ECサイトの売上を伸ばすには、訪問客数(UU)や購入率(CVR)、客単価のそれぞれに対する効果的な施策の実施が欠かせません。しかし、どのような施策を実施すればよいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。

そこで、本記事では、ECサイトの売上を伸ばす方程式や訪問客数(UU)、購入率(CVR)、客単価をアップさせる施策について解説しています。ECサイトで売上を伸ばしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

ECサイトの売上を伸ばす方程式

売上の基礎となる方程式は、「訪問客数(UU)」×「購入率(CVR)」×「客単価」で構成されています。訪問客数はサイトにアクセスした人の数を、購入率は訪問客のうち実際に購入に至る割合を、客単価は一人あたりの平均購入金額を示しています。

これらの各要素を個別に向上させることにより、ECサイトの売上増加が可能です。

1.訪問客数(UU)

訪問客数(UU)は、ECサイトへの訪問回数を意味し、サイトの人気やアクセス数を示す重要な指標です。この数値は、訪れた総ユーザー数とは異なり、1人のユーザーが複数回訪問してもそれぞれのアクセスがカウントされます。

たとえば、20人のユーザーがそれぞれ5回訪問すれば、訪問客数は100回となります。ECサイトの売上を上げるためには、訪問客数を増やすことが不可欠です。

なぜなら、機能性やデザイン、商品の魅力が高くても、訪問客数が少なければ売上に結びつきません。したがって、訪問客数を増やす施策に注力することが重要です。

2.購入率(CVR)

購入率(CVR)はECサイトにおいて、訪問者が実際に商品を購入する割合です。この率は「訪問者数÷購入回数」で算出され、サイトの効果的な運営を図るうえで欠かせない指標です。

また、購入率を高めるためには、ユーザーの購買体験を最適化する必要があります。たとえば、商品情報を豊富にしたり、購入プロセスを簡潔にしたりする施策が効果的です。

これらの施策は、ユーザーが快適に商品を選び、購入に至る過程をスムーズにします。結果として、訪問者が購入に至る確率が高まり、ECサイトの売上増加につながります。

3.客単価

客単価はECサイトにおいて、1人の顧客が1回の購入で平均的にどれくらいの金額を費やすかを示す指標です。この数値は売上高を購入客数で割ることで求められます。

たとえば、3人の顧客がそれぞれ1,000円、3,000円、8,000円で購入した場合、客単価は(1,000円+3,000円+8,000円)÷3で4,000円となります。訪問客数や購入率が高くても、客単価が低ければ売上の大幅な向上は期待できません。

客単価を上げるには、顧客により多くの商品を購入してもらう、あるいは高価格帯の商品の販売を促すことが効果的です。ただし、訪問数や購入率に比べて客単価を上げることは難しく、綿密な分析や戦略が必要です。

以下の記事では、客単価を上げるための施策について解説しているため、ぜひあわせてご覧ください。

【担当者必見】客単価を上げる施策7選|意識すべき理由や売上をアップさせる方法について徹底解説!

ECサイトで訪問客数(UU)を増やすための5つの施策

次に、ECサイトで訪問客数(UU)を増やすための施策について解説します。

  • Web広告を出稿する
  • SEO対策を実施する
  • SNSを活用する
  • インフルエンサーを活用する
  • CRMを導入する

それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.Web広告を出稿する

Web広告を利用すれば、購買意欲の高いターゲット層に直接リーチでき、ユーザーをECサイトに誘導することが可能です。広告の種類にはリスティング広告、ディスプレイ広告、ショッピング広告、各種SNS広告、リターゲティング広告などがあります。

これらのなかから、自社の商品やサービスに合った広告を選び、適切な予算配分で配信することが重要です。Web広告の最大のメリットは、短期間で効果を見込める点ですが、出稿費用がかかることがデメリットです。

予算に余裕があり、迅速に結果を求める場合には、Web広告が適しています。

2.SEO対策を実施する

SEO(Search Engine Optimization)対策は、ECサイトの訪問客数(UU)を増やすために効果的な方法です。キーワードに基づいた検索エンジンで上位表示されることで、多くのユーザーがサイトに訪れる可能性が高まります。

