この記事の監修者

粟飯原 匠 |CEO

ベンチャーやスタートアップにて新規事業のマーケティング・セールスを担当し年商5億円までのグロースを経験。PENGIN Inc.を創業し、現在は上場企業やレガシー産業のマーケティング戦略の立案〜実行支援までを担当。

BtoBサイトを公開しているのに、ほとんど問い合わせが来ない。こうしたとき、最初に「CTAを増やす」「フォームを短くする」といった施策を考えることがあります。

しかし、問い合わせが来ない原因はCTAだけとは限りません。そもそも対象となる人がサイトへ来ていない場合もあれば、アクセスはあるものの「自社に関係するサービスだ」と理解されていない場合もあります。

PENGINでは、問い合わせが少ない状態をまず次の3段階に分けます。

  1. 対象者が来ているか
  2. 自分向けのサービスだと理解できるか
  3. 次の行動に進めるか

重要なのは、問い合わせが来ないという結果から、原因を一つに決めつけないことです。数字と実際のページ、営業現場の情報を合わせて、どこから調べるべきかを絞ります。

BtoBサイトに問い合わせが来ない原因を、対象者が来ているか、自分向けと伝わるか、次の行動に進めるかの3段階で確認し、CTAだけを原因にしない診断フロー。
PENGIN整理。問い合わせ不足を、流入・訴求・行動の3段階に分けて確認します。

1. そもそも対象となる人がサイトへ来ているか

問い合わせ数は、サイトへ来る人の数と無関係ではありません。極端にアクセスが少なければ、ページのCVRだけを改善しても問い合わせ件数は増えにくくなります。

たとえば月20回しか対象ページが見られず、仮に100回の訪問に対して1件問い合わせが発生する状態なら、単純計算では1件の問い合わせを得るまで平均5か月分の訪問が必要です。

これは「CVR1%が標準」という意味ではありません。母数が小さいと、率だけを改善しても絶対件数が増えにくいことを示すための計算例です。実際には商材、チャネル、CV地点によって数値は変わります。

さらに重要なのは、アクセスの“量”だけでなく“中身”です。

  • 自社が支援できる企業が来ているか
  • 商材に関係する検索テーマから流入しているか
  • 求職者・既存顧客・情報収集だけの閲覧が混ざっていないか
  • 広告やSNSから来た人と、指名検索の人を同じものとして見ていないか

アクセスが増えても、対象顧客と関係のない流入が中心なら、問い合わせ率は下がることがあります。

サイト全体のCVRをより詳しく診断する場合は、BtoBサイトのCVR改善方法で、流入品質を含む5層診断を解説しています。

2. アクセスはあるが「自分向け」と伝わっていない

対象となる人が来ているのに問い合わせにつながらない場合は、ページの訴求を確認します。

BtoBサイトでは、訪問者が短時間で次のような疑問に答えられるかが重要です。

  • 誰向けのサービスか
  • どのような課題を解決するのか
  • 何をどこまで支援するのか
  • 他の選択肢と比べるときの判断材料は何か
  • 実績や支援内容を信頼できる根拠があるか

「高品質」「伴走支援」「課題解決」といった言葉だけでは、自社に合うか判断できないことがあります。

ここで役立つのが、営業や問い合わせの記録です。

実際に受注した企業が何を評価していたのか。問い合わせ時にどんな課題を書いていたのか。失注した企業は何を不安に感じていたのか。CRMや商談メモ、問い合わせフォームの相談内容には、サイトの訴求を見直す材料があります。

PENGINでは、サイト上のコピーを考えるときに、社内で作った理想的な言葉だけでなく、顧客が実際に使った言葉を確認することを重視します。

ただし、問い合わせ内容や商談記録には個人情報・機密情報が含まれる場合があるため、公開コンテンツへそのまま転記するのではなく、共通する課題や表現を整理して利用します。

