「ECをはじめたい」「ECにかかる初期費用はどれくらい?」このように考える方は少なくありません。しかし、自社に知見がなければ、何から調べればよいのかわからないものです。
この記事では、EC出店サポート実績が豊富にあるジャグーが、ECモールの種類やメリット・デメリット、主要3モールの出店費用について解説します。
これからECをはじめようと検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
ECモールとは?
ECモールとは、複数のブランドや店舗が集まるオンラインプラットフォームです。具体的には、楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングなどが挙げられます。
ECモールは、サイトの構築をしなくても手軽に商品の販売ができます。また、それぞれのモールごとに会員を抱えているため、ある程度の集客を初期段階から見込めるのが特徴です。
自社ECとの違い
ECモールには複数の店舗が含まれますが、自社ECは独立したドメインを持っていることが大きな違いです。
また、自社ECは自由にサイトの構築ができ、長期的に見て高い利益率を期待できます。しかし、自社ECはサイト構築に大きな手間とコストが必要です。
さらに、集客力においてはECモールに劣るおそれがあります。
国内ECモールの流通総額
国内上位3社である楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングの流通総額は約9.1兆円です。楽天市場がもっとも流通総額が高いように見えますが、他事業の数字も含んでいます。
そのため、ECに限ると楽天市場とAmazonは流通総額でトップ争いをしている状況だといえます。また、Yahoo!ショッピングは初期費用や月額費用を無料にするなどして流通総額を伸ばしています。
ECモールの主な種類は3つ
ECモールの主な種類として、以下の3つが挙げられます。
- マーケットプレイス型ECモール
- テナント型ECモール
- 統合管理型ECモール
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。
1.マーケットプレイス型ECモール
マーケットプレイスを直訳すると「市場」を意味します。つまり、インターネット上の大きな市場として機能しているタイプです。
ショップはモール内に出店せず、商品を出品します。マーケットプレイス型のECモールの代表例は、Amazonです。各ショップの独自性はほぼ見えませんが、商品登録を簡単にでき、EC販売を手軽に開始できます。
2.テナント型ECモール
テナント型ECモールは、大型ショッピング施設のようなタイプです。各ショップが独自の店舗を構えて運営します。楽天市場やYahoo!ショッピングがこちらのタイプに該当し、ショップのオリジナリティを出しやすいことが特徴です。
ユーザーは、モール内のショップページを閲覧して買い物します。また、ショップ間で検索して商品を探すことも可能です。
3.統合管理型ECモール
統合管理型ECモールは、自社で複数のブランドを一元管理して運営するタイプです。ターゲット層が異なる商材グループを持つ企業において、ブランディングと相互送客に役立ちます。
また、商品在庫や顧客データなどの管理が簡単にでき、集客力の強化とブランド差別化に効果的です。そのため、サイトデザインを統一してブランドイメージを強化することが求められます。
ECモールに出店する4つのメリット
ECモールに出店するメリットには、以下の4つが挙げられます。
- 集客力が高い
- 商品に安心感を持ってもらえる
- サポート体制が充実している
- コストを抑えてスタートできる
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。
1.集客力が高い
ECモールの集客力は、自社ECサイトよりも高い傾向にあります。ECモール自体の知名度があるため、検索上位に表示されやすいことが特徴です。また、ユーザーの消費行動として指名検索後に商品を探す場合もあります。
そのため、ECモールを利用すれば、大きな流通総額を誇る集客力を自社のものとして活用できます。
2.商品に安心感を持ってもらえる
ECモールのブランド力や知名度が、自社商品に対して安心感を付与することも大きなメリットです。オンラインショッピングでは、ショップや商品に対する信頼感の有無が商品選びに大きな影響を及ぼします。
