「売上が伸びない」「どんな施策を打てばよいのかわからない」楽天市場でショップを運営しているとこのような課題に当たります。

その場合、各種ECモールの特徴や基本施策をおさらいすることが重要です。この記事では、楽天市場をはじめとするEC市場の現状や各種ECモールの特徴、売上を伸ばすための基本施策をご紹介します。

ショップ運営者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

EC市場における今後の見通し

現在、日本におけるEC市場は右肩上がりで成長を続けています。これからもサービスの多様化やデジタルシフト、労働力不足などの要因から規模は増大していくことが予想されています。

実際に経済産業省が公表している「BtoC-EC市場規模の経年推移」を見てみると、2013年に統計を取り始めてから僅か12年で市場規模は2倍にまで拡大しています。

また、新型コロナウィルスの影響からデジタル化が加速していることも、EC転換が推進されている背景のひとつです。

大手ECサイトの国内総売上順位

大手ECサイトの国内総売上順位をご紹介します。

1位.楽天

楽天の国内総売上額は5兆118億円です。日本におけるECの先駆的存在とされています。

楽天の特徴は、ECモールだけでなくカードやモバイル、銀行サービスなどとの連携です。あらゆる分野のサービスを提供することによって、会員を囲い込むことに成功しています。

会員は、楽天が提供しているあらゆるサービスを組み合わせることによって、効率的に楽天ポイントを貯めることが可能です。

このことから楽天経済圏とも呼ばれる枠組みの中で、ユーザーはあらゆる消費活動を行います。

2位.Amazon

Amazonの国内総売上額は2兆5,378億円です。マーケットプレイス型のECモールとして多くのユーザーが利用しています。

Amazonの特徴は、Primeサービスです。月間500円、年間4,900円(いずれも税込)で入会でき、配送料が無料・動画配信や書籍のサブスクリプションサービスを利用できるなど、あらゆるサービスを受けられます。

このようにお得感が大きなサービスをユーザーに提供することによって、顧客満足度を高めながら売上の向上につなげています。

また、アメリカではリアル店舗にAmazonのテクノロジーを活用した「Amazon GO」が展開されており、日本でもさらなるサービスの向上を期待できそうです。

3位.Yahoo!ショッピング

Yahoo!ショッピングの国内総売上額は1兆6,900億円です。楽天市場と同じくモール型ECサイトとして人気があります。

Yahoo!ショッピングの特徴は、高いポイント還元率です。一般会員でも最大5%、プレミアム会員であればさらに高いポイント還元を受けられます。

また、楽天・Amazonに勝つために拡大戦略が取られており、ZOZOの買収やLINEとの経営統合に踏み切り、サービス提供の幅を広げています。

楽天市場で売上を伸ばすための基本施策は4つ

楽天市場で売上を伸ばすための基本施策には、以下の4つが挙げられます。

  1. アクセス数を増やす
  2. 転換率を上げる
  3. 客単価を上げる
  4. リピーターを増やす

ここではそれぞれの基本施策の概要と具体的な対策について解説します。

1.アクセス数を増やす

売上を伸ばすには、まずショップサイトや商品ページへのアクセスを増やさなければなりません。そのために必要な対策は以下の2つです。

  1. 「商品名」での検索対策
  2. クリック率対策

ここではそれぞれの対策ごとに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

1-1.「商品名」での検索対策

楽天市場の検索ページで表示されるには、商品名にきっちりと対策を施すことが重要です。

楽天市場の商品名は127文字までの制限がありますが、スマホからは約25文字までしか表示されません。そのため、検索結果に表示させたい単語については、なるべく前半に盛り込むようにすることがポイントです。併せて、入力すべき項目には以下のようなものが挙げられます。

  • 商品名称:メーカー、ブランド、メーカー品番、商品名称
  • スペック:商品の長さや重さ、カラーなど
  • サジェストワード:キーワード入力と同時に自動表示される検索ワード(例:スニーカー メンズ・レディースなど)
  • 季節ワード:正月やお中元、クリスマスなどの季節ごとにあるイベント
  • 注目キーワード:楽天市場内でよく検索されているキーワード

