Amazonにおけるリピーターの重要性とは?
Amazonだけに限った話ではありませんがECにて商品を販売する際はリピーターの育成・維持は非常に重要です。ここでいうリピーターとは、自社の商品やサービスを2回以上購入している、使用している顧客のことをさします。
販売している商品やサービスのカテゴリによっても異なりますがリピーターの割合が多ければ多いほど自社の商品やサービスの満足度が高い、つまり良い商品やサービスということになります。
もちろんリピーターの数が多ければその分売上にもつながりますし、モールの特徴を活かせばリピーターが多ければ新規獲得にもつなげることができます。
ここからはリピーターの重要性や算出方法などを紹介していきます。
リピーターの重要性を表す2つの法則
1.1:5の法則
1:5の法則とは、新規のお客様を獲得するには、既存のお客様を獲得するためのコストの5倍かかるという法則になります。新規顧客を獲得するためには、ファーストステップとして広告やプロモーションに投資をして消費者に認知を広める必要があります。
そしてそこで見込み顧客となった消費者に購入を促す必要があるのでどうしても費用がかかります。
それと比べて既存顧客の場合は、すでに商品やサービスについて認知しているので再購入のハードルが低く、少ない獲得コストで再度商品を購入していただくことが可能です。
売上を上げていくためには、将来的に既存顧客になりうる新規顧客の獲得と、既存顧客の維持の両方のバランスを上手く取ることが重要になります。
2.パレートの法則
パレートの法則とは、「世の中に現れる結果の8割は、それを構成する2割の要素が生み出している」という法則です。「2:8の法則」「にはち(にっぱち)の法則」と呼ばれることもあります。
経済学者のヴィルフレド・パレートが導き出したといわれている法則になります。
ここでパレートの法則で言及したいことは、「売り上げの80%は、20%の既存顧客に依存する」ということです。
取り扱いの商品のカテゴリにもよるのでこの割合は一概にはあてはまりませんが、既存顧客の育成と維持は売上を上げていくにあたり非常に重要ということになります。
Amazonにおけるリピート率の計算方法は3ステップ
ステップ1.調査するデータを決める
リピート率にも考え方によっては様々な種類のリピート率が存在します。
商品別のリピート率やカテゴリ別のリピート率、顧客のリピート率などがあげられますので
まずは何のリピート率を算出するのか選定するようにしましょう。
今回は特定の商品の過去3カ月間のリピート率を算出する方法を説明いたします。
ステップ2.Amazonセラーセントラルからデータを抽出する
まずはセラーセントラルから「レポート>フルフィルメントレポート>出荷レポート」を選択します。
ダウンロードする際は1度で1カ月が最大となるので3カ月分ダウンロードするようにしてください。
出荷日と郵便番号とASINの列を使用するのでそれ以外の列は削除してしまって大丈夫です。
郵便番号を利用するのは、ユーザーを特定するユニークIDを今回は郵便番号とした背景になります。
ステップ3.Amazonのリピート購入率を算出する
上記のデータが揃いましたら、あとはエクセルを利用して購入回数別の人数を算出いたします。すると特定の商品(ASIN)の1回目から2回目への購入に至る割合を算出することができます。
それぞれの主力の商品で算出をすることにより、どの商品が2回目購入に至っている(=LTVが大きい)のか、明確にすることができるの効率的な販促活動をすることが可能となります。
Amazonにおけるリピーター増加で得られる3つのメリット
1.安定的に売り上げを作れる
リピーターは既に自社の商品やサービスを認知しているので継続的に商品を購入していただけます。
弊社でサポートさせていただいております企業様でも投資フェーズ(新規顧客獲得)の時にはリピーターの売上割合は5%未満でしたが半年から1年かけて新規の顧客を獲得してリピーター育成も同時並行で行うことにより、1年後には販促やプロモーションを0にしても前月の売上の20%~30%は確保することができております。
リピーターが増えて維持することができれば広告やプロモーションをかけずとも安定的な売上を作ることが可能になります。
改めて、売上アップのコツを確認したい方は、以下の記事で詳しく解説しているため、ぜひご覧ください。
⇒【2023年最新版】Amazonの売上アップを実現する10のコツ|売上アップできない原因も解説!
