ECサイトを立ち上げたいと考えている方で、ベストな方法がわからないという方も多いのではないでしょうか。事業を成長させるためには、自社に合ったECサイトの構築方法を選びたいものです。

そこで、この記事では、ECサイトの分類や構築の方法、おすすめ構築サービス15選について解説します。また、ECサイト構築サービスを比較する際のポイントについて解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

ECサイトの分類

ECサイトは大きく2つに分類されます。

  • モール型
  • 自社EC

それぞれについて詳しくみていきましょう。

モール型

モール型ECサイトは、Amazonや楽天市場のような、多くの企業が参加しているショッピングサイトです。「ECモール」や単に「モール」とも呼ばれ、さまざまな商品カテゴリーが存在します。

ユーザーは、これらのカテゴリー内で多様なショップが提供する商品を閲覧できるため、価格やレビュー数に基づいて商品を比較できます。また、ほとんどのモール型サイトには検索機能が備わっており、キーワードで特定の商品の検索が可能です。

自社EC

自社ECサイトは、企業が運営する専用のショッピングサイトです。この形態は、実店舗における路面店に相当し、企業は自社のブランドや商品を直接消費者に提供します。

自社ECサイトの大きな特徴は、モール型ECサイトのような他者の規制やルールに縛られることなく、デザインの自由度が高い点です。また、顧客情報の管理も各企業の手に委ねられています。

しかし、その反面、モール型ECサイトのような高い認知度はなく、集客や販売促進はすべて自社で実施する必要があります。

ECサイトを構築する5つの方法

次に、ECサイトを構築する方法について解説します。

  • ASP
  • ECモール
  • オープンソース
  • ECパッケージ
  • フルスクラッチ

それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.ASP

ASP(Application Service Provider)を利用すると、インターネット上で独自のドメイン(URL)を取得し、手軽にECサイトが構築できます。多様なテンプレートが提供されており、デザインのカスタマイズも容易なため、独自のブランドやデザインコンセプトに合わせたECサイトを作成できます。

また、ASPを使えば、商品の評価やレビューの表示、クーポンコードの利用、メールマーケティングなど、ECサイトに必要な機能を簡単に追加可能です。これにより、開発や運営の負担を大幅に削減できるため、とくに小規模な企業や個人事業主にとっては大きなメリットといえます。

2.ECモール

ECモールは、Amazonや楽天市場のように既存の集客基盤があるサイトに自店舗を開設する形態です。これらのモールサイトはSEOに強く、多くの商品が上位に表示されるため、新規顧客獲得に有利です。

しかし、モールはデザインが定められており、他店との差別化や固定ファンの獲得が難しいという特徴があります。そのため、ECモールを利用する場合、独自の魅力を前面に出し、特色ある商品展開や独自のマーケティング戦略を採用する工夫が必要です。

3.オープンソース

オープンソースのECサイト構築は、無料または低コストで入手できるオープンソースのソフトウェアを使用します。これらのソフトウェアは高いカスタマイズ性と柔軟性があるため、ユーザーのニーズに合わせたサイト構築が可能です。

無料で利用できるため、とくに予算に制約のある小規模事業者や個人事業主に適しています。しかし、技術的な知識や経験が必要で、ソフトウェアのインストールや設定、カスタマイズ、セキュリティの管理などが求められます。

さらに、サポートが限られており、メンテナンスやアップデートも自己管理が必須です。ECサイトの構築と運用には時間と労力がかかりますが、自由度の高いECサイトを実現できるのが魅力です。

4.ECパッケージ

ECパッケージは、ECサイト構築のために必要な機能を一式にしたサービスです。これらのパッケージには、ECサイトに必要な機能が充実しており、独自性のあるECサイトを構築できます。

ただし、導入費用は100万円から500万円程度と高額なため、年商1億円以上のビジネスを展開している企業に向いています。ECパッケージは、高額な投資が必要ですが、高度な機能とカスタマイズ性が魅力的なECサイト構築方法です。

5.フルスクラッチ

フルスクラッチでのECサイト構築は、ゼロから独自にサイトを開発する方法です。最大のメリットは、制約のないカスタマイズ性と自由度です。

商品やサービスにおける特定のニーズに応じて、独自の機能やデザインを追加できます。しかし、この方法は、高いWeb開発スキルと経験が求められるため、開発やメンテナンスが困難になるおそれがあります。

また、サイトの保守やアップデートはすべて自社で実施する必要があり、定期的なメンテナンスやバグ対応には多大な時間と労力が必要です。

なお、ECサイトの構築方法については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
【初心者必見】ECサイトを構築する5つの方法|選ぶ際のポイントから構築手順、費用相場まで徹底解説!

