「Yahooショッピングに出店しても売上が伸びない」「広告の運用方法がわからない」
このような課題を抱えている方は、少なくありません。そんな場合には、広告を活用する必要があります。
この記事では、Yahoo!ショッピング広告の種類や活用方法を詳しく解説します。Yahoo!ショッピングで売上を伸ばしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
Yahoo!ショッピング広告とは?
Yahoo!ショッピングは2019年5月にソフトバンクの連結子会社となりました。そんなYahoo!ショッピングにおける広告とは、以下の4つです。
- バナー、テキスト(ディスプレイ)広告
- ソリューションパッケージ広告
- アイテムマッチ広告(ストアマッチ広告)
- PRオプション
PayPayでの決済導入により、若年層のユーザーも増えているため、今後もますます事業規模が拡大していくことが予想されています。出店数も増加傾向にあるYahoo!ショッピング広告を上手に運用する方法について、解説していきます。
Yahoo!ショッピングとは?
Yahoo!ショッピングは、検索エンジンとしては日本最大級であるYahoo!Japanが運営しているショッピングモールです。
Yahoo!の月間アクティブユーザー数は約8,400万人(2023年9月30日時点)です。これは、日本におけるインターネットユーザーの8割以上にあたります。ほとんどの日本人が、日常的にYahoo!のサービスを利用していることになるのです。
Yahoo!ショッピングにおける出店企業は約87万店と、豊富な店舗数を誇っています。ソフトバンクユーザーやPayPay会員の増加で、今後もますます店舗数・会員数が増えていくことが期待されています。
Yahoo!ショッピング広告の課金形態
Yahoo!ショッピング広告では配信枠によって課金形態が異なります。配信枠ごとの課金形態は以下の通りです。
- バナー広告:クリック課金型
- アイテムマッチ広告:クリック課金型
- PRオプション:成果報酬型
- ソリューションパッケージ:クリック課金型
Yahoo!ショッピング広告の種類は4つ
Yahoo!ショッピング広告の種類には、以下の4つが挙げられます。
- バナー・テキスト広告(ディスプレイ広告)
- ソリューションパッケージ広告
- アイテムマッチ広告(ストアマッチ広告)
- PRオプション
ここではそれぞれに分けてメリットとデメリットを含めて解説しますので、詳しくみていきましょう。
1.バナー・テキスト広告(ディスプレイ広告)
バナー・テキスト広告(ディスプレイ広告)は、Yahoo!ショッピングのトップページやすべての検索結果、あるいは総合ランキングなどの広告枠に掲載されている広告を指します。
とても多くの人の目に触れる場所に掲載されるため、集客がもっとも期待できる広告枠です。バナー・テキスト広告には、「通常広告」と「促進広告」の2種類があります。
通常広告は、季節や時間など関係なくいつもトップページに掲載されるものです。通年売れる商品や、店舗の認知度を高めるために最適な広告です。
促進広告は、クリスマスやお中元、おせちなど、季節に関連性の高い特集を掲載しています。期間限定や季節限定の商品を売り出すには最適な広告です。
バナー・テキスト広告(ディスプレイ広告)のメリット・デメリットは、以下の通りです。
メリット
- 入札すれば必ず掲載が可能
- 店舗(ショップ)の認知度アップ
- 閲覧する人がもっとも多い広告枠
- 画像や動画も掲載可能
Yahoo!ショッピングのディスプレイ広告には2種類あり、「運用型」と「予約型」が存在します。
「運用型」は性別や年齢などのユーザーのターゲットを限定した広告配信が可能です。購入履歴やサイトの訪問履歴があるユーザーに対して限定的に広告を配信するなど、戦略的な運用にも向いています。
「予約型」は掲載期間と表示回数が保証されている広告です。Yahoo!Japanのトップページに大きく広告を掲載できます。なお、運用型よりも優先して配信されます。短期間に、より多くのユーザーへアプローチする際に向いている広告です。
ディスプレイ広告なら、画像や動画も掲載できます。テキストのみの場合よりも強くユーザーの関心を惹きやすいため、潜在顧客へのアプローチに最適です。
デメリット
- 掲載費用が高額になる可能性がある
- 運用型と予約型で費用に大きな差が生まれる
より効果的なプロモーション広告を展開しようとすると、広告費用も高額になるデメリットがあります。
