売上向上、新規顧客獲得のためにRPP広告を運用されている企業は数多くおられます。
そんな中でも特に多い悩みが以下になります。
- 広告効果が上がりにくい
- 調整方法が難しい
- レポートでどの数値を見て判断をすべきか分からない
今回は初心者の方でも分かりやすい記事にしましたので、これを読めばRPPに対しての攻略法が見えてくるはずです。
楽天RPP広告とは?
検索連動型広告(RPP)とは、販売中の商品が楽天市場内外の媒体に配信される広告です。
掲載された商品がクリックされた場合にのみ広告費が発生するクリック課金型広告です。(最低CPC単価10円~)
主な露出面は楽天市場内となり、以下の3か所へ掲載されることが多い傾向にあります。
①楽天内検索結果
②カテゴリーページからの推移結果
③楽天市場TOP
楽天でアクセスを増やすためには、検索順位を上げる事が必須になります。
RPP広告は意図的に商品を検索上位のRP欄に表示をさせて購入に繋げる事ができます。
RPP広告を利用する目的は主に2点あります。
目的①:RPP広告を通しての売上向上
目的②:RPP広告経由での売上向上に伴う自然検索の向上
楽天の検索順位ロジックは、公開はされていないものの弊社内での運用経験だと以下の数値が関係します。
- 商品ページの売上高
- 検索キーワード経由の商品ページ転換率
- 検索キーワードで表示された際のクリック率(CTR)
- レビュー評価数/評価点数
- 販売実績の期間(どれだけ長く売れ続けているか)
競合商品ページと比較した際に上記数値の「相対評価」によりキーワード毎の検索順位が決まります。
そのため、鶏と卵ではないですが、売れている商品が売れ続ける仕組みとなっています。
だからといって、後発組の商品が中々売れないのかというと、そうではありません。
現在売れていない商品(検索順位の低い商品)であっても、RPP広告を有効活用する事により、売上UPと自然検索向上が見込めます。
以下にRPP広告の基本と具体的な調整方法を説明します。
楽天RPP広告の4つの特徴
1.検索上位6以内に表示できる
RPP広告は、デバイスに応じて表示される数が異なります。
パソコンの検索結果の場合は、1ページの中で上位4位がRPP広告の掲載欄になります。
2ページ目になると更に上位4枠が表示され、検索結果4ページ目までは上位4位にRPP広告が表示されます。スマートフォンのブラウザもしくはアプリで楽天内検索をすると、1ページ目上位6枠がRPP広告の掲載欄です。
楽天市場では、購入者の約8割がスマートフォン経由だと言われているため、検索結果の上位6枠に表示される事で多くのクリックを集める事ができます。
2.クリック課金制
RPP広告の課金形態は、クリック課金制になります。
- 商品CPCの場合は最低10円~
- キーワードCPCの場合は最低40円~
にて設定が可能です。
※最新情報※
2023年10月31日(火)より、商品CPC/キーワードCPCの単価上限値が変更になります。
商品CPC単価:10円~10,000円
キーワードCPC単価:40円~10,000円
従来は1000円が上限単価でしたが、この変更によりRPPの上限単価が一気に高くなるため、設定ミスの無いようにする必要があります。
3.最低予算5000円から利用可能
RPP広告の最低予算は月額5000円から設定が可能です。
初めて設定する際は、どの程度消化がされるか不透明の為、少ない予算を設定して消化額をみながら都度予算を増やす調整方法をお勧めします。
注意点として、予算が設定額を消化してしまった場合、予算追加をしても配信再開まで数時間ほど時間を要する場合もあるため、1日の消化金額が掴めて来たらまとまった予算を設定する事をお勧めします。
4.検索商品と関連した広告を表示できる
RPP広告は、商品に設定するCPC(商品CPC)と、商品毎のキーワードに設定するCPC(キーワードCPC)の2種類があります。
キーワードCPCは、狙ったキーワードに対して露出をしたい場合に設定をします。
商品CPCは、露出商品に関連しそうなキーワードやユーザーの過去購入行動から楽天が自動で露出をしてくれるため、全く関係のない箇所への露出ではなく、検索結果と関連した商品として露出が可能です。
楽天RPP広告の3つのメリット
1.楽天が自動で出稿する商品を選んでくれる
RPP広告は、販売中の商品の中からユーザーの検索キーワードと関連性の高い商品(商品名や商品説明文に記載のあるキーワードを参照)を広告として掲載するため、購買意欲の高いユーザーに対して効果的にアプローチすることが可能です。
自社の商品の中で、どの商品が売れるのか、効果がいいのか分からないという段階においては、多くの商品を露出設定にした上で、効果の良い商品に絞りつつ運用をする事で効果を最大化する事もできます。
2.パフォーマンスレポートが活用できる
RPP広告では以下のレポートが閲覧可能です。
「コンバージョン種類」の表示項目に、12時間と720時間という2つの設定があります。
これは、RPPで露出されクリックされた後に、12時間以内に計測された数値と、720時間以内に計測された数値を分けて確認ができる項目です。
クリックされてから720時間(約1カ月)以内に購入まで繋がれば、広告の効果としては良かったと判断できるため、720時間の効果で見るケースが多くなっています。
3.商品ごとにキーワードとCPCが設定可能
RPP広告は商品ごとにキーワードを最大10個設定が可能です。
キーワードCPC単価は、上述した通り40円~1,000円(23年10月1日以降は上限10,000円)になります。
キーワードを設定すると、「目安CPC」という単価が表示されますが、これはキーワードで表示するために「目安CPC」以上の単価設定をすると上位露出がされやすいよ、という目安のクリック単価になります。
「目安CPC」は商品毎によって異なり、設定されるロジックは公開されておりませんが、概ね以下の要素が影響していると考えられます。
- 商品の販売実績
- 商品の設定キーワード経由の転換率
そのため、販売実績が少ない商品の場合は、目安CPCが高く表示されるケースが多いです。
なお、以下の記事ではキーワード選定のコツについて解説しているため、ぜひご覧ください。
⇒楽天市場で売れるキーワードを選定する4つの方法|商品名に入れる際のコツやおすすめツールもご紹介!