【比較用】ECサイトのおすすめ構築サービス15選

次に、ECサイトのおすすめ構築サービス15選を構築方法ごとに紹介します。

1.ASP

まずは、ASPから7選紹介します。それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.STORES

1.STORES

参考:STORES

STORES(ストアーズ)は、プログラミング知識がなくても利用できるユーザーフレンドリーなショッピングカートASPです。このサービスを利用すれば、限られた予算のなかでも自社のオンラインショップを開設し、運営をはじめられます。

そのため、手軽にECサイトを立ち上げたい初心者や、自分の力でオンラインショップを開設してみたい個人事業主に適しています。また、物販可能な店数に制限がないため、ビジネスの成長に合わせてショップの拡大もスムーズです。

STORESは、使いやすさと拡張性のバランスが取れたサービスとして、多くのユーザーにおすすめです。

2.メルカート

2.メルカート

参考:メルカート

メルカートは、1,500以上の国内ECサイトの実績に基づいたCRM機能一体型のECカートシステムです。ECサイトの構築と運用に必要な豊富な機能を備え、クーポンやポイント管理、レビュー、新着表示、ランキング、関連商品のレコメンドなどのプロモーション機能が標準装備されています。

さらに、顧客の購買履歴や行動データの分析機能も充実しており、効果的なCRM施策が可能です。また、システムの自動更新機能もあり、最新機能の提供により、常に最新のトレンドに合わせたECサイト運営が可能になります。

3.Square オンラインビジネス

3.Square オンラインビジネス

参考:Square オンラインビジネス

Square オンラインビジネスは、簡単な操作で本格的なオンラインストアの構築が可能なサービスです。これまでECサイトの運営に二の足を踏んでいた事業者でも、商品の設定や配送方法を選択するだけで、手軽にオンラインストアが開設できます。

専門的な技術や知識は必要なく、初期費用もかからないため、オンライン販売をはじめたい個人事業主や小規模企業に最適です。また、使いやすいインターフェースは、オンラインビジネス初心者にとっても親しみやすい点が魅力です。

4.カラーミーショップ

4.カラーミーショップ

参考:カラーミーショップ

カラーミーショップは、GMOペパボ株式会社によって提供されているネットショップ作成サービスで、15年以上の実績があります。利用者には3つのプランが提供されており、最も手頃な有料プランでも月額3,300円からECサイトの構築と運用が可能です。

このサービスの特徴は、導入しやすさと運用コストの低さにあります。さらに、機能性とカスタマイズ性のバランスも優れているため、小規模事業者から中規模事業者に至るまで幅広いニーズに対応できるサービスです。

5.MakeShop

5.MakeShop

参考:MakeShop

MakeShopは、2020年3月時点で4400万人の会員を誇る利用者数の多いショッピングカートASPです。このサービスでは、651種類という豊富なサービスと機能を提供しているため、ECサイト運営における多様なニーズや課題に対応できます。

また、無料体験も用意されており、有料版のプレミアムショッププランとほぼ同じ機能を試すことが可能です。また、多様な機能とユーザーフレンドリーな設計により、ECサイト運営の初心者から経験者まで幅広い層に対応しています。

6.Shopify

6.Shopify

参考:Shopify

Shopifyは、カナダ発のASPカートで、世界175カ国で数百万のビジネスに利用されており、流通総額は2000億米ドルを超えています。とくに越境ECに強く、さまざまな言語や通貨に対応できるため、海外展開を考えている事業者におすすめのサービスです。

また、ネットショップの売上情報や在庫状況を自動で集計し、実店舗とのデータ連携も一元管理できるため、ECサイトと実店舗の両方を持つビジネスに最適なASPカートの1つといえます。

7.BASE

7.BASE

参考:BASE

BASE(ベイス)は、BASE株式会社が提供するショッピングカートASPです。2020年時点で、120万以上のショップがBASEを利用してオンラインストアを開設しています。

このサービスの最大の特徴は、シンプルで見やすいインターフェースとインパクトのあるデザインです。ユーザーは好きなテーマを選び、それをカスタマイズすることで、独自のオンラインストアを簡単に構築できます。

BASEは直感的な操作が可能であるため、オンラインビジネスを手軽にはじめられる理想的なプラットフォームの1つです。

2.モール

次に、モールから3選紹介します。それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.楽天市場

1.楽天市場

参考:楽天市場

楽天市場は、楽天株式会社によって運営されている大規模なショッピングモールで、2019年時点での登録IDは1億1590万件にものぼります。このプラットフォームでは、食品や衣料品、生活雑貨、ペット用品、カー用品、ガーデニング用品など、多様な商品カテゴリーでの出品が可能です。

