「FBAの使い方を知りたい」「必要なコストはどれくらい?」アマゾンに出品する際、このようなことを考えるのではないでしょうか。
この記事では、アマゾン出品者へ豊富な支援実績があるジャグーがFBAを活用するメリットや納品方法について詳しく解説します。ぜひ、参考にしてみてください。
FBA(フルフィルメント by Amazon)とは?
FBAは「フルフィルメント by Amazon」の略称となっており、出品者の代わりにAmazonがフルフィルメント業務(受注や梱包、アフターサービスなど)を行うサービスです。FBAを利用するにはAmazon出品サービスに登録し、倉庫に出品物を送付します。
FBAを活用すると、24時間365日出荷できるようになり、そのほかにも付随する代金のやり取りやクレーム対応などを代行してくれるなど、手厚いサービスを受けることが可能です。ここでは以下のページを参考にFBAで委託できる業務範囲やサービス形態について詳しく解説します。
参考:フルフィルメント by Amazon(FBA) | [公式] Amazon出品サービスの配送方法
FBAで委託できる業務範囲
FBAで委託できる業務範囲には、以下のようなものが挙げられます。
- 商品保管
- 入出庫
- 注文に基づいたピッキング
- 梱包・配送処理
- 返品対応に関連する顧客対応
出品者は倉庫へ商品を発送するだけで、これらの業務についてはアマゾンが負担してくれます。そのため、効率的なサービス体制を自身が構築する必要がありません。
FBAのサービス形態
FBAのサービス形態には、以下の2種類があります。
- ECモール出品サービスと同時に利用
- 在庫管理・出荷代行など物流サービスのみ利用
「ECモール出品サービスと同時に利用」については、アマゾンで出品から発送まで委託します。また、商品ごとに自己発送・FBA発送を設定することが可能です。
「在庫管理・出荷代行など物流サービスのみ利用」の場合は、アマゾン以外の楽天やYahoo!ショッピングなどで注文された商品の出荷に利用できます。
アマゾンのFBAを活用する7つのメリット
アマゾンのFBAを活用するメリットには、以下の7つが挙げられます。
- primeマークに付与によって転換率がアップする
- 業務負担を大幅に削減できる
- 安心感や信頼感を得られる
- カートの獲得率アップを期待できる
- 海外発送が可能になる
- 決済方法が増える
- FBA小型軽量プログラムを利用できる
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.primeマークの付与によって転換率がアップする
FBAを利用して出品している商品には、primeマークが付与されます。primeマークが付与されている商品は、お急ぎ便などのサービスを無料で利用できるメリットがあるため、購入意思の決定を後押しする要素となります。
注文商品を少しでも早く手に入れたいというユーザーニーズがあり、FBAを利用することによって、それに応えることが可能です。
つまり、ユーザーニーズを満たすことによって、転換率アップが期待できます。
2.業務負担を大幅に削減できる
FBAを導入することによって、業務負担の大幅な削減につながります。これまで自社で行っていた在庫管理から発送業務までを一任できるため、リソースを浮かせることが可能です。
そのため、ほかの業務に人や時間、資金を投入できるようになります。また、フルフィルメント業務のプロに依頼することによって、高品質なサービスを提供可能です。
3.安心感や信頼感を得られる
FBAを利用して出品することによって、商品発送元がアマゾンとなります。アマゾンを利用するユーザーのなかには、「発送元がどこなのか?」ということを気にする人がいます。
そのようなユーザーからの安心感や信頼感を得られることは大きなメリットです。また、スピーディーな発送や高品質な梱包により、高い満足度を獲得できます。
4.カートの獲得率アップを期待できる
FBAを利用することによって、カートの獲得率アップが期待できます。アマゾンで売れるためには、「カートに入れる」ボタンのトップを獲得することが欠かせません。
自社発送でもカート獲得を狙うことは可能ですが、そのハードルは高いとされています。しかし、FBAを導入することによって、カート獲得率アップが期待できます。
5.海外発送が可能になる
FBAを利用することによって、海外発送が可能です。一般的に越境ECは言語や現地法律など、あらゆる知識が必要とされています。
