「売上が伸びない」「集客は問題ないのに利益が出ない」このような課題を抱えている方は少なくありません。客単価アップは、ネットショップが持続的に成長を目指すうえで欠かせないものです。
この記事では、ECショップのサポート実績が豊富にあるジャグーが、客単価の施策事例や排除すべきポイントについて詳しく解説します。客単価アップを目指している方は、ぜひ参考にしてみてください。
ECにおける客単価とは?
ECにおける客単価について理解を深めるには、以下の2つを理解しておくことが重要です。
- 客単価の重要性
- 客単価の計算方法
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。
客単価の重要性
ECサイトの成長と持続性のためには、顧客単価の向上が欠かせません。売上高や購買率とともに客単価の把握は、売上分析・改善において重要な一歩となります。
顧客単価が低いと、単位時間あたりの収益が少なく、利益の最大化を図れません。したがって、既存顧客からの継続的な購買や高額商品の購入、複数商品の購入を促す施策が重要です。
店舗運営では売上高、購買率、客単価の3つの観点での分析がセオリーとされており、これらの指標を適切に把握し活用することが、ECサイトの売上拡大につながります。
客単価の計算方法
客単価の平均は、売上金額を購入客数で割ることで算出します。この計算方法はシンプルで、売上の合計を客数(注文数)の合計で割るだけですが、全体の傾向を把握するためには重要です。
さらに、購買率の計算は、サイト訪問者数を購入客数で割ることにより得られます。これにより、売上高、購買率、客単価という3つの観点からの分析が可能となり、サービスの分析・改善に役立ちます。
ただ、客単価を増加させることは容易ではなく、継続的な努力が必要です。
客単価アップの施策事例10選
客単価アップ施策の事例を10点ピックアップして紹介します。それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.クロスセル・アップセルを狙う
客単価を高めるためにはクロスセルとアップセルが効果的です。クロスセルは関連商品の同時販売、アップセルは高価格帯商品への誘導を指します。レコメンドツールを利用することで、購入履歴や閲覧履歴に基づいた商品提案が可能です。
また、「5,000円以上購入で送料無料」といった特典で追加購入を促すこともできますが、過度な売り込みは顧客の不快感を招くリスクがあるため、信頼関係を維持できるように注意してください。
2.複数個の購入特典を用意する
客単価の向上には、同じ商品を複数個購入してもらう戦略がシンプルかつ効果的です。とくに、単価が低い商品にこの手法は有効となり、複数購入に対して送料無料や値引き、サンプル品のプレゼントなどの特典を提供することをおすすめします。
また、売れ筋商品や余分に持っていても問題ない商品においても適している施策です。
3.品揃えを充実させる
商品の品揃えを増やすことは、顧客にとっての選択肢を広げることにつながり、購買意欲を刺激します。たとえば、スマートフォンの購入時にケースを同時に提案するようなセット販売が効果的です。ほかにも、顧客の合わせ買いを促進しやすいようにするには、以下のポイントを意識してみてください。
- 関連商品を増やす
- カラーバリエーションを拡充させる
これらを意識することによって、顧客の趣味や好みに対応できるようになり、ネットショップの客単価向上に貢献します。
4.商品をまとめて販売する
複数商品をセットにして販売することは、客単価を向上させる効果的な手法です。たとえば、割引されたスターターパックやサンプルパッケージの提供は、ユーザーからの注文につながります。
「3個セットで10%OFF」や「5,000円以上で送料無料」といった特典は、購入意思の強い顧客への追加インセンティブとして有効です。また、季節やイベントごとに新しい商品を提案することにより、顧客の購買意欲を刺激し、客単価の向上が期待できます。
5.松竹梅の価格設定を取り入れる
松竹梅の法則は、顧客が無意識に中間の価格帯の商品を選ぶ心理を利用した価格設定戦略です。たとえば、飲食店で「松:2,000円、竹:1,500円、梅:1,000円」の複数メニューを設定すると、多くの顧客は竹を選ぶ傾向にあります。
この法則はネットショップでも有効となり、商品のグレードを3つ用意することで客単価の向上が期待できます。
6.クーポンを提供する
割引クーポンの提供は、顧客に自社のECサイトでの再購入を促す効果的な方法です。ユーザーへの誠実な対応として、効果があります。具体的には、クーポンを提供することにより、ユーザーがサイトへ再度訪問する確率を高めることが可能です。
また、ユーザーが「欲しい」と思う商品の割引クーポンを利用できるようにすることで、顧客満足度が高まり、結果的に客単価の向上につながります。
7.新商品・期間限定商品を販売する
新商品や期間限定商品の販売は、顧客の購買意欲を刺激し、店舗の魅力を高める手段として有効です。
これらの商品を取り扱うことで、顧客が飽きずにサイトを訪れ続けることにつながります。このことにより、客単価の向上を見込めるようになります。また、新商品の導入は客単価の向上だけでなく、新規顧客の獲得にも効果的です。
8.高額商品の購入を促す
顧客単価を上げるためには、高額商品への誘導が効果的です。まず、一般顧客を優良顧客に育て、優れたアフターサービスや顧客フォローを提供することで、顧客の店舗への愛着を深めます。親切で丁寧なサービスは、実店舗での接客と同じくらい重要です。
また、顧客が商品を購入した後に高額商品を提案するアップセル戦略もおすすめします。このタイミングは、追加購入を促しやすい最適な瞬間です。カートシステムのアップセル機能を利用することで、自動的に高額商品をおすすめすることが可能です。
9.決済手段を充実させる