また、楽天市場は、お気に入り商品をコレクションして販売につなげる「ROOM」など、独自のサービスも展開しています。このような独自性と幅広い商品ラインナップが、出品者にとって大きな魅力となっています。

2.Yahoo!ショッピング

2.Yahoo!ショッピング

参考:Yahoo!ショッピング

Yahoo!ショッピングでの出店は、初期費用や月額固定費が無料であるため、低リスクでECモールに参入できます。この特徴は、とくに利益がまだ発生していない事業者にとって大きな魅力です。

また、Yahoo!ショッピングでは外部リンクを自由に設置できるため、ほかの販売チャネルや自社Webサイトへの誘導を通じたマーケティング戦略の展開が可能です。

ただし、出店のハードルが低いため、Yahoo!ショッピング内での競争は激しくなります。その結果、価格競争が起こりやすく、利益率を維持するためには、マーケティングの知識と戦略的なアプローチが不可欠です。

なお、Yahoo!ショッピングへの出店については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
Yahoo!ショッピングへの出店は4ステップ|出店にかかる費用やメリット・デメリットを詳しく解説します!

3.Amazon

3.Amazon

参考:Amazon

Amazonは、アマゾンジャパン合同会社が運営する巨大なショッピングモールで、登録から初期設定、商品の登録、そして注文の処理に発送と4つのステップを経て、手軽にECサイトへの参入が可能です。

このプラットフォームでは、毎月49点までの小口出品と50点以上の大口出品から選ぶことができ、それぞれのビジネス規模に合わせた柔軟な利用が可能です。Amazonの最大の魅力は、その巨大な集客基盤とブランド力で、幅広い顧客層にアクセスしやすくなります。

さらに、Amazonの高度な物流システムを利用すれば、効率的に商品の発送が管理できます。

3.ECパッケージ

次に、ECパッケージから5選紹介します。それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.EC-CUBE

1.EC-CUBE

参考:EC-CUBE

EC-CUBEは、クラウド版とダウンロード版の2つのオプションを提供するCMSです。クラウド版は、一部の制限があるものの、メンテナンスの手間がかからないという大きなメリットがあります。

さらに、トライアル期間が設けられているため、ECサイト運営がはじめての人でも気軽に試せます。一方、ダウンロード版は無料で利用できるため、低コストでオンラインショップを開設したい人に適したサービスです。

どちらも、ユーザーのニーズや状況に合わせて選べる柔軟性を持っており、自分のビジネスに合ったECサイトを効率的に構築できます。

2.ecforce

2.ecforce

参考:ecforce

ecforceは、株式会社SUPER STUDIOが提供するECサイト作成サービスです。多くの有名企業が採用しており、その実績は折り紙つきです。

このサービスは、広告管理機能、離脱防止ポップアップ機能、定期受注管理など、毎月10~20箇所の新機能をリリースしているため、常に進化し続ける多様な機能を提供しています。

さらに、ecforceには売上向上を目指すスタンダードプラン、売上が数億円規模になっても対応できるエキスパートプラン、他社からの移行をサポートするプランの3種類があります。

3.EC-ORANGE

3.EC-ORANGE

参考:EC-Orange

EC-ORANGEは、BtoCおよびBtoBビジネスに対応するCMSで、特に中堅から大手企業に適しています。このシステムは、年商100億円を超えるECサイトやふるさと納税向けのサイト、熨斗が必要な贈答品専用のECサイトなど、幅広いニーズに対応可能です。

また、EC-ORANGEはECサイトの運用代行サービスも提供しており、サイトの構築から運用までを一貫してサポートしています。EC-ORANGEは、その高度な機能性と運用サポートにより、大規模で複雑なECサイト運営を目指す企業に最適なCMSの1つです。

4.ecbeing

4.ecbeing

参考:ecbeing

ecbeingは、株式会社ecbeingが提供する国内最大シェアのECパッケージです。標準的な機能に加え、柔軟なカスタマイズが可能で、独自性の高いECサイトを構築できます。

また、制作からマーケティングまでの支援や充実したサポート体制があり、はじめてECサイトを構築する企業でも安心して利用できるのが特長です。さらに、セキュリティ面において高い評価を受けているため、大規模なECサイトの構築を考えている企業や、セキュリティを重視する企業におすすめです。

5.Welcart

5.Welcart

参考:Welcart

Welcartは、WordPress専用のプラグインで、WordPressに追加するだけで手軽にECサイトの立ち上げが可能です。このプラグインは、管理画面やログイン画面がWordPressと共通になっており、管理者が使い慣れた環境で効率的にサイト運営できます。

