ECサイトの集客にSNSの活用は欠かせません。しかし、どのようにソーシャルメディアを効果的に運用すれば良いのか悩んでいる方もおられるのではないでしょうか。
そこで、本記事では、ECサイトの集客にSNSが重要な理由やECサイトの集客に活用できるSNS7選、効果的なSNS運用のポイントについて解説しています。また、集客にSNSを活用する際の注意点についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
ECサイトの集客にSNSが重要な3つの理由
まず、ECサイトの集客にSNSが重要な理由を解説します。
- SNS利用者が多い
- 顧客とのコミュニケーションに活用できる
- 拡散性が高い
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.SNS利用者が多い
2022年5月に総務省が発表した『令和3年通信利用動向調査の結果』によれば、SNSの利用者数は2021年から2022年にかけて、ほぼすべての年齢層で増加しています。特に13〜39歳の層では、利用者が約90%に達し、SNSの普及が顕著です。
これはECサイトの運営者にとって重要な情報であり、SNSを利用して、多様な年齢層の消費者にリーチする機会が広がっています。現在、SNSが多くの人々の日常に溶け込んでおり、そのプラットフォームの活用は、見込み客に効果的にアプローチし、集客を促進するための重要な戦略といえます。
2.顧客とのコミュニケーションに活用できる
企業と顧客間の直接的なやり取りの場は限られていますが、SNSを使えば、投稿やメッセージ機能を通じて容易にコミュニケーションが可能です。また、顧客の率直な意見や反応を見ることができ、製品やサービスの改善につながります。
このように、SNSを通じた効果的なコミュニケーションにより、顧客のロイヤリティを高め、長期的な関係を築けます。
3.拡散性が高い
SNSの拡散性は、ECサイトの集客戦略において非常に重要です。ユーザーが「いいね」や「再投稿」、「シェア」することで、ブランドや商品の情報は瞬時に拡散されます。
これにより、従来はリーチできなかった新たな顧客層にもアピールが可能になります。また、SNSを通じて新しい情報を発信できるため、タイムリーなプロモーションが可能です。
さらに、情報の共有が簡単である点も大きなメリットです。これらの特性を生かしてSNSを適切に活用すれば、効率的かつ効果的な販売促進や集客が実現します。
ECサイトの集客に活用できるSNS7選
次に、ECサイトの集客に活用できるSNSを紹介します。それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.Instagram
Instagramは、主に写真や動画を用いたコンテンツで、商品の魅力を視覚的に伝えられます。また、ハッシュタグの活用により、興味を持つ特定のユーザーに簡単にリーチできるのも大きなメリットです。
さらに、ショッピング機能により、ユーザーを直接ECサイトに誘導できるため、集客効果が高く、アパレルや食品、家具・雑貨などの視覚的に魅力的な商材では特に効果的です。
ただし、ソリューションや機能型サービスの場合は、投稿コンテンツを作り込む必要があるため、コンテンツ制作に高いコストがかかる点を考慮する必要があります。
2.LINE
LINEは日本で最も多くのユーザーを有するSNSプラットフォームであり、10代から40代にわたる幅広い年齢層に利用されています。ほかのSNSと比べて拡散性は低いものの、情報を求めるユーザーにとってはアクセスしやすく、すでに関心を持っているファンのエンゲージメントを深めるのに適しています。
また、ECサイト運営者は、LINEを活用してほかのSNSで獲得したファンをさらに優良な顧客へと育て上げることも可能です。さらに、初期費用や維持費用が無料で、直接的なコミュニケーションが取りやすい点も魅力といえます。
3.X(旧Twitter)
X(旧Twitter)はテキスト中心のSNSで、ユーザーとの活発なコミュニケーションが可能です。リプライやリツイート、いいねにより、ECサイトへの集客効果を高めます。
フォロワー増加のためには、信頼性のあるプロフィールの提示や適切なタイミングでのツイート、フォロワーへの積極的な対応、影響力のあるアカウントへのメンションが効果的です。これらを通じて、より多くのユーザーにアプローチし、関心のあるフォロワーとの交流を促進できます。
ECサイトの公式アカウント運用では、ユーザーにとって有益な情報を優先的に提供し、関係のない個人的内容や内輪の情報は避けましょう。ユーザーへの価値の提供が、ECサイトの集客にとって最も重要なポイントです。
4.TikTok
TikTokは10代の学生を中心に、30〜40代の利用者も増えている幅広い世代に人気のプラットフォームです。主に動画の投稿が中心で、面白くて視聴率が高い内容は拡散されやすく、これが購買行動へとつながります。
また、広告としての活用も可能ですが、ほかのSNSと比較してその効果が見えにくい場合があるため、戦略を練る際にはその点を理解しておきましょう。特に、ライブコマースとの相性が良く、リアルタイムでの商品紹介や販売が効果的に実施できます。
5.Facebook
