「新規が増えない」「認知が低い」楽天で店舗運営をしていると、このような悩みを抱えてしまうことはよくあります。その課題を解決するには、定期的に開催されるキャンペーンを上手に活用することです。そこで本記事では、新規顧客数を増やす効果がある「お買い物マラソン」について詳しく解説します。
楽天市場のお買い物マラソンとは?
「お買い物マラソン」は、楽天市場で開催されるユーザーにとってとてもお得なキャンペーンのひとつです。楽天市場に出店しているあらゆるショップにおいて、定められた期間内に買い物することにより、最大10倍の楽天ポイントを獲得できます。
楽天ユーザーがお買い物マラソンに参加する場合、サイトから以下の手順を踏みます。
- お買い物マラソンにエントリーする
- 期間中に買い物する(複数店を買い回る)
- 店舗数に応じてポイントアップ特典が受けられる
注意点としては、お買い物マラソンで1店舗とカウントされるには、税込1,000円以上の買い物をしなければなりません。1,000円未満の買い物は対象外です。
また、楽天ポイントを使用した場合においても、1,000円以上の注文金額ならカウントの対象となります。ポイント倍率は買い物をした店舗数と比例し、具体的な倍率については、以下の通りです。
- 1店舗目:通常倍率
- 2店舗目:2倍
- 3店舗目:3倍
- 4店舗目:4倍
- 5店舗目:5倍
- 6店舗目:6倍
- 7店舗目:7倍
- 8店舗目:8倍
- 9店舗目:9倍
- 10店舗目:10倍
楽天スーパーセールとの違い
お買い物マラソンは「ショップ買いまわり」をすることによって、最大10倍のポイントアップが狙えるキャンペーンです。ほぼ毎月のように開催されています。
しかし、同じ方法でお得になるセールとして「楽天スーパーセール」も挙げられます。こちらもショップ買い回りをすることで最大10倍のポイント倍増があるイベントです。この2つのセールの違いは、以下の表を参照してください。
セール名 | 楽天スーパーセール | お買い物マラソン |
頻度 | 年に4回 | ほぼ毎月 |
割引率 | 高い | 低い |
ポイント倍率 | 最大10倍 | 最大10倍 |
ポイント上限 | 7,000 | ー |
お買い物マラソンの開催時期
お買い物マラソンの開催時期は、過去の事例を見ると12月を除くほぼ毎月開催されています。基本的には、1ヶ月に1回の頻度となりますが、月の前半と後半にお買い物マラソンがそれぞれ開催されることもあります。
また、お買い物マラソンが実施される期間については、開催されるごとに異なり、4〜7日と幅が見られるようです。
楽天市場のお買い物マラソンで理解すべき3つの特徴
楽天市場のお買い物マラソンで理解すべき特徴には、以下の3つが挙げられます。
- ユーザーの多くはポイント倍率アップを狙っている
- 購入ショップ数を稼げる低単価商品が主軸商品となる
- 新規顧客の獲得や転換率の向上を狙う必要がある
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.ユーザーの多くはポイント倍率アップを狙っている
お買い物マラソンを利用するユーザーは、値下げで商品を購入するよりも、ポイント倍率をアップさせることを目的としています。「購入ショップが増えるほどポイント倍率がアップする」という性質上、本当に欲しい商品を買うよりも、ショップ数を増やして倍率を最大化させようとするユーザーがほとんどです。
つまり、お買い物マラソンのターゲットは、お得に多くのショップで買い物したいと考えるユーザーといえます。しかし、本命商品について事前にチェックしているユーザーも一定数いるため、買い周り対策をしながら、リピーターについては、販売品目を告知しておくことも重要です。
2.購入ショップ数を稼げる低単価商品が主軸商品となる
倍率アップを狙うため、利用ショップ数を稼ぐことがユーザーの目的となります。そのため、お買い物マラソンで主に売れるものは、ショップ数を稼ぎ出しやすい低単価商品です。