とくに、WordPressに慣れ親しんでいるユーザーにとっては、非常に使いやすいプラグインです。Welcartはその簡易性と親和性により、特にWordPressを基盤としてウェブサイトを運営しているユーザーにおすすめのECサイト構築ツールです。

ECサイト構築サービスを比較する際の3つのポイント

次に、ECサイト構築サービスを比較する際のポイントについて解説します。

  • 費用のみで判断しない
  • 対応している決済方法を確認する
  • セキュリティの安全性を考慮する

それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.費用のみで判断しない

無料サービスでも決済手数料等がかかるため、最終的には総費用が高くなる場合があります。また、初期費用だけを見て機能やカスタマイズ性を犠牲にすると、将来的に必要な機能が不足し、成果が上がらない場合もあります。

総合的な視点で、初期費用以外にかかるランニングコストや機能、カスタマイズの柔軟性、将来のスケーラビリティを考慮しましょう。

2.対応している決済方法を確認する

ECサイト構築サービスは、クレジットカードや代金引換、コンビニ決済など多様な決済方法に対応しているものを選びましょう。ECサイトの利便性や信頼性に、決済方法が大きく影響します。

また、手数料やセキュリティなどの条件はサービスによって異なるため、自社の商品や顧客の嗜好に合わせて、対応決済方法の種類や条件を比較するようにしてください。

3.セキュリティの安全性を考慮する

ECサイトは個人情報を取り扱うため、セキュリティ対策が欠かせません。個人情報には氏名や住所、連絡先、クレジットカード情報などが含まれ、情報漏洩は大きな損害を引き起こす可能性があります。

したがって、選択したサービスがどのようなセキュリティ対策を実施しているのか確認し、社内のスタッフにも情報漏洩のリスクを認識させることが大切です。

ECサイトの比較でよくある3つの質問

最後に、ECサイトの比較でよくある質問について解説します。

  • 質問1.ASPカートを利用する際のメリット・デメリットは?
  • 質問2.モール型を利用する際のメリット・デメリットは?
  • 質問3.ECパッケージを利用する際のメリット・デメリットは?

それぞれについて詳しくみていきましょう。

質問1.ASPカートを利用する際のメリット・デメリットは?

ASPカート利用のメリットとして、初期費用や月額コストの低さがあります。無料で使えるものも多く、ECサイト立ち上げに必要な基本機能が備わっているため、専門知識がなくても簡単にECサイトが開設可能です。

しかし、デメリットとして、デザインの自由度が低く、カスタマイズが限られている点が挙げられます。また、決済手数料が高く、会員数やアイテム数の制限がある点もデメリットです。

質問2.モール型を利用する際のメリット・デメリットは?

モール型を利用するメリットは、ECサイトをゼロから構築する必要がない点です。モール型では、すでに設定されたプラットフォームで、容易に出店が可能です。また、決済システムや集客活動もモール側が担うため、個別の店舗運営者はこれらの面での手間を省けます。

しかし、デメリットとして、ショップの仕様やデザインに関して柔軟性が低い点が挙げられます。また、モールの規定に沿った運営が求められるため、独自性を出すのが困難です。

さらに、広告費や手数料などについても考慮する必要があり、これらの追加費用は利益に影響を与える可能性があります。

質問3.ECパッケージを利用する際のメリット・デメリットは?

ECパッケージを利用するメリットは、デザインの自由度の高さと低コストである点が挙げられます。既存のフレームワークに、必要な機能を追加して独自のECサイトが構築可能で、ほかのシステムとの連携も容易です。

しかし、デメリットとして、サーバーの構築やインフラ面での準備が必要となります。さらに、バージョンアップやカスタマイズには手間がかかり、これらの作業に対応するための技術的な知識やリソースが求められます。

ECパッケージは、自由度と低コストを提供する一方で、運用における手間や技術的な要求が伴うため、その点を考慮しなければなりません。

まとめ

この記事では、ECサイトの分類や構築方法、おすすめの構築サービス、構築サービスを比較する際のポイントについて解説しました。

ECサイトを構築する場合は、ASPやECモール、オープンソースなど多様な構築方法が存在します。また、それぞれのサービスを展開している企業も多数あるため、多角的にこれらのサービスを比較して、自社に合ったものを慎重に選ぶようにしてください。

なお、ECサイトの比較や立ち上げでお困りの場合は、ECサイトの支援実績が豊富なジャグーまでご相談ください。
ジャグー株式会社