それぞれのECモールでは、出店前に審査が実施されており、厳しい基準を満たして出店していることが信頼の証になります。
3.サポート体制が充実している
ECモールでは、はじめて出店する事業者に対してアクセス解析やマーケティングノウハウを提供するなどのサポートが充実しています。
また、メンテナンスなどのシステム管理が不要となる点も大きなメリットです。ECモールのサポート体制が充実していると、事業者は販売することに注力できるため、収益を最大化しやすくなります。
4.コストを抑えてスタートできる
自社ECサイトを構築するには、開発コストや時間を必要とします。しかし、ECモールを利用することによって、手軽にEC事業をはじめることが可能です。
出店料などの初期コストはかかるものの、自社ECサイトを構築するよりも低いイニシャルコストで済みます。また、準備にかかる期間についても比較的短く、スピーディーに販売を始めることが可能です。
ECモールに出店する4つのデメリット
ECモールに出店するデメリットには、以下の4つが挙げられます。
- モール内での価格競争が激しい
- ランニングコストが高い
- 競合との差別化が難しい
- 顧客データを収集できない場合がある
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。
1.モール内での価格競争が激しい
ECモールには、数多くの店が出店しています。そのため、競争が激しいジャンルに出品すると、ダンピング合戦に巻き込まれてしまう可能性を否定できません。
しかし、競合と比べて高く売ろうとすると、検索上位に表示されない・カートボックスを獲得できないなど、売れにくくなってしまうこともあります。
そのため、1アイテムでは赤字となっても、セット売りをする・リピートしてもらうなど、長期的な利益となるような販売戦略を検討することが必要です。
2.ランニングコストが高い
ECモールへ出店するには、ランニングコストが必要です。固定費用としての出店料や月額費用以外にも、売上手数料が発生します。
これらのコストは、モールの規模が大きいほど高くなる傾向にあり、AmazonのFBA利用を例に挙げると、在庫保管手数料や配送代行手数料なども必要です。
ランニングコストのみを考えると、自社ECサイトの方が長期的には費用を抑えられる可能性があります。
3.競合との差別化が難しい
ECモールへ出店するには、それぞれの方針に従った出品やショップページの設計が必要です。基準を満たしていない場合はペナルティを課されるおそれがあります。
そのため、ページデザインや機能には制限があり、ブランドのオリジナリティを出すのが難しい傾向です。
D2Cブランドなど、独自の世界観を重視したい場合は、自社ECの構築を検討した方がよいかもしれません。
4.顧客データを収集できない場合がある
自社ECでは、顧客データの収集・分析が可能です。しかし、ECモールでは顧客データの取得に制限が設けられる場合があります。
マーケティング施策へ顧客データを積極的に活用したい場合は、自社EC構築を検討した方がよいかもしれません。そのため、ECモールにおけるデータ取得範囲を事前に確認し、出店先を選ぶことが重要です。
しかし、社内にECモール出店の知見がない場合があるかもしれません。不安に思う方は、あらゆるECモールへの出店サポート実績が豊富にあるジャグーへご相談ください。
⇒ジャグー株式会社
主要3モールにおける出店費用の目安
国内の主要3モール楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングの出店費用の目安は、以下のとおりです。
楽天市場 | Amazon | Yahoo!ショッピング | ||||
プラン | がんばれ!プラン | スタンダードプラン | メガショッププラン | 小口出品 | 大口出品 | ー |
初期費用 | 60,000円 | 60,000円 | 60,000円 | 無料 | 無料 | 無料 |
月額費用 | 19,500円 | 50,000円 | 100,000円 | 100円/商品 | 4,980円 | 無料 |
システム ・ 販売手数料 | システム手数料:月間売上高の3.5〜7.0% | システム手数料:月間売上高の2.0〜4.5% | システム手数料:月間売上高の2.0〜4.5% | 販売手数料:8〜15% ※カテゴリによる | 販売手数料:8〜15% ※カテゴリによる | 無料 |
