「ECサイトでリスティング広告をはじめたいけど、何からはじめればいいんだろう?」と感じていませんか?

この記事では、ECサイトでリスティング広告を成功させるためのポイントと、見直す際のポイントを詳しく解説しています。ECサイト運営担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

ECサイトのリスティング広告とは?

リスティング広告は、検索エンジンでユーザーが入力したキーワードに基づいて表示される「ターゲット指向の広告」です。

ユーザーが特定のキーワードを検索すると、それに関連する商品やサービスの広告が表示され、効果的な訴求ができます。たとえば、「帽子 レディース」と検索したユーザーには、レディース帽子を販売するECサイトの広告が表示されます。

リスティング広告は、ユーザーの具体的なニーズに合わせた広告を提供できるため、製品やサービスの認知度を高めたり、購入に直接繋げたりすることが可能です。

なお、ECマーケティングについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
【担当者向け】ECマーケティングとは?今すぐ使える集客施策やリピート施策をわかりやすく紹介!

リスティング広告の掲載費用

リスティング広告の掲載費用には、以下の2つが挙げられます。

  • 料金体系
  • 費用相場

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。

1.料金体系

リスティング広告の料金体系は「クリック課金方式」に基づいています。この方式では、広告がクリックされるごとに費用が発生しますが、表示されただけでは費用はかかりません。

このシステムの大きな利点は、実際にユーザーが広告をクリックしてサイトにアクセスした場合のみ料金が発生するため、効果的な広告運用が可能である点です。

つまり、広告の表示回数に関わらず、実際のサイト訪問に対してのみ費用がかかるため、費用対効果の高い広告戦略を実現できます。

2.費用相場

リスティング広告の費用は出稿する商品やサービスによって大きく異なります。一般的には、多くの企業が月額20万円から50万円程度を投資していますが、大手企業の場合、月額数千万円から数億円に達することもあります。

また、少額の予算で運用しているケースも多く、月に1万円、1日数百円でリスティング広告を出稿することも可能です。

リスティング広告のクリック単価は、ターゲットとするキーワードによって変動し、一般的には一回のクリックにつき数十円から数百円が相場になります。人気のあるキーワードはクリック単価が高くなる傾向にあるため注意が必要です。

ECサイトとリスティング広告の相性が良い2つの理由

ECサイトとリスティング広告の相性が良い理由には、以下の2つが挙げられます。

  • 商材とユーザーのニーズが合致しやすい
  • 検索結果に溶け込みやすい

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。

1.商材とユーザーのニーズが合致しやすい

ECサイトのリスティング広告は、ユーザーのニーズとECサイトが提供する商材が一致しやすい点が強みです。広告のキーワードをECサイトで扱う商品に合わせて設定することにより、その商品を求めているユーザーに直接アプローチできます。

この方法は、特定の商品を探している潜在顧客に対して効果的です。彼らは購入意欲が高いため、リスティング広告を通じた訴求がECサイトのトラフィックや販売促進につながる可能性が高くなります。

2.検索結果に溶け込みやすい

リスティング広告は、検索結果ページに自然に溶け込む特性を持っています。広告であることを示す「広告」アイコンが付いてはいますが、内容が検索結果と類似していれば、広告としての目立ちすぎを避けて自然な形で表示が可能です。

ECサイトでリスティング広告を利用する場合、選んだキーワードによって、ほかの検索結果に紛れてECサイトや通販ページが表示されることが多くなります。このため、リスティング広告は、過度に宣伝的でない自然な形での効率的なプロモーションができます。

ECサイトでリスティング広告運用を成功させるための7つのポイント

ECサイトでリスティング広告運用を成功させるためのポイントには、以下の7つが挙げられます。

  • ターゲットを定める
  • キーワード挿入機能を活用する
  • 除外するキーワードを設定する
  • 決済方法を見直す
  • 広告表示オプションを設定する
  • 商品のジャンルで広告グループを分ける
  • 質の良いコンテンツを作る

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。

1.ターゲットを定める

リスティング広告において、ターゲットの明確化は非常に重要です。リスティング広告はクリックごとに費用が発生するため、非ターゲット層のクリックは避ける必要があります。

ターゲットを特定するためには、ペルソナの設定をしてみてください。ペルソナとは、商品を購入する可能性の高い架空の人物像を作成することで、その人物の性別、心理、行動パターンなどを詳細に把握できます。

このようにターゲットを絞り込むことで、リスティング広告は効果的に顧客層にアプローチすることが可能です。広告の無駄遣いを防ぎつつ、コンバージョン率を高めることがコスト効率と成果の両面で効果的です。