日用品・消耗品が中心となりますが、それ以外のアイテムでも1,000円にする・セール品とすれば購入してもらえる可能性が高まります。お買い物マラソンでは、手軽に買える商品をメインに売り出すことが基本的戦略です。
また、ある程度利益を落としても在庫や転換率が低い商品を売り出すことによって、集客はもちろん、クロスセル・アップセルを見込めます。
3.新規顧客の獲得や転換率の向上を狙う必要がある
お買い物マラソンは、低単価商品を中心に販売することは先にご紹介した通りです。そのため、売上を高めるよりも、新規獲得や転換率向上を目的としてください。
手軽に買える商品を通じて、これまで利用したことがなかったユーザーを顧客にする・転換率を高めて検索順位をアップさせます。そのため、売上を指標とするのではなく、顧客獲得率・転換率に注目して戦略を立ててください。
また、リピーター対策を講じることにより、お買い物マラソン終了後も継続して購入してもらえるような施策を実施する必要があります。つまり、長期的な視点に立ってお買い物マラソンを利用することが重要です。
楽天市場のお買い物マラソン攻略法10選
ここでは楽天市場のお買い物マラソン攻略法を10選紹介します。
- 攻略法①1,000円(税込)の商品を用意する
- 攻略法②お買い物マラソンの対象となるクーポンを発行する
- 攻略法③店舗独自のポイントアップを実施する
- 攻略法④メルマガを配信する
- 攻略法⑤商品名や商品画像を変える
- 攻略法⑥SNSで発信する
- 攻略法⑦バナーを設置する
- 攻略法⑧広告・SEOで露出を増やす
- 攻略法⑨他のキャンペーンとの相乗効果を狙う
- 攻略法⑩特集ページを用意する
それぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
攻略法①1,000円(税込)の商品を用意する
買いまわり対策として、もっとも有効なのは税込1,000円の商品を用意することです。お買い物マラソンのポイントアップ対象となるのは1店舗につき1,000円以上の利用となるため、ユーザーの目的に合った商品となります。
ショップとしても在庫処分したいアイテムなどがあれば、積極的に販売できる機会です。また、低単価商品でもセットとして売り出し、税込1,000円となる商品をたくさん用意することが重要といえます。
攻略法②お買い物マラソンの対象となるクーポンを発行する
お買い物マラソンの効果を最大化するには、クーポン発行は有効な手段です。クーポンを発行することによって、ポイント倍率アップ+αのお得感をユーザーに与えられます。
また、発行クーポンによっては、リピーター獲得も期待できます。お買い物マラソンで発行するクーポンの種類は、以下のようなものです。
- スタートダッシュクーポン:「イベント開始直後2時間限定」など、商品の訴求力を高める
- 条件付き配布型クーポン:「まとめ買いで○%OFF」など、複数商品を訴求できる
- サンキュークーポン:次回以降利用できるクーポンを配布することにより、リピーター獲得を狙う
攻略法③店舗独自のポイントアップを実施する
お買い物マラソンに参加している数多くのショップ・アイテムから選ばれるには、店舗独自のポイントアップ・付与施策が重要です。他の店舗も、上乗せしなければユーザーを取られてしまうと対策していることが多い傾向にあります。
しかし、独自にポイントアップする場合、店舗が原資を負担しなければなりません。そのため、売り出したい商品は利益を確保できるものに絞ることが重要です。
攻略法④メルマガを配信する
お買い物マラソンは、新規を獲得するチャンスです。しかし、現在の顧客や前の購入から期間が空いている顧客と接点を持つ機会ともなります。
メルマガ会員となっているユーザーは、店舗で取り扱っている商品に関心があると考えられるため、お買い物マラソンの告知解禁を待ってメルマガを配信すると効果的です。注意点としては、情報「解禁前にメルマガを配信しないようにすることが挙げられます。
なお、以下の記事ではメルマガの効果を高める施策について解説しているため、あわせてご覧ください。
⇒【2023年最新】楽天メルマガの効果を高める10のコツ|活用するメリットや注意点についても徹底解説!
