楽天市場において売上を上げるための施策は多岐に渡り、何から手を付ければ良いか分からないという方は多いのではないでしょうか。楽天市場で売上を上げるためには、売上が上がる仕組みを正しく理解した上で改善に取り組むことが重要です、

そこで今回は、楽天出身者として数多くの店舗様をサポートしてきた私が、過去の実績をもとに楽天市場で売上を上げる方法を具体的にお伝えします。

この記事では、楽天市場で売上を上げるための15の施策と実行するために必要な考え方や注意点をご紹介します。本記事ではすぐに実行できる施策を中心にご紹介しておりますので、スピード感を持って店舗への横展開することが可能です。

楽天市場の売上アップさせるために必要な考え方

ECにおいて売上というものは大きく分けると「アクセス」「転換率」「客単価」と3つの要素から成り立っています。

それぞれの要素を細分化して対策を行うことで売上を上げていくことが可能となりますが、自社サイト、楽天市場、Amazon、Yahooショッピングなど各プラットフォームの特性に合わせた対策を施すことがポイントとなります。

今回は楽天市場に特化した売上を上げるための施策を15個紹介させて頂きます。どなたでも取り入れられる施策ですので、楽天市場の売上で悩みを抱えられている方はぜひ参考にして頂けますと幸いです。

楽天市場の売上をアップさせる15の施策

1.自然検索での上位表示を狙う

まずはアクセス面において最も重要な検索対策のご紹介です。

検索経由から入ってくるユーザーは購買率が高い傾向にあるため、各キーワードの検索結果において上位表示ができていると売上アップが期待できます。

楽天市場の検索結果は主にキーワード別に対象のキーワードに対するクリック率や転換率、売上などの実績がアルゴリズムに影響しています。

実績を付けたいキーワードを挿入する場所は様々あるので、迷う方もいらっしゃるかと思いますが、商品名>キャッチコピー≒商品説明文の順番でアルゴリズムへの影響が大きいと言われていますので、まずは商品名へのキーワード挿入から対応しましょう。

挿入するキーワードは検索ボリュームが大きいビッグワードを中心に選定しますが、それだけでは競合に埋もれてしまい上位表示に時間がかかるため、商品の特徴を捉えたミドルワードも挿入することを意識してください。

ミドルワードになると挿入候補となるキーワードは膨大な数になりますが、楽天市場のサジェストワードに出てくるものは、検索ボリュームが多いキーワードとなりますので、サジェストワードを中心に選定することがおすすめです。

なお、キーワードについては以下の記事でも詳しく解説しているため、ぜひあわせてご覧ください。

楽天市場で売れるキーワードを選定する4つの方法|商品名に入れる際のコツやおすすめツールもご紹介!

2.サムネイルを改善してクリックを増やす

続いてはサムネイル改善についてご紹介させて頂きます。

上記の通り、自然検索で上位表示を狙うためにキーワードを追加したとしても、クリックされなければ元も子もありません。いかにクリック率が高いサムネイルを実装するかも、自然検索において上位表示させるためには重要な要素となります。

クリック率を高めるため、サムネイルに入れたい要素としては下記となります。

  • 価格や容量など競合よりも優れているポイント
  • 楽天ランキング受賞をはじめとした実績
  • クーポンやポイントなど、今買うとお得だと分かる訴求

2018年7月に楽天市場のサムネイルにおけるガイドラインが改定され、作成する画像の自由度には制限があります。よりサムネイルに追加する内容を厳選しなければなりませんので、ぜひ参考にしてみてください。

3.楽天アフィリエイト機能を活用する

楽天アフィリエイト機能とは楽天市場に出店している全ての店舗に提供されている機能で、楽天市場で販売している商品をパートナー(アフィリエイター)が紹介し、売上が発生した場合は報酬を支払うという機能です。

何も手を加えていない場合でも楽天アフィリエイト経由の売上が全体の30%〜40%を占める場合も少なくありませんので、うまく活用していきたい機能となります。

楽天アフィリエイト機能には「アドバンスオプション」というものが用意されており、加入することでパートナーへ支払う報酬の料率を変更することができます。

店舗として料率を全体的に上げることも可能ですが、無駄な報酬を発生させないためにも、楽天アフィリエイトにおいて多くの売上実績を持つプレミアムパートナーへの料率のみ上げることをおすすめします。

その他にも店舗ロゴを用いたバナーやカテゴリーバナーを用意することで、パートナーが紹介しやすいように工夫することもポイントです。

なお、おすすめのバナーについて以下の記事で解説しているため、あわせてご覧ください。

【2023年最新】楽天市場で使えるおすすめのバナーを紹介|追加方法や注意すべきポイントも解説します!