商品名への対策は、アクセスを増やすための基本です。サジェストワードや季節ワード、注目キーワードをチェックして、適宜盛り込むように心がけてください。

1-2.クリック率対策

検索結果の上位に表示されるようになっても、サムネイルをクリックして商品ページへ誘導できなければ、アクセス数が増えることはありません。

クリック率を改善するには、ユーザーがアクションを起こしたくなるサムネイルを準備する必要があります。

クリックしたくなるサムネイルの特徴は、商品の基本情報に加えて、差別化ポイントやセール情報、ランキング獲得を一目で把握できるものです。

つまり「今、この商品を買いたい!」とユーザーに思わせられるサムネイルを選ぶようにするとクリック率を高められます。

2.転換率を上げる

転換率とは、アクセスしたユーザーが購入に至った比率のことを指す用語です。多くのユーザーからのアクセスを集めても、購入に至る人数を増やさなければ売上にはつながりません。転換率を上げるための対策は以下の2つです。

  1. 商品画像のカルーセルに対応する
  2. 特典を付与する

ここではそれぞれの対策ごとに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

2-1.商品画像のカルーセルに対応する

楽天市場に限らず、ECではユーザーは現物を見て購入する判断ができません。そのため、商品ページに掲載する画像でユーザーに安心感を与えながら、商品の詳細情報を伝えることが求められます。

たとえば、アパレルアイテムの商品画像の場合、アイテム単体の画像に加えて、モデルが着用した様子やカラーバリエーション、コーディネート例を複数に分けてカルーセル表示するようにしてください。

楽天市場では、スマホを経由して買い物をする人が多い傾向にあります。そのため、カルーセル表示に対応することによって、商品ページの見栄えをよくして離脱を予防する効果も見込めます。

2-2.特典を付与する

転換率を向上させるには、特典を付与することやセールイベントへ参加することが有効です。ユーザーが払う金額が安くなるほど、購入へのハードルが下がり、自然と転換率が向上します。

楽天市場の場合「お買い物マラソン」や「楽天スーパーSALE」などのセールイベントに合わせて特典を付与することによって、転換率向上が期待できます。

また、これらのセールイベントに参加することによって、ユーザーの気持ちを自然と買う気に向けられることもメリットです。

3.客単価を上げる

転換率を高められたとしても、1件あたりの単価が低ければ効率的に売上を伸ばしていくことは難しいままです。客単価を上げるには数多く購入したくなるような仕掛けが欠かせません。そのために取れる対策は以下の2つです。

  1. セット買い用のクーポンを発行する
  2. 送料無料バーを設定する

ここではそれぞれの対策ごとに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

3-1.セット買い用のクーポンを発行する

単価帯が安い商材を扱っている場合、複数個をセット買いすることによってお得になるクーポンを発行すると、客単価を上げる効果があります。

たとえば、1個あたり500円の商材を販売している場合、5個購入することで300円OFFになるクーポンを発行するような内容です。

この際「いくつセット買いすることでクーポンを発行するのか」ということが課題となります。これは現状の平均購入個数を参考にし、負担感がない個数を設定するようにしてみてください。

3-2.送料無料バーを設定する

送料無料となる価格設定を「送料無料閾値」や「送料無料バー」と呼びます。これは購買した金額だけではなく、送料無料の商品と一緒に購入した場合にはほかの商品も無料になる場合も含みます。

このように送料無料バーを設定することによって、クロスセルやまとめ買いにつながるため、客単価を上げるのに有効な施策のひとつです。

4.リピーターを増やす

楽天市場で安定した売上を獲得し続けるには、リピーターを増やすことが重要です。リピーターを増やすには、ショップのファンを育成することが求められます。リピーターを増やすための対策は以下の2つです。