高価格帯の商品の取り扱いにおいて、クレジットカード決済やID決済などの決済手段の多様化は必須です。これらの決済オプションは、現金を使わずに迅速に支払えるため、顧客にとっての利便性が大幅に向上します。
とくに、定期購入やサブスクリプションサービスにおいて、簡単でスムーズな決済手段は顧客満足度を高め、結果として客単価にも大きな影響を及ぼします。
10.送料無料ラインを設定する
多くのネットショップでは「○○円以上の購入で送料無料」という閾値設定を採用しており、これは顧客にとって大きな購入決定要因です。たとえば、平均客単価が3,000円前後のショップで「6,000円以上の購入で送料無料」と設定すると、顧客は1個の購入から2個以上を選ぶ傾向にあります。
この施策は、クロスセルやまとめ買いにつながり、店舗の売り上げ増加に貢献します。ただし、実際には商品発送にはコストがかかるため、送料込みの販売価格設定や商品単体で「送料無料」と明記することも有効な方法です。とくに低い閾値設定は、顧客にとって魅力的なオファーであり、ネットショップの販売戦略において効果があります。
客単価アップのために排除するべき3つのポイント
客単価アップのために排除するべきポイントには、以下の3つが挙げられます。
- 品揃えが充実していない
- アピールが不足している
- 利益率が低い
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。
1.品揃えが充実していない
ECサイトで成功を収めるためには、ターゲット顧客のニーズに合った品揃えが欠かせません。適切な品揃えがなければ、訪問者の離脱率が高まり、売上の向上は望めません。
そのため、全ジャンルを網羅する百貨店スタイルよりも、特定のジャンルに特化した専門店の方が信頼性を築きやすく、顧客の関心を引きつけることが可能です。また、商品のジャンルを戦略的に選定することは、クロスセルの効率化にもつながり、平均注文額(AOV)の向上が期待できます。
2.アピールが不足している
ECサイトでの成功には、適切なタイミングでの商品アピールが欠かせません。単に商品ページを作成するだけでは不十分となり、ユーザーがサイト内を効果的に回遊し、関連商品やまとめ買いに興味を持つように導く必要があります。
また、ECサイトでは直接の接客はできないため、計画的なサイト導線の構築によって、適切なタイミングで商品やサービスをアピールすることが、売上を伸ばすポイントです。
3.利益率が低い
ECサイトでの平均注文額を向上させるには、利益率の高い商品の販売がポイントです。格安商品による集客が成功しても、それだけでの販売では利益が出ません。
したがって、利益率の低い商品のみでサイトを運営している場合は、合わせ買い促進やアップセル、クロスセルを駆使することが重要です。これにより、利益率を高めつつAOVも向上させられます。
さまざまなマーケティング施策を実施し、結果の検証と改善を繰り返すことで、着実な収益向上につなげてみてください。
客単価アップ事例でよくある3つの質問
客単価アップ事例でよくある質問には、以下の3つが挙げられます。
- 質問1.楽天で客単価をアップさせる方法は?
- 質問2.客単価が下がる原因は?
- 質問3.客単価を分析するメリットは?
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。
質問1.楽天で客単価をアップさせる方法は?
楽天のネットショップで客単価を上げるには、以下のような方法があります。
- 送料バーの設定
- 複数購入を促すクーポンの発行
たとえば、平均客単価が3,500円の店舗であれば、5,000円以上の購入で20%OFFのクーポンを提供することで、顧客は4,000円程度でより多くの商品を購入することが可能になります。このような施策は、顧客にとっても魅力的であり、店舗の収益増加に繋がる可能性があります。
なお、楽天市場での客単価については、こちらの記事で詳しく解説しています。
⇒楽天市場における「客単価」とは?計算式や低下する要因、向上させる5つの施策も徹底解説!
質問2.客単価が下がる原因は?
事業運営において客単価が前期比で下がることはよくあります。客単価が下がる原因としては以下のようなものが挙げられます。
- 戦略なしの値下げ
- 過度なキャンペーン提供
- 商品やサービスの品質低下
無計画な値下げは価格弾力性が高い商品でとくに注意が必要です。また、キャンペーンや割引が過度に行われると、顧客は低品質と誤解し価値を下げるおそれがあります。さらに、商品やサービスの品質が落ちると、ブランドや店舗への信頼を失い客数も減少することはリスクです。
このような状況を避けるためには、価格設定や販促活動を慎重に計画し、品質管理にも注力する必要があります。
質問3.客単価を分析するメリットは?
ネットショップの売上を増加させるためには、訪問者数を増やすだけでなく、客単価を上げることも必要です。客単価が向上しなければ、いかに集客を強化しても売上の大幅な成長は期待できません。
売上成長を目指すうえで、客単価を分析し、それを向上させる戦略を立てることは不可欠です。そのため、カゴ落ち率の低減やリピート率の向上と並行して、客単価を高める取り組みも重視する必要があります。
まとめ
客単価アップに関することを解説しました。ネットショップを持続的に成長させるには、集客だけではなく、客単価アップを目指すことが重要です。売上が伸び悩んでいると感じている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
また、社内に知見がない場合があるかもしれません。そのような方は、ECサイトのサポート実績が豊富にある弊社ジャグーまでお気軽にお問い合わせください。
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