「ECサイトを作ろう」と検討する場合、自社に適した構築方法を選ばなければなりません。

この記事では、EC事業のサポート実績が豊富にあるジャグーがECサイトの構築方法や立ち上げ手順、事業成功のポイントについて解説します。

自社でECを運営しようと検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

ECサイトを立ち上げる際の2つの構築方法

ECサイトを立ち上げる構築方法には、以下の2つが挙げられます。

  • モール型
  • 自社サイト型

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。

1.モール型

モール型ECとは、楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonなどの大手ECモールに自社のネットショップを開設する方法です。この方式のメリットは、ECモール自体の高い集客力とブランド力を活用できることにあります。また、サイト構築に関するコストが比較的抑えられ、設定作業が少ない点もメリットです。

しかし、モールのブランド力に依存すること、運営ルールに制約されることや独自性の出しづらさがデメリットとして挙げられます。

また、競合が多いモール内での差別化が難しく、ロイヤリティや月額使用料などの維持コストがかかることも注意が必要です。

2.自社サイト型

自社ECサイト型は、独自のECサイトを立ち上げる方法です。「ユニクロ」や「ニトリ」のような企業が具体例として挙げられます。この方式の最大のメリットは、ブランド構築の自由度が高いことです。サイトのデザインや機能、販売ルールや更新方針などを完全にコントロールできます。

自社のブランド力を高められますが、モール型とは異なり、集客対策が欠かせません。自社ECサイトは、自分たちの路面店を持つような形態であり、自由度の高さと同時に集客の課題が伴います。

1.オープンソース型

オープンソース型は、インターネット上から無償で利用できるソフトウェアを使用してネットショップを構築する方法です。代表的な例として「EC-CUBE」があります。この方式のメリットは、比較的低コストでサイト構築が可能であり、高い自由度で独自のECサイトをデザイン・カスタマイズできることです。

しかし、デメリットとして、バグや不具合が発生した場合、自社で解決する必要があります。また、セキュリティリスクが存在し、サーバー管理など専門的な知識が必要です。このため、オープンソース型ECサイトを立ち上げるには、知識と経験がある技術者の存在が欠かせません。

2.クラウド型

クラウド型ECサイトは、クラウド上のプラットフォームを活用して構築するサービスです。これはASP型よりもカスタマイズの自由度が高く、システム連携が可能な点が特徴です。代表的なプラットフォームには「commerble」や「aishipR」があります。クラウド型のメリットには、カスタマイズ性、充実したサポート、定期的なシステムアップデートが含まれます。

しかし、ASP型と比較して、導入や運用のコストが高くなる点がデメリットです。ASPの拡張性の欠如や外部連携の問題点を克服しているため、導入コストは数百万円程度となり、主に大手企業向けのシステムです。

3.パッケージ型

パッケージ型は、既存のフレームワークをベースにしてカスタマイズが可能な手法です。この方法は、カート機能、受注・売上管理、顧客管理など必要な機能を包括し、特に中規模から大規模のECサイト構築に適しています。代表的なプラットフォームには「ecbeing」や「ebisumart」があります。

この手法のメリットは、高い柔軟性と拡張性、他システムとの連携可能性、自由度の高いサイトデザインです。一方で、デメリットとしては、オープンソースやASP型に比べ高額な導入コストが挙げられます。また、希望のカスタマイズが難しい場合もあり、システム開発者以外では部分改修ができない点や、提供事業者への依存が大きくなることも問題です。

4.フルスクラッチ型

フルスクラッチ型ECサイト構築は、既存のプログラムを使用せず、ゼロからオリジナルのサイトを作成する方法です。この手法は独自性の高い、大規模なサイトに適しており、小規模なサイトには不向きだといえます。

この方法のメリットは、要件に完全に合致したサイトの構築と柔軟な仕様変更が可能である点です。しかし、開発には多額の費用と時間がかかります。開発コストは最低でも数百万円程度を見込む必要があり、専門的なシステム開発会社に外注することが一般的です。フルスクラッチ開発に長けた企業としては「株式会社イーストクリエイティブ」や「株式会社エスシステム」があります。

5.ASP型

ASP型は、アプリケーションサービスプロバイダが提供するレンタル形式のサービスです。この方式では、専門的な知識がなくてもECサイトを容易に運営できます。構築費用が抑えられ、プロバイダによるサポートが充実している点がメリットです。

しかし、機能や容量に制限があり、外部との連携やデザインの自由度、カスタマイズ性が低いため、他社との差別化が難しいデメリットもあります。「カラーミーショップ」、「MakeShop」、「futureshop」などが代表的なASP型カートです。月額使用料は無料から数万円の範囲で、実装したい機能によって選択することが重要です。汎用性が高く利用しやすいため、近年では多くの企業がASP型カートを選択しています。

また、ECサイトの作り方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【初心者必見】ECサイトの主な作り方は5つ|選ぶ際のポイントや代表的なサービスを徹底解説!