4.商品絞り込み機能を最適化する

商品絞り込み機能とは楽天市場の検索結果でユーザーがカラーや産地などを選択した際に、表示される内容が変わる機能のことを指します。登録している各商品のタグIDに基づきますので、適切に商品登録をすることが重要です。

商品登録においてタグIDの設定は任意とされているため、設定していない店舗も散見されますが、ユーザーが商品絞り込み機能を使用した際にしっかりと表示されるよう、漏れなく設定しましょう。

また、タグIDは楽天市場側で定期的にアップデートされますので、気付いた時には存在しないタグIDを設定したままになっているケースも少なくありません。

タグIDのアップデート情報があった際には、所属するジャンルに対して変更があったかを確認するようにしましょう。

5.商品カルーセルを設定する

商品カルーセルとは、スマートフォンのブラウザまたはアプリで楽天市場を閲覧した際に商品ページの最上部に表示される、画像を左右にフリックする部分のことを指し、最大20枚の画像が設定できます。

ユーザーがスマートフォンで商品ページを閲覧する際、商品カルーセルと商品説明文(縦にスクロール)で情報を取得する層は50%ずつ存在しており、商品カルーセルでは画像をフリックするほど転換率が高くなる傾向にあります。

(商品説明文で情報を取得する層は商品ページ下部へ読み進めるほど転換率が高くなります。)

そのため商品カルーセルでは最大20枚の画像を設定し、商品説明文と遜色なく情報を得られる状態を作りましょう。

この話をすると、商品説明文に設定している画像をそのまま商品カルーセルにも設定し、縦長の画像が表示されているケースがあります。

商品カルーセルはサムネイルと同様に正方形画像で作成することで見やすくなり、より商品情報を取得しやすい状態となりますので、一手間を惜しまずに画像作成することをおすすめします。

6.期間限定のクーポンを発行する

クーポンの発行は訪問したユーザーの転換率を上げるための施策において最も有効的です。

どの程度値引きをするかは取り扱う商品によって様々ではありますが、クーポンを発行するタイミングが重要となります。楽天市場では多種多様なセール・イベントが用意されておりますので、そのタイミングに合わせて発行することを意識しましょう。

また、ユーザーは限定というものに敏感です。期間限定はもちろんですが、数量の限定や利用可能なユーザーの限定など様々な限定を敢えて作り、ユーザーに「今この商品を買う理由」を付けることで更に転換率の上昇が見込めます。

ただクーポンを発行するのではなく、目的を持たせることで次に活かしやすくなりますのでぜひ参考にしてみてください。

7.セット組みに誘導・販売する

顧客の購入単価が上がると店舗全体の売上も上がりますので、積極的にセット組み商品を作ることも重要です。しかし、セット組みする商品同士に親和性がないと購入されませんので、そこは注意が必要です。

例えば化粧水のような基礎化粧品を扱っている場合は、化粧水と乳液のセット商品などがイメージしやすいのではないかと思います。取り扱う商品にあまり親和性がないケースもありますが、その場合は同一商品でセットを組み、まとめ買い商品として作ることも有効的です。

一方でせっかくセット組み商品を作っても、ユーザーに見つけてもらわなければ意味がありません。化粧水と乳液のセット組み商品であれば、それぞれの単品ページにセット組み商品への導線バナーを設置するなど、しっかりと誘導することがポイントです。

8.イベントなどの特集ページに誘導する

楽天市場では「楽天スーパーSALE」や「お買い物マラソン」など、ユーザーの購買意欲を高めるセール・イベントが様々用意されています。多くのイベントでは、ユーザーがお得になるために事前にエントリーしておく必要があるのですが、このエントリーのほとんどは楽天市場に設けられる特集ページで行うケースがほとんどです。

そのため、店舗に訪れたユーザーに対して店舗で実施しているクーポンやポイント施策に加えてよりお得に購入してもらえるよう特集ページへの導線を設置しましょう。

また、楽天市場の特集ページ内には様々なバナーが設置されています。これらのバナーを良く観察している方はお分かりかと思いますが、クリックするとあるキーワードで検索された検索結果に移動するケースも少なくありません。