SEOはコストを抑えながら持続的な集客効果を実現できるため、中長期的な視野で取り組む価値があります。キーワードの選定は重要で、自社商品やターゲット層に合ったキーワードを選び、競争の低いロングテールキーワードやトレンドキーワードを活用するのが成功の鍵です。

SEOを通じて訪問客数を増やし、ECサイトの売上アップを目指しましょう。

なお、以下の記事ではECサイトのSEO施策について解説しているため、あわせてご覧ください。

【担当者向け】ECサイトにおける「SEO」とは?施策内容や注意すべきポイントを徹底解説!

3.SNSを活用する

SNSは検索エンジンの次に多くのユーザーが情報収集する場所であり、若年層を中心に利用が増加しています。そのため、SNSの活用はECサイトの訪問客数(UU)を増やすためには欠かせません。

SNSのメリットは、低コストで広告を展開できる点や固定ファンを獲得しやすい点です。ただし、継続的な更新が必要であり、効果が現れるまでに時間がかかる点を考慮してください。

特にInstagramとTikTokはECサイトとの相性が良く、積極的な運用がおすすめです。

なお、SNSを活用した集客については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ECサイト SNSに内部リンクECサイトの集客に活用できるSNS7選|運用のポイントや活用する際の注意点を詳しく解説します!

4.インフルエンサーを活用する

Instagramを活用したインフルエンサーマーケティングは、ECサイトで訪問客数(UU)を増やす効果的な施策の1つです。Instagramは視覚的な要素が強く、商品を魅力的に紹介できるプラットフォームです。

また、一般ユーザーにとってインフルエンサーの情報は信頼性が高いとされています。インフルエンサーによる商品紹介は、多くのフォロワーをECサイトに誘導できます。

このように、インフルエンサーマーケティングは、InstagramなどのSNSプラットフォームを活用し、訪問客数を増やす有力な手段です。

5.CRMを導入する

ECサイトの訪問客数(UU)を増やすためには、CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理、顧客管理)の活用が欠かせません。CRMを導入することで、顧客の属性や行動が把握でき、個別のアプローチが実現します。

たとえば、CRMを活用して顧客の購買履歴や行動履歴を分析しましょう。アクティブでない顧客を特定し、リターゲティングの施策を展開することで再購入を促進できます。

このように、CRMの活用により、訪問客数を増やし、ECサイトの売上を伸ばせます。顧客との良好な関係を築くために、CRMの導入を検討してみてください。

ECサイトで購入率(CVR)を増やすための5つの施策

次に、ECサイトで購入率(CVR)を増やすための施策について解説します。

  • 商品の写真を充実させる
  • カゴ落ち防止対策を実施する
  • 検索機能を向上させる
  • ページレイアウトを整備する
  • レコメンドエンジンを活用する

それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.商品の写真を充実させる

ECサイトは実物に触れる店舗と異なり、顧客は写真で商品を評価します。調査によれば、平均的なECサイトの写真閲覧数は6枚で、年齢層によっても要求される写真数が異なります。

ユーザーが購入する際の不安を解消するためにも、最低6枚以上の写真を掲載しましょう。写真は商品説明の主要な手段であり、購入意欲を高めます。

このように、手間と時間をかけて充実した商品ページを用意しておくことで、CVR向上が期待できます。

2.カゴ落ち防止対策を実施する

カゴ落ちとは、顧客が商品をカートに入れたものの購入に至らない状況を指し、この状況の解消によって、大きな売上増が見込めます。対策としては、カゴ落ちの原因を特定し、チェックアウトプロセスの簡素化や支払い方法の拡充などの取り組みが重要です。

また、顧客がカートから離れそうな際に通知を送る機能があるカゴ落ち防止ツールの導入も効果的です。

なお、カゴ落ち対策については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ECサイトの「カゴ落ち」とは?起こる理由や防ぐための施策、対策におすすめのツールをご紹介!