楽天RPP広告の2つのデメリット
1.利益率の低い商品は効果が薄い
RPP広告を活用する際は、商品毎の粗利金額を踏まえて調整をする必要があります。
ROASが良いからといって露出を続けると、蓋を開けたら利益が出ていなかった、といった失敗例もよく聞きます。
たとえば、以下のようなケースでRPPの設定をする場合の進め方をお伝えします。
商材:スマホケース
単価:2000円
原価:500円(原価率25%)
送料:200円
楽天手数料:200円(出店手数料+決済手数料を合計10%で計算)
上記の商材の場合、1個販売するにあたり約1100円の粗利が出る計算になります。(売上ー原価ー変動費)
このスマホケースをRPP広告に露出をして売上を上げたい場合に、以下の設定をしました。
商品CPC:40円
キーワードCPC
スマホケース:200円(目安CPC:300円)
スマホケース iPhone13pro:150円(目安CPC:200円)
商品の転換率が5%の場合、1件の購入を広告経由で発生させるのに以下の費用が発生します。
「スマホケース」のキーワードクリック経由での獲得単価:4000円
「スマホケース iPhone13pro」での獲得単価:3000円
この設定は正しい運用方法でしょうか?
目的が、自然検索を上げるために予算をあらかじめ決めて投資をする判断であれば問題ないですが、
そうではなく、経由の売上最大化と利益確保であれば、設定方法が誤っているという判断になります。
このように、RPP広告を活用する際は店舗全体での効果だけではなく、商品別/キーワード別で目的に沿った運用ができているかの細かな調整が必要になります。
逆に、粗利額の高い(原価率の低い)商品の場合は、1件あたりの獲得コストがある程度高いため、
RPPに積極投資をすべきという判断になります。
2.競合他社が多い
検索結果に表示される競合他社が多く(商品数が多い)、かつ検索上位にレビュー件数の多い商品が並ぶ場合のRPP広告露出は検討をした方がいいです。
なぜならば、貴社だけでなく競合も同様のキーワード設定をしている事が多いため、目安CPCが高くなっている傾向にあるためです。
また、折角投資をしてRPP経由の売上げを増やしたとしても、自然検索上位の商品のSEOが強すぎて結果勝てないという場合もあります。
そのため、RPP広告を利用する際には、以下の確認を推奨します。
- 獲得したいキーワードの検索結果で競合他社の商品実績(販売数やレビュー件数)が多すぎないかどうか
- 投資をすると決めた場合の合計投資額と獲得CPAをあらかじめ決めて、慢性的に数値目標がクリアできない場合は早期撤退をする。
以下の記事では、競合分析のポイントを解説しているため、あわせてご覧ください。
⇒楽天市場における「競合分析」とは?店舗の選び方や必要な考え方、リサーチすべきポイントを徹底解説!
楽天RPP広告を運用する際の2つの注意点
1.売り切れのSKUがある場合、転換率が下がる
RPP広告は、クリックされた後に購入をされて初めて実績となります。
そのため、露出している商品のSKUバリュエーションで在庫欠けの多い商品だと、折角クリックをされても転換率が低く購入に至らない為、効果が低くなる事が想定されます。
露出をする商品の在庫数は常にチェックしておきましょう。
2.月をまたいで予算が自動更新される
RPP広告は、キャンペーンを1つ作成して運用を行います。キャンペーン設定時に入力する箇所で「継続月予算」というものがあり、これが月額のRPP予算になります。
毎月1日になると、前月までの消化金額は関係なく、再度0円から継続月予算の消化が始まりますので予算は常に見ておくようにしましょう。
また、月予算が月末近くに消化上限に達してしまい、月末に露出がされていない店舗も数多く見受けられます。露出出来ていない店舗は機会損失につながり、逆に露出出来ている店舗は他店舗が露出されなくなった分、急に消化が早まる事もあります。
いづれにしても、月予算は数日に1回は必ずチェックをするようにしましょう。
楽天RPP広告でよくある2つの質問
質問1.RPP広告の表示ロジックは?
RPP広告の表示ロジックは、公開されていませんが以下の要素が関係していると考えられます。
- 商品の販売実績
- 商品の設定キーワード経由の転換率
そのため、販売実績が少ない商品の場合は、目安CPCが高く表示されるケースが多いです。
継続的に上記の数値が競合製品よりも高い状態を創り出す事ができれば、徐々に目安CPCも下がり上位露出ができるようになります。
質問2.楽天RPP広告の設定方法は?
RPP広告の設定は、プロモーションメニューより行います。
①キャンペーンを登録する
②露出商品を登録する(キーワード登録がある場合はキーワードの登録)
③露出したくない商品を登録する(除外商品の登録)
まとめ
RPP広告の基本と運用時の注意点、メリットデメリットを紹介しました。
楽天市場で売上を上げるためには、RPP広告の正しい理解と運用が必要不可欠になります。
最近は利用店舗数も増えてきている為、ただ設定をしているだけでは競合に勝てず費用だけが発生してしまう傾向にあります。
もしも、社内に知識を持った人材がいない場合、楽天市場の店舗サポート経験が豊富なジャグーへご相談ください。コンサルティングから業務代行まで幅広いサポートで店舗運営者さまをお手伝いいたします。
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