人気SNS「TikTok」の新しい機能、TikTok Shoppingについて気になっている方もおられるのではないでしょうか。

そこで、この記事では、TikTok Shoppingの6つの機能と始めるためのステップ、注意点などを詳しく解説しています。新しいSNSマーケティング戦略をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

TikTok Shoppingとは?

TikTok Shoppingは、人気の動画配信プラットフォームTikTokに組み込まれた、直接商品を購入できる新機能です。これにより、ユーザーは動画を視聴しながら、そのなかで気になった商品を即座に購入できます。

日本では2023年12月の時点でまだ正式に導入はされていません。しかし、ECサイトとの連携は始まっており、近い将来の正式導入が予測されています。この動向は、Instagramの「Shop Now」機能の実装にも似ており、注目が集まっています。

TikTok Shoppingの6つの機能

TikTok Shoppingの主な機能は、以下の6つです。

  • Direct Integration(ダイレクトインテグレーション)
  • LIVE Shopping(ライブショッピング)
  • Partner Integration(パートナーインテグレーション)
  • Collection Ads(コレクションアド)
  • Product Links(プロダクトリンクス)
  • Dynamic Showcase Ads(ダイナミックショーケースアド)

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。

1.Direct Integration(ダイレクトインテグレーション)

Direct Integrationは、TikTokのプラットフォーム内で、商品の登録、販売、購入、決済、発送、購入履歴の確認など、商品取引に関連する一連のプロセスを実施できる機能です。

この機能の利用により、TikTokユーザーはほかのWebサイトに移動することなく、アプリ内で直接商品を出品、購入し、決済から発送までのすべての手続きが可能です。

これにより、ユーザーはTikTok内でスムーズかつシームレスな購買体験が可能になります。この一連のプロセスの統合は、利用者にとって大きなメリットであるといえます。

2.LIVE Shopping(ライブショッピング)

LIVE Shoppingは、TikTok上でライブ配信する際に、視聴者に対して商品やサービスの詳細ページを直接表示できる機能です。この機能により、配信者はリアルタイムで視聴者に商品を紹介し、その場で購入を促せます。

また、視聴者はライブ配信を見ながら、ほかのサイトに移動することなく商品を購入することが可能です。LIVE Shoppingの利用により、商品やサービスの直接的なPRが可能となり、結果として売上の向上が期待できます。

3.Partner Integration(パートナーインテグレーション)

Partner Integrationは、TikTokと電子商取引(EC)サイト間で商品データを連携させられる機能です。さらに、ECサイトに掲載されている商品をTikTokの動画内で紹介することが可能です。

この機能により、在庫管理や商品紹介が容易になり、顧客の損失や個別管理の手間を軽減できます。TikTokは今後、連携可能なECサービスを増やす予定を発表しており、これにより利便性がさらに高まることが期待されています。

4.Collection Ads(コレクションアド)

Collection Adsは、TikTokで動画フィード間に自社の商品広告を表示する機能です。これにより、通常の投稿動画と同じ形式で広告が表示されるため、ユーザーにネイティブ広告としてスムーズにリーチできます。

さらに、広告から直接商品ページへの閲覧も可能です。TikTokのインフィード動画広告は、クリエイターの投稿と同様の形式で表示され、動画内に製品リンクを設置できます。この機能を利用することで、季節ごとの商品情報や新商品のプロモーションを効果的に実施することが可能です。

5.Product Links(プロダクトリンクス)

Product LinksはTikTok上で自社商品を含む動画に直接商品の詳細ページをリンクする機能です。この機能を使うことで、ユーザーはTikTokのアプリ内で、ほかのサイトに移動することなく商品の詳細を確認できます。

また、詳細ページには購入リンクも設置されており、ユーザーがその場で商品を購入することを促進します。Product Linksにより、特定の商品のハイライトを効果的に表示し、ユーザーの購買行動に直接影響を与えることが可能です。

この機能は、TikTok Shopと連携しているため、ユーザーはアプリ内でシームレスなショッピング体験を享受できます。

6.Dynamic Showcase Ads(ダイナミックショーケースアド)