3. 内容は伝わっているが、次の行動に進めない

サービス内容を理解した人がいても、その人に合う次の行動が用意されていなければ、問い合わせにはつながりません。

ここでは、CTAの数を増やす前に次を確認します。

  • 問い合わせ、資料請求、相談など、読者の検討段階に合う行動があるか
  • CTAを押すと何が起きるか分かるか
  • 記事やサービスページの内容と遷移先が一致しているか
  • スマートフォンでもCTAやフォームを使えるか
  • フォーム到達後に不要な入力負荷やエラーがないか

すでに具体的な相談をしたい人には問い合わせフォームが自然でも、まだ比較材料を集めている人には資料や事例の方が進みやすい場合があります。

SEO記事内のCTA設計はSEO記事のCTA設計、フォーム到達後の摩擦はEFOによるフォーム離脱の改善方法で詳しく解説しています。

「問い合わせが来ない」を数字だけで診断しない

アクセス、CTAクリック率、フォーム完了率などを分解すると、どこに問題がありそうかを絞りやすくなります。

ただし、数字が低い場所がそのまま原因とは限りません。

たとえばCTAのクリック率が低くても、記事を読んだ人の多くが情報収集段階なら、問い合わせCTAを強くすることが正解とは限りません。フォーム完了率が低くても、実は入力前の説明が不足し、対象外の人がフォームまで来ている可能性もあります。

GA4を使った計測とボトルネックの絞り方は、GA4でCVR改善を進める方法で整理しています。

アクセス、CTAクリック、フォーム完了、商談化の各段階で低い数字を見つけたとき、数値だけで原因を断定せず、流入、読者の状態、フォーム、営業接続を確認する4つの診断例。
数値は原因そのものではなく、調査対象を絞るための手がかりとして使います。

改善の優先順位は「事業成果への影響」で決める

問い合わせを増やす施策は、すべて同じ優先度ではありません。

PENGINでは、次の順番で考えます。

  1. 不具合や計測ミスがないか
  2. 対象となる流入が足りているか
  3. 訴求や情報が不足していないか
  4. 次の行動・CTAが適切か
  5. フォームなどの摩擦があるか

ただし、明確なボトルネックがすでに分かっている場合は、その箇所から改善します。

また、問い合わせ数だけでなく、有効な相談・商談・受注につながったかも確認します。問い合わせ件数を増やすために対象条件を曖昧にし、営業側に対象外の相談ばかり増えてしまえば、事業成果が改善したとは言いにくいためです。

まとめ|問い合わせが来ない原因を3段階に分ける

BtoBサイトに問い合わせが来ないときは、CTAやフォームだけを見るのではなく、

  1. 対象者が来ているか
  2. 自分向けだと理解できるか
  3. 次の行動に進めるか

の3段階で確認します。

そのうえで、流入、訴求、情報、CVポイント、フォームなど、最も影響の大きいボトルネックから改善します。

サイト全体の課題を体系的に整理したい方は、BtoBサイトのCVR改善方法をご覧ください。実際のサイトを分析し、改善箇所の優先順位を整理したい場合は、PENGINのサイト分析・改善支援をご確認いただけます。

よくある質問

Q.アクセスが少なければ、まずSEO記事を増やすべきですか?

A.

必ずしもそうではありません。対象顧客が検索するテーマがあるか、サービスページや実績ページを強化した方がよいか、広告・紹介・展示会など別チャネルが適しているかを確認します。記事数ではなく、必要な流入を増やせる施策を選びます。

Q.CTAはファーストビューに必ず置いた方がよいですか?

A.

一律には言えません。すでに相談したい人が多いページでは有効な場合がありますが、説明が必要な商材では、判断材料を見せることを優先する場合もあります。読者の状態とページの役割から決めます。

Q.問い合わせが少ないとき、何件あれば改善効果を判断できますか?

A.

一律の件数基準はありません。母数が少ないほど偶然の変動が大きくなるため、期間だけでなく流入数、対象企業の割合、問い合わせ内容、商談化まで合わせて評価します。

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