また、設備費用や人的リソースなどが不足していることから、自社で体制構築できない場合も考えられます。
しかし、FBAを利用することで海外発送にも対応できるようになり、新たなターゲット層を獲得できる可能性を高められるかもしれません。
6.決済方法が増える
FBAを導入することによって、代金引換の決済方法が追加されます。基本的にクレジットカード決済で対応する場合が多くありますが、ネット上からカードを使いたくない・クレジットカードを持ちたくないという人がいることも事実です。
決済方法に代金引換を選べるようになることで、これまで獲得してこなかったユーザーを開拓できる可能性を高められます。
7.FBA小型軽量プログラムを利用できる
FBAには「小型軽量プログラム」という発送方法があります。こちらの発送方法を利用することによって、コンパクトかつ低価格な商品の配送料を抑えることが可能です。
小型軽量プログラムの利用条件は以下の3つが挙げられます。
- 販売価格:1,000円以下
- パッケージサイズ:3.3×30.0×35.0cm
- 商品重量:950g以下
これらの条件をすべて満たした商品の配送代行手数料は198円です。
アマゾンのFBAを活用する5つのデメリット
アマゾンのFBAを活用するデメリットには、以下の5つが挙げられます。
- 保管した商品の状態を確認できない
- 所定の委託手数料がかかる
- 一部取り扱いができない商品が存在する
- サービスによる差別化が図りにくい
- 運用上の課題が見つかりにくくなる
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.保管した商品の状態を確認できない
FBAはAmazonの倉庫にて商品を保管します。そのため、商品状態を確認できません。
もしも、倉庫へ発送したあとに商品状態を確認したい場合、一旦返送してもらったうえでチェックし、送付する作業が発生します。
壊れやすい素材の商品や、特殊な保管方法が求められるものの場合、状態を確認できないことはデメリットだといえます。
2.所定の委託手数料がかかる
FBAを利用すると、所定の委託手数料がかかります。商品サイズと重量に応じて1商品あたり193円〜5,625円の手数料が必要です。
そのため、自社で配送する体制が整っている場合は、自社で発送作業をする方が低コストになる可能性があります。FBAと自社配送のどちらを利用した方がよいのか検討したうえで、発送方法を選ぶようにすることをおすすめします。
3.一部取り扱いができない商品が存在する
FBAでは、一部取り扱いができない商品があります。一例を挙げると、以下の通りです。
- 日本の規格・法律を満たしていない
- 室温で保管できない
- 動植物
- 危険物
- 化学製品
- 必要な届出や許可取得がされていない
- 医療機器
これら以外にも、取扱制限がある商品が複数ありますので、以下リンクをチェックしてみてください。
参考:FBA禁止商品
4.サービスによる差別化が図りにくい
FBAを利用した発送は、倉庫に預けた状態のままアマゾンのロゴが入った梱包材を使用して行われます。そのため、自社発送のようにオリジナルの加工やサービスは対応できません。
たとえば、サンクスレターの封入やサンプル品を同梱することはできませんので、サービスによる差別化を図ることは難しいことだといえます。
5.運用上の課題が見つかりにくくなる
FBAを利用すると、出品者とユーザーの接点はほとんどありません。そのため、商品やサービスなどのフィードバックを受ける機会がなくなります。
そうなってしまうと、運用上の課題が見つかりにくくなってしまうおそれがあります。また、梱包や顧客対応をすべて外注化してしまうため、自社にノウハウを蓄積できないこともデメリットです。
FBAへの納品方法は4ステップ
FBAへの納品方法をステップごとに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
ステップ1.出品する商品情報を登録する
セラーセントラルから出品する商品情報を登録することから始めます。すでに同一商品がアマゾンへ出品されている場合、既存情報を使えるため、登録の手間を省くことが可能です。
しかし、同一商品が出品されていなければ、新規登録しなければなりません。この場合、JANコードがなければ免除申請したうえで登録を行います。
ステップ2.すべての商品にラベルを貼付する
FBAを利用する商品は、フルフィルメントセンターでバーコード管理されます。そのため、1つひとつの商品にラベルを貼り付ける必要があります。