ECサイトの立ち上げ手順は7つ

ECサイトの立ち上げ手順には、以下の7つが挙げられます。

  • コンセプトの定義
  • 要件の定義
  • プラットフォームの選定
  • 決済手段の決定
  • サイトデザインの制作
  • 商品登録
  • 運用開始

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。

1.コンセプトの定義

ECサイト構築の初期段階で最も重要なのは、サイトのコンセプトを明確に定義することです。これには、サイトの目的、目指すサイトの種類、提供したい価値など、事業の根幹を形成する要素の確定が含まれます。コンセプトが不明確だと、工程に遅れが生じたり、期待と異なるサイトが出来上がるリスクがあります。

また、世界規模での競合の増加に対応するため、競合分析し、自社の独自性やセールスポイント、ブランドイメージの強化が欠かせません。また、中長期的な事業計画の立案も重要で、その中でEC事業の成長戦略を検討する必要があります。

最終的には、ターゲット層や競合を分析し、自社ECサイトを特徴づける「コンセプトキーワード」を通じてブランドイメージの構築をすることが重要です。

2.要件の定義

ECサイトの構築では、コンセプトが定まった後に、必要な機能やシステムの詳細を細分化していくことが重要です。この段階では、予算や期間といった実際の条件を考慮し、開発者との齟齬がないように丁寧な打ち合わせが求められます。

期待する機能や要件を明確にすることで、あとから「欲しい機能が足りない」のような事態を避けられます。効果的な要件定義のためには、実際の業務フローの具体的なイメージ作り、競合サイトの分析、中長期的な視点を持つことが重要です。

3.プラットフォームの選定

ECサイト構築におけるプラットフォームの選定は、コンセプトと要件が固まった後の重要なステップです。選択肢としては、モール型か自社EC型を選ぶことが挙げられます。

自社EC型の場合はASP型、オープンソース型、パッケージ型などのなかから適切なシステムを選びます。この段階では、複数のカートシステム会社から相見積もりを取ることが重要です。初期費用や機能面、サポート面の条件は会社によって異なるため、慎重に比較検討する必要があります。機能充実度や事業拡大に伴うカスタマイズ性、拡張性も選定基準として重視し、費用対効果を検討することで、最適なプラットフォーム選びにつながります。

4.決済手段の決定

ECサイトの成功には、多様な決済手段の提供が欠かせません。利用者が好みの決済方法を見つけられない場合、サイトから離脱する傾向があり、これがカゴ落ちやユーザーの離脱を引き起こす主な要因となっています。

近年ではクレジットカードだけでなく、PayPayやAmazon PayのようなID決済が人気を集めており、ユーザーの求める幅広い決済手段を提供することが、ECプラットフォーム選定の重要な視点です。決済手段の豊富さは、ユーザー体験の向上と売上増加に直結するため、慎重な選定が求められます。

5.サイトデザインの制作

ECサイトのデザイン制作では、コンセプトとのバランスを考慮したユーザー中心のデザインが重要です。サイトの見た目は重要ですが、より大切なのは使い勝手と情報の分かりやすさだといえます。

見た目が良くても、使いにくいデザインや情報が溢れているサイトは、ユーザーの離脱を招くおそれがあります。自社のブランドイメージとユーザーの利便性を考慮し、デザインを決定することが重要です。この段階で、サイトの目的やコンセプトを実現しつつ、ユーザーの利用しやすさを最優先に考えることが、リピーターを増やす鍵となります。

6.商品登録

ECサイトのデザインが完成したら、次は商品登録の工程です。この段階では、商品の画像や説明文を事前に準備し、CSVデータなどを用いて一括登録する方法が効率的だといえます。登録作業においては細心の注意を払い、価格の誤りや商品説明の不一致などのミスがないように注意してください。

これらのミスはクレームの原因になり得ます。また、管理画面の操作に不明点が生じた場合は、サポートを利用することが重要です。このため、サポート体制が充実しているカートシステム会社の選定を選ぶようにしてください。適切なサポート体制は、スムーズな商品登録と運営の安定につながります。

7.運用開始

ECサイトのオープンが完了しテスト注文に問題がなければ、運用開始です。この段階で重要なのは集客活動となり、メールやSNSでの事前告知やプレスリリースを打つことで、サイトの認知度を高める努力が欠かせません。

ただし、オープン直後にすぐにユーザーが訪れるわけではないため、根気強い集客戦略が求められます。また、運用開始後は予期せぬトラブルが発生することも多いため、社内マニュアルの作成やカートシステム会社からのトラブル共有などの準備を怠らないことが大切です。

EC事業を成功させるための3つのポイント

EC事業を成功させるためのポイントには、以下の3つが挙げられます。

  • 目標の実現に適したパートナーを選ぶ
  • 事業計画を綿密に立てる
  • 信頼できるチームを作る

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。

1.目標の実現に適したパートナーを選ぶ

ECサイト構築にあたり、自社の目標、計画、予算に適した方法とパートナーの選定が重要です。レンタルカートやモール型は手軽で集客力がありますが、長期的な独自性の確立や顧客データの所有には向きません。