運用型の費用発生タイミングは、ユーザーが広告をクリックした時です(クリック課金制)。これは検索広告と同じ課金タイミングであり、1日あたりの広告予算も自分で自由に設定が可能なため、低予算で広告配信が可能になります。
予約型は「ビューアブルインプレッション」による課金制を採用しており、広告が1度ユーザーに表示されると課金される仕組みです。運用型よりも費用は高くなります。なお、運用はYahoo!の広告パートナーが運用しています。
2.ソリューションパッケージ広告
ソリューションパッケージ広告とは、Yahoo!Japanのトップページや検索結果、またはGoogleの検索結果など、Yahoo!ショッピング以外の広告枠に配信が可能な広告です。
欲しい商品があっても、どのECショッピングモールで買うかまでは決めていない消費者に対し、Yahoo!ショッピングへ誘導できるのが最大の特徴といえます。
また、「リターゲティング配信」が可能です。これはYahoo!ショッピングで自社の商品を閲覧していたユーザーがほかのサイトを訪れたタイミングで、「前回見ていた商品」と「おすすめ商品」を組み合わせて表示させる仕組みです。
ソリューションパッケージ広告のメリット・デメリットは、以下の通りです。
メリット
- 新規顧客が狙える
- 継続的に購買率を上げられる可能性がある
- 広告入稿までの手間が少ない
- 「リターゲティング配信」が可能
入札価格と月額予算の設定だけで広告配信が可能で、入稿の手間がありません。月間で約8,400万人のアクティブユーザーにアプローチができるため、購買意欲の高いユーザーに効果的にアピールできます。
また、支払いは売上金との相殺処理のうえ、不足分のみを支払うため、手間の掛かる経理作業が必要ないのもメリットです。
さらに、自社サイトなどのYahoo!ショッピング以外に運営中のサイトでGoogle 広告を利用している場合も、併用して広告枠が利用できます。ただし、Google 広告のGoogleショッピング広告を、代理店を通してYahoo!ショッピングの出店ストアで利用している場合は併用不可なので注意してください。
デメリット
- Googleに広告表示する際は審査がある
- リターゲティング広告では短期間では効果が出にくい
- リターゲティング広告では認知拡大は難しい
- 無差別に表示されるため不快感を与える恐れがある
特にリターゲティング広告では、ユーザーの閲覧状態を追跡して広告を表示しているため、商品に興味のないユーザーにも配信されてしまいます。仮にいくら興味のある商品でも、1日に何度も同じ広告が表示されれば、うんざりして不快感を示す人も少なからず出てくるのが現実です。
また、リターゲティング広告が配信されるためには、1度自社商品を閲覧してもらう必要があります。新規ユーザーの獲得には不向きです。
そのような場合には、従来のソリューションパッケージ広告やほかの広告枠と組み合わせることで、効果的にアプローチが可能です。
3.アイテムマッチ広告(ストアマッチ広告)
アイテムマッチ広告とは、Yahoo!ショッピング内に設置されているリスティング広告を指します。
ユーザーが商品カテゴリーをYahoo!ショッピング内で検索した際、検索結果ページの「ストアのイチオシ」に表示される商品がアイテムマッチ広告として表示されています。
商品のカテゴリーに対して入札しているアイテムマッチ広告のみが掲載される仕組みです。
アイテムマッチ広告のメリット・デメリットは、以下の通りです。
メリット
- 最低入札単価が安い(10円から)
- 入札順位を広告設定画面で確認可能
- 予算に到達すると掲載が自動でストップする(デポジット型)
アイテムマッチ広告の最大のメリットは、入札価格の安さです。低予算で広告運用を始められるため、出店したてなど予算が厳しい際に採用したい広告方法です。
また、ショップとして売りたい特定の商品をもっとお客様に認知したい際にも最適な広告といえます。目玉商品や利益率の高い商品、オリジナル商品など、露出の高い位置に表示が可能なので、短期間に集客数を伸ばすことが期待できます。
デメリット
- 商品カテゴリーに対してしか広告の入札ができない
アイテムマッチ広告は、キーワードに対してではなく、指定した商品カテゴリーに対してのみ入札します。年齢や性別など、細かいターゲティングができないため、商品にまったくマッチしない層にも広告を出すことになってしまいます。
広告費用は、あらかじめ決めた予算以上になると掲載が自動でストップします。クリック課金制ですが、興味の無いユーザーに表示されてクリックされてしまえば、本来届けたかったターゲットに届かない可能性があるのです。
4.PRオプション
PRオプションとは、「販売価格×料率(%)」によって広告費が決まる成功報酬型広告です。