2.集客コストを削減できる
「1:5の法則」でもふれたように、既存顧客の獲得は新規顧客獲得と比較するとコストはかかりません。
既存顧客は、自社の商品やサービスを認知しているので購入するハードルが低いことが期待できます。
また、モールによっては、自社で保有するメールマガジンのリストを利用して適切なセグメントをきり、効率的にユーザーにアプローチすることができます。
リピーターが増えれば集客のコストを抑えて効率的に売上を上げていくことが可能になります。
3.新規顧客の獲得を期待できる
既存顧客が増えることにより、新規顧客の獲得につながるというのは一見考えにくいですが、既存顧客増加による新規顧客獲得に対する影響は見逃せません。
レビューの投稿や、クチコミ、SNSでの発信などにより商品やサービスが広がることが多々あり予期せぬタイミングで売上が上がることがあります。
また、リピーターが増え、メールマガジンのリストが増えることにより、リピーター経由の売上を瞬発的に上げることができればランキングに商品を掲載することもできます。ランキングに商品がのればランキング経由での新規顧客の獲得もできます。
リピーターが増えればこのように売上を作るためのいいサイクルを作り出すことが可能になります。
Amazonにおけるリピーター獲得で注意すべき3つのポイント
1.リピーターと新規顧客はバランスよく獲得する
既存顧客は増えれば増えるほど店舗にとってはプラスの要因になります。
しかし、既存顧客を増やす施策だけに特化をして、新規顧客獲得のための販促や施策を疎かにしてしまっては本末転倒です。
店舗内の予算とリソースを考慮して、新規顧客獲得と既存顧客育成、維持のバランスを見ながら運用していくことが重要になります。
2.割引に頼らない
新規顧客獲得、既存顧客獲得のための施策はいくつかあげられます。一番効率よく顧客を獲得するために上げられる方法として「割引き」があげられます。
たしかに大きな割引の施策などを実施すれば一時的にお客様の購買意欲が高まり、転換率が上昇することにより顧客の数は増えます。しかし、そもそもの目的は瞬間的な売上をつくることではなく、新規顧客を獲得して既存顧客になっていただき、LTVを向上することにより中長期的に利益を得ることになります。
割引きをすることにより獲得した顧客は衝動買いによる購入になるので、2回目以降の購入につながりにくい傾向が多いです。
また、既存顧客に対して2回目以上の購入を促す際に割引を多く実施すると
既存顧客が割引のタイミングに依存してしまい、LTVが向上せずに利益回収に時間がかかってしまうことがあります。
商品・サービスの満足度、アフターサービスの充実、定期的な新商品の案内、既存顧客に対してのコンタクトとサポート、配送スピードなど割引以外にも顧客を獲得する方法はいくつもあります。
もちろん、割引き施策は顧客獲得において効率がいいので、今後の店舗運用において必須の施策となります。
しかし、割引だけに頼って施策を実施することは、店舗の中長期的な成長を考えると得策ではないので、
割引以外の施策なども合わせて実施することにより、既存顧客の獲得・維持を実施していくといいでしょう。
3.再訪問のきっかけを提供する
既存顧客の獲得をするためには、まず店舗に再訪していただくことが重必要になります。
もちろん、商品やサービスに満足をしていただき、顧客自らの意思で再訪していただくことに越したことはありませんが、店舗から積極的に顧客にアプローチをして意図的に再訪を促すことも必要になります。
そのために有効となる手段にメールマガジンの配信や、購入後のフォローメールなどがあります。
また、次回(2回目購入以降)で使用ができるクーポンを発行して、メルマガにて配信をするなどが上げられます。
一概にメールマガジンと言っても内容次第では様々なアプローチが可能になります。
例) イベントや施策の告知と案内
月に一度バースデークーポンを発行してメルマガにて配信
レシピや使用方法などを記載してメルマガにて案内
新商品が販売された場合はメルマガ会員限定のクーポンや先行販売の案内の実施
あまりに多くのメルマガが送られてくるとユーザーの観点からすると迷惑になる可能性もあるので
タイミングとセグメントと内容を考えバランスよく配信していくことにより、既存顧客獲得につなげることが可能です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
店舗の中長期的な売上と利益を上げに行くには既存顧客の獲得と維持が必須だということがわかっていただけたかと思います。
いずれにしても販促やプロモーションで費用はかかりますので中長期的な計画を立てて、取り扱う商品やサービスにおいてどれくらいの既存顧客を獲得する必要があるのかを確認し運用していただければと思います。