小規模事業者には、コスト面で有利なASP型やオープンソースがおすすめです。とくにオープンソースは、ASPでは不可能な自由度の高いデザインや機能のカスタマイズができ、長期的なサイト運営に適しています。自社のEC事業の目的や計画に沿った適切なプラットフォーム選定が、ECサイトの成功に繋がる重要なポイントです。

これからECサイトを立ち上げようと検討している方は、サポート実績が豊富にあるジャグーへご相談ください。
ジャグー株式会社

2.事業計画を綿密に立てる

EC事業を始める際は、外観や商品のみならず、集客、マーケティング、ブランディングといった計画も重要です。短期的な目標に囚われず、事業の成長や市場の変化に合わせた長期的な計画を立てる必要があります。

初期段階だけでなく、将来の展望を踏まえた綿密な事業計画を立てることで、急な成長や市場変動にも柔軟に対応可能です。自社の現状を正確に把握し、先を見越した計画を策定することが、EC事業の成功の鍵となります。

3.信頼できるチームを作る

EC事業を成功させるためには、信頼できるチームの構築が不可欠です。個人事業主でも、サイト構築や商品手配などさまざまな業務で多くの人と関わるため、共通の価値観や考え方を持つチームが欠かせません。

価値観の共有によって、チーム内の結束は強まり、新しいアイデアや逆境を乗り越える力が生まれます。また、外注先や取引業者とも価値観を共有することで、予期せぬ事態や変化にも協力し合える関係を構築可能です。コストや内容と同様に、チームの価値観や考え方の共有は、事業の基盤となる重要な要素だといえます。

ECサイトの立ち上げにかかる期間や費用相場

ECサイトの立ち上げにかかる期間や費用相場をそれぞれに分けて解説します。詳しくみていきましょう。

1.期間

ECサイト立ち上げの期間は、使用するサービスによって異なります。無料サービスを利用する場合、最短1〜2時間でサイトが立ち上げられます。

一方、有料サービスではデザインのカスタマイズや機能設置に約1ヶ月程度かかることが一般的です。オープンソース型やパッケージ型は詳細なカスタマイズが必要なため、3ヶ月から半年の期間を見なければなりません。

最も時間がかかるフルスクラッチ型は、ゼロからの構築のため数年を要する場合もあります。これらを考慮して、サイト立ち上げの計画を立てるようにしてください。

2.費用

費用の目安については、以下のとおりです。

構築方法初期費用
オープンソース型数十万円〜
クラウド型数百万円〜
パッケージ型数十百万円〜
フルスクラッチ型数千万円〜
ASP型0〜20万円

ECサイト構築の費用は選択する構築方法によって大きく異なり、予算に合わせた最適なECサイト構築方法を選ぶことが重要です。

また、ECサイト制作の費用相場については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【方法別】ECサイト制作の費用相場を徹底解説|見積もりを取る前に確認すべきポイントもご紹介!

ECサイトの立ち上げでよくある3つの質問

ECサイトの立ち上げでよくある質問には、以下の3つが挙げられます。

  • 質問1.ECサイトを立ち上げるメリットは?
  • 質問2.販売チャネルの選び方は?
  • 質問3.ECサイトの立ち上げで申請できる補助金は?

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。

質問1.ECサイトを立ち上げるメリットは?

ECサイトを立ち上げるメリットには、以下のようなものが挙げられます。

  • 運営コストが安い
  • 実店舗販売より低コストではじめられる
  • 販売の機動力・瞬発力・修正力が高い
  • 地域や時間の制限がない
  • 事業者としての信頼を得られ宣伝効果がある
  • 異業種・新たな商材への参入が簡易
  • 若手社員の登用と社内活性化

これらの点から、ECサイト立ち上げは多くのビジネスチャンスを提供し、組織の成長に貢献するといえます。

質問2.販売チャネルの選び方は?

販売チャネルを選定する際、以下のポイントを意識してください。

  • 自社の予算・状況に合ったチャネルを選ぶ
  • サポートの有無
  • 事業拡大など将来を考慮・計画する

大手ECモールの利用や自社ECのいずれにせよ、事業の予算や現況に合わせて選ぶことが重要です。また、事業の拡大や将来の計画を考慮し、長期的な視点での選定が求められます。

質問3.ECサイトの立ち上げで申請できる補助金は?

ECサイトの立ち上げで申請できる補助金には、以下のようなものがあります。

  • IT導入補助金
  • 事業再構築補助金
  • 自治体によるIT補助金

補助金の申請条件や補助内容はそれぞれ異なるため、具体的な情報を事前に確認し、適切なものを選ぶことが重要です。これらの補助金を活用することで、ECサイトの立ち上げコストを抑えられます。

また、事業再構築補助金については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【2023年最新版】事業再構築補助金とは?概要や採択率、申請から受給の流れをわかりやすく解説!

まとめ

ECサイトの構築方法や立ち上げ手順について解説しました。ECサイトを立ち上げる場合、自社がかけられる費用や目標とする売上から最適な構築手段を選ばなければなりません。

また、事業を成功させるにはパートナー選びや緻密な事業計画、チーム作りが必要です。もしも、知見やリソースが不足しており、事業計画を立てられなければ、ECサイトのサポート実績が豊富にあるジャグーへご相談ください。
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