Yahoo!ショッピングでは、検索結果ページやトップページなどの広告掲載枠において、どの商品が上位枠を取得するかは、その広告の入札額、商品説明、ページの見やすさなど、さまざまな要素によって決定されています。
要素はスコアによって評価されており、スコアが高い順に上位の広告枠に掲載される仕組みです。
PRオプションの設定料率を高めれば、検索順位を決定しているスコアの一部分に有利になるよう働きかけ、商品を効果的にプロモーションすることが可能です。
料金形態は「成功報酬型広告(コンバージョン型課金広告)」で、商品が売れた際にのみ発生します。費用算出の計算方法は「販売価格×料率(%)」で求められます。料率は1.0%〜30.0%まで0.1%刻みで設定可能です。
PRオプションのメリット・デメリットは、以下の通りです。
メリット
- 商品を購入されない限り広告費がかからない
- 一定の料金より課金を多くすると、さらに表示されやすくなる
コンバージョン型課金広告のため、商品が購入されない限り広告費がかかりません。商品購入に至らなかった場合でも、ショップの認知度を上げる効果が期待できます。
また、一定の料金より料率を高く設定すれば、Yahoo!プレミアム会員など、有料のユーザーに対してさらに表示されやすくなります。
デメリット
- Yahoo!側に評価されなければ上位枠を獲得できない
PRオプションの料率をどれだけ高く設定しても、商品名やキャッチコピーなどの要素もYahoo!に評価されなければ上位枠を獲得することができません。
そのため、表示されることを目的として広告単価を高めたとしても、Yahoo!が定めた基準を満たさなければ、活用できません。
Yahoo!ショッピング広告の効果を高める3つのポイント
Yahoo!ショッピング広告の効果を高めるポイントには、以下の3つが挙げられます。
- 成約率を高める施策を実施する
- 初めはアイテムマッチ広告を選ぶ
- 広告メニューを複合的に活用する
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。
1.成約率を高める施策を実施する
広告の集客効果を活かすためには、商品を購入してくれる「成約率」を高める施策が重要です。
Yahoo!ショッピングでは、競合との優位性をアピールするのが有効です。競合優位性とは「競合よりも自社の商品が優れている」ことであり、ユーザーが自社の商品を購入する理由にもなります。
おもな競合優位性のポイントは、以下の通りです。
- 商品の価格
- 受注から発送までの早さ
- 評価・レビュー
- 実績
- 返品対応やレスポンスの早さなどの顧客対応
成約率が高まれば、Yahoo!ショッピングの検索結果ページ上位に自社の広告が掲載されます。自社ターゲットが抱える悩みや課題を理解し、自社なら解決できることを魅力を持って伝えていく必要があります。
2.初めはアイテムマッチ広告を選ぶ
Yahoo!ショッピング広告を初めて活用するなら、ストアマッチ広告がおすすめです。
なぜなら、ほかの広告形態と比べて、最も低予算で広告運用が始められるためです。料金体系は「クリック課金制」で、入札単価が10円から設定できます。
また、出店者用の管理ツールから掲載順位が確認でき、あといくら入札すれば何位に表示されるかが自動で計算されます。1日あたりの広告費用額をあらかじめ決定しておけば、1ヶ月に必要な予算もわかりやすく、予算を自由に決めることが可能です。
また、アイテムマッチ広告(ストアマッチ広告)なら、事前に設定しておいた予算上限に到達すると、自動で広告の掲載が止まる仕組みです。予算以上に広告費を請求されることはなく、安心して運用できます。
3.広告メニューを複合的に活用する
Yahoo!ショッピングの広告は、1つの方法だけを採用すればよいわけではありません。それぞれに掲載される広告枠や料金、課金方式が異なるため、複数の広告方法を組み合わせることでより効果的にユーザーへアプローチできます。
たとえば、PRオプションは成功報酬型広告なので、そもそも認知されなければ成約につながることはありません。
ショップや商品の認知を高めるためにバナー・テキスト広告(ディスプレイ広告)を活用したり、アイテムマッチ広告を利用したりする必要があるのです。
Yahoo!ショッピング広告の費用相場
Yahoo!ショッピング広告の費用相場は、以下の3つに分けられます。
- 検索広告(リスティング広告)の相場
- ディスプレイ広告(予約型)の相場
- ディスプレイ広告(運用型)の相場
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。