楽天市場の特集ページへの導線を設置することで、一度店舗の外へ誘導する形となりますが、また戻ってきてもらえるようにバナーの先にある検索結果に表示されるようキーワードを挿入するなど工夫することが重要となります。

9.スマホファースト仕様に変更する

近年では楽天市場を利用するユーザーの80%以上がスマートフォンからアクセスしていることが分かっています。そのため、スマートフォンで見やすいページをいかに作れるかが転換率を上げるためのポイントとなります。

最も重要なのは文字の大きさです。店舗運営者は楽天市場で使用する画像をPCで作成しますので、スマートフォンで同じ画像を確認するとどうしても文字が小さくなりがちです。

そのことを意識して、都度スマートフォンなどの実機で画像チェックを行い、ユーザーに伝わりやすい画像の作成を心がけましょう。

前述で商品カルーセルについてお話しましたが、画像をフリックした際に縦長の画像だと縮小され見にくくなってしまうため、正方形画像を推奨したのもこの「スマホファースト仕様」にするためとなります。

10.レコメンド商品を設定する

ECで買い物をするユーザーは余程ブランドや商品の指名が無い限り、プラットフォームに登録されている多数の商品の中から比較し購入する商品を確定します。つまり、一度店舗に訪れたユーザーが他の商品と比較せずに購入に至ることはほぼありません。

上記のユーザー行動を理解した上で、店舗からのおすすめ商品や関連商品への導線を設置することが重要です。

具体的には楽天市場でデフォルト機能として用意されている目玉商品の設定や商品ページ内に関連商品へ誘導するバナーの設置などが挙げられます。店舗に訪れたユーザーになるべく店舗内の商品のみで比較検討してもらうために、どのページにも漏れなく設定できているか、今一度確認頂くことをおすすめします。

11.ユーザーを意図的に店舗外へ誘導しない

上記の「10.レコメンド商品を設定する」と重複する内容にはなりますが、一度店舗を訪れたユーザーには店舗内だけで商品を閲覧・比較検討した上で購入して頂きたいものです。

そのためにも、楽天市場のデフォルト機能を十分に活用したり、各ページへ関連商品を設置するなどが挙げられますがその他にも、セール・イベントに合わせて店舗で特集ページを作成することも有効的です。

そのタイミングでお得なクーポンの発行や値引き、ポイント付与を行っている商品が掲載されているページを作成することで、ユーザーは店舗内でお得な商品を一目で確認することができます。

そうすることで、ユーザーは店舗内の様々な商品を回遊するきっかけにもなるため、転換率を高めることが可能となります。

また、特集ページを作成するだけでなく、ページに誘導するためのバナーも設置することが重要となります。今お得な商品が集まっていることが伝わるバナーを作成し、どのページからもアクセスできるように導線を店舗内に張り巡らすことがポイントです。

12.メルマガ・LINEを活用する

リピート対策として、メルマガ・LINEを活用することは非常に効果的な施策です。

楽天市場においてメルマガの効果を最大限活用できるのはセール・イベントに合わせて配信し購買を促進することとなります。

年間通して見ると楽天市場では1か月に平均2回、約1週間程度のセール・イベントが開催されますので、具体的にはイベントの開始日や終了日、ユーザーがお得に買い物できる5と0のつく日に合わせた配信がベストです。

その一方で、メルマガ・LINEにおいては配信する母数(登録者)を増やすことも重要です。登録者を増やすためには、まず登録することのメリットを明確にすることから始めましょう。

主なメリットの例は下記となります。

  • 商品の最新情報がいち早く届く
  • 登録者限定のセールが定期的に開催されている
  • 楽天市場のイベントに合わせて登録者限定のクーポンを発行している

これらのメリットを店舗内に明記し、メルマガ・LINEへの登録を促しましょう。

また、LINEではお友だち登録と同時に自動配信されるメッセージを設定できますので、LINE登録するだけですぐに利用できるクーポンをメッセージ内に掲載することも有効的です。

13.顧客情報とバックヤード業務を連携する

リピーターに向けて購買を促進する施策として、顧客情報とバックヤード業務を連携させる方法もあります。少し嚙み砕いた言い方をすると、何回も同じ店舗で購入したくなる仕組みを構築するということです。