各種手数料 | 楽天ポイント原資負担:1% 安全性・利便性向上のためのシステム利用料:月間売上高の0.1% 楽天スーパーアフィリエイト経由売上の2.0~4.0%R-Messe利用料:月額固定費3,000円 楽天ペイ利用料:月間決済高の2.5~3.5% | 楽天ポイント原資負担:1% 安全性・利便性向上のためのシステム利用料:月間売上高の0.1% 楽天スーパーアフィリエイト経由売上の2.0~4.0% R-Messe利用料:月額固定費5,000円 楽天ペイ利用料:月間決済高の2.5~3.5% | ー | ー | ストアポイント原資負担:1~15% キャンペーン原資負担:1.5% 決済個別手数料:クレジットカード3.24% アフィリエイトパートナー報酬原資:1~50% アフィリエイト手数料:報酬原資の30% |
国内外のECモール売上ランキング
国内のECモールの売り上げは、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの3社で約9.1兆円だと解説しました。
一方、国外に目を向けてみると中国のアリババやAmazon、eBayが多くのユーザーを獲得しています。そのため、将来的には越境ECを視野に入れて戦略を考えると売上拡大につながりやすくなるかもしれません。
ECモールのランキングに関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。
⇒【2023年最新版】国内外におけるECモールの売上ランキング|市場規模やEC化率の推移も徹底解説!
ECモールでよくある3つの質問
ECサイトの商品画像でよくある質問には、以下の3つが挙げられます。
- 質問1.ECモールに出店までの大まかな流れは?
- 質問2.ECモールから自社ECに顧客を呼び込むには?
- 質問3.ECモールの売上アップさせるコツは?
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。
質問1.ECモールに出店までの大まかな流れは?
ECモールに出店するまでの流れは以下のとおりです。
- ECモール選定する
- ショップコンセプト・店舗名を決める
- 決済方法を選定する
- 物流方法を確立する
- 必要な資格・許可を取得する
- 開業届を提出する
- ショップデザインを制作する
- 受注・在庫管理システムを選定する
出店するモールごとに小さな違いはありますが、おおよそ上記の流れで準備を進めます。また、楽天市場では出店に関するコンサルティングを受けられますので、アドバイスをもらいながら準備するとスムーズです。
質問2.ECモールから自社ECに顧客を呼び込むには?
ECモールから自社ECに顧客を呼び込むには、以下のような施策実施が効果的です。
- モール内広告活用
- キーワード検索連動型広告
- バナー広告
- イベント枠広告
- ターゲット指定
- クリエイティブの最適化
- イベント枠広告の活用
テナント型・マーケットプレイス型モール内での広告が重要となり、イベント枠などモールのプロモーションに合わせた広告の活用が効果的です。
また、広告の露出効果にはモールごとの特性を理解する必要があります。
質問3.ECモールの売上アップさせるコツは?
ECモールの売上をアップさせるコツには、以下のようなものが挙げられます。
- 来訪者数の増加対策
- 購買率向上のための価格対策
- 客単価向上の仕組み作り
- レビュー投稿を促進させる特典を提供
- スマホユーザーを意識したページレイアウト
- 購入者の信頼獲得に向けた店舗レビューの重視
- 視認性の向上
これらに共通することは「ユーザーの目線に立ち、安心感と満足感を得るにはどうすればよいのか」ということです。施策の実施・ブラッシュアップを繰り返して、最適化を目指してみてください。
まとめ
ECモールの種類やメリット、デメリットに関することを解説しました。ECモールは自社ECを構築するよりも初期費用がかからず、集客面においても一定数のトラフィックを期待できることがメリットです。
しかし、ランニングコストが必要となり、デザインやブランディング施策には制限があることを忘れてはいけません。
このような違いを理解して、自社にとって最適な出店方法を検討してみてください。
もしも、社内だけで判断しかねる場合は、ECの出店サポート実績が豊富にある弊社ジャグーへお気軽にご相談下さい。
⇒ジャグー株式会社