検索広告(リスティング広告)の相場
リスティング広告の入札額は、1クリックあたりの単価です。最終的な料金は、オークションによって決まります。
人気のある検索キーワードは競合も多く、単価が高額になりやすい傾向にあり、オークション結果によってはクリック単価が1,000円を超えるケースもあります。しかし、人気の少ないキーワードなら数円で上位表示できる場合もあるため、そのようなキーワードを狙うのも手段の1つです。
1日あたり1,000円、月3万円程度の費用から運用を始めると、費用対効果も確認しやすいのでおすすめです。月に10〜20万円の費用をかけると、十分な広告効果を期待できるといわれています。
ディスプレイ広告(予約型)の相場
ディスプレイ広告の予約型は「インプレッション型」と呼ばれ、ユーザーへの表示回数を基準に料金や掲載期間が決定される広告です。
こちらはクリック課金制よりも高額な費用が必要となります。最も安い相場でも20万円から、高額な場合だと2,000万円からとなっています。
広告掲載枠の場所や、広告のサイズによって金額が異なり、パソコンとスマートフォン両方に表示させる場合にはそれぞれに料金を支払わなければなりません。ブランドパネルSPは500万円、動画を使用する場合は15秒で100万円からとなっています。
ディスプレイ広告(運用型)の相場
ディスプレイ広告の運用型も、オークションによって単価が変動します。そのため、人気の高い商品の場合、広告費用が高額になりやすいのです。また、広告主によっても相場は変動します。
運用型は広くユーザーへアピールできる広告ですが、成約率(コンバージョン率)としては検索広告型のオフが優れているため、目的や手段によって広告を組み合わせてください。
予算が確保できれば、月に30万円ほどディスプレイ広告を運用し、一気に認知度を高めることも可能です。
Yahoo!ショッピングの広告でよくある3つの質問
Yahoo!ショッピングの広告でよくある質問には、以下の3つが挙げられます。
- 質問1.アイテムマッチ広告で成果を出すポイントは?
- 質問2.アイテムマッチ広告の設定方法は?
- 質問3.Yahoo!ショッピング広告はGoogleでも配信できる?
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。
質問1.アイテムマッチ広告で成果を出すポイントは?
初めてYahoo!ショッピングで広告を活用するときにおすすめなのが「アイテムマッチ広告」です。効果を最大限に発揮するためには、以下のポイントを参考にしてください。
- 入札価格は最低単価より10円以上高く設定
- トレンドを取り入れる
商品選定の際には、トレンド(流行)をチェックすることが欠かせません。SNSや有名インスタグラマーたちが何をおすすめしているのか、他の競合他社が何の商材を追いかけているかなど、情報は常に新鮮なものを取得してください。
また、入札価格が安すぎても効果が出ない場合があります。商品カテゴリー内の最低入札単価よりも10円高くするのがおすすめです。
質問2.アイテムマッチ広告の設定方法は?
アイテムマッチ広告を利用するためには、Yahoo!ショッピングのストアマッチ専用アカウントが必要です。新規アカウント作成は、ストアマッチの公式サイトにある「アカウント登録」から行えます。
アカウントの作成が完了したら、管理者画面にログインしてください。管理者画面内の「予算管理」ページから予算を追加します。なお、予算入金の際に使える決済方法は、クレジットカード決済(都度入金かオートチャージ)か、ジャパンネット銀行振込が利用できます。
入札単価を設定すれば、アイテムマッチ広告の運用が開始可能です。
質問3.Yahoo!ショッピング広告はGoogleでも配信できる?
Yahoo!ショッピング広告の種類の1つである「ソリューションパッケージ広告」を活用すれば、Googleの検索結果ページにも、Yahoo!ショッピングと掲載している商品と同じものを配信できます。
ただし、Googleに広告配信する際には、Googleが設定している審査に合格しないと、広告が配信されないため、注意が必要です。
まとめ
Yahoo!ショッピング広告について解説しました。Yahoo!ショッピングでは、楽天市場やAmazonと異なる広告戦略を立てなければ、売上を伸ばせないといえます。
そのため、バナー広告やアイテムマッチ広告を活用しながら、PRマッチ広告をどのように展開していくかが重要です。もしも、Yahoo!ショッピングでの広告運用に不安がある方は、ぜひ弊社ジャグーまでご相談ください。
⇒ジャグー株式会社