022年には5.6兆円を達成しています。
将来的には10兆円規模の到達を目指しており、今後も売上は拡大していくと予測可能です。特に、ファッション事業では前年同期比10%の成長率・1兆円を超える売上を達成しています。
参考:楽天グループ株式会社2022年度通期および第4四半期決算ハイライトに関するお知らせ
まとめ
楽天市場における競合分析について解説しました。競合を分析することによって、自店舗のポジションや取るべき戦略を明確化できるようになります。
そのため、定期的に競合分析を実施し、戦略を見直しながら取り組むことが重要です。しかし、効果的な競合分析を行うには経験やノウハウが欠かせません。
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