2.キーワード挿入機能を活用する

リスティング広告のキーワード挿入機能は、検索者が使用したキーワードを広告文に自動で挿入する便利な機能です。たとえば、ユーザーが「ジャケット」を検索した場合、広告見出しに「ジャケットを買うなら」と自動表示されます。検索キーワードが長い場合は、デフォルトの語句が使用されます。

この機能を使うメリットは、広告文にユーザーの検索キーワードが含まれることでクリック率が上がる点です。ユーザーは自分の検索意図に沿った広告を見ることで、必要な情報があると感じるためです。

ただし、ECサイトの場合、商品名やジャンルに複数の呼び名があったり、多様な商品が混在しているため、一般的な広告文では検索キーワードが反映されない可能性があります。

3.除外するキーワードを設定する

リスティング広告で特定の検索キーワードを除外するためには「除外キーワード」を設定します。この機能を活用することで、望まないキーワードに基づく広告表示を防げます。たとえば、「格安」というキーワードを除外設定すると、この語句を含む検索に対して広告は表示されません。

除外キーワードを設定する際には、以下のポイントを考慮すると効果的です。

キーワード
性別に関するキーワード男性女性
年齢に関するキーワード20代30代
世代に関するキーワード新卒1年目シルバー世代
価格感に関するキーワード安い、格安高い、高級
ネガティブな印象を与えるキーワード不良品汚れ壊れている
提供していないサービスに関するキーワード当日発送求人募集

上記のようなキーワードを除外することにより、リスティング広告の精度を高め、無駄な広告費の発生を防げます。

4.決済方法を見直す

ECサイトでの決済プロセスの簡素化は、顧客の購入完了率を高めるために重要です。多くのユーザーは、決済プロセスが複雑だと購入を諦める可能性があります。

実際に、ユーザーがフォーム入力を中断する主な理由としては、セキュリティへの不安が29%、フォームの長さが27%、広告や追加販売が11%、情報収集の目的が不明瞭であることが10%となっています。

長いフォーム入力はユーザーにとって記入が面倒であり、離脱の原因になります。そのため、決済手続きはできるだけ簡単かつスムーズなものにすることが重要です。

5.広告表示オプションを設定する

リスティング広告の効果を高めるためには、広告表示オプションの設定が有効です。これは、広告の下部に製品やサービスに関連する追加情報を表示する機能で、広告の視認性を高められます。

これにより、ユーザーが広告に気づきやすくなり、リンク先への訪問者数を増やすことが期待できます。ECサイトにおけるおすすめのオプションは以下のとおりです。

オプション内容
コールアウト表示オプション(テキスト補足オプション)商品やサービスの魅力を短文で伝えられる
サイトリンク表示オプション(クイックリンクオプション)リスティング広告の下に特定のリンクメニューを表示できる
プロモーション表示オプション割引やイベントといったプロモーション情報を記載できる
価格表示オプション商品名や価格、説明文を同時に記載できる
画像表示オプション商品やサービスの魅力がわかる画像を表示させる

上記のオプションを活用することで、広告の魅力を最大限に引き出し、より多くの顧客を引きつけることが可能になります。

6.商品のジャンルで広告グループを分ける

リスティング広告での効果的な広告グループの分け方はECサイトの運営において重要です。たとえば、「洋服」でグループ分けをする際には、「シャツ」「ジャケット」「ズボン」のようにジャンルが大きすぎる分け方はおすすめできません。

「Tシャツ(部分一致)」「シャツ(フレーズ一致)」「シャツ おすすめ(部分一致)」などのように分類することで、ユーザーの検索ニーズに合わせた広告を表示できます。

ただし、広告グループを細分化しすぎると、自動入札機能の効果が低下するリスクがあります。コンバージョンの分散が原因で、自動入札機能が適切に機能しなくなる可能性があるためです。

理想的な広告グループの分け方は、1広告グループあたり週に20回のコンバージョンを目安に設定してください。

7.質の良いコンテンツを作る

ECサイトにおいて、質の高いコンテンツ作りは欠かせません。コンテンツには商品紹介ページ、レビューや口コミ、企業情報、ヘルプページなどが含まれ、これらはユーザーがサイトを信頼するための重要な要素です。

さらに、レビューを充実させることも大切です。レビューは「ウィンザー効果」と呼ばれる心理現象を利用し、他人の意見や感想が購入決定に大きな影響を与えます。高評価のレビューは商品やサービスへの信頼性を高め、購入促進につながります。