  1. 同梱物を入れる
  2. メルマガ・SNSを活用する

ここではそれぞれの対策ごとに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

4-1.同梱物を入れる

リピーターを育成するには、商品だけではなく店舗自体を選んでもらうことを意識する必要があります。

ユーザーに「◯◯で買った」と印象付けるには、同梱物を初回購入時に入れることをおすすめします。同梱物や梱包の例を挙げると、以下の通りです。

  • 挨拶状
  • 商品チラシ
  • 商品カタログ
  • クーポンやサンプル商品
  • 梱包材への店舗名やロゴを記入する

4-2.メルマガ・SNSを活用する

メルマガやSNSを活用することによって、既存顧客にお得なセール情報やポイントアップキャンペーンを知らせることができます。

自社でのお得な商品や買い方を伝えることにより、リピーターを獲得できる確率を高めることが可能です。

メルマガについては、商品購入時にチェックを外せばメルマガ会員を獲得できます。しかし、購入した人のうちの2割程度しかメルマガ会員にならないことが実情です。

また、LINEの場合「登録者にクーポンを発行する」ことによって、登録ユーザーを増やすことができます。

効果的なメルマガの運用について以下の記事で解説しているため、あわせてご覧ください。

【2023年最新】楽天メルマガの効果を高める10のコツ|活用するメリットや注意点についても徹底解説!

楽天市場 売上でよくある3つの質問

楽天市場 売上についてよくある質問には、以下の3つが挙げられます。

  • 質問1.楽店市場の運営代行に依頼できる業務は何ですか?
  • 質問2.ネット販売の平均売上はいくらですか?
  • 質問3.楽天市場で売上の流通額が多いジャンルは?

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

質問1.楽店市場の運営代行に依頼できる業務は何ですか?

楽天市場の運営代行に依頼できる業務は、代行会社によって違いがあります。しかし、一般的には、以下の業務を依頼することが可能です。

  • 商品ページの作成
  • サイトの更新
  • 商品撮影
  • 在庫・物流管理
  • 受注管理
  • 広告運用

自社の業務フローのどの部分に課題があるのかを想定したうえで、相談すると無駄なく運営代行を利用できます。

また、楽天市場のショップ運営サポートに強みがあるジャグーに依頼すると、ショップの立ち上げから業務支援、自走できる状態までサポートを受けることが可能です。⇒ジャグー株式会社

質問2.ネット販売の平均売上はいくらですか?

ネットショップの平均売上は、約10万〜15万円程度だとされています。全体の半数以上は月間売上30万円以下、売上100万円以上のネットショップは全体の1割程度しか存在しません。

この数字を見ると、ECを専業にするのは難しいと感じてしまうかもしれませんが、商材やショップ規模に応じて売上は大きく異なります。この数値はあくまでもひとつの目安として、自分の裁量に応じた規模から始めることをおすすめします。

質問3.楽天市場で売上の流通額が多いジャンルは?

楽天市場で売上流通額がもっとも大きいのはファッション事業とされています。楽天ファッションの流通総額は1兆円を超え、2022年は前年同期比10%増と高い成長率を誇ります。

リーズナブルな価格帯のファッションアイテムに限らず、高額商品の取り扱いも盛んです。また、あらゆるファッションイベントのスポンサーとなることにより、メーカーなどの供給側の信頼も高まっており、高い成長率のまま推移していくことが予想されています。

まとめ

楽天市場で売上を伸ばすための施策や、各ECモールの特徴、推移について解説しました。楽天市場は、国内ECの先駆け的存在として多くのユーザーを獲得しています。正しいやり方で運営を行えば、大きな利益を得ることも可能です。

しかし、正しいやり方を身に付けるには多くの時間を必要とします。できるだけ短期間で実績を上げたい場合、豊富なノウハウと経験を持っているコンサルタントへ相談してみてはいかがでしょうか。

ジャグー株式会社では、1ヶ月先着10社に限り、無料でショップの現状分析レポートをお届けします。また、ショップの立ち上げから業務支援、自走できる状態まで経験豊富なスタッフがサポートします。⇒ジャグー株式会社