3.検索機能を向上させる

ユーザーが目的の商品をスムーズに見つけられる検索性の高さは、購買へ誘導するためには重要な要素です。たとえば、ファッションECサイトではアイテムの種類、色、価格帯、シーズンなどの絞り込みオプションを提供し、ユーザーに多くの選択肢を与えましょう。

検索機能が制限的で使い勝手が悪い場合、ユーザーはサイトを離れてしまい、CVRは低下します。このように、検索機能の強化はECサイトの成功に欠かせない要素です。

4.ページレイアウトを整備する

直感的でわかりやすいレイアウトは、購入プロセスをスムーズに進める手助けとなります。このようなレイアウトは、顧客のサイト滞在時間を延ばし、結果的に購入率の向上に寄与します。

特に、商品の表示方法やナビゲーションの使いやすさ、情報の明瞭さに注意してください。また、サイトのデザインでブランドイメージを伝えることも重要で、顧客の信頼を築くうえで大きな役割を果たします。

5.レコメンドエンジンを活用する

レコメンドエンジンは、ユーザーの閲覧履歴や購入履歴に基づいて関連商品を自動で提案するツールで、大手ECサイトでも広く採用されています。

このシステムは、「この商品を見ている人はこちらの商品も見ています」や「この商品を購入した人はこちらの商品も購入しています」などの形でユーザーに合った商品を提示し、購入意欲を刺激します。

実際のデータに基づいたレコメンドは、顧客の関心を引きやすく、クロスセルやアップセルにもつながる効果的な施策です。

ECサイトで客単価をアップさせるための5つの施策

次に、ECサイトで客単価をアップさせるための施策について解説します。

  • クロスセル・アップセルを狙う
  • 送料無料バーを設定する
  • キャンペーンを実施する
  • セット販売を取り入れる
  • 顧客ロイヤリティを向上させる

それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.クロスセル・アップセルを狙う

クロスセルでは、関連商品をリアルタイムで推薦し、顧客の購入体験を豊かにします。一方、アップセルでは、既存顧客に高品質または高機能の商品を提案し、顧客単価の増加につなげます。

効果的なクロスセル・アップセルの実施には、顧客の行動や購買傾向を分析するEC分析ツールの活用が不可欠です。これにより、顧客ごとに最適な商品を提案し、販売機会の最大化が可能になります。

2.送料無料バーを設定する

客単価アップのためには、「特定の金額以上で送料無料」という送料無料バーの設定が効果的です。この施策は、顧客に追加購入のインセンティブを提供し、結果的に客単価を高めます。

特定の金額から送料無料という特典を設定することで、顧客のなかで自然と「その金額まで商品を購入しないと損になる」という考えが生まれ、追加での商品購入を促すことが可能です。

このような送料無料の閾値を決定する際には、売上額、訪問数、購入率などの要素を考慮するようにしてください。たとえば、安価な商品を扱うサイトで過度に高い閾値を設定すると、顧客が購入を躊躇う可能性があるため、実現可能かつ効果的な金額設定が求められます。

3.キャンペーンを実施する

キャンペーンは顧客の関心を引き、既存のロイヤリティを高めるだけでなく、顧客生涯価値(LTV)の向上にも寄与します。代表的なキャンペーン施策が以下のとおりです。

キャンペーン施策具体例
送料無料キャンペーン一定金額以上の商品を購入した際、送料が無料
期間限定セール季節・イベント・行事などと紐付けた商品の割引セールの実施
クーポン配布キャンペーンルマガやチャットを通じて、商品が割引されるクーポンの配布や店舗独自のポイントを配布
SNS連動キャンペーン公式アカウントのフォロー・投稿のシェア・ハッシュタグを付けた投稿などをしたユーザーにプレゼントを配布

特にECサイトでは、送料無料や商品割引のような直接的な価値を提供するキャンペーンが一般的で、顧客の購入率やリピート率を高める効果があります。また、ブランドの認知度を上げたい場合、SNSと連動したキャンペーンが有効です。