具体的な例としては下記が挙げられます。

  • 〇回目に購入したお客様には●●という特典を同梱して発送する
  • 年間通して購入金額が〇〇円以上のお客様には次回購入頂いた際に●●という特典を同梱して発送する
  • 初回購入のお客様のみに限定パンフレットを同梱する
  • ギフト対応を希望されているお客様にはメッセージカードを同梱した上でラッピングを施す

上記のような顧客情報とバックヤード業務を連携させた施策を行う場合は、正確な顧客管理と対応できるバックヤード体制を構築する必要がありますので、中長期な取り組みになる傾向があります。

ただし、バックヤード業務はこれだけではなく、通常の配送業務や顧客対応もありますので、常に迅速な対応ができるよう日頃から円滑な情報共有を心がけましょう。

14.商品に同梱物を入れる

上記のような顧客情報を連動させた施策を実行するためには、物流体制などを整備する必要がありますが、全てのユーザーに対して同じ物を同梱して発送する形であればハードルは下がるかと思います。

楽天市場だけでなくECで商品を購入した際、最も感情が高ぶる瞬間は届いた商品を開封するタイミングです。これをアンボクシング体験とも言いますが、届いた箱を開封した際に同梱されている物で次の購入を促進することが可能となります。

具体的な例としては下記のような同梱物が挙げられます。

  • 店舗内の他商品を紹介しているパンフレット
  • 次回購入する際に利用できるクーポン(QRコードでクーポンが獲得できる仕組み)
  • 店舗からのお礼状

楽天市場においては同梱物に関して、他プラットフォームに誘導するような内容は規約違反となりますので、そこは注意しつつ初めて購入したユーザーにはリピーターになってもらえるよう、既にリピーターの場合は更に店舗のファンとなってもらえるような同梱物を検討しましょう。

15.外部のコンサルを活用する

最後に、楽天市場において売上を上げるために外部のコンサルを活用することもおすすめです。外部コンサルを利用することのメリットとしては下記ポイントが挙げられます。

  • 最短で売上を上げることができる
  • 人件費の削減につながる
  • 自社内にノウハウがたまる
  • 他社の成功事例を知ることができる

昨今では数多くの楽天コンサル会社が存在し、サービス内容や料金形態も異なりますので、運営実績やサポートしている企業の特徴(会社の規模、楽天市場での受賞歴など)が自社にあっているか確認することが重要です。

ジャグー株式会社ではECモールの運用代行を強味としており、売上を上げることはもちろんですが利益管理を重要としている会社です。

弊社のコンサルタントは、楽天ショップオブザイヤー店舗の担当経験のあるコンサルタントですので、より楽天のノウハウを熟知したコンサルタントからサポートを受けることが可能です。

楽天の売り上げに関する3つの質問

質問①楽天市場で売上を上げるために最初にすべきことは?

まずはアクセスを増やすことが重要です。

楽天市場においてアクセスを増やす方法は本記事の「楽天市場の売上をアップさせる15の施策」で紹介しておりますのでご覧ください。

質問②売上アップのためにコンサルを依頼する際の注意点は?

どのような企業をサポートしているのか、何社サポートしているのか、そしてサポートしている企業の特徴(会社の規模、楽天市場での受賞歴など)が自社にあっているか確認することが重要です。

ホームページに記載のある実績だけでは100%信用することは難しいので、あわせてサポート企業数や企業の種類などを合わせて確認することによりコンサル会社を選ぶ時の判断材料とすることをお勧めします。

質問③ユーザーの回遊率は楽天での売上に関係しますか?

楽天市場においてユーザーの回遊率が高いと売上は上がる傾向にあります。

店舗内で回遊率を上げる施策に置けるポイントや注意点については本記事の「楽天市場の売上をアップさせる15の施策」で紹介しておりますのでご覧ください。

まとめ

今回は楽天市場の売上をアップさせる15の施策と実行するために必要な考え方を紹介させて頂きました。

これら以外にも売上を上げる施策は様々存在しますが、まずは出来るだけコストをかけずに取り入れられる施策の代表的なものをピックアップしておりますので、もし実装できていない施策がある場合はぜひ取り組んで頂ければと思います。

ジャグー株式会社では毎月10社限定にはなりますが、無料で初期分析を実施しておりますので現状の店舗において出来ていることとそうでないことを把握頂くためにもぜひご活用ください。

皆さまからのお問い合わせをお待ちしております。