Dynamic Showcase Adsは、ユーザーの属性や興味、視聴傾向を分析して、それぞれに最適な広告を表示する機能です。このシステムは、各ユーザーの興味や関心に基づいて、最適な商品動画を自動で選定し、表示します。

たとえば、メイクアップや化粧品に関する動画を頻繁に視聴するユーザーには、化粧品関連の広告が表示されるようになります。この機能により、広告担当者は個別の広告選定にかかる負担を減らし、効率的な広告の最適化が可能です。

TikTok Shoppingを始めるための4つのステップ

TikTok Shoppingを始めるためのステップには、以下の4つが挙げられます。

  • ステップ1.TikTok For Businessのアカウントを開設
  • ステップ2.広告アカウントを登録
  • ステップ3.ビジネス情報を登録
  • ステップ4.各種アプリと連携

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。

ステップ1.TikTok For Businessのアカウントを開設

アカウントの開設方法は、以下のとおりです。

  • TikTokのアカウントを作成する
  • TikTokにログインした状態でプロフィールを選択する
  • プロフィールの設定を選択する
  • 「アカウント管理」を選択する
  • 「ビジネスアカウントに切り替える」を選択する

TikTok For Businessは、TikTok上で広告を出稿するためのプラットフォームで、法人だけでなく個人も登録できます。広告の配信方法は、TikTokアプリ内の広告、Pangle、キュレーションAPPから選べます。

このアカウントを活用することで、TikTokの広告機能をフルに活用し、ビジネスの促進を図ることが可能です。

ステップ2.広告アカウントを登録

TikTok For Businessのアカウントが開設できたら、次に広告アカウントを登録します。

  • TikTok For Businessにアクセスして「いますぐ始める」を選択する
  • メールアドレス(または電話番号)、パスワードを入力
  • 「検証コードを送る」のリンクをクリック
  • 入力したメールアドレスにコードが送付されるのでそのコードを入力
  • 利用規約、プライバシーポリシーにチェックを入れ、「登録」をクリック
  • 「国/地域」「登録タイムゾーン」「アカウントの追加」を選択
  • 「アカウント名」「電話番号」を入力

なお、「国/地域」「登録タイムゾーン」「アカウントの追加」は後で変更できないため、間違いのないよう注意して入力してください。上記の手順で、広告アカウントが登録できます。

ステップ3.ビジネス情報を登録

広告アカウントをTikTokに登録した後、ビジネス情報の登録が必要になります。このステップでは、広告を出稿する企業のWebサイトのURLを含め、会社の住所、課税情報、支払い方法などの詳細情報を入力してください。

これらの情報は、入力画面の指示に従って適切に記入することが重要です。特に、入力した住所は後に領収書や請求書に使用されるため、正確性を確保する必要があります。

ステップ4.各種アプリと連携

広告アカウントを開設したあとは、各種アプリとの連携ができます。例として、ShopifyとTikTokの連携手順を説明します。

  • Shopifyのアカウントにログインする
  • アプリストアで「TikTok」と検索、追加
  • アプリを追加したら、販売チャネルに「TikTok」が表示されているか確認
  • ShopifyアカウントからTikTok For Business広告アカウントに登録
  • 連結するアカウントはプルダウンメニューから選択し、「接続する」をクリック

上記の手順を完了すると、ShopifyとTikTokの連携は完了です。TikTokを通じた効果的な商品のプロモーションができます。また、BASE、SHOPLINE、Shopify、opencartのアプリもTikTokと連携できます。

TikTok Shoppingを利用する際の3つの注意点

TikTok Shoppingを利用する際の注意点には、以下の3つが挙げられます。

  • 機能を展開できない国がある
  • 広告を全面に出し過ぎると離脱率が高まりやすい
  • 質の低い動画が多いと離脱につながりやすい

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。

1.機能を展開できない国がある

TikTok Shoppingは現在、主に東南アジア諸国で展開されています。これにはタイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、シンガポールなどが含まれており、特にベトナムでは利用者数が人口の50%を超えるなど、人気が高まっています。