Facebookは、比較的年齢層が高いユーザーに人気のSNSで、長文投稿が可能な点が最大の特徴です。そのため、製品やサービスの詳細情報を発信でき、丁寧な説明文と写真を組み合わせて、商品の魅力を効果的に伝えられます。
また、コメントやメッセンジャー機能により、ユーザーとの双方向のコミュニケーションを促進し、関係性を深められます。若者層の利用は限定的ですが、20代以上の幅広いユーザー層へリーチができるため、ECサイトの集客において中長期的な施策として有効です。
6.YouTube
YouTubeは多世代にわたる人気の高い動画投稿プラットフォームです。商品やサービスの紹介動画を通じて購買行動に至るユーザーも多いため、ECサイトの売上げに大きく寄与する可能性があります。
自社で作成した動画を投稿することはもちろん、動画広告を出稿したり、インフルエンサーやユーチューバーに商品やサービスの宣伝を依頼するなど、さまざまな方法でYouTubeの活用が可能です。
特にインフルエンサーやユーチューバーとの連携は、ターゲットとなる顧客層に効果的にアプローチするための効果的な手段です。YouTubeの活用は、幅広い年齢層にリーチし、集客を強化するための重要な戦略であるといえます。
7.Pinterest
Pinterestは、写真や画像を専用ボードにピン留めして共有する機能が特徴のプラットフォームです。特にミレニアル世代(1980〜1990年中頃に生まれた世代)の女性ユーザーが多く、ファッションや料理などのジャンルで高い効果を発揮します。
また、最近では男性利用者も増加しており、マネーや投資などの新たなジャンルにも関心が広がっています。国内では、ほかのSNSに比べて普及率が低いため、競合との差別化を図ることが可能です。
ECサイトにおける効果的なSNS運用のポイントは4つ
次に、ECサイトにおける効果的なSNS運用のポイントについて解説します。
- インフルエンサー
- SNS広告
- ライブコマース
- UGC
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.インフルエンサー
SNSプラットフォームにおいて、影響力を持つインフルエンサーを活用できると、商品の認知拡大や購買行動の促進に効果的です。インフルエンサーのフォロワーは、意見や体験を高く評価し、それが直接的な購買行動につながります。
インフルエンサーを活用する場合は、自社製品やサービスにマッチするインフルエンサーを選ぶことが重要で、その人物のフォロワー層や興味関心が自社のターゲット市場と重なるかどうかを考慮する必要があります。
このように戦略的にインフルエンサーを活用することで、ECサイトの商品認知拡大や集客効果の最大化が可能です。
2.SNS広告
SNS広告の単価は一般的に数百円単位のものが多く、マス広告よりも手軽にはじめられるメリットがあります。また、SNS広告の特徴はユーザーの自然な投稿に溶け込むようなデザインが多く、これにより、広告への抵抗感が緩和され、自然に受け入れられやすくなります。
また、SNSプラットフォームに蓄積されたユーザーデータの活用によって、ターゲットとする顧客層に精度の高いアプローチが可能です。さらに年齢や性別、興味関心、行動履歴などのデータに基づいて広告をカスタマイズすれば、より効果的な広告展開が可能になります。
なお、SNS広告については、こちらの記事で詳しく解説しています。
⇒ECサイトの売上アップにつながるSNS広告活用事例7選|メリットやSNSマーケティング活用法を徹底解説!
3.ライブコマース
ライブコマースは、インターネットを通じた実演販売の形式で、視聴者とリアルタイムでコミュニケーションを取りながら商品やサービスを紹介できます。この方法では、視聴者が気軽に質問できるため、購買行動に直接結びつく場合が多いです。
TikTok、Instagram、YouTubeなどのライブ配信機能を持つSNSプラットフォームを活用すれば、ライブコマースはさらに効果的になります。また、リアルタイムの相互作用が可能で、製品の特徴や利用方法を直接視聴者に伝えられるため、ECサイトの集客に寄与する可能性が高まります。
4.UGC
UGC(User Generated Content)は、ユーザーが自ら作成したコンテンツのことを指し、SNSの投稿、ブログ、口コミ、レビューなどが含まれます。ECサイトにおける効果的なSNS運用では、UGCの積極的な活用が重要です。
UGCの発生をただ待つのではなく、キャンペーンやコンテストを通じてユーザーによるコンテンツ作成を促すのが効果的です。ユーザーが自社製品を使用した写真や体験談を共有することで、信頼性と共感を生み出し、ほかの顧客の購買意欲を高めます。
ただし、UGCをマーケティング目的で使用する場合は、投稿者の許可を得ることが大切です。これにより、ユーザーとの信頼関係を保ちつつ、ECサイトのブランドイメージ向上につながります。
ECサイトの集客にSNSを活用する際の4つの注意点
次に、ECサイトの集客にSNSを活用する際の注意点について解説します。
- 効果がすぐには出ない
- 定期的な投稿が必要になる
- 適切なSNSを選ぶ
- 炎上に注意する
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.効果がすぐには出ない
SNSは多くの場合、無料で利用可能であり、長期的には大きな効果が期待できます。しかし、即効性を求めるのは現実的ではありません。