攻略法⑤商品名や商品画像を変える
税込1,000円の商品や独自ポイント企画、クーポンの準備をしたら、商品名に反映させてください。たとえば、以下のように表記することが有効です。
- 【ポイント〇倍!】
- 【1000円ポッキリ!】
- 【お買い物マラソン限定】
さらに、商品画像についても別途用意するとより効果を高められます。一目見ただけで、お得さが伝わるように工夫することによって、競合商品に埋もれることがなくなります。
攻略法⑥SNSで発信する
既存顧客向けの対策としては、メルマガ・SNSを活用して、イベントを告知することです。そうすることで、より販促効果を高められます。
お買い物マラソンは、ポイントアップのためにたくさんの店舗で買い物する人が増えますが、きちんと告知することによってそのうちの1店舗として選んでもらえることが期待できます。具体的な告知時期と方法は、以下の通りです。
- 告知解禁:スタートダッシュクーポンの配布
- 期間中:スタートダッシュクーポンの利用開始を伝える
- 終了間際:期間終了が近いこと、まだ残っている商品を紹介する
注意点としては、メルマガ枠はすぐに埋まってしまうため、早いタイミングで確保しておくことが挙げられます。
攻略法⑦バナーを設置する
楽天から配布されるバナーをまずは設置してください。バナーを設置することによって、お買い物マラソンに参加している店舗だとユーザーから認知してもらえます。
しかし、これだけではユーザーがショップに訪れるメリットを訴求することは難しいかもしれません。そのため、店舗としても独自の施策を打ち出し、ユーザーへ訴求することが選んでもらうために重要なことだといえます。
攻略法⑧広告・SEOで露出を増やす
広告・SEO対策を実施することにより、露出を増やすことも有効な手段です。広告は、SEO対策と異なりプロモーション費用を必要としてしまうものの、賢く利用すれば、時間的コストを圧縮しながら認知してもらえることにつながります。具体的には、以下のような取り組みが有効です。
- RPP広告:お買い物マラソン期間中のみCPCを5〜10円上げる
- ターゲティングディスプレイ広告:お買い物マラソンに関心が高いユーザーを設定する
- 楽天スーパーDEAL:掲載期間をお買い物マラソンに合わせて設定する
また、広告の種類が多くてどのような対策を取ればよいかわからないという、運営者もいるかもしれません。その場合、楽天市場の運営に強みがあるジャグーがご提供する「広告運用プラン」がおすすめです。
攻略法⑨他のキャンペーンとの相乗効果を狙う
効率的にお買い物マラソンで新規顧客を獲得するには、他のキャンペーンと重なるタイミングを狙うと有効です。開催頻度が月に1回以上の「お買い物マラソン」対策に全力を尽くすのは難しいことだといえます。
特に、5と0がつく日はお買い物マラソンと重なることが多く、告知や広告するベストタイミングです。また、リピート購入ポイント2倍キャンペーンも重なることが多く、リピーターを狙って訴求してみてもよいかもしれません。
攻略法⑩特集ページを用意する
お買い物マラソン用のバナー及び、特集ページを用意するのも有効です。まず、バナーを設置することにより、お得感が伝わりやすく、特集ページで対象商品を表示することによって、クロスセル・アップセルを期待できます。
また、1,000円商品やショップ独自ポイント、クーポンなどでショップページまで来てもらえたら、特集ページで売り出したい商品への回遊を狙うことが基本戦略です。楽天市場のお買い物マラソンはもちろんのこと、各セールに関する攻略法は楽天市場の店舗運営支援に強みがあるジャグーにぜひご相談ください。
楽天市場のお買い物マラソン攻略でよくある3つの質問
楽天市場のお買い物マラソン攻略でよくある質問には、以下の3つが挙げられます。
- 質問1.楽天市場のお買い物マラソンを攻略するコツは?
- 質問2.楽天市場のお買い物マラソン後にやるべきことは?
- 質問3.楽天市場のお買い物マラソンに参加するユーザーの特徴
ここではそれぞれの質問について解説しますので、詳しく見ていきましょう。
質問1.楽天市場のお買い物マラソンを攻略するコツは?
楽天市場のお買い物マラソンを攻略するコツには、以下のようなものが挙げられます。
- 1,000円程度の低単価商品をたくさん用意する
- 日持ちし、買っておいても邪魔にならないアイテムを選ぶ
- リーズナブルな商品をセット販売し、1,000円以上の商品を作る
お買い物マラソンは、高単価の商品を売ることよりも、買いやすい商品の露出を増やし、たくさんのユーザーと接点を増やすようにすることが基本戦略です。
質問2.楽天市場のお買い物マラソン後にやるべきことは?
お買い物マラソン開催中に新規顧客を獲得したら、リピーターになってもらえるように育てることが重要です。基本的な施策としては、メルマガ告知や定期的にクーポン配布することによって再度購入してもらうように取り組みます。
お買い物マラソンは、自店舗の認知拡大を図り、顧客になってもらうための機会と捉えて効率的に施策を実施してください。
質問3.楽天市場のお買い物マラソンに参加するユーザーの特徴は?
お買い物マラソンに参加するユーザーの特徴は、普段購入している商品をお得に買いたい・可能な限り多くの店舗で買い物したい人が多い傾向です。
お買い物マラソンは、購入店舗数に応じて還元されるポイント倍率が高まるキャンペーンとなり、複数店舗で買い物することで、ポイント還元を狙うユーザーがメインターゲットとなります。
まとめ
楽天お買い物マラソンの攻略について解説しました。お買い物マラソンは、可能な限り新規顧客との接点を増やすように戦略を立てることが重要です。そのため、商品価格1,000円〜のものを中心に組み立て、告知方法についても工夫してみてください。
もしも、お買い物マラソンの戦略構築を自社だけで対応できない場合、楽天市場に強みがある外注業者へ相談してみてはいかがでしょうか。なお、弊社「ジャグー株式会社」では、毎月10社限定のサイト分析を実施しており、御社の課題を明確化することができます。気になる方は、ぜひ下記リンクからお問い合わせください。