「ECサイトを立ち上げたいけど、具体的なことがわからない」「ECサイトが上手く運用できない」このような課題を抱える方は少なくありません。

これらの課題を解決するには、EC戦略を立てることが必要です。

この記事では、EC戦略を立てるうえで基本的な考え方から具体的な施策、フレームワークまで解説します。

ECサイトの運用に課題を抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

ECサイトの戦略における基本的な考え方

 ECサイトの戦略における基本的な考え方には、以下の3つが挙げられます。

  1. 売上の算出方法
  2. ベースの戦略を決める
  3. 競合サイトを分析する

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

売上の算出方法

ECサイトの売上を算出するには、以下の3つの要素が影響します。

  • 集客人数
  • 購入率
  • 客単価

また、下記の式へそれぞれの数値を代入することによってECサイトの売上を算出することが可能です。

  • ECサイトの売上=集客人数×購入率×客単価

多くのユーザーを獲得することによって注文数も増えます。また、購入率を高めることによって、同じアクセス数だとしても効率的に売り上げを伸ばすことが可能です。

以下の記事では、客単価を上げる施策について解説しているため、ぜひあわせてご覧ください。

【担当者必見】客単価を上げる施策7選|意識すべき理由や売上をアップさせる方法について徹底解説!

ベースの戦略を決める

ベースとなる戦略を決めることも重要です。まずはしっかりと進むべき方向性を定めることが求められます。

そのために把握すべきことは、自社が市場に対して提供している価値です。マーケティングでは、ターゲティングとポジショニングを明確にすることが挙げられます。

ターゲティングとは、自社の主な顧客となることを想定することです。また、ポジショニングは、想定顧客に対して、どのような価値を提供できるかを表しています。

それぞれの解像度が高ければ、売上を伸ばすために着手すべきことが見えるようになります。

競合サイトを分析する

自社のEC戦略を見極めるには、競合サイトの分析も重要です。

競合サイトが扱っている商品・サービスや集客施策、他社との違いを明確にすることによって、差別化戦略を立てやすくなります。

また、競合サイトがシェアを獲得しているような場合、似ている戦略を取るだけでは、効果を期待できないおそれもあります。

この場合、違った方向性でアピールすることによって、潜在層の顧客獲得を期待できるかもしれません。

そのため、競合サイトを分析したうえで、戦略を構築することがシェアを伸ばす第一歩です。

ECサイト運営を成功に導く9つのマーケティング戦略

ECサイト運営を成功に導くマーケティング戦略には、以下の9つが挙げられます。

  1. 複数モールに出店する
  2. 実店舗とECサイトを連携してオムニチャネル化する
  3. アプリを導入する
  4. 海外の顧客にも販売する
  5. SNSを活用する
  6. コンテンツマーケティングに取り組む
  7. 顧客体験を向上させる
  8. マーケティング活動を自動化する
  9. リピーターを獲得する

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

1.複数モールに出店する

売上を最大化するには、顧客との接点を増やすことが重要です。そのひとつとして複数のモールに出店することが挙げられます。

国内であれば、楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングの3つです。これらは認知度もあり、直接モール内から探すユーザーも少なくありません。

しかし、すべてのモールに出店することによって多くのコストを投じなければならない点に注意が必要です。

2.実店舗とECサイトを連携してオムニチャネル化する

実店舗とECサイトを連携させることを「オムニチャネル化」と呼びます。これは、顧客を囲い込むことに効果がある施策です。

オムニチャネル化することによって、商品や顧客のデータを幅広く活用し、単体ではできないサービス展開を望めます。

このことによって、顧客満足度の向上につながり、いずれ固定顧客を増やすことが可能です。

3.アプリを導入する

スマートフォンの普及に伴い、検索エンジンを経由して購入する人は減少傾向にあります。これは調査によっても明らかとなっており、スマートフォンユーザーの1日の利用時間は、以下の通りです。

  • アプリ:1時間28分
  • ブラウザ:23分

また、スマートフォンユーザーは、多くの時間をアプリに費やしています。そのため、アプリの開発・導入を実行することによって、効率よく集客やリピーターを獲得することが期待できます。

参考:スマホアプリ利用時間の約35%はコミュニケーションで消費、1位は「LINE」~ ニールセン、スマートフォンアプリの利用状況を発表~ | ニュースリリース

4.海外の顧客にも販売する

海外の顧客を対象とした越境ECは、顧客層を増やすことによって商圏を広げることが可能です。

また、越境ECであれば実店舗を海外へ出店するよりも、低コスト・低リスクで商品やサービスを販売できます。

出店対象となる国の法律などに理解を深める必要はありますが、海外顧客を獲得できれば、大きく売上を伸ばすことが期待できます。

5.SNSを活用する

SNS広告は、LINEやInstagram、Twitterなどに表示される広告です。こちらの特徴は、ターゲティング精度の高さが挙げられます。

ユーザーが登録している年齢や性別、職業などの情報や、行動データを元にしたターゲティングが可能です。

そのため、リスティング広告ではアプローチが難しい層との接点を持てることがメリットだといえます。

なお、以下の記事では集客に活動できるSNSについて解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

ECサイトの集客に活用できるSNS7選|運用のポイントや活用する際の注意点を詳しく解説します!