効果を実感するためには、継続的な投稿や運用が必要です。初期の段階で望む結果が得られなかったとしても、運用を中断せず、長期的な視点で取り組みましょう。
時間をかけてフォロワーやエンゲージメントを築くことができれば、最終的には目に見える成果を得られます。
2.定期的な投稿が必要になる
定期的な投稿はフォロワーへの露出機会を増やし、自社ブランドや商品の認知度を高めるために重要です。投稿頻度が高ければ高いほど、より多くのユーザーにリーチする機会が増えます。
そのため、最新の情報や商品紹介など、日常的に更新できる軽いコンテンツと、より精巧な内容のコンテンツを適切に組み合わせるのが効果的です。また、定期的な更新を維持するためには、計画的なコンテンツ戦略を策定し、継続的な投稿の実施が求められます。
このように、SNSを活用する際は、コンテンツの種類と投稿の頻度に注意を払い、計画的に運用することが集客の鍵となります。
3.適切なSNSを選ぶ
ECサイトでSNSを活用する際に、最も重要なのはターゲット層と親和性の高い適切なSNSを選ぶことです。さまざまなSNSが存在しますが、それぞれが異なるユーザー層を持っています。
たとえば、若年層をターゲットにする場合はInstagramやTikTokが適しているかもしれませんが、もっと幅広い年齢層を狙うならFacebookやYouTubeが適切です。
重要なのは、ターゲット層が多く利用しているSNSを選択することです。このためには、事前にSNSの利用者層(年齢や性別)に関する調査を実施し、自社製品やサービスに関心を持つ可能性が高い見込み客が多いSNSを選ぶようにしましょう。
4.炎上に注意する
SNSの拡散力は強力で、良い内容だけでなく不適切な投稿も瞬く間に広がります。企業がSNSで情報を発信する場合、誤解を招くような内容やコンプライアンスに反する投稿は、炎上の原因となるため注意しなければなりません。
炎上は企業イメージに大きなダメージを与えるため、慎重な投稿管理が必要です。担当者や関係者のコンプライアンス意識を高める研修の実施や投稿前の内容確認の徹底など、社内での炎上を防ぐ体制を整えましょう。
ECサイトのSNSでよくある3つの質問
最後に、ECサイトのSNSでよくある質問を紹介します。
- 質問1.ECサイト運営にSNSを活用するメリットとは?
- 質問2.ECサイトにおける集客の重要性とは?
- 質問3.SNSのユーザー数ランキングは?
それぞれについて詳しくみていきましょう。
質問1.ECサイト運営にSNSを活用するメリットとは?
ECサイトの運営にSNSを活用するメリットは多岐にわたります。主なメリットは以下のとおりです。
- 最新情報を自由に発信できる
SNSアカウントを運用し、自社の最新情報やプロモーションをタイムリーに発信できるため、顧客への直接的なアプローチができる
- コストパフォーマンスが高い
SNSは無料で利用できるため、低コストで広告や情報発信が実現できる
- ブランディングがしやすい
商品情報だけでなく、ブランドイメージや社会活動なども発信できるため、ブランドの認知度を高められる
質問2.ECサイトにおける集客の重要性とは?
ECサイトの運営では、集客の重要性は非常に高いです。売上は集客、客単価、購入率の三要素によって決まります。
客単価はセールやセット商品の販売などの工夫で向上でき、購入率はクロスセルやカート落ち防止策によって高めることが可能です。しかし、これらの努力も、サイトへの訪問者が少なければ効果を発揮しません。
つまり、多くの顧客をECサイトに引き付けること、すなわち集客が売上を伸ばすためには最も重要な要素です。集客の強化は、サイトへのトラフィック増加を意味し、直接売上向上につながります。
質問3.SNSのユーザー数ランキングは?
多くの媒体会社が公表しているデータと総務省の「令和4年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を基にしたランキングは、現在のSNSの利用状況を反映しています。
ただし、非上場企業や一部企業では国内ユーザー数の公開が行われていないため、完全な情報ではない可能性もあります。
順位 | SNS媒体名 | 国内ユーザー数 | 更新日 |
1 | LINE | 9,600万人 | 2023年9月 |
2 | YouTube | 7,120万人 | 2023年10月 |
3 | X(旧Twitter) | 4,500万人 | 2017年10月 |
4 | 3,300万人 | 2019年6月 | |
5 | 2,600万人 | 2019年3月 | |
6 | TikTok | 950万人 | 2019年2月 |
参考:令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 | 総務省
まとめ
この記事では、ECサイトの集客にSNSが重要な理由や集客に活用できるSNS、効果的な運用のポイント、SNSを活用する際の注意点について解説しました。
SNSは利用者も多く、拡散性に優れているため、ECサイトの集客には欠かせない存在です。しかし、選ぶSNSによってリーチできるターゲット層や向いている商材は異なるため、自社に合ったSNSを選択することが重要です。
ぜひ、この記事を参考にSNSでの集客を成功させてください。
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