4.セット販売を取り入れる

セット販売は、関連性の高い商品をまとめてセットとして販売する方法です。たとえば、防災グッズのセットやシャンプー、コンディショナー、トリートメントの一式をパッケージ化したものなどがあります。

セット販売は、単品で購入するよりも手軽であるため、顧客にとっても魅力的です。また、限定的なおまけを加えることで、さらに購買意欲を刺激できます。

5.顧客ロイヤリティを向上させる

ロイヤリティの高い顧客は、繰り返し商品を購入し、客単価の向上に寄与するため、丁寧なアフターケアや適切なリテンション戦略の実施が効果的です。

これらには、顧客に感謝の意を示すサンキューメールの送信や製品の使用方法、メンテナンス情報の提供、特別なプロモーションやイベントの案内などが含まれます。

また、顧客の声を聞き、サービスや商品の改善に活かすことにより、顧客は自分の意見が反映されていると感じ、ブランドへの愛着を深めます。

ECサイトの売上を伸ばすためのよくある3つの質問

最後に、ECサイトの売上を伸ばすためのよくある質問について解説します。

  • 質問1.ECサイトの売上平均額は?
  • 質問2.ECサイトでリピーターを増やすには?
  • 質問3.ECサイトの売上分析方法は?

それぞれについて詳しくみていきましょう。

質問1.ECサイトの売上平均額は?

ECサイトの平均売上額に関しては、調査によって異なるものの、一般的には約10万円から15万円程度とされています。また、月間売上が30万円未満のネットショップが全体の50%以上を占めており、月商100万円以上を達成しているショップは全体の10%程度です。

多くのネットショップ運営者は趣味を兼ねており、専業で事業展開している人は少ないため、売上に特に注力している運営者に限定した場合、平均売上は高くなる傾向にあります。

質問2.ECサイトでリピーターを増やすには?

ECサイトでリピーターを増やすためには、以下の施策が有効です。

  • リターゲティング広告の活用:購入者をターゲットにした広告配信で再訪を促す
  • メルマガ配信:定期的な情報提供で顧客との関係を維持
  • 購入情報に基づく商品推薦:個々の顧客に合った商品を提案
  • ポイントやクーポン制度:購入時の特典で再訪を誘う
  • SNSを利用した情報拡散:ブランドの魅力を多くの人に伝える
  • サンクスメールで個別の商品提案:購入後の感謝の気持ちを伝える
  • 手書きのカードや手紙を同封:個々の顧客への特別な配慮を示す

これらの施策は、長期的な顧客生涯価値(LTV)にも良い影響を与えます。特にメールマガジンやサンクスメールのような低コストで実施できる施策は、積極的に取り入れるのがおすすめです。

質問3.ECサイトの売上分析方法は?

ECサイトの売上分析には、主にGoogleアナリティクスとGoogle Search Consoleを活用します。これらのツールで分析できる主な内容は以下のとおりです。

  • サイト分析にはGoogleアナリティクスを活用する
    ユーザー属性や流入チャネル、サイト内行動、コンバージョンなどのデータを収集できる。また、eコマース設定でECサイト特有のアクセスデータも表示可能
  • キーワード分析はGoogle Search Consoleを活用する
    ランディングページごとの流入クエリの順位を把握し、どのキーワードが多くの訪問者を引き寄せているか判断する。その結果、各ページのSEO対策を改善し、流入数の増加を図る

まとめ

この記事では、ECサイトの売上を伸ばす方程式や訪問客数(UU)、購入率(CVR)、客単価をアップさせる施策について解説しました。

ECサイトの売上を伸ばすには、訪問客数(UU)や購入率(CVR)、客単価のそれぞれに対する効果的な施策の実施が欠かせません。この記事を参考に、それぞれに効果的な施策を取り入れ、ECサイトの売上向上を図ってみてください。

なお、ECサイトの売上アップにお困りの場合は、サポート実績が豊富にある弊社ジャグーまでお気軽にご相談ください。
ジャグー株式会社