6.コンテンツマーケティングに取り組む

コンテンツマーケティングは、潜在層も含めたあらゆるユーザーを対象にあらゆるコンテンツを提供してファン化を目指す施策です。

高品質なコンテンツを提供し続けることにより、認知獲得や購買意欲の向上、ファン化の促進を目指せます。

しかし、コンテンツマーケティングの効果を得るまでには、長い時間を必要とするため、中長期的な視点から取り組むことが重要です。

7.顧客体験を向上させる

顧客体験を向上させることによって「次回以降も使いたい」と思ってもらえるようになります。繰り返し利用してくれる常連を獲得することによって、サイトは大きなメリットを得ることが可能です。

顧客体験を向上させるには、ユーザー目線を持ってサイトを改善し続けることが挙げられます。そのため、どのような機能やサービスがあれば快適に利用できるのかを考えて、反映させるように心がけることが重要です。

8.マーケティング活動を自動化する

ECサイトの運用には、あらゆる工程が必要です。しかし、MA(マーケティングオートメーション)を導入することによって、一部の作業を自動的に行ってくれます。

自動化できる仕事を具体的に挙げると、以下の通りです。

  • 顧客リスト管理
  • メール配信
  • ユーザー分析

マーケティングオートメーションを導入することによって、運用が楽になり、これまで取り込めきれなかった顧客の獲得やあらゆる作業の効率化を期待できます。

9.リピーターを獲得する

初回購入した顧客に対しては、リピーターになるように促すことが重要です。具体的な施策には、以下のようなものが挙げられます。

  1. 会員登録を促す
  2. メルマガを送る
  3. SNSへ誘導する
  4. 手書きメッセージを同梱する
  5. UIを徹底的に改善する

ECサイトでリピーターを獲得するのは容易なことではありません。しかし、ファン化を目指すことによって、リピート購入を促すことが期待できます。

適切なEC戦略を立案する際に役立つ3つのフレームワーク

適切なEC戦略を立案する際に役立つフレームワークは、以下の3つが挙げられます。

  1. SWOT分析
  2. 4P / 4C分析
  3. STP分析

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

1.SWOT分析

SWOT分析は、ビジネスの強みと弱みを洗い出し、取り組むべきテーマを策定するのに役立つフレームワークです。以下の4つの軸に分布して分析を行います。

  • 自社の強み
  • 自社の弱み
  • 顧客・市場の機会
  • 競合の脅威

SWOT分析を実施することによって、内部要因と外部要因の両面から見られるため、自社の立ち位置を客観的に見ることが可能です。

2.4P / 4C分析

4P分析は、商品を提供する側の視点から見るフレームワークです。以下の項目から自社の特徴を把握することに役立ちます。

  • Product(商品)
  • Price(価格)
  • Place(流通)
  • Promotion(販売促進)

また、4C分析購入する顧客視点から見たフレームワークです。以下の項目からターゲットから自社がどのように見えているのかを把握します。

  • Customer Value(顧客価値)
  • Cost(顧客にとっての経費)
  • Convenience(顧客の利便性)
  • Communication(顧客とのコミュニケーション)

これらの分析を組み合わせることによって、自社が向かうべき方向性を検討し、より詳細に分析することが可能です。

3.STP分析

STP分析とは、市場を取り巻く環境の全体像を把握し、狙うべきターゲットや競合他社との位置関係を明確にする手法です。以下の3つの視点から分析を行います。

  • セグメンテーション
  • ターゲティング
  • ポジショニング 

STP分析を実施する際、自社がストックしているデータやアンケート結果、統計情報などを利用してください。

客観的なデータを用いることによって、他者から見ても理解しやすい分析結果を求めやすくなります。

ECサイトの戦略でよくある3つの質問

ECサイトの戦略でよくある質問には、以下の3つが挙げられます。

  1. 質問1.EC事業の始め方は?
  2. 質問2.EC業界の課題は?
  3. 質問3.EC業界のメリットは?

ここではそれぞれの質問について解説しますので、詳しく見ていきましょう。

質問1.EC事業の始め方は?

EC事業を始めるには、以下の6つのステップを踏む必要があります。

  1. 自社で扱う商品や商材を選定する
  2. 競合他社を調査する
  3. 事業計画を立てる
  4. 販売チャネルを選定する
  5. 自社ブランドを固める
  6. 集客対策を検討する

社内ですべて賄えればよいかもしれませんが、ノウハウや知識が不足していると成功する確率はさがってしまいます。そのような場合、楽天市場の店舗支援実績が豊富なジャグーへ相談してみてはいかがでしょうか。商材選定から分析まで幅広い準備に対応することが可能です。⇒ジャグー株式会社

質問2.EC業界の課題は?

EC業界における課題のトップ3に挙げられるのは、以下の通りです。

  1. 集客(56.3%)
  2. リピート購入(40.0%)
  3. 客単価が上がらない(26.3%)

いずれも売上を左右する重要な要素だといえます。

さらに、初回購入や顧客分析ができていないことなども課題となっており、いずれもCRM領域に何らかの施策を施すことが求められます。

質問3.EC業界のメリットは?

ECサイトのメリットは、営業時間に縛られることがなく、24時間いつでも商品を販売できることです。そのため、販売機会を増やすこととなり、売上向上が期待できます。

また、実店舗だと商圏にも限りはありますが、ECサイトであれば国内に留まらず海外へも販売することが可能です。

これらのように時間的・物理的な制約が少ないことは大きなメリットだといえます。

まとめ

EC戦略に関することを解説しました。ECサイトを成功させるには、きちんとした戦略の元に運営していかなければなりません。効果的な施策を実施することによって、着実に実績を積み上げることが可能です。

しかし、適切なEC戦略を構築するには、経験とノウハウが求められます。社内にそのようなリソースがない場合、楽天市場のコンサルティングに強みがある外注業者へ相談してみてはいかがでしょうか。
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