出品登録した商品については、セラーセントラル画面からラベル印刷が可能です。印刷したうえで商品の外箱に貼り付けてください。
また、外箱がない場合はFBAに対応した緩衝材で梱包し、商品ラベルを貼り付けます。
ステップ3.送り状を作成して貼付する
フルフィルメントセンターへ商品を納品するには、配送用のダンボールなどに商品を梱包し、送り状を貼り付けて発送します。
送り状については、手書きする必要がありません。セラーセントラルから印刷したあとにラベル部分を切り取って、発送用段ボールに貼り付けてください。
このときに定められたルールに従っていなければ、受取拒否となってしまい、返送されるおそれがあるため、注意が必要です。
ステップ4.倉庫への納品手続き・発送を行う
セラーセントラル画面から「クリックすると納品が完了します」のボタンを押してください。その後、納品手続き確認画面へ遷移するため、「出荷済みとしてチェック」をクリックします。
このときに「お問合せ番号を入力」欄があり、入力しておくことによって、荷物の状態を追跡可能です。これらの手続きを終えたら、配送業者へ持ち込むか、集荷依頼して発送すればFBA納品の手続きが済みます。
アマゾンのFBAでよくある3つの質問
アマゾンのFBAでよくある質問には、以下の3つが挙げられます。
- 質問1.基本的なFBA料金とは?
- 質問2.FBAに納品する際の注意点は?
- 質問3.FBAへの納品時に重量超過と明示していなかった場合はどうなる?
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
質問1.基本的なFBA料金とは?
FBAを利用する場合、発生する料金は以下の2つです。
- 配送代行手数料
- 在庫保管手数料
月額のコストは発生しませんが、商品1つひとつに手数料がかかる仕組みです。費用例をいくつかご紹介します。
配送代行手数料
- FBA小型軽量商品プログラム(重量250g以内):193円/商品1店あたりの配送料
- 標準サイズ区分1(重量1kg以内):318円/商品1店あたりの配送料
- 大型サイズ区分1(重量5kg以内):589円/商品1店あたりの配送料
在庫保管手数料
- 小型標準1〜9月:3.1円×商品サイズ/(10cm×10cm×10cm)×保管日数/当月の日数
- 小型標準10〜12月:5.5円×商品サイズ/(10cm×10cm×10cm)×保管日数/当月の日数
上記の費用を合計した金額がFBAの手数料です。
質問2.FBAに納品する際の注意点は?
フルフィルメントby Amazon(FBA)に商品を納品する際は、事前にFBA料金シミュレーターを利用して必要な手数料を把握しておくことが大切です。前述のようにサービスの利用にあたってはさまざまな手数料がかかるため、どの程度の手数料がかかるのかを把握しておかなければ、思ったよりも利益が残らないなどのトラブルに見舞われる可能性があるからです。
料金シミュレーターを活用して費用対効果を十分に検討し、フルフィルメントby Amazon(FBA)を利用した方が望ましいと判断した場合にのみ導入することをおすすめします。
FBAに納品する場合、事前に必要となる手数料をシミュレーターから試算し、把握しておくことが大切です。FBAを利用するとあらゆる手数料がかかるため、金額を把握することで正確な利益額を把握できます。
アマゾンでは自社配送とFBAを組み合わせて利用できるため、利益を見込める商品に限ってFBAを利用することをおすすめします。
質問3.FBAへの納品時に重量超過と明示していなかった場合はどうなる?
FBA納品時に15kgを超えていても「重量超過」と記載しなければ、受取拒否されたうえ、出品者負担で返送されてしまいます。
重量があるものはサイズもかさばることが多いため、配送料も高額になりがちです。さらに、発送と返送を繰り返すことによって、3倍のコストが発生してしまいます。
このような失敗を防ぐには、重量が15kgを超えていないか欠かさず確認するようにしてください。
まとめ
アマゾンFBAに関することを解説しました。FBAを利用することによって、在庫管理から発送手続き、顧客対応まで外注できます。
そのため、自社のリソースを重要な業務に割り当てたり、人件費を抑えられたりとあらゆるメリットがあります。
しかし、利用するには一定額のコストがかかってしまうため、利益率と相談しながら自社対応と使い分けるように注意してください。