一方、イギリスでは試験運用が実施されましたが、販売目標を達成できず撤退しました。中国ではすでに機能が展開されています。さらに、北米や欧州での提供も検討されており、今後の拡大が期待されています。

2.広告を全面に出し過ぎると離脱率が高まりやすい

TikTokにおける広告は、過度な広告感を出すとユーザーの離脱率を高める原因となります。ユーザーは広告が目立ち過ぎるコンテンツよりも、広告自体が楽しいコンテンツとして機能するものを好む傾向にあります。

たとえば、ユーザーが「面白い」と感じる動画のなかで自然に製品が紹介されることで、その製品に対する興味を引き出すことが可能です。また、自社ならではの豆知識を提供することで、広告がユーザーにとっての娯楽となり、抵抗感なく受け入れられるようになります。

3.質の低い動画が多いと離脱につながりやすい

質の低い動画を頻繁に投稿すると、ユーザーにとって不要な情報とみなされ、視聴されなくなるリスクがあります。特に、ユーザーのフィードがひとつの企業の動画で埋め尽くされると、フォローを解除される可能性も高まります。

これは、多様な情報を求めるユーザーにとって、邪魔になるためです。動画の量よりも質を重視し、新しい情報や製品開発の舞台裏など、有益な内容を提供することが大切です。

また、毎日決まった時間に投稿するような規則性を持つと、ユーザーは習慣的に動画をチェックしやすくなります。

TikTok Shoppingでよくある3つの質問

TikTok Shoppingでよくある質問には、以下の3つが挙げられます。

  • 質問1.TikTok Shoppingの日本での実装日はいつ?
  • 質問2.TikTok Shoppingの魅力とは?
  • 質問3.TikTok Shoppingが展開されている国は?

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。

質問1.TikTok Shoppingの日本での実装日はいつ?

日本におけるTikTok Shoppingの実装日については、現時点で具体的な予定は未定ですが、将来的に実装される見込みはあります。

英国での試験運用は不成功に終わり、その結果ヨーロッパやアメリカでの展開が中止されました。しかし、アジア圏ではTikTok Shoppingが人気を集めています。この成功を受けて、アジアでの機能拡張を進めているTikTokは、日本での実装可能性を高めています。

質問2.TikTok Shoppingの魅力とは?

TikTok Shoppingの主要な魅力は、商品管理や発送代行サービスが利用できる点です。たとえば、イギリスで提供されている「Fulfilled by TikTok」サービスでは、ByteDance社と提携する会社が商品の保管、梱包、配送をしています。

このサービスを利用することで、販売者は商品を預けるだけで、注文が入った際の配送を代行してもらえます。これにより、販売者は商品配送の手続きに関する負担を軽減できる点も魅力です。

質問3.TikTok Shoppingが展開されている国は?

TikTok Shopが展開されている国は、以下のとおりです。

  • アメリカ
  • イギリス
  • インドネシア
  • タイ
  • シンガポール
  • ベトナム
  • マレーシア
  • フィリピン

中国では、2019年からEコマースとライブ配信の融合が始まり、中国版TikTok(Douyin)は2021年には約17兆円のEコマース流通総額を記録しました。この流れを受けて、Global版TikTok Shopは2021年にインドネシアで導入され、大きな需要を見せています。

アメリカでは、2022年11月のテスト期間を経て、2023年9月にTikTok Shopがスタートしました。アメリカでの展開は日本市場における雛形となる可能性があるため、その動向を観察することが重要です。

まとめ

TikTok Shoppingの6つの機能と始めるためのステップ、注意点などを詳しく解説しました。

TikTok Shoppingはまだ日本では未実装の機能ですが、他国の動きから日本で展開される日は近いと考えられています。そのため、新たなECマーケティング戦略として、TikTok Shoppingの動向に注目してみてください。

なお、SNSを含めたマーケティング戦略にお困りの方、ECサイトの売上にお悩みの方は、弊社ジャグーにぜひ一度ご相談ください。確かな実績を積み上げてきたプロフェッショナルが、効果的な施策をご提案いたします。
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