一方で、低評価のレビューには注意が必要です。サービスの質を継続的に見直し、高品質のコンテンツを作ってユーザーの期待に応えることが重要です。

ECサイトでリスティング広告を見直す際の3つのステップ

ECサイトでリスティング広告を見直す際には、以下の3ステップが挙げられます。

  • ステップ1.顧客データや商品特性をしっかり把握する
  • ステップ2.キーワード広告に固執しない
  • ステップ3.明確なKPIを設計する

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。

ステップ1.顧客データや商品特性をしっかり把握する

ECサイトのリスティング広告を最適化するためには、まず購入者データと商品の特性について深く理解することが重要です。具体的には、顧客が使用するデバイスの割合や、自社商品の独自の特徴や強みを把握する必要があります。

これらの情報は、外部の専門家に対して効果的な広告戦略を立てるための基盤です。階層設計の意図やターゲットとなるユーザーの詳細なプロフィールを伝えることで、より精度の高い、カスタマイズされたリスティング広告の提案を受けられます。

ステップ2.キーワード広告に固執しない

ネットの普及が一定の段階に達しており、今後の利用者数の大幅な増加は見込みにくい現状を考慮すると、リスティング広告だけに依存する戦略は見直す必要があります。

リターゲティング広告を活用することも効果的です。また、Yahoo!やGoogleなどの主要な広告事業者は、キーワード広告からディスプレイ広告へのシフトを進めています。ディスプレイ広告への注力は、一般キーワード広告よりもコストを抑えられる可能性があります。

ステップ3.明確なKPIを設計する

リスティング広告の運用においては、広告全体のパフォーマンスだけでなく、目指すユーザーのセグメントごとに具体的なKPI(重要業績評価指標)を設定することが重要です。

とくに、ブランド関連のキーワードと一般キーワードにおける獲得単価の追跡は必須です。これにより、他のプロモーション施策がブランドキーワードの流入に与える影響を把握し、一般キーワードへの投資や他の施策への資源配分を適切に調整できます。

ECサイトのリスティング広告でよくある3つの質問

ECサイトのリスティング広告でよくある質問には、以下の3つが挙げられます。

  • 質問1.リスティング広告のメリットは?
  • 質問2.リスティング広告のデメリットは?
  • 質問3.楽天市場のRPP広告とは?

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。

質問1.リスティング広告のメリットは?

リスティング広告は、検索エンジンでユーザーがキーワードを入力した際に表示される広告で、多くのメリットがあります。以下はその一例です。

  • 低予算から始められる
  • 狙ったターゲットにアプローチできる
  • すぐに掲載できて効果につながるのが早い
  • リアルタイムで効果を把握(効果的な運用ができる)

上記のようなメリットにより、広告の費用対効果を最適化し、ビジネスの成果を向上させることが可能です。

質問2.リスティング広告のデメリットは?

リスティング広告の使用には、いくつかのデメリットが存在します。以下はその一例です。

  • 認知拡大やブランディングには向かない
  • 運用コストが継続的に発生する
  • 運用の手間がかかる

まず、リスティング広告は製品の認知拡大やブランディングには不向きです。これは、リスティング広告がユーザーが特定のキーワードを検索した時にのみ表示されるため、未知の製品やサービスについての認知度を高めることが困難であるためです。

また、運用コストや手間などはどの広告運営にも発生します。外部委託なども検討しながら、メリットとデメリット両面で運用すべきかどうか検討してください。

質問3.楽天市場のRPP広告とは?

楽天市場のRPP広告は、楽天市場内での検索結果上位に表示される検索連動型広告です。これはGoogleのリスティング広告と同様の機能を持っており、楽天市場内で特定のキーワードによる検索をした際に関連商品の広告が表示されます。

RPP広告は楽天市場内の主要な場所に表示され、具体的には以下の3つのエリアに掲載されることが多くなります。

  • 楽天内の検索結果ページ
  • カテゴリーページからの推移結果
  • 楽天市場のトップページ

これらの広告を利用することで、楽天市場内での商品のアクセス数を増やすことが可能です。

なお、楽天のRPP広告については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【初心者向け】楽天RPP広告とは?RPP広告の特徴やメリット・デメリットについてわかりやすく解説!

まとめ

ECサイトでリスティング広告を成功させるためのポイントと見直す際のポイントをご紹介しました。ECサイトとリスティング広告は相性もよく、自然な形で検索結果に溶け込んでくれます。

一方で、成功させるためのポイントを知っておかないと、広告費ばかりがかさんで結果がついてこない可能性が高まります。この記事を参考にして、ECサイトのリスティング広告の費用対効果を最大化してください。

しかし、リスティング広告はやみくもに実行しても思ったような効果が出ません。リスティング広告を成功させたい、自社の売上を伸ばしたいとお考えの方は、ぜひ一度、広告運営で実績豊富の弊社ジャグーまでお気軽にご相談